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【だうんろーど】

|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|?MbitHuカード|~|
|発売元|NECアベニュー|~|
|開発元|アルファ・システム|~|
|発売日|1990年6月22日|~|
|定価|6,800円|~|
|ポイント|ストーリー性重視のシューティング&br()Huカードの限界?に挑んだビジュアルシーン&br()シューティングとしてはやや単調で理不尽|~|

**概要
-当時はアーケードからの移植がメインだったNECアベニューが放った、同社初のPCエンジンオリジナル横シューティング。
-漫画「重機甲兵ゼノン」などの作者と知られる神崎将臣氏をキャラクターデザインに迎え、近未来を舞台に繰り広げられるハードなSFストーリーを売りとしているのが特徴。
-一人プレイ専用、全6ステージ(ステージによっては幾つかのエリアに分けられている)。

**主なルール
-使用コントローラーは十字キーにて自機の八方向移動。ボタンは各自、ウエポン(ショット)ボタンとサブウエポンボタンに使用する。他にSELECTボタンも使用対象に含まれる。
--ウエポンボタンで使用回数無制限のメインウエポンを放つ(オート発射)。サブウエポンボタンで使用回数ありのサブウエポンを放つ。
--SELECTボタンを押すと、自機のスピードを4段階から調整できる。
-各ステージを始める前に、自機のメインウエポンとサブウエポンを各一つずつ選び装備する事になる。サブウエポンに関しては搭載ストックがあり、撃つ度にそれが消費され0になると撃てなくなる。以下その詳細。
--メインウエポン系
---「ビームバルカン」…連射可能で攻撃範囲が広いショット。最大パワー状態では前方拡散型3方向 + 上下1方向づつ + 後方1方向のショットが撃てる。
---「レーザーキャノン」…若干隙があるが貫通力に優れるショット。最大パワー状態では前方直線型5方向 + 後方1方向のショットが撃てる。
--サブウエポン系
---「チェイサー」…単発では強くないが、連射可能で搭載ストックの多いホーミングミサイルを放つ。
---「クラッシャー」…搭載ストックは少ないが、一発で画面の大半を攻撃できるボンバーを放つ。
---「エネルギー」…自機の前後左右四隅のどこかにシールドを張り、それが敵などに触れると搭載ストックを消費してダメージを無効にできる。サブショットボタンを押す度にシールドの位置を変更できる(このサブウエポンのみボタンでは搭載ストックは消費されない)。
-ときおりアイテムの入ったカプセル型の敵が出現し、こいつを破壊すれば以下のアイテムのどれかが現れる。
--「ライフ回復」…自機シールド値を1回復。
--「武器回復」…サブウエポンの搭載ストックを完全回復。
--「レベルアップ」…メインウエポンのパワーを最大4段階まで上げる。
--「無敵」…一定時間自機が無敵になる。
--「敵全滅」…画面内の敵を全滅させる。
-本作はライフ制を採用している。自機にはシールド((サブショットのシールドとは無関係、以下「自機シールド」と表記する。))が存在し、ダメージをもらう度に自機シールドが消費されていく。自機シールド値が赤点滅(下記)状態でダメージをもらうとミス(ゲームオーバー)となる。また、自機が壁などにめり込むと一撃死してしまう。
--自機シールドは画面上部で色で表示されており、ダメージをもらう度に「緑(満タン) ⇒ 黄色  ⇒ 赤 ⇒ 赤点滅」と色が変化する。
--ダメージをもらう度に、自機シールド値と同時にレベルアップアイテムで上げたパワーが1ランク下がるペナルティがある。
--各ステージ/エリアをクリアすると、自機シールド値とサブウエポンの搭載ストックの両面が完全回復された状態で次場面に進める。また、レベルアップアイテムによるパワーランクはそのまま維持される。
--ゲームオーバー後はやられたエリアの最初からの再開ができるコンティニュー(無制限)が可能。通常ではエリア途中ではメインウエポンなどの選択はできないが、コンティニュー時は特別としてエリア途中でも選択の選び直しが可能となる。
---また、本作はパスワードコンティニューを採用している。パスワードはゲームオーバー時で毎回表示され、それをタイトル画面のパスワード項目で入力すればそのエリアからの再開ができる。

**評価点
-PCエンジンのHuカードシューティングとしては極めて珍しく、ストーリー性を重視した内容で、オープニングからステージ前後、エンディングに至るまで、ビジュアルカットを交えたイベントシーンが導入される。
--このクオリティが非常に高く、Huカードとしては破格の出来といえる。神崎氏のデザインが上手く表現されている上に、そのビジュアルパターンも(もちろんHuカードとして見れば、だが)かなり多彩。はっきりいってイベントがメインと思える程に。
--演出がやたらと細かいのも見所の一つ。登場キャラの大半はちゃんと口パクするし、その時の環境によって表情も変わるし、ステージの舞台によっては自機の外見も変わる(ショットなどの性能は同じだが)こだわりぶり。
--ゲームオーバー時にコンティニュー画面にて一枚絵が表示されるのだが、ステージ毎に個別の絵が用意されている。その為、すべてのビジュアルを堪能するにはステージ/エリア毎にあえて死ぬ必要もある。
--今でいうところのIT用語を多用したサイバーパンク系のストーリーであり、当時としてはかなり斬新な設定で多くのプレイヤーを驚かせた。
-ゲーム中のグラフィックもそれなりのクオリティ。多重スクロールステージ多し。
-BGMもノリがいいものからおどおどしいものまで、聞き応えのあるもの多し。残念ながらサウンドテストは不可。
-1ステージあたりの構造は短めで、間延びはほとんどなく(腕前があればだが)ストーリーに没頭できる。
-シューティングとしては珍しくパスワードコンティニュー機能を採用している。

**問題点
-シューティングとして見ると、やや単調であっさりした作りという印象。やはり、イベントシーンに力を入れすぎてしまった影響なのだろうか?
-自機がやたらと虚弱体質で油断しているとすぐ死ぬ。「ライフ制だからある程度のダメージは無問題」なんて常識はほとんど通用しないといっていい程に。
--上記ルールでも示した通り、本作はダメージで自機シールドと同時にメインウエポンのパワーランクも下がる、「ダメージとパワーダウンを兼ね備えた」恐ろしい仕様である。しかもダメージ後の無敵時間は極めて短く連鎖ダメージを受けやすい。それ故に「ダメージ = 死亡フラグ」という事態が頻繁に起きてしまいがちである。
--コンティニューしても貧弱なパワー初期段階から挑まなければならない。特に難易度が大分上がる後半ステージをその状態で挑むのは非常にきつく、プレイヤーによってはほぼ詰み確定に陥りやすい。ちなみにコンティニューは無制限なので、根気とパターン記憶する気力さえあれば何とかならない事もない。
-一部ステージの背景に敵の弾が隠れて見え辛くなる事がある。これは当時のゲーム雑誌にも指摘されていた模様。

**賛否が分かれそうな点
-当時としては斬新な設定故に、ストーリーに関して「何かよくわからない」というプレイヤーも少なからず存在した。PCエンジンはファミコンなどと比べるとプレイヤーの年齢層が高いハードではあったが、このストーリーの趣旨に関しては好みが分かれる傾向があったように思える。
--ゲームタイトルの『ダウンロード』からして当時としてはあまり聞かれない言葉であり、ゲーム中に「スキャン」「アクセス」といった単語が頻繁に登場する事も相まって、馴染めない人にはとことん馴染めないシナリオであったのだ。
--また、一部イベントで流血などのグロテスクなシーンや、欝ともとれる展開もあり、ハードな作風であるのも人を選ぶ一因となっている。
--但し、ストーリー自体は極力わかりやすいシナリオ構成であり、特別理解するのが難しい訳ではない。専門知識に詳しくなくても先に進むにつれ、「何となく盛り上がってるんだな」と分かるストーリーではある。

**総評
-PCエンジンでビジュアルシーンを多用するゲームはCD-ROM×2系の専売特許で、Huカードはあくまでもゲーム性の特化したメディアである、という定説を覆そうとした試みと、その斬新なシナリオの存在感は大いに評価できる一作であろう。
-シューティングとしては良くも悪くも普通。ちょっと理不尽気味な死にやすさがストーリーに惹かれたライトシューターを遠ざけているのは頂けないところではあるが…。
-本作の一年後、続編として『[[ダウンロード2]]』がリリースされるのだが、メディアがCD-ROM×2になり、ビジュアルの強化やHuカードでは不可能だった豪華声優陣のフルボイスが導入される事になる。それはもちろん時代に沿った正当進化ではあるのだろうが、Huカードの限界を超えた頑張り具合も捨てがたかったように思える。

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