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ドナルドランド」を以下のとおり復元します。
*ドナルドランド
【どなるどらんど】
|ジャンル|アクション|&amazon(B003O1UBUG)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|データイースト|~|
|発売日|1988年1月29日|~|
|定価|5,500円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|キャラに頼らず歯応えのあるゲーム性を確立&br()良質なグラフィックとサウンド|~|

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#contents(fromhere)
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**概要
ハンバーガーチェーン店「マクドナルド」のイメージキャラクター、「ドナルド・マクドナルド」を主人公とした横スクロールのアクションゲーム。

//ドナルドが、悪魔軍団グモンに支配されたドナルドランドを冒険し、捕えられたり洗脳されりした仲間を助け出して平和を取り戻すという設定。全12面で、ステージは市街地、森林、沼地、古城、海中や空の上など、バリエーション豊か。西洋の絵本を思わせる色彩豊かでデフォルメの効いたグラフィックに、全体に落ち着きのあるBGMと、丁寧で質の高い演出を持つ。一部にホラー調の演出や、バカゲー要素もあり。
操作感に少しクセがあり、ジャンプ関連で習得必須のテクニックもあるため、ゲームの難度は高め。

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**システム
''基本操作''
-十字ボタン+2ボタン操作。ライフ制+残機制。各ステージ最奥にいるボスを倒す事でクリアとなる。
--Aボタンでジャンプ、Bボタンで''リンゴ爆弾''を投げ、障害物を越え敵を倒しながらステージを攻略する。
-ドナルドのステータスはステージクリア後も継続し、ライフも増減しない。例として初期ライフはMAXではなく、より高いライフの状態であればそのまま次ステージへ持ち越しとなる。
--また、ライフ制ではあるが、''敵と接触すると揉み合い(殴り合い)になり、ライフが1減る代わりに敵も倒すことができる''という特徴がある。このためザコ敵であれば同じ相手から二度ダメージを受ける事がないが、流石にライフ0の状態では相手に負けて死亡扱いとなる~
この手のアクションゲームとしては比較的珍しいシステムで、ドナルドのイメージに反して中々アグレッシブ。


''リンゴ爆弾''~
放物線を描いて飛ぶドナルドの武器。攻撃のみならずジャンプの飛距離の調整にも使う。
-投擲後、一定時間経過すると爆発する。爆発前はダメージを与えられない。
-接地または敵(の頭部)に接触すると、対象に吸着する。このため敵に当てられれば、一部例外を除き逃げられる事はない。
-投擲には移動の慣性が乗り、移動中・前ジャンプ中などに投げると、通常の投擲よりも遠くに投げられる。キー下入力との同時押しで下方へ投げられる。
-爆発はドナルド自身が巻き込まれてもダメージはない。
-自身が投げたリンゴ爆弾に「乗る」事が可能で、これを利用しないと越えられない場所も多い。
--テクニックに習熟すれば、投げた瞬間にジャンプ→乗ってさらにジャンプ、でより高く遠い距離を飛ぶ事が可能。爆発の瞬間にジャンプすればさらに飛距離を稼げる。

''アイテム''~
ステージにはパネルを模したアイテムが複数置かれている。
-ハートのパネル
--ライフを1増加する。
-リンゴ爆弾のパネル
--通常、画面上に1発までしか出せないリンゴ爆弾を2発まで出せるようにする。攻撃力に直結し、ジャンプ性能にも間接的に影響するアイテム。&br()取得後に一度でもダメージを受けると効果は消えてしまう。
-1UPパネル
--その名の通り残機数+1。

-ハンバーガーパネル
--通貨の役割を果たすパネル。ステージクリア毎にショップでマクドナルドの商品を買うことができ、一応何も買わずに直接アイテムショップに移動する事も出来る。上限99。&br()商品を買うとスクラッチのようなカードめくりゲームに挑戦できる。挑戦回数は個数や種類に依存する。&br()カードめくりゲームは6枚の伏せられたカードの中から、3枚だけある当たりのドナルドのカードをめくり続けるというもの。3枚全部ドナルドのカードをめくるか、ハズレのハンバーグラーのカードをめくると1ゲーム終了。ドナルドのカードを3枚めくると「1UP」、2枚で「ハート」、1枚で「リンゴ爆弾」がもらえる。ドナルドを一枚も引けないと何ももらえないが、その回数分だけその後に現れるアイテムショップでの販売品(上記三種)の価格が半額になるため、運が良ければ(悪ければ?)普通に買うよりも安く済む。

-バリューセット
--ハンバーガー、フライドポテト、マックシェイクを一緒に買う(現代で言うバリューセット相当、本作販売時はまだセットメニュー名としては存在していなかった)と、後で販売されるアイテムの値段が割引される。

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**評価点
-アクションゲームとしてしっかりとした品質を持つこと。難度は高めだが、致命的なバグなどは少なく((海中面で地形ハマリに近い状態になることはある。))、高い完成度を持つ。
--年代的には''かの『[[ロックマン2>ロックマン2 Dr.ワイリーの謎]]』や『[[スーパーマリオブラザーズ3]]』よりも前''であり、実はアクション性やグラフィックレベルは相当高い部類に入る。
-良質なグラフィックとサウンド。独特の雰囲気を持つそれらの評価は高い。
--ただしホラー要素もあり。賛否両論点を参照。
--後に『メタルマックス』のBGMを手掛けることになる、酒井省吾氏によるBGMはなかなかの良曲揃い。後半のホラー要素も含め完成度も高く、ファミコン音源を上手く生かしたサウンドは地味ながら高評価。
---1面BGMは当時のマクドナルドCMソング「[[おいしい笑顔 マクドナルド>https://youtu.be/sbyU07ZVm14?t=93]]」のアレンジになっている。

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**賛否両論点
-ホラー調の演出がある。後半はかなり顕著。
--ステージ中にある顔のついた切り株の上に乗ると、''切り株の顔がニヤリと笑う''など、不気味な演出が多い。前半のステージならいかにもマクドナルドなワールドなのだが、後半の''深く暗い不気味な森の中で目を見開いてニヤリと笑う''のは完全にホラー。
--樹に限らず、後半ステージはホラー演出が凝っている。敵キャラクターは基本的にはコミカルなのだが、''立ち止まって暫くしていると背景の森(顔つき)の瞳が一斉に点滅し始めたり''、''黄土色の手が襲ってきたり''、''背景の目が見開いてこちらを見つめてきたり''する。音楽も怖い。
//--ネタにされやすい要素ではあるが、もともと絵本調のマクドナルドキャラを使うゲームで緊張感を高める手段としては、それなりに妥当な選択とも言える。暗い童話風の怖さ、不気味さであり、ゲーム美術としても、ファミコン時代なりによく作り込まれている。

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**問題点
//賛否点より問題点にあたるのでこっちに移動
-ポップな世界観に反して難易度が高め。習得必須のテクニックがあり、ジャンプにもかなりシビアなタイミングを要求されるポイントがある。アクションが苦手なプレイヤーには少々厳しい。
--ライフ制のゲームだが、ステージによっては落下による即死も多い。
--武器であるリンゴ爆弾は放物線上に飛ぶため敵に当て辛い。しゃがんだ状態でBボタンを押すと足元に、ジャンプ中に十字ボタン下+Bボタンで少し離れた場所に投げるというテクニックもあり、それらを駆使しなければ後半のボスが厳しいバランスとなっており、慣れていてもクリアは容易ではない。
--ドナルドのジャンプ力は高く、動き自体はかなり空中制御が利くタイプではあるのだが、クセの強い慣性がかかるため滑りやすく、微調整が難しい。足場の狭い場所では操作に苦しめられる。
--ミス時の復活タイプが「戻り復活」。ステージの頭まで戻されるため、苦手ステージは大きな壁となる
-ゲーム作品としての問題とは言い難いがゲームのテーマであるマクドナルドキャラクターの設定が日本基準ではなく海外(米国)基準で作られている。
--この為当時でも日本では一切存在を知らされていない海賊などが存在する為、日本向けソフトとしては適してない。それこそ本作の販売と共にそういった海外展開の紹介コラボなどを展開する事も可能だった筈だがそういった動きはゲーム側にもマクドナルド側にも一切無く、むしろこういったフランチャイズキャラクター内容は年を追う毎に減っていきドナルド自身も日本からは消えてしまった。

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//**バカゲー要素
//-リンゴ爆弾
//--本作のドナルドは上述の通り、''リンゴ爆弾を投げて攻撃する。''ドナルドの何をどう解釈すればこういう仕様になるのだろうか。この時代はそれこそキャラクターを借りた謎仕様だらけのソフトが氾濫していたので、考え方によっては刃物や銃が使われなかっただけマシかも知れないが。
//--とは言えハンバーガーを投げさせてもギャグである。「ドナルドの武器」を選定すること自体がそもそも難しくはある。
//---一応当時のメニューに「ホットアップルパイ」自体は存在する為爆弾のディフォルメされた外見からなんとかこじつけたのだろう。
//-無駄にカードの絵柄の完成度が高い
//-ドナルドの絵もハンバーグラーの絵も忠実に再現しているといえばその通りなのだが……。
//バカゲー呼ばわりされるほどとびぬけて馬鹿っぽいわけでもないのでco。バリューセットうんぬんはシステムの項目に移動。

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**総評
人を選ぶ要素や変な設定も一因かあまりヒットはしなかったが、歯応えのあるゲーム性に良質なグラフィック・サウンドを兼ね備え、佳作と呼ぶに足る品質を持っている。~
今では公式的にも姿を消したドナルド達マクドナルドメンバーの登場する貴重なゲームでもあり、デコらしい妙な力の入れ具合が結実したソフトと言える。

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**余談
-本作は[[酒井省吾氏が初めてゲーム業界で関わったゲーム>https://web.archive.org/web/20130611063305/http://www.gpara.com/contents/creator/bn_103.htm]]である。

-前述の通り、ステージクリア後、買った商品によってカードめくりゲームが出来るのだが、その絵柄が''妙にリアル''。

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