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テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-」を以下のとおり復元します。
*テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-
【ているず おぶ ふぁんたじあ ふるぼいすえでぃしょん】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:伝説のRPG)|&amazon(B000GEP0EQ)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|メディア|UMD 1枚|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~|
|発売日|2006年9月7日|~|
|定価|4,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|320KB以上(1ファイルあたり)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|廉価版|PSP the Best:2007年8月9日/2,667円(税別)|~|
|配信|【PSP/PSV】2013年11月28日/1,714円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
//↑2015/03/21で「劣化移植・劣化リメイク・劣化ローカライズ」が「劣化ゲー」に統一とのことのため、判定表記を「劣化移植」→「劣化ゲー」に変更
|ポイント|''余計なことをしたせいで劣化''&br()謳い文句に実際の内容と異なる個所多し&br()PS版からの流用だらけ|~|
|>|>|CENTER:''[[テイルズオブシリーズ関連作品リンク>テイルズオブシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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*概要
テイルズオブシリーズの記念すべき第1作目、『''[[テイルズ オブ ファンタジア]]''』のPSPへの移植作品で移植・リメイクは[[PS版>テイルズ オブ ファンタジア (PS)]]、[[GBA版>テイルズ オブ ファンタジア (GBA)]]に続き3回目となる。~
SFC版ベースとしてPS版の要素や様々な追加要素があったGBA版と異なり、今回はPS版をベースとして様々な要素を追加した移植。~
また、本作はタイトルの「''フルボイスエディション''」が示している通り、メインストーリーのフルボイス化、更にGBA版の追加要素も完全収録、戦闘時のキャラクターの3頭身化などを謳い文句にしていた。~
フルボイス化はもちろんのこと、GBA版の要素の完全収録という点にも期待を寄せるファンも少なくなかった。
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*問題点
''タイトルに偽りあり''
-「''フルボイスエディション''」と言いながら、''一部メインストーリー上にボイスが無い''点が散見される。
--一方で、サブイベントにも関わらずボイスがあったりするなど、その基準もちぐはぐ。
---また条件を満たしてから特定の宿に泊まると再生されるはずのボイスが、''イベントに関わらずその宿に泊まる度に再生される''など、フラグ管理がいい加減な所もある。

''謳い文句にも偽りあり''
-3頭身化されたキャラクターグラフィックは他作品からの流用ではなく新規なのだが、''パーティキャラクターと一部の敵だけ''という極めてお粗末な代物。ほとんどの敵は''PS版の2頭身のグラフィックをそのまま引き延ばしただけ''という手抜きぶり。
--オープニングでダオスと対峙するエドワード・D・モリスン達、闘技場で乱入してくるリリス・エルロン((『デスティニー』の主人公、スタンの妹。))、児雷也発動に失敗した時のすずなども2頭身のままになっている。3頭身のクレス達が2頭身のリリスのような人型の敵と戦う構図は違和感が非常に強烈。
---特に、エドワード達の戦闘シーンはスキップ不可のオープニングで最初に見せられるので、OPの時点で「キャラクターの3頭身化」がいきなり崩壊してしまっている。プレイした人の中には自分の目かソフトのバグを疑った人もいるのではないだろうか。
---更にモンスター図鑑で参照出来る敵グラフィックも、PS版のデータをそのまま流用したために3頭身化した敵も含め全グラフィックが2頭身のままである。
--3頭身化されたパーティキャラクターのグラフィックについても一部からは「『なりダン2』や『なりダン3』((この2作品に関して、厳密にはクレスのみ『エターニア』にゲスト出演した際のドットを流用している。))の方が完成度が高い。」と言われることもある。
---ただし、上記2作品と異なり本作では武器の持替えや盾装備によりグラフィックが変化するため、それを踏まえてのドット製作となると、単純比較は難しい面もある。ちなみにドット製作スタッフは同じである。
--キャラクター以外のグラフィック面でもPSPの解像度に合わせて最適化と謳っていたものの、全体的にただの引き延ばしか、元々の画面の一部分を切り抜いて無理矢理合わせているため、最適化とは言えないという意見が多い。

-「GBA版の要素を完全収録した」と言いつつ、実際に収録されているのは''一部の称号関連のイベントと、イベント「ブラムバルドとアーシア」''のみ。
--モーリア坑道奥のドワーフ遺跡やミゲールの町での剣術修行、クリア後要素の「Let's Go Arche」など、''大半の要素が収録されていない''。
---ミゲールの町の剣術修行が省かれたのは、PS版に存在しない敵がイベントで出現するため、PS版のモンスター図鑑にGBA版モンスターのデータを追加せずに使い回すのに都合が悪かったからではないか、と推測されている。やや穿ちすぎに思えるが、他の要素にもPS版からの使いまわしが多い事がこの見方を強めている。
--収録されたイベントにしても、元々GBA版では「行くぞッ!」などのように語尾が「○○ッ!」となるテキストがやたらと使われる傾向があり、本作でもテキストをそのまま流用しているため他のシーンと比べるとテキストが浮いている。

''グレードシステム''
-このシステムはゲーム中の戦闘内容をポイント化して評価・蓄積し、その貯めたポイントを利用して2周目以降、様々なデータの引継ぎや特典を得られるというもので、『[[デスティニー2>テイルズ オブ デスティニー2]]』から採用されている。
--引継ぎや特典の内容は多岐に渡っており、最もポイントが必要な「経験値10倍」を獲得するためには3,000ポイントが必要になる。だが1回の戦闘で平均して100ポイント前後、慣れてくると300ポイント超も稼げる((従来作品では通常は小数点以下~1、2程度、多くても4、5前後。なお本作でも同様だが、戦闘内容によってはほぼ同程度の範囲で減少することもある。))など、明らかに供給過多になっている。
--そのせいで、ただ1周クリアするだけでも引継ぎ・特典の大半が利用出来てしまい、それでもなおポイントがやたらと余ってしまう((引き継げる項目を全て引継ぎ、かつクリア特典も最大限に活用した場合、7,640ポイントが必要となるが、1週クリアするだけで所持ポイント数は数十万ポイントのレベルになる。なお、前述の「経験値10倍」と別に「経験値2倍/半分」(2倍:1,000ポイント/半分:10ポイント)があるが、これらはいずれかひとつしか選べない。同様に競合を起こす「最大HP増加/減少」(増加:250ポイント/減少:10ポイント)もどちらか一方のみ選べる。))。他作品では引継ぎや特典と交換するだけでなく、獲得したポイントを様々なアイテムと引替えられる要素もあるが、本作にはそれもない。
---後に出た『[[クロスエディション>テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション]]』では1回の戦闘で大体10~20ポイント、多くても30ポイント台まで獲得ポイントが下がったが、やはり普通にプレイしていれば1周クリアで一通りの引継ぎ・特典が利用出来てしまい、ポイントも余ってしまう。

''一部PS版からの変更点''
-アルヴァニスタの都に向かう船内のイベントが一部変更され、それを受けてアーチェが取得出来る称号が「うわばみ」から「夢見る乙女」に変更されている。
--「17歳のアーチェが飲酒する描写がCERO規定における「飲酒・喫煙」に抵触し、レーティングが上がる恐れがあるから」という見方が一般的。
---GBA版の段階でも「意外とデリケート」という称号に差し替えられ、獲得方法も若干変更されていた((PS版と本作はイベントで自動取得だが、GBA版ではイベント後にアーチェに話しかけて取得。))。
--だが本作ではこの変更に引きずられてクレスがアーチェの飲酒を窘める内容のフェイスチャットも消滅してしまった((ちなみに、消滅したフェイスチャット内でアーチェは「未成年でもハーフエルフだから問題無い」と言い張っている。))。
---差し替えられた称号は何故かGBA版の物とも違う上に「夢見る乙女」に対して説明文が「夜更かししたいお年頃…らしい」といまいち噛み合わない内容になっている。そのため変更に取って付けた感が強い。

-チェスターの武器「エルヴンボウ」の入手・強化のために、PS版のダンジョン「トレントの森深部」とGBA版のイベント「ブラムバルドとアーシア」の両方を行わなければならなくなっている。
--PS版では「エルヴンボウ」の入手イベントは容易に行えた一方で強化イベントが困難であった。逆にGBA版では入手が困難な代わりに強化が容易に行えていた。だが本作では、GBA版の入手イベントとPS版の強化イベントを統合させてしまったため、入手・強化が非常に厄介になってしまった。
---GBA版の項目にもあるが「ブラムバルドとアーシア」には強い拒否反応を示すファンも少なくなく、「トレントの森深部」にしてもその広大さやダンジョンの性質上アイテム消耗が激しい点から非常に難易度が高く、さりとて後方支援としては優秀なチェスターの強化に繋がるので放置する訳にも行かず…とにっちもさっちもいかないため「何の嫌がらせか」と不満が相次いだ。

-エンディングの楽曲が変更されている。
--PS版では「''星を空に…''」(歌:吉田由香里)がエンディングテーマとして使用されていたのだが、今作ではなぜかこれが変更され、SFC版のBGMとも違った、ぽっと出の当たり障りのないBGMになってしまった。
---評判が高かったこともあって、この変更に関して不満の声が多い。
---本作のBGMは『クロスエディション』のエンディングでも使われているため、権利関係が変更理由にあるのではと言われる事もあるが、詳細は不明。
--なお、同じくPSPに移植された『[[エターニア>テイルズ オブ エターニア]]』のエンディングでも、PS版では「eighteen」(歌:New Cinema 蜥蜴)が使用されていたが、PSP版ではオープニングテーマである「flying」(歌:GARNET CROW)のインストゥルメンタルバージョンに差し替えとなっており、同様に不満の声が聞かれる。

-戦闘中の敵の思考ルーチンの変更((正確には問題点ではないが大きな変更点であるので併せて記載する。))。
--PS版に比べると敵が攻撃的になった。恐らくPS版に対して「温すぎる」という意見がかなり多かった為の調整と思われる。
---代表例がノーム戦。PS版では彼らはプレイヤーが近づくと一定時間の無敵攻撃を行う習性があるが((ダメージを与えられるのは攻撃終了後。))、逆にある程度の距離を保ったまま近づかなければ無害のため、術攻撃で完封するのが定石であった。しかし本作ではSFC版と同様、間合いとは無関係に無敵攻撃を行うようになったため、PS版に慣れたプレイヤーは戦術の構築をし直す必要が出てきた。

''ボイス周り''
-グラフィック同様、基本的に使い回せる所は使い回す方針のようで、フェイスチャットは勿論のこと、戦闘中のボイスもごく一部を除いて使い回し、新録と言えるのは実質的にはメインストーリー上の台詞のみと言って差し支えない。~
それ故かボイスの新緑と使い回しの混在に絡んで下記のような問題点を指摘する声も見られる。
+音量差
--新録のボイスは音量が大きく、逆に既存のボイスは音量が小さくなってしまっているため、同じ音量だとフェイスチャット(使い回し)は聞き取りづらく、メインシナリオ(新録)は喧しく聞こえてしまう。
+声優陣の声質変化
--使い回しの元になるPS版は本作より約10年前の作品なため、使い回しの音声に比べると新緑の音声が声優陣の加齢等の影響により全体的にややかすれて聞こえるようになっている。
+「インディグネイション」の発音
--オープニングでエドワード・D・モリスンが放つなど、本作で強い印象を残すこの魔術は本来、表記こそ「インデグニション」だが正しくは「インディグネイション」である。~
これは『ファンタジア』には術技名表記に8文字制限がある((『クロスエディション』でようやく秘奥義のみ9文字以上の表記がなされるようになったが、それ以外の術技は変わらず8文字制限に縛られている。))ためで、勿論ボイスでは「インディグネイション」と発音していた。だが本作では、何故かアーチェのみ新録で「インデグニション」発音に差し替えられている。
---「そんな些細な事まで槍玉に挙げなくても…」と思うかもしれないが、本作のメインシナリオに深く関わる魔術だからこそ、余計な手を加えて欲しくなかったと考えるプレイヤーは多い((ダオスにトドメを刺す際に使われた魔術で、魔術の中では数少ないイベント入手。))。~
しかも同様にボイス有りで放つエドワードや隠しボス・オーディーンは変わらず「インディグネイション」と発音するので、なおのことこの変更への不満が高まる結果に。また新録である為上記の音量差や声質の問題があり、他の魔術関連のボイスから明らかに浮いている。
---当然ながら、PS版まではアーチェも「インディグネイション」と発音しており、本作において彼女のみこの発音にする理由付けなどは存在しない。
---『ファンタジア』のドラマCDにおいて、彼女が「インデグニション」と発音していた為、これに合わせたという見方も出来なくはないが…。

-これらが全てが合わさるとその違和感は非常に強烈であるので、こうなるくらいなら全部新録にした方が良かったのではないだろうか。

-その他、メインシナリオに絡んでくる汎用キャラクターにもボイスが用意された…のは良いのだが、老人のグラフィックに対し若者のボイスが使われたり、女剣士のグラフィックに対し男性のボイスが使われたりと、''一部グラフィックと声が噛み合わない''。
--汎用キャラクターとはいえ適当すぎると批判された。

''システム周り''
-メニュー画面を開ける状態であればいつでもロードが出来る「どこでもロード」機能が追加されたが、中断セーブの類は一切出来ない。
--携帯機であることを考えれば、どこでも電源が切れる中断セーブこそ実装すべきだったのではないか。
---それどころか本作はプレイ中にソフトリセットが出来るため「どこでもロード」は完全な死に機能と化している。
---中断セーブについては機能こそ無くとも(電池を少量消費するが)PSPのスリープ機能で中断は可能なのでそれで問題ないのではという見方もある。

-その他、大元となったPS版に比べてボタン数が減少しているため、ターゲット切り替えなど一部操作がやりにくくなってしまった。

''悪化はしていないが改善もされていない点''
-現在のテイルズオブシリーズでは、秘奥義を除く術の発動中であってもキャラクターの操作が可能なシステムが主流となっている。だが『ファンタジア』では本作に至るまで、術の発動中は操作が不能なシステムとなっている((厳密には、術の発動中は戦闘が一時停止する。))。
--システムがまだ確立していなかったSFC版・PS版や、スペックが足りないであろうGBA版は仕方ないとしても、本作はそれらの問題もないはずなのに操作不能なため、最近のシリーズ作品を踏まえるとどうしても古臭さや窮屈さが拭えない。その為「いつになったら術の発動の度に止まらなくなるんだ?」という批判意見を呼んだ。
---事実、同じくPSPに移植された[[PS2>テイルズ オブ リバース]]や[[PS>テイルズ オブ エターニア]]のテイルズ作品は多いが、場合によって多少の処理落ちこそ伴うものの、どの作品でも上級魔法が発動しても操作が止まる事は無い。
---逆に、術を使われた時点で行動が出来なくなる仕様により、「いかに相手に術を使わせないように立ち回るか」という最近のシリーズ作品では薄れている立ち回りを楽しめるという好意的な見方もあるにはある。
--この点に関しては『クロスエディション』で''中途半端に''解消される事となった。
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*評価点
-携帯ハードにおいてまともにプレイ出来る『ファンタジア』であること。
--GBA版は戦闘周りやインターフェースに難を抱えており、後の『クロスエディション』は戦闘バランスに大きな歪みが生じ、中途半端なオリジナルキャラクターを捻じ込んだ為にシナリオ面でも矛盾が生じてしまっているため、その辺の問題を抱えていない点は評価出来る。
---また、一部の追加・変更要素以外は完成度の高いPS版をベースとしている為ゲームの根幹はしっかりしており、新規に『ファンタジア』に触れるプレイヤーであれば十分楽しめる。調整が雑とはいえ、従来作品のようにグレードを用いた様々な引継ぎも可能になった為、2周目以降も楽しめるようになったのも大きい。
---いずれにしてもあまりポジティブな見方にならないことは間違いないが。

-重要アイテムや称号を獲得した時のジングルを飛ばして文章送りが出来るようになったこと。
--重要アイテムを手に入れた時や称号を獲得するとその旨が表示されると同時にそれぞれ対応したジングルが流れるが、GBA版まではこれを飛ばすことが出来ず、ジングルが流れ終わるまで待たなければならなかった((余程文字送りを遅くしていなければ、文章が表示しきってもジングルが流れているのでそれを待たなければならなかった。))が、今作以降はジングルが流れていてもボタンを押すことで文章送りが出来るようになったことで、待たされるストレスは軽減された。
---ただし、曲の切替えの読み込みがあるため短時間ながら無音になってしまう事と、元々のジングルが余程急いていなければ気にならないレベルのものであることは付記しておく。
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*総評
問題点は多いものの、それらは凶悪なバグのようなゲームそのものの致命的な欠点ではなく、あくまで''今迄の『ファンタジア』と比較したからこそ目につく不満点・問題点''である。~
そのため単体では十分に遊べる内容となっており、新規プレイヤーからはまずまずの評価。

しかし、その見方を支える要因の大半は流用元のPS版の完成度の高さに対してであり、肝心の本作オリジナル要素のほとんどがつっこみ所満載のため、「ガッカリさせられた」・「公式の宣伝に騙された」という声が続々上がる羽目に。~
また、GBA版で否定意見が多かったはずの「ブラムバルドとアーシア」だけはしっかりと収録されていた事に対して、「何故一番要らない要素だけピンポイントで収録した?」という批判意見も多く、その他のPS版からの変更点も含め、「''中途半端な追加や改変をした事で質が劣化してしまった移植''」と見ることも出来る。

話が変わるが、本作で移植・リメイクと銘打って発売された『ファンタジア』は3作目となり、更に数ヶ月後に(当時)発売予定となっていたPS2版『[[デスティニー>テイルズ オブ デスティニー (PS2)]]』が根幹からフルリメイクされることも明らかにされていたために「''いい加減『ファンタジア』もPS版に頼った手抜き移植じゃなく、出すなら出すでせめてPS2版『デスティニー』位の大掛かりなリメイクをやってくれ''」という不満が噴出することとなった。~
プレイヤーからの評価もいまいち芳しくない本作だが、その理由として「変化に乏しい移植を“''また''”やったこと」が要因の一部であることはまず間違いないであろう。
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*余談
**予約特典について
本作の''&color(red){予約特典}''である「''ドラマチックDVD -アップルグミ篇-''」内のドラマにおいて、『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の登場キャラクターであるジェイド・カーティスにクレスおよび『ファンタジア』の戦闘システムそのものを一方的に馬鹿にされている内容が含まれており、一部『ファンタジア』ファンからは「予約までして買ったのに、なんで(好きな作品を)馬鹿にされなきゃいけないんだ」「いくらスタッフが『アビス』(もしくはジェイド)が好きだからって、別作品の予約特典を踏み台に使うな」といった強い不満の声が出ている。

#region(参考動画。ニコニコ動画より)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm28641)
#endregion

それ以外にもこの段階から本編では考えられないキャラクター崩壊のきらいもあり、後々のシリーズクロスオーバーや予約特典における一部作品を除いたシリーズキャラクターのキャラクター崩壊に関しての大惨事の予兆も既に見受けられた。~
これ以降の上記媒体に見られる、やりすぎなキャラクター崩壊もなるべくしてなったとも言えるだろう。

**ダオスについて
『ファンタジア』ファンの中でもある意味禁忌とされる話題に「''ダオスの声''」がある。~
GBA版まではダオスは故・塩沢兼人氏が演じていた((塩沢氏は2000年に逝去されているため、GBA版が発売された段階でも鬼籍に入っているが、GBA版のボイスはPS版(1998年発売)の流用である。))が、本作でのフルボイス化に伴い、OVAでダオスを演じた森川智之氏((森川氏は公式に『ファンタジア』へと繋がる過去の物語であるとされる、『シンフォニア』においてユアン・カーフェイ役を演じている。そもそもこのユアン役で演技をスタッフに評価された事がダオス役抜擢に繋がった。))がそのまま本作でもダオスを演じている。~
しかし、本作以前から『ファンタジア』に触れていたファンにとって、それまでの塩沢氏の熱演故に「ダオスの声は塩沢さん以外に考えられない」と強烈に印象に残っている所もあるため、本作の森川氏のダオスを受け入れられないファンからの否定的な意見が根強い。~
ただ本作に限らず、声優絡みの不満が上がるケース自体は結構多い((アニメ『銀河英雄伝説』など。))。

だが、塩沢氏は2000年に不慮の事故で亡くなられた為に本作のフルボイス化は勿論のこと、新たに作るOVAやお祭りゲームなどの外部出演などでもダオスに喋らせるためにはどうしても代役が必要となる。~
それらにおけるダオスの台詞全てを、過去作およびドラマCDなどに収録の塩沢氏の台詞の使いまわしだけで進めるなどという真似をする訳にもいかないし、そもそも現実的に不可能である。

テイルズオブシリーズからは離れるが、アニメ『クレヨンしんちゃん』に登場する「''ぶりぶりざえもん''」も塩沢氏が担当していたが、氏の逝去後は画面に映ることはあっても台詞を発することはなくなった。~これは氏の遺族や作品のファンからの要望だけに留まらず、製作陣も「ぶりぶりざえもんの声は塩沢氏しか考えられず、代役を立てたりサンプリングを使うのは失礼にあたる」という考えを持っているが故の処置。~
「こちらもそれに倣えば良い」という意見もあるだろうが、お祭り作品などの外部出演をさせないのであればまだしも、本編の移植・リメイクや関連作品でダオスが喋らない処置を『ファンタジア』のファン悉くが納得するかと言われれば、それも難しいだろう。~
そもそも、ぶりぶりざえもんは「''いなくても作品自体は成り立つ脇役''((もちろん、『クレヨンしんちゃん』においてもぶりぶりざえもんが絡む話は成立しなくなるし、『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』のようにぶりぶりざえもんを主体においた映画作品もある。しかし、ぶりぶりざえもんが及ぼす影響はそこまでであり、野原一家や春日部の人たちの日常という意味ではぶりぶりざえもんがいなくても話を作ることが出来る。))」だが、ダオスは「''いないと作品自体が成立しないメインの立ち位置''」という違いもあり、単純比較は不可能。


補足しておくが、森川氏のダオスの演技に問題がある為に不満意見が噴出しているという訳ではなく、&bold(){“ダオス=塩沢氏の声”}の印象があまりにも強すぎるがゆえに「''(根本的にダオスに)代役を立てること自体が受け入れられない''」という声がある、ということである。

森川氏は様々な役柄を演じ((大抵美形をやっているが、老人キャラクターやギャグキャラクター、淡々とした口調で掴みにくいキャラクターもやっている。また、美形ひとつとっても役幅が広い。))、吹き替えでも色々なハリウッドスター((ウィル・スミス、キアヌ・リーブス、ジョニー・デップ、トム・クルーズ、ブラッド・ピット、ユアン・マクレガーなど。))の担当もしてきた実力を持つプロの声優であり、ダオスにしても製作スタッフからの抜擢によって演じたに過ぎない以上、森川氏に批判の矛先を向けるのは完全に筋違いである。~
勿論、森川氏のダオスは森川氏のダオスで受け入れている者もいるのだが、断固として受け入れられない者との間では荒れる。~
そのため、特にネット上においては話題として出さない方が良いと言える。

//しかし、ダオスに関しては以前より『なりダン3』においてヘタレと呼ばれるようなキャラクターと化していたことや、一部のキャラクターの過剰贔屓や崩壊で問題となった『バーサス』など、近年のシリーズ作品においてダオスのキャラクター性が明らかにおかしな方向へ傾いていることに不満を漏らすファンが現れていた。~
//しまいには『ファンタジア』の続編として評価の高かった『なりダン』のリメイクである『なりダンX』で原作の面影が皆無な非道でしかないダオスが現れてしまい、当然ファンからは作品自体を含めてかなり評判が悪い。

//そのためダオスの声優云々以前に、「現スタッフがダオスのキャラクターや魅力をまったくわかっていないのでは?」と考えるファンが増加しつつある。~
//要は「代役を依頼したのがダオスに理解が足りないスタッフであるため、昔の塩沢氏のダオスと今の森川氏にイメージの食い違いが出て当然」だという見解である。~
//つまりその書き方だとアニメ制作を行ったスタッフ陣もキャラクターや魅力がわかってなかったってことになりますが…
//ファンの間では根本的に「スタッフがダオスのことをわかっていないから」と考え、塩沢氏のダオスを推すファンにとってはなかなか受け入れられない森川氏のダオスの演技も「氏ではなくスタッフの演技指導に問題がある」もしくは「スタッフが森川氏に間違ったダオス像を伝えているのが問題」と考えているファンが増えつつある。~
//何度も言うが「森川氏の演技(声質)がダオスに合うか合わないか」は個人の感覚・好みの問題であり、氏の演技は新たなダオスのファンを獲得するほどに優れている。
//これって森川氏のダオスが受け入れられないのを「スタッフがわるいからだ!演技指導に問題があるからだ!」って他人のせいにしてるだけじゃないですか。
//↑スタッフ…ってかヲタッフが悪いって言うのはダメだけど、森川氏が悪いって言う分には良いのか?その文面だとド直球で「森川氏の演技が下手だからダオスは受け入れられてないんだ」って言う分には文句ないって事になるもんね。…開発関係者乙とか言って欲しい?そもそも履歴見りゃわかるがいつの間にか後半は付け加えられてるんだよ、お前が森川氏を気に食わないのは別に勝手でそれ自体とやかくいわれるべきものじゃない。だが、だからってヲタッフ庇いたいからって話丸ごと無かったことにしようとするな、乱暴というか横暴すぎる。とりあえず、元々の部分はCO解除で残りは打ち合わせでも議論でもしてくれや。まあ、どう贔屓目にみても「ヲタッフのシンパ」にしか見えない奴が何を言おうがって思うけどね、悪いけど。
//テイルズスレで「長々と書く必要はない」「そもそもいらない」と、この部分に関しては縮小・削除を望む意見が多いです。 話し合いたいのでしたらそちらへ。
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*移植
2013年9月24日から2014年5月29日まで、本作をベースとする[[iOS向けの移植版>http://top-app.tales-ch.jp/]]が配信されていた。~
基本プレイ無料でアイテム課金という方式を取っており、課金せずとも一応はエンディングまで到達する事も出来る。~
ただし、ボタンが無い影響でタッチスクリーンでの操作となっているため、操作性にやや難がある他、GRADEシステムが廃止されていたり、敵の全体的な能力強化、ダンジョン内の主にボス戦前にあったセーブポイントが不自然に削除((元々はそこにあったことが解るような形で削除されている。))されていることもあって、難易度が上昇している箇所も多く見受けられる。~
また、セーブをする際にサーバーと通信を行う必要があるため、ゲームをプレイする際はデバイスを常時インターネットに接続出来る環境が必須となり、これの絡みか、配信終了日以降はプレイそのものが不可能となる。

上述の難易度上昇の要因となる要素とその部分を良くも悪くも上手いこと突くかのような課金要素の存在により、「''結局課金前提のバランスにされている''」と受け止めている者も少なくない。~
中でも、最初のボスである「ボア」が課金アイテムに関してのチュートリアル((この戦闘に限り課金アイテムを無制限に使用出来る。この手のチュートリアルは、ソーシャルゲームを始めとするアイテム課金方式のゲームに必ずといっていい程搭載されている。))に利用され、それを受けて異常に強化されている事が「''基本無料を謳っているが、露骨に課金を強いてくるゲームになっている''」と解釈され、それがツイッターによって拡散してしまったことに対して、[[''あるテイルズオブシリーズのコアなファンが擁護のツイートを挟んだ''>https://twitter.com/talesing/statuses/382718214796357632]]ことは、事の発端をひっくるめて多くのまとめブログなどが取り上げたこともあって割合有名かも知れない。

ちなみに、海外でもテキストを英文化した以外はほぼ同じ仕様で配信されていた((2014年8月28日をもって配信終了している。))が、こちらでもやはり難易度を課金前提のバランスと断じる意見((中には「そもそも『ファンタジア』にアイテム課金の必要性がない」「アイテム課金が癌になっている」といった旨の意見も出ている。))や、iPhoneやiPadの構造や仕様上致し方ない部分もあるが、操作性の悪さを指摘する意見がかなり多くなっている。~
また、ゲーム自体の評価にしてもシステム諸々ひっくるめて「''なまじ基本無料で手を出しやすいこれのせいで『テイルズ オブ ファンタジア』がクソゲーに思われてしまうのが悔しい''」「''なんで『テイルズ オブ ファンタジア』の日本国外向けはクソ移植(GBA版とiOS版のこと)しか来ないんだ''((SFC版とPS版は非公式な手段でなければプレイが出来ないものの、有志によって訳されたバージョンが存在しているが、ナムコ(バンダイナムコゲームス)から日本国外向けに公式に発売されているのはGBA版とiOS版のみである。))」といった嘆きの意見もあり、それなりに好意的な意見も見られる日本以上に辛辣な意見にさらされている。~
なお、海外の反応に関して、それぞれ意図をねじ曲げない程度の意訳であることをご了承願いたい。
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