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デスクリムゾン2 メラニートの祭壇」を以下のとおり復元します。
*デスクリムゾン2 メラニートの祭壇
【ですくりむぞんつー めらにーとのさいだん】
|ジャンル|暗黒ギャルゲーシューティング|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/41PKNLxRa%2BL.jpg,height=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B00006LJFR)|
|対応機種|ドリームキャスト|~|
|発売元|エコールソフトウェア|~|
|発売日|1999年11月25日|~|
|定価|5,800円|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|まさかの続編、そしてスケール壮大化&br()ST''U''FFの露骨なウケ狙いの数々&br()バランスに問題はあれど、さほどクソではなくなった|~|
|>|>|CENTER:&color(black){デスクリムゾンシリーズ}&br()[[デスクリムゾン]]/''&color(black){デスクリムゾン2 メラニートの祭壇}''/デスクリムゾンOX|
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#contents(fromhere)
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**概要
恐るべきクソゲーとしてセガサターン界隈の話題をかっさらった『デスクリムゾン』の続編として発売されたソフト。~
メーカー的には「『デスクリムゾン』において自分達が本当にやりたかった事を形にした」との事。
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**特徴・変な点
-ダメージを受けた時に無敵時間が無い、ムサビィ(ムササビの1種。実は作中で重要な設定を持っている)を撃つとダメージを受ける、エンディングに「ST"''U''"FF」と書かれているなど、前作で話題になったネタが引き継がれている。
--更に前作のOPが''丸々見られる''シアターゾーンも。
---デスビスノスの奇声から、「越前に襲いかかる…」までベタ移植。ある意味''素晴らしいファンサービス''である。~
ごく一部のプレイヤーからは、&color(red){''デスマスクがない!''}((電源を入れると一番最初に出てきたECOLEロゴの事。あれは厳密にはムービーではないのでカットされても仕方はないが……。ちなみに今回はECOLEロゴ演出が一新されているが、背景はやはりデスマスク。))という声すら上がっているが...
---しかもこのOP、ある場面で回想として使われるが、ミスマッチ過ぎて完全にギャグと化している。
--コンバット越前も一部のシーンで登場。しかも''いろいろとグレードアップしており''、出番が少ないにも関わらず今回もまた多くの名言を残した。
---プロローグからして越前ボイス全開のナレーションでプレイヤーの腹筋を殺しに掛かる。そして中盤の登場シーンでは…。
#region(この動画はお前を破滅へとみちビクッ!)
|&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=0AwU56FYj7g){512,384}|
#endregion

-基本はガンシューティングだが、淡々とステージを進むだけだった前作とは異なり、今回はフルボイスによる会話シーンやポリゴンキャラを操作する探索パートもあり、アドベンチャー要素も加えられている。プレイ時間で言えばアドベンチャー部分の方が多い。
--しかし探索パートの操作キャラは脚をシャカシャカ空回しするオーバーモーションで移動する為、&color(black){''台所の黒い悪魔''}に喩えられる。
--時限爆弾が爆発するまでに鍵を探し出して脱出しろ!というミッションがあり、真面目にやると八方手詰まりで8分間待たされた後に死ぬが、実は出口を調べると最初から開いていた事が分かる。
---鍵など何処にも無いのだ。閉じ込めた当人曰く「''そういえば鍵は捨ててしまってもう無いんだ(鼻声)''」ちくしょう!

-当初は前作同様クソゲーと呼ばれはしたものの、''どこまで狙って作られているかわからない''ため、クソゲーというよりはバカゲーに近い扱いが無難と思われる。
--例によって被弾無敵がなく、阻止し損なうと数十発同時に着弾する攻撃が存在するため、油断すると1撃で''残機が''10くらい減る。''ライフではない''。即死して自動コンティニューしてまた即死、の反復処理を1秒ほどの間にチャカチャカと繰り返す感じ。
--そもそも公称のジャンル名「''暗黒ギャルゲーシューティング''」からしてむしろ狙いすぎな感じではある。
---作中に出てくる目ぼしい女性キャラと言えば、ヒロインとその母親の美人女医、姉御肌の女盗賊、エンディングに登場するとあるキャラくらいで、あとは序盤で死ぬおばさんとクリーチャー顔の看護婦しかいない。別に''ギャルゲーでもなんでもない''。一応、主人公とヒロインのラブコメっぽい会話も無くも無いが。
---オープニングデモなど主人公よりヒロインが目立つシーンが散見され、探索パートではほぼヒロインを操作し((主人公がいる場合も同様。例外は砂漠とアッシムの館くらい))、序盤ではヒロイン視点の展開も多い。STUFFロールの声の出演でも主人公よりヒロインが先で、エンディングテーマのボーカルもヒロインの声優と、全体的にヒロインがクローズアップされているので、それを指しているのかもしれない。だからと言ってギャルゲーと呼べるかは別だが…。
--説明不足以前にあまりに無茶苦茶すぎて、むしろ神展開とでも言わざるを得ないストーリーに、更に相変わらずまったく緊張感の無い被弾ボイス、~
「''股間ヒットから追い討ち''」という訳のわからないシステム等々…ツッコミどころは流石というべきか、枚挙に暇がない。
---また、被弾ボイスが不満であれば''代わりにプレイヤーの声をボイスに当てられる''という前代未聞のMOD機能付き(別売のマイクが必要)。
--ちなみに雑魚敵の名前が「マクネリー」「ゲイツ」「ジョブス」。英語圏では良く有りそうな名前とはいえ、よく叱られなかったな…。

-前作のコンバット越前ほど強烈なインパクトこそ無いものの、本作主人公の八並康(通称・''ハチコウ'')も相当な曲者である。
--黙っていればイケメンなのに、''面白そう''という理由で心療内科に%%せっかくだから%%入る、''「いつもの癖」''で物乞いをする、人違いで届けられたピザを''躊躇いもなく食う''、''稼ぎを博打でスる''、''ヒロインの母を口説こうとする''(未遂に終わる)…などなど、とても主人公とは思えないツッコミ所の塊である。一部イベントでは選択肢が表示されるが、こちらもおかしいものばかり。
---本人に言わせれば「俺の場合、この''並はずれた知性と行動力にまわりがついてこれないだけさ''」と…。
---被弾ボイスは「この野郎ぉ~!」「上等だぜぇ~!」「''痛ぇ~!''」と無駄に気合が入っている。しかも棒読みなのでプレイヤーの腹筋もダメージを受ける。
---好物も「''ダチョウのステーキ''」と、また妙な所を突いている。%%作中にはダチョウもステーキも出てこないが。%%
--ヒロインのユリ・ローゼンバーグは他のキャラに比べればまだ常識人だが、このゲームに出ている以上やはり所々言動や行動がおかしい。
---敵に攻撃されても「''痛ったーい''」「''やめてよぉー''」「''ひっどぉーい''」で済む辺り、どう考えても普通の大学生ではない。
---好物は「マンゴスティン」。焼きビーフンやダチョウのステーキに比べればまだ普通…か?

-一見意味不明なパッケージ絵の「銭湯から出てくるコンバット越前」は、''銭湯(戦闘)から帰ってきた''という%%下らない%%駄洒落のために描かれたとのこと。
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**評価点
-ドリームキャストというハード相応にそこそこ綺麗なグラフィック。何が描かれてるのか見て判別できる。グラフィックのレベルが低かった前作とは大違い。

-ゲームとしてはとりあえずまともに遊べるレベルの出来。
--前作は難易度調整は付いていなかったが、今回はステージによって「初心者」から「傭兵」まで最大6段階の難易度が設定できるようになった。
---さらにステレオ・モノラルやダメージボイスを含めたサウンド設定、カーソル速度、振動の有無、ハイスコアの表示など、(良い意味で)充実したオプションを実装。
--上記通り''クレジットごと''ダメージを貰いかねない豪快な猛攻をかけてくるが、これまた前作同様''ゲージ補充でクレジットが増加''するおかげで、(スケールがインフレしつつも)ある意味回復しやすいライフ制のようなものに落ち着いている。

-説明不足&超展開ではあるものの、シナリオの描写がろくに語られなかった前作と違って、明確なストーリーがちゃんと描かれる。
--説明書くらいしか情報源の無かった前作の世界観、設定も作中で語られる。越前が何故戦っていたのか、戦いの後はどうなったのかは勿論、クリムゾン、ムササビ、赤の扉、デスビスノスと、前作をプレイしただけでは意味が分からなかった要素についての説明もされる。
---前作ではOPで声のみの登場だったダニーとグレッグも登場する。ダニーは早々に爆死するが…%%しかも台詞にボイス無しで%%
---「イズキット川」「サファール遺跡」など前作のステージとなっていた場所についても触れられる。「アッシムの館」は内部を探索することができる。
--キャラの情緒不安定でエキセントリックな掛け合いもバカゲーとして見ればとても面白い。ずっと見ていると妙な愛嬌を感じるかも?

-前述した通り、露骨なまでに前作のオマージュ、セルフパロディが盛り込まれており、ファンサービスに満ちて溢れている。
--「狙い過ぎて鼻に付く」と感じなければクリムゾナーなら大いに笑える事だろう。

-BGMは好評。
--有限会社Sound AMSが関わっており、BGMの評価は高めである。前作のように「メロディは良いが音が悪い」と言った事は無く、純粋に聴ける。使い所も全体的に良い。ループが変と言った所はあるが。
--エンディングではヒロイン役のMOMO女史が歌うエンディングテーマが流れるが、こちらも名曲と名高い。
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**問題点
-グラフィックは良くなったものの、キャラクターの変わらない微妙な表情は相変わらず。
--会話デモなどでポリゴンモデルを表示する際、内側から段階的に描画・かつ処理が遅いので、一々眼球などが虚空に浮いている様が見える。
--画面が暗転して切り替わるシーンがあるが、次の場面が表示される直前、さっき終わった場面が再表示されて一瞬で消える。画面を暗くしている間に消しておいて欲しいものである。

-先述のとおり無敵時間は今回もない。これに大量ダメージのパターンが存在するなど、色んな意味で初見殺しも強い。

-ストーリーが未完。
--敵役との決着、ある人物の生死など本作の伏線の殆どが回収されないままエンディングを迎える。そしてエンディングの内容は典型的な「本当の戦いはこれからだ!」というオチ。
---具体的には「真の敵の存在が明かされ、主人公は来るべき決戦に備えてクリムゾンと融合すべく、半年間遺跡に籠る事になり、その後ろ姿をヒロインが見送る」と言うもの。前作の伏線はある程度回収したが、更に大量に伏線を盛り込んで続編に引っ張った訳である。
--挙句、最後に表示されるのは「全ての謎が解き明かされる最終章へとつづく・・・」である。
--残念ながら、続編という続編は未だ出ていないが……(後述)
--ファン感謝イベント「デスクルーズ2008」の時にも真鍋社長自身にネタにされ、「(康は)''囚われたまま8年も経ってる''」「多分、友ヶ島に幽閉されているので''見つけたら救出して欲しい''」と語られていた。哀れな青年よぉ…。

-ボイスが全体的に棒読み
--特に主人公の康は棒読みに加えて鼻に付く態度や言動が多いのでウザさに拍車が掛かっている。
--他のキャラも発音がおかしかったり、息継ぎ無しで長い台詞を言い切ったりと、お世辞にも良い演技とは言い難い。
--尤も、これもネタとして狙ったものかもしれないが。
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**総評
前作と比べると出来は良くなったが、まだまだゲームバランス面で難があり、他のガンシューティングのレベルに達しているとは言い難い。~
ともあれ、「狙って作られたクソゲー」という雰囲気はしっかり表現されており、その点を評価してバカゲーに近い扱いをされている。
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**その後の展開
-更に後に、内容をリメイクした上でゲーム内容もSTGに一本化した『デスクリムゾンOX(オックス)』がアーケードで登場している。
--OXはゲームバランスが大幅に改善され、ごく普通に遊べるガンシューティングになっているが、結果として''デス様独特の芸術性が薄らいだ感は否めない''。&color(red){''クソゲーではないデスクリムゾン''}である。ただし、キャラボイスは無い。
--キャラクターや舞台設定は共通しているものの、それぞれの役割や背景設定は大幅に変更されており、ストーリーも異なる。
---ステージの流れ自体は本作を踏襲しているが、キャラの会話は至ってシリアス路線で本作のようなはっちゃけ具合は無い。主人公サイドがやたら「皆殺し」という物騒な言葉を使ったり、敵幹部がシュールな名前と言った所を除けば…だが。
---『2』と違ってコンバット越前も直接登場するが、その壮絶な扱いは多くのクリムゾナーに衝撃(と笑撃)を与えた。
---終盤のとある人物の台詞により、『2』とは異なるパラレルワールドのストーリーであることが判明する。
--のちにドリームキャストとプレイステーション2にデスクリムゾンOX+として移植されたが、これを最後にデスクリムゾンの作品は登場していない。
---2009年に、ジャンルは未定で''発売するかも分からない''『デスクリムゾン3外伝 忌獣戦紀 ~スピアクロゥ編~』のタイトルが(しかも明らかに従来のデスクリムゾンのイメージとはかけ離れたキャライラストと共に)[[公開>http://deathcrimson.info/index.html]]されただけである。

**余談
-前述の通り主題歌の評価は高いが、これがBGMに使用された[[PV>https://www.youtube.com/watch?v=qMO5dBudrDU]]は映像に「赤い扉」など前作のネタを持ち込んでいて、ビデオの内容と曲が合っていない。デスクリムゾンらしいが。
//--ある意味[[プロモーション詐欺>プロゴルファー猿]]である。
--「前作でのエンディング曲も名曲だがゲーム内容と合っているとは言えなかった」というネタすら今作に持ち込んだのかもしれない。
--ゲームの方のOPではこのPVの映像が再編集され、新しくBGMが付けられているが、こちらは曲と映像が合っている。或いはこちらが先で後からPVを作ったのだろうか。

-ヒロインのユリの声を演じたMOMOはSound AMS代表であるシンガーソングライターの道下桃女史。
--ゲーム音楽の作曲家でもあり、後に『Love Songs~アイドルがクラスメート~』、『[[ドリームクラブ]]』、『[[夏色ハイスクル★青春白書]]』、『[[ラブ★エアロビ♪>SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.18 ラブ★エアロビ♪]]』……等々、D3パブリッシャー関連の作品に収録されている歌のほぼ全部を手掛けている。

-2009年には前年の「デスクルーズ2008」に続いてファン感謝イベント「デスケイブ2009」が開催された。今回の巡礼先の聖地は、本作最終ステージ「エルミデ鉱山」のモデルとなった兵庫県朝来市の生野銀山であった。

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