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シャイニング&ザ・ダクネス」を以下のとおり復元します。
*シャイニング&ザ・ダクネス
【しゃいにんぐあんどざだくねす】

|ジャンル|3DダンジョンRPG|&amazon(B000147T1S)|&image(s&darkness03.jpg,width=160)|
|対応機種|メガドライブ|~|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス|~|~|
|開発元|クライマックス|~|~|
|発売日|1991年3月29日|~|~|
|定価|8,700円|~|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年6月12日/700Wiiポイント(配信終了)|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|快適さが突出した3DダンジョンRPG|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[シャイニングシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
擬似3Dで描かれたダンジョンを攻略するRPG。のちに多くの後継作品が制作されることになる「シャイニング」シリーズの1作目である。~
元[[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]スタッフが製作していることがゲーム雑誌で宣伝されており、実際DQ3と4でメインプログラマーだった内藤寛氏が関わっている。~
パッケージやキャラクターデザインは玉木美孝氏が担当した。

**システム
-ダンジョン内の移動は、方向ボタンの左右で旋回、上で前進。&br()町では方向ボタンの左右で視点を動かし、施設を選択してボタンで決定する。
-パーティメンバーは戦士である主人公のほか、僧侶「ビルボ」と魔法使い「マーリン」の3人と、きわめてオーソドックスなスタイルである。というか『[[ドラクエ2>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]』そっくり。
-ダンジョンには、落とし穴や回転床((DQ3の回転床のように、回転させられる方向は決まっている。))といった仕掛けが施されている。また、水たまりなど特定の背景が表示されているマスでのみエンカウントする敵もいる。
-攻略対象のダンジョンはひとつだけだが、地下4フロア+5階層という大型の構造で、エリアごとに出現モンスターの分布も異なるため、ボリュームは十分ある。
-「たたかう」「まほう」などのメニューコマンドは基本的に1階層あたり4個までと決まっており、方向ボタンの上下左右にそれぞれが割り当てられている。
--この仕様は、のちのシャイニングシリーズ全般に受け継がれていくことになる。

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**評価点
-滑らかなダンジョンの移動。前進/後退だけでなく旋回もヌルヌルと動く。
--当時、『[[ファンタシースター]]』を引き合いに出して各雑誌で「ファンタシースターのダンジョンの様に~」と紹介されていた。
--同時期に発売されたSFCの『[[真・女神転生]]』も滑らかスクロールのダンジョンと謳われていたが、先にこのシャイニングのを見た後ではガクガクだと言われてしまった程。

-街並みや酒場の風景はよく描きこまれている。玉木氏の画風の再現度も高い。

#region(画像)
&image(s&darkness01.jpg,width=240)また、各キャラクターはアニメーションしており、酒場の喧騒がうまく表現されている。
#endregion

-方向ボタンの上下左右で一発決定できるようレイアウトされたメニューコマンドの使い勝手は良好。「とっつきにくい」というイメージの根強いジャンルなだけに、うれしい親切設計である。
--後のシリーズでも基本の操作系となっており、このシステムについては完成度の高さがうかがえる。

-アイテムが豊富に用意されており、ダンジョン探索が楽しい。
--レアアイテムは、手ばなしても「掘り出し物」としてショップで買い戻せるため、手数料が高くつくというデメリットはあるが、必ずしも持ち歩く必要はない。いわば容量制限のない倉庫が常備されているようなもの。

-特定のモンスターは、天井から降ってきたり通路奥から迫ってきたり、カニ型モンスターがちゃんとカニ歩きで現れたりと、エンカウントの演出が凝っている。主観視点RPGならではの臨場感にあふれていた。
--しかも、敵によっては出現マスに侵入する方向によってもエンカウントする/しないが制御されており、エンカウント時に地形上不自然な演出にならないように考慮されている。
--ただし、通常エンカウントする雑魚敵については演出なし。この点は後継作品の『[[シャイニング・ザ・ホーリィアーク]]』で改善された。

**賛否両論点
-当時、玉木美孝氏のキャラクターイラストが雑誌に載った時に、「ディズニーに寄せている」と好き嫌いがきっぱりと分かれてしまった。キャラクターの配色具合・淡い色合いに表情がディズニー風だった事によるもの。((後々PSソフト「アランドラ」ではディズニー風は殆ど無いので、余計「寄せている」風に見えてしまう。))
--一転、ゲーム画面はメガドライブ特有の原色寄りの彩色、特にケモノキャラは人気アニメ「名探偵ホームズ」風でディズニー色は薄まっている。

-ダンジョン画面の小ささ
--ヌルヌル動くダンジョンは好評だが、画面の上下左右がカットされた縮小表示。
---当時の3D探索系は3D場面が小さいのは当たり前で、容量や処理の問題なのだが、せっかくのウリのスムーズなダンジョンが勿体ない。
---良い見方をすれば、照明に照らされた範囲の演出とも言える。((SFCの真・女神転生等もダンジョンは画面半分程度だが、こちらも「主人公の視界」演出と、処理と容量の兼ね合い。))

**問題点
//-モンスターのアニメーションパターンが少ない。通常のザコモンスターは左右反転で攻撃モーションを表現されていて、現代の視点で見るといささか滑稽。
//現代の視点で書くのはNG

//-景色が「地味な地下ダンジョンの壁」の一本調子なので、パッと見では面白そうと思えない人が多いだろう。このハードルの高さは、グラフィックを簡素にせざるをえなかった当時の3DダンジョンRPGの宿命である。
////ダンジョンの景観パターン自体は複数あり、地味とは思えない。「パッと見では面白そうと思えない人が多いだろう」という記述も主観性が強く不適切。
////また、前年には『マイトアンドマジック』『バーズテイル』などの屋外ダンジョンのある3DダンジョンRPGもコンシューマ機で発売しているのでこの時代の3DダンジョンRPGはグラフィックの簡素さから脱却した時期だと思われる。

-探索中のMP節約が難しい
--仲間二人の打撃は弱くて敵を倒しきれず、主人公は素早さが低いため敵の攻撃をくらってから攻撃するというパターンが多く、結局回復魔法にMPを使わねばならなくなる。普通のRPGならともかく、回復するために最初の拠点まで戻らなければならないダンジョンRPGとの相性は非常に悪い。
--敵を出にくくする魔法もあるが、消費MPが重めであり節約には向かない。

-宝箱の中身がショボい
--薬草や毒消し草など安価で買える消耗品が多く、装備品もほぼ初期装備レベルのものばかりが入っており役に立たない。ダンジョンRPGなのに宝箱を発見しても喜べないというのは困る。
---道具の所持数は一人8個までと非常に少なく、すぐに持ち物がいっぱいになってしまう。
--敵が宝箱に入っていて戦闘になる事もある。なお宝箱鑑定の魔法はない。

-特定の箇所で単独出現する雑魚敵が段違いに強い。場合によっては、かならず通らなければならない場所に出現することも……。

-ヒロインがバランスブレイカー
--冒頭でさらわれてダンジョン内に捕らわれている。救出すると''MP回復アイテム''やパワーアップに必要なアイテムをくれてバランスが崩壊する。
---パワーアップするとラスボスも楽勝で倒せてしまう。別にパワーアップしなくても倒せるので、最後までバランスを楽しみたければ使わないことが推奨される。
--『[[ドラゴンクエスト]]』のヒロインのように助け出さずに進めることも可能だが、助けてもいないのにいつのまにか拠点に戻されていたり、再度捕らわれていた場所に行くとそちらにもいたりして進行フラグがおかしくなる。こうなると救出しても拠点に返せなくなるので''詰む。''素直に助けましょう。
---ちなみに拠点に返す前に宿屋に泊まろうとすると''店の主人に断られる。''ここはDQリスペクトとはいかなかったようだ。

-最強のアタッカー「ビルボ」
--メンバーでの僧侶ポジションの「ビルボ」だが、終盤で特定の敵がランダムでドロップする「スーパーフレイル」(攻撃力は中位程度だが、3回攻撃が可能な武器)を手に入れると、主人公を上回るアタッカーに変貌するため、純粋なアタッカーの主人公の立場が無くなってしまう。主人公はその高すぎる攻撃力で、雑魚敵の場合オーバーキルしやすいのだが、こちらは高めの攻撃力で3回攻撃するため、雑魚敵相手の殲滅力が非常に高く、前述のMP問題もカバーできる。
---もっともこの点は、プレイヤーから見るとパーティーの攻撃面が強化されるため、プレイ上の問題点ではないが。
---また、このアイテムをドロップする敵が登場するのは最終盤かつ低確率ドロップのため、普通にプレイしている場合はクリアまでに入手する可能性は低いだろう。。

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**総評
操作の快適さは、確実に長所として挙げられる。とはいえ、RPGの新規タイトルとして名乗りをあげた以上、これだけではどうにもならないだろう。にぎやかな雰囲気の伝わってくる酒場のグラフィックスは印象的だが、プレイ時間の大半は薄暗いダンジョンの中。難易度、シナリオともに、きわめて無難な出来である。~
「とっつきやすく、ほどほどの難易度で、そこそこ楽しいゲームは限られていた」という当時のハード事情を考えた場合は一筋の光明ともいえるが、いまとなってはこれといって存在感をアピールできなくなっている。~
しかし、プレイを阻害するマイナス要因の少なさこそ、本作の大きな魅力のひとつ。3DダンジョンRPGは基本的に面白いものであると再確認するにあたって、本作の快適な操作形態は、ストイックなイメージの先行するジャンルの弱点をうまくフォローしていた。~
「プレイアビリティ(遊びやすさ)は、ゲームを楽しむうえで重要な評価項目になりうる」という事実を、あらためて認識させられるタイトルである。

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**その後の展開
-「シャイニング」の名を冠した2作目『[[シャイニング・フォース 神々の遺産]]』は、ジャンルがSRPGに変わっている。以降のシャイニングシリーズは、ジャンルの垣根にとらわれない商品展開がなされていった。
-本作の開発元がDCにて手がけた『クライマックスランダーズ』に、本作からマーリンが参戦している。
--なお、『クライマックスランダーズ』にて、同社作品の『[[ランドストーカー ~皇帝の財宝~]]』とも世界観がつながっていることが示唆されている。ただし、両作品間の時代にはかなりの開きがあるようだ。
--ちなみに時系列的には『フォースI』→『フォース外伝FC』→『フォース外伝I』→『フォース外伝II』→『フォースII』→『ウィズダム』→『ランドストーカー』→『ダクネス』→『ホーリィアーク』→『フォースIII』であるらしい。

**余談
-以前、Windows用としてエミュレータベースのものがセガゲーム本舗にて配信されていた。また、そのパッケージ版(CD-ROM)も店頭販売された。
-プログラマーの内藤寛氏がやたら注目され、「天才プログラマー」としてメディアによく登場、ラジオ番組まで持つ等、ドラクエの堀井&すぎやま&鳥山&中村光一以上に積極的に活動していた。対照的に内藤寛氏がかつて在籍していたチュンソフトから氏が退社した為に、氏がメインプログラマーだったドラゴンクエストVが延期による延期と影響してしまった。
-このゲームのお披露目記者会見は、まるでメガドライブの今後や社運をかけた様な大々的な発表でかなりのハードルを上げてしまっている。同時期にソニックも発表しており、当時のセガの力の入れ具合はかなり高かった。

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