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シャイニング&ザ・ダクネス」を以下のとおり復元します。
*シャイニング&ザ・ダクネス
【しゃいにんぐあんどざだくねす】

|ジャンル|3DダンジョンRPG|&image(s&darkness03.jpg,width=160)|
|対応機種|メガドライブ|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス|~|
|開発元|クライマックス|~|
|発売日|1991年3月29日|~|
|定価|8,700円|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年6月/700Wiiポイント|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|快適さが突出した3DダンジョンRPG|~|
|>|>|CENTER:''[[シャイニングシリーズ関連作品リンク>シャイニングシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-擬似3Dで描かれたダンジョンを攻略するRPG。のちに多くの後継作品が制作されることになる「シャイニング」シリーズの1作目である。
-パッケージやキャラクターデザインは玉木美孝氏が担当した。

**システム
-ダンジョン内の移動は、十字キーの左右で旋回、上で前進。&br()町では十字キーの左右で視点を動かし、施設を選択してボタンで決定する。
-パーティメンバーは戦士である主人公のほか、魔法使い「マーリン」と僧侶「ビルボ」の3人と、きわめてオーソドックスなスタイルである。
-ダンジョンには、落とし穴や回転床といった仕掛けが施されている。また、水たまりなど特定の背景が表示されているマスでのみエンカウントする敵もいる。
-攻略対象のダンジョンはひとつだけだが、地下4フロア+5階層という大型の構造で、エリアごとに出現モンスターの分布も異なるため、ボリュームはじゅうぶんある。
-「たたかう」「まほう」などのメニューコマンドは基本的に1階層あたり4個までと決まっており、十字キーの上下左右にそれぞれが割り当てられている。
--この仕様は、のちのシャイニングシリーズ全般に受け継がれていくことになる。

**評価点
-滑らかなダンジョンの移動。前進/後退だけでなく旋回もヌルヌルと動く。当時、ファンタシースター1作目を引き合いに出して各雑誌で「ファンタシースターのダンジョンの様に~」と紹介されていた。同時期に発売されたSFCの「真・女神転生」も滑らかスクロールのダンジョンと謳われていたが、先にこのシャイニングのを見た後ではガクガクだと言われてしまった程。
-街並みや酒場の風景はよく描きこまれている。玉木氏の画風の再現度も高い。

#region(画像)
&image(s&darkness01.jpg,width=240)また、各キャラクターはアニメーションしており、酒場の喧騒がうまく表現されている。
#endregion

-十字キーの上下左右で一発決定できるようレイアウトされたメニューコマンドの使い勝手は良好。「とっつきにくい」というイメージの根強いジャンルなだけに、うれしい親切設計である。
--のちのシリーズでも基本の操作系となっており、このシステムについては完成度の高さがうかがえる。
-アイテムが豊富に用意されており、ダンジョン探索が楽しい。
--レアアイテムは、手ばなしても「掘り出し物」としてショップで買い戻せるため、手数料が高くつくというデメリットはあるが、かならずしも持ち歩く必要はない。いわば容量制限のない倉庫が常備されているようなもの。
-特定のモンスターは、天井から降ってきたり通路奥から迫ってきたり、カニ型モンスターがちゃんとカニ歩きで現れたりと、エンカウントの演出が凝っている。主観視点RPGならではの臨場感にあふれていた。
--しかも、敵によっては出現マスに侵入する方向によってもエンカウントする/しないが制御されており、エンカウント時に地形上不自然な演出にならないように考慮されている。
--ただし、通常エンカウントする雑魚敵については演出なし。この点は後継作品の『[[シャイニング・ザ・ホーリィアーク]]』で改善された。

**賛否両論点
-当時、玉木美孝氏のキャラクターイラストが雑誌に載った時に、「ディズニーに寄せている」と好き嫌いがきっぱりと分かれてしまった。キャラクターの配色具合・淡い色合いに表情がディズニー風だった事によるもの。((後々PSソフト「アランドラ」ではディズニー風は殆ど無いので、余計「寄せている」風に見えてしまう。))
--一転、ゲーム画面はメガドライブ特有の原色寄りの彩色、特にケモノキャラは人気アニメ「名探偵ホームズ」風でディズニー色は薄まっている。
-ダンジョン画面の小ささ
--ヌルヌル動くダンジョンは好評だが、画面の上下左右がカットされた縮小表示。
---当時の3D探索系は3D場面が小さいのは当たり前で、容量や処理の問題なのだが、せっかくのウリのスムーズなダンジョンが勿体ない。
---良い見方をすれば、照明に照らされた範囲の演出とも言える。((SFCの真・女神転生等もダンジョンは画面半分程度だが、こちらも「主人公の視界」演出と、処理と容量の兼ね合い。))

**問題点
//-モンスターのアニメーションパターンが少ない。通常のザコモンスターは左右反転で攻撃モーションを表現されていて、現代の視点で見るといささか滑稽。
//現代の視点で書くのはNG
-景色が「地味な地下ダンジョンの壁」の一本調子なので、パッと見では面白そうと思えない人が多いだろう。このハードルの高さは、グラフィックを簡素にせざるをえなかった当時の3DダンジョンRPGの宿命である。
-特定の箇所で単独出現する雑魚敵が段違いに強い。場合によっては、かならず通らなければならない場所に出現することも……。


**総評
操作の快適さは、確実に長所として挙げられる。とはいえ、RPGの新規タイトルとして名乗りをあげた以上、これだけではどうにもならないだろう。にぎやかな雰囲気の伝わってくる酒場のグラフィックスは印象的だが、プレイ時間の大半は薄暗いダンジョンの中。難易度、シナリオともに、きわめて無難な出来である。~
「とっつきやすく、ほどほどの難易度で、そこそこ楽しいゲームは限られていた」という当時のハード事情を考えた場合は一筋の光明ともいえるが、いまとなってはこれといって存在感をアピールできなくなっている。~
しかし、プレイを阻害するマイナス要因の少なさこそ、本作の大きな魅力のひとつ。3DダンジョンRPGは基本的に面白いものであると再確認するにあたって、本作の快適な操作形態は、ストイックなイメージの先行するジャンルの弱点をうまくフォローしていた。~
「プレイアビリティ(遊びやすさ)は、ゲームを楽しむうえで重要な評価項目になりうる」という事実を、あらためて認識させられるタイトルである。

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**その後の展開
-「シャイニング」の名を冠した2作目『[[シャイニング・フォース 神々の遺産]]』は、ジャンルがSRPGに変わっている。以降のシャイニングシリーズは、ジャンルの垣根にとらわれない商品展開がなされていった。
-本作の開発元がDCにて手がけた『クライマックスランダーズ』に、本作からマーリンが参戦している。
--なお、『クライマックスランダーズ』にて、同社作品の『[[ランドストーカー ~皇帝の財宝~]]』とも世界観がつながっていることが示唆されている。ただし、両作品間の時代にはかなりの開きがあるようだ。
--ちなみに時系列的には『フォースI』→『フォース外伝FC』→『フォース外伝I』→『フォース外伝II』→『フォースII』→『ウィズダム』→『ランドストーカー』→『ダクネス』であるらしい。

**余談
-以前、Windows用としてエミュレータベースのものがセガゲーム本舗にて配信されていた。また、そのパッケージ版(CD-ROM)も店頭販売された。
-プログラマーの内藤寛氏がやたら注目され、「天才プログラマー」としてメディアによく登場、ラジオ番組まで持つ等、ドラクエの堀井&すぎやま&鳥山&中村光一以上に積極的に活動していた。対照的に内藤寛氏がかつて在籍していたチュンソフトから氏が退社した為に、氏がメインプログラマーだったドラゴンクエストVが延期による延期と影響してしまった。
-このゲームのお披露目記者会見は、まるでメガドライブの今後や社運をかけた様な大々的な発表でかなりのハードルを上げてしまっている。同時期にソニックも発表しており、当時のセガの力の入れ具合はかなり高かった。

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