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MARVEL SUPER HEROES」を以下のとおり復元します。
*MARVEL SUPER HEROES
【まーぶる すーぱーひーろーず】
|ジャンル|格闘ゲーム|&amazon(B000069TD0)|
|対応機種|アーケード(CPシステムII)|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼動開始日|1995年|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|備考|セガサターン、プレイステーションに移植|~|
|ポイント|当時日本ではまだマイナーだったヒーロー達&br()派手な演出やコンボはこの頃から&br()当然のように永久コンボ|~|
|>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[Marvel Comics関連作品シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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//依頼所からの丸コピペ。ただ、「隙がないほどの凄まじい完成度~」「ゲーム自体が欠陥だった為~」は一見すると矛盾した言い回しなので一部勝手に修正させていただきました

**概要
 『[[X-MEN CHILDREN OF THE ATOM]]』の続編…というと語弊があるかもしれないが後継作品。原作はマーベルコミックの大規模なクロスオーバーである『インフィニティ・ガントレット』。そのため今回はX-MENのみならずマーベルコミックのヒーローを集合させた作品となった。
**登場キャラ
-使用キャラは隠しを除いて10名とこの時期の作品としては少な目。しかしクロスオーバー作品ならではで、マーベルユニバース最大のヒーローチーム「アベンジャーズ」のビッグ3の内の二人、アイアンマン、キャプテンアメリカ((なお参戦しなかったもう一人はソー(日本風に読むとトール)。))、やはりアベンジャーズの一員であるハルク、そして"貴方の親愛なる隣人"ことスパイダーマンとそうそうたる顔ぶれがセレクト画面には並んでいる。
--…が、当時の日本ではピンとこない人の方が多かっただろう。せいぜい知られていたのは、東映による特撮番組や池上遼一氏および山中あきら氏による日本版漫画の存在したスパイダーマン((なおアメリカ公式では「並行世界として実在する」と言う設定になっており、『スパイダーバース』と言う作品では3人とも次元の壁を乗り越えて原作世界に登場している。と言うか本作のスパイダーマンも原作とは別世界のスパイダーマンと言う扱いで登場している。ボス相手にパーフェクト負けしたけど。))、『超人ハルク』の名でアメリカのTVシリーズが放映されたハルクくらいか。

#region(MSHでの登場キャラ(デフォルト))
-『X-MEN CHILDLEN OF THE ATOM』からの登場キャラはウルヴァリン、サイロック、マグニートー、ジャガーノートの4人。うちマグニートーとジャガーノートの2人は前作でボスキャラを勤めており、本作では調整を施されたうえでプレイアブルキャラとなった。~
以下は本作で新たに登場した6人。

-スパイダーマン(ご存知蜘蛛男。アメコミを代表するヒーローの一人)
--素早い動きと、当たると一定時間相手を動けなくする飛び道具、突進技、対空技などを備えたスタンダードな性能のキャラ。
--勝利ポーズの空耳''「ワンダフルちんちん」''((正確には「One for J.J.!(J.J.のために写真を一枚、っと!)」と言っている。))は今でもネタにされている。

-ハルク(ガンマ線を浴びた事で怪力を得た天才科学者)
--パワータイプのキャラ。ただし突進技「ガンマチャージ」など、機動力もそこそこある。
--当初はその外観から「グリーンジャイアント」と呼ばれたりもした。

-アイアンマン(自分で作ったパワードスーツをまとって戦う兵器会社の社長)
--本作のビーム枠。インフィニティ・スペシャルの「プロトンキャノン」がド派手で目を引く。
--多彩な飛び道具と飛行による機動力の高さが売りのキャラ。

-キャプテンアメリカ(アメリカの超人兵士。日本では知名度が低いが、アメリカではマーベルヒーローの代名詞と言える存在)
--ヒーローチーム「アベンジャーズ」のリーダー。星条旗をモチーフとしたデザインが特徴。
--飛び道具、突進技、無敵対空技を備えたスタンダードな性能のキャラ。若干パワータイプ寄り。

-ブラックハート(魔界の支配者メフィストの息子。ゴーストライダーの宿敵)
--色モノ枠その1。強攻撃で亡者や使い魔を出現させる、インフィニティ・スペシャルのアーマゲドンで隕石を降り注がせるなどやりたい放題。
--実は「インフィニティ・ガントレット」には登場していない。父メフィストが登場しているのだが、その代役なのだろうか。

-シュマゴラス(異次元「カオスディメンション」に住まう混沌の神)
--色モノ枠その2。本来は不定形で「見た者が最も恐れる姿」で現れるとの事だが、ゲーム上は一つ目のタコのような外観で、やっぱり技もひとクセあるものが多い。
---『クトゥルフ神話』に登場する混沌の女神「シュブ=ニグラス」がモチーフだと言われている。
--とてつもないマイナーキャラで、マーベルコミックでも『Dr.ストレンジ』の敵役としてわずか数回登場しただけである。そのため、カプコン側が「シュマゴラスを使いたい」と伝えた時、マーベルの担当者に「誰それ?」と言われたらしい。しかし本作稼働以降知名度が一気に上がり、最新作「MARVEL VS CAPCOM3」にも登場する程の人気?キャラになった。やったねシュマちゃん!
--もちろん「インフィニティ・ガントレット」にも登場していない。宿敵Dr.ストレンジが登場していたので、代役なのだろうか。
--日本版での勝利メッセージだと、語尾が「でシュ、まシュ」になる。別に原作ではそういうイメージのキャラではなく、日本版以外ではまともな口調で話している。

#endregion

#region(ボスキャラ・隠しキャラ)
-以下に挙げるボスキャラのDr.ドゥームとサノス、そして『[[ヴァンパイアハンター]]』からのゲストキャラのアニタも使用可能であるが、アーケード版で使用するためには「筐体をフリープレイモード(お金を入れずに無尽蔵にプレイ出来るモード)に設定したうえで、さらに隠しコマンドを入力しなくてはならない」ため、ゲームセンター側が特殊な設定をしていない限りお目にかかれない。そのような特殊なボスキャラだけあってか、性能は簡単な永久コンボや異常に便利なインフィニティ・スペシャル(超必殺技)等明らかに対戦バランスは無視されている。
--ただし、アーケード版ではドゥームとサノスの使用方法は公開されたものの、''アニタのコマンドは最後まで正式公開されなかった。''後述するように致命的なバグがあったのが原因なのかも知れない。
--なおこの隠しコマンドは日本版のみ有効で、海外版では削除された。ただし、海外版でも内部データ自体は残っているためチートでは使用可能。
--家庭用移植版では一度クリアして隠しコマンドを入力すれば使えるようになった。こちらの日本版ではアニタが正式に隠しキャラとして発表されていいるが、海外版ではアニタのみ削除されている。


-Dr.ドゥーム(ヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」のライバル)
--有名なヴィラン(悪役)の一人。原作ではヒーロー達と共闘するのだが((ドゥームに限らず、大物ヴィランは宇宙や異世界からの脅威に対してはヒーローと共闘する展開が多い。))、本作では中ボスとして立ちはだかる。
--高威力かつ広範囲をカバーするレーザー、自身の周囲に岩のバリアを張るなどボスらしい強性能の技が多い。
--実は今作のみ名前表記が「ドクター・''ドーム''」になっている。後の作品ではより原語に近いドゥーム表記が採用されている。
---悪魔博士って言うな。((Dr.ドゥームは本来シリアスキャラなのだが、アニメ版『ファンタスティック・フォー』の日本版である『宇宙忍者ゴームズ』(主人公・Mr.ファンタスティックがゴム人間だったため、本人含めこの名前に)での扱いのせいで凄まじいネタキャラ扱いになってしまった。まぁギャラクタス(コズミックビーイング:宇宙の神レベルの存在)でさえネタキャラ扱いな作品だが。))

-サノス(インフィニティ・ガントレットを手中に収めた異星の狂える神)
--本作のラスボス。全てのインフィニティ・ジェムを手中に収め、宇宙の絶対神として君臨した。原作では本作に登場するヒーロー達で太刀打ちできる存在ではなかったが、さすがにゲームでは普通に倒せる。
---しかし、超必殺技がインフィニティ・ジェム由来のものしかなかったため、原作を知らない日本人からは「超強力アイテムを手に入れて調子に乗っただけのゴリラ」扱いされる事が多かった。本作ではマグニートーなどからも同じ扱いをされている。
--性能はラスボスだけあって凶悪そのもの。プレイヤー使用時もその性能は全く変わらない。
--アーケード版では個別のエンディングがきちんと用意されておらず、専用イラストこそあるものの状況にそぐわないマグニートーのED台詞が代わりに表示されていたが、家庭用ではきちんと台詞が用意された上に選択分岐形式になった。

-アニタ([[ヴァンパイアハンター]]からの友情出演キャラ)
--隠しキャラ。元はドノヴァンの背景キャラであり非戦闘キャラだったが、今回はアニタ自身が戦う。原作では「強力な超能力を持っているがために周囲から嫌忌され感情を失い、そこをヴァンパイアハンターのドノヴァンに引き取られた幼い少女」という本来なら真面目なバックストーリーを持つキャラなのだが、今作では勝利セリフがスタッフコメントやパロディネタで埋め尽くされており、下記に挙げるようなとんでもない性能も含め番外的なお遊びキャラになっている。個別のエンディングも用意されていない。
--性能はドノヴァンの動きをベースに彼の魔剣ダイレクを使い、豪鬼やリンリン(レイレイの姉)を召喚するなど、CAPCOMキャラのパロディが多い。身体が小さいため攻撃を喰らいづらい上にコンボが強力で、お手軽簡単な永久コンボ持ち。さらに、インフィニティ・スペシャルの「ラブフォーユー」は、密着で繰り出すと直撃・ガード問わず体力8割を奪う極悪性能。
#endregion

**内容
 前作X-MENは、キャラごとに違う通常技のチェーン方向や超必殺技のゲージ消費量、画面が縦に大きくスクロールするほどのスーパージャンプ、そしてオートガードモード等々、格闘ゲームとしては斬新な要素が多かったものの、日本ではあまりヒットに繋がらなかった(アメリカでは大ヒットしたが)。そのシステムを大きく見直したのが本作である。
-エリアルレイヴ
--前作ではキャラにより得手不得手の違いが大きく、さらにほとんど画面端限定であった空中コンボが、本作ではシステム化されて全キャラに標準搭載され、地上のどこにいても狙えるようになった。
--前作は空中コンボを使った永久コンボが多かったためか多少制約が加えられてもいる(だが、永久コンボの防止としてそれだけでは完璧ではなかったようだ。詳しくは後述)。
-ジェムシステム
--対戦中に「インフィニティ・ジェム」と呼ばれるアイテムが出現し、これを取得、使用することで一時的に特殊なパワーアップを得る。初期「サムライスピリッツ」のアイテムに似たような感じである。
--同じジェムでも使用キャラによって効果が変わったり、所持しているジェムは特定の技を食らうと落としてしまう、など対戦時の駆け引き面を強化している、と言えなくもない。
--原作の内容にちなんでいる事や約20年後に発表された『MAVEL VS. CAPCOM INFINITE』まで全く引き継がれなかったという事から、本作のシステムにおける最大の特徴と言えるかもしれない。
//勝利画面のBGMが全員違うのは、ヴァンパイアシリーズやスーパーマッスルボマーでもやっています。

**問題点
-永久コンボが多い
--対戦ツールでは永久コンボは致命的に底が浅くなってしまう重大な欠陥である。前作X-MENにはその永久コンボが単純なものから高度なものまで無数に存在したのだが、今作でも低難度で実戦投入可能な永久コンボがいくつか存在している。
---アイアンマンの「壁を背にして(しゃがみ中パンチ→中リパルサーブラスト)×n」や、シュマゴラスの「敵を壁に追い詰めて(立ち強パンチ→しゃがみ弱キック)×n」や、ボスキャラだがサノスの「敵と間合いを合わせてしゃがみ強キック連打」など、どれも絵的につまらないものばかり。これはほんの氷山の一角で、他のどのキャラもだいたいこんな感じで永久コンボが存在する。だが、どれも実戦的かというとそうでもない。
-細かいバグもチラホラ…
--アーケード版ではボスキャラのアニタの使用時に特定の状況(例を挙げるとシュマゴラスの石化攻撃を受けた時)においてリセットがかかってしまう((アニタに石化モーションが用意されていなかったため、存在しない石化ポーズを呼び出そうとしてプログラムに異常をきたし、ゲームがリセットされてしまう。))。ただし、前述の通り使用コマンドが公開されなかったため、使用すること自体が非推奨だったのかも知れない。アニタが隠しキャラとして公式に発表された家庭用では修正されている。

**評価点
-グラフィック面では当時最高水準
--全体的に動きはオーバーアクションでよく動き、必殺技などの演出もド派手。特にスパイダーマンは「これまでのメディアで登場したスパイダーマンの中で一番スパイダーマンらしい動きだ」とマーベル担当者がベタ褒めしたほど。
-BGMも良曲が揃っている。本作のBGMは後のシリーズにおいて定番の曲となっている曲が多い。
-前作X-MEN同様、アメコミキャラの認知に多大な貢献をした点も忘れてはいけない。

**総評
自由度の高さと爽快感はあったが、調整の甘さも抱えていた惜しい一作。~
キャラゲーとしては間違いなく優秀な一作と言える。

**移植
-PS、SSに移植されたが、AC用基版との性能差のせいか劣化した部分も多い。
--SS版は、カプコンの格闘ゲームとしては初めて1MB拡張RAMカートリッジに対応した作品。ただし、RAM無しでも単体で遊ぶことも可能であり、またRAMの恩恵も体感できるほどのものではなかった(若干アニメ枚数が増えるがロード時間短縮などはなかった)。
--海外版の家庭用移植ではボス2名は使えるが、やはりアニタは削除されている。
-後に''欧米でのみ''『[[MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』とのカップリングで『MARVEL VS. CAPCOM Origins』のタイトルでHD移植された。こちらは日本未配信。
--『Origins』では欧米で初めてアニタが使用可能になっている。もはや時効となったのだろうか。

**続編・その後
-約1年後に、今度は[[ストリートファイターシリーズ]]とのクロスオーバー作品である『X-MEN VS. STREET FIGHTER』が稼働した。本作のシステムをベースに2on2バトル、交代やヴァイタルソースの概念など新たな要素が盛り込まれた作品となったが、対戦バランスはさらに自重しなくなった。
--その続編として本作の名を冠した『[[MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER]]』も登場している。

**余談
-「X-MEN」では豪鬼の登場に対しマーベル社からクレームがあったらしいのだが、アニタに関しては(海外版で削除されているせいか)大きな問題には発展しなかったようだ。
-前作であるX-MENが小学館プロダクション(現・小学館集英社プロダクション)から出ていた翻訳版とタイアップしていたが、小プロの翻訳版もX-MEN単体から発展して他のマーベルコミックもオムニバスで掲載する『マーヴルX』というムックになっており、そこで本作の原作といえるクロスオーバーコミック『インフィニティ・ガントレット』が連載されていた。
-本作稼働後、SFCでアクションゲーム『MARVEL SUPER HEROES WAR OF THE GEM』が発売された。『インフィニティ・ガントレット』の続編タイトル『インフィニティ・ウォー』を原作としているが、『~ガントレット』分もいくらか含まれている。
--ヒーローたちの悪の分身と戦うのだが、原作が日本で翻訳されておらず、日本ではマイナーなキャラも登場するため、((もちろん、アメリカ人のコミックファンなら知っていて当然のキャラばかりだが。))どういうストーリー展開なのかよく分からないと言う人も多い。
-本作で隠しキャラとして登場したアニタはサブキャラの中では人気があったため、その後も家庭用『[[スーパーパズルファイターIIX]]』の隠しキャラ(アーケード版で最強と言われたドノヴァンのさらに上位性能)になったり、さらには(ドノヴァンを差し置いて)『[[MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』のスペシャルパートナーとしても登場している((ただし、このスペシャルパートナー版アニタが超能力で繰り出す飛び道具の1つとしてドノヴァンが混ざっていることがある。))。

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