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*サイバリオン
【さいばりおん】
|ジャンル|アクション|
|対応機種|アーケード|
|発売・開発元|タイトー|
|稼働開始日|1988年|

**概要
-トラックボール(固定されたボールを指で回転させて操作する操作機器)を用いたアクションゲーム。全五面。自機が巨大な黄金の竜で、口から吐く炎を武器に戦うと言うのが特徴的。1トラックボール1ボタン式。
-サウンド担当はもちろんZUNTATA。作曲担当のYack.((本作では「YAC」名義。))こと渡辺恭久は本作がコンポーザーデビュー作となった。「メインテーマ」をはじめとしたSF感溢れる楽曲群は現在も評価が高い。

**システム
-ゲーム開始時に基礎編と実戦編の難易度選択が可能。基礎編はマップ固定(後述)で得られるスコアも少ない。
-自機の操作はトラックボール。トラックボールを素早く回転させれば自機の動きも素早く動く。ショットは火炎放射で自機頭部から伸びるように発射される。そのため、ある意味では全方位STGとも呼ぶ事が出来る。
--トラックボールによって動くのは頭部のみ。首から下は起動を追ってついてくるだけなので、操作は難しい。
--画面下部にゲージがあり、ショットボタンを押したままにしているとゲージが減少して行く。ゲージは炎の長さに影響する。ゲージは炎を吐かなければ自動回復するが、素早く自機を移動させるとその分回復速度も速まる。
-ライフ及び残機制。ダメージを負うたびに尻尾の先端から赤くなって行き、頭部が赤くなったあとダメージを食らうと爆散してミスになる。
--自機の当り判定は見た目通りだが巨大。
--ライフはアイテムを入手する事で回復する事が出来る。回復アイテムはライフが最大だと出現しない。
-本作の最大の特徴は実践編にて''ランダム式マップを採用している''という点。ローグライクゲームのようにマップが自動生成され、一定の条件に応じてストーリーも変化する。エンディングはなんと''全100種類以上''((正確なエンディング数は未だに判然としない。現在はっきりと確認されているのは№103までだが、№104を見たという報告も一定数存在する。))。これにより常に新鮮な感覚でプレイすることが可能となった。
--ストーリーはハッピーエンドからバッドエンドまで多種多彩。ストーリーによってはタイトー過去作のキャラクターが出現したり、同一世界観だったりと極端な変化を見せ、それに伴い難易度も変化する。ランダムではあるが、ある程度の法則がある。

**評価点
-何もかもが斬新。
--自機が金色の龍というだけでも十分攻めているのに、マップがランダム生成、ストーリーが全く予測不能というのはあまりにも斬新。
--エンディング数の多さから、「未だ見ていないエンディングを見たい」というギャルゲーのようなモチベーションが発生しているというのも凄まじい。

-ダライアスファンへのサービス
--シナリオ分岐によっては『ダライアス』の主人公機シルバーホークによく似た「ゴールドホーク」が登場し、僚機として活躍してくれる等、本作は『ダライアス』シリーズとの関連性が強い。
--エンディングの幾つかにはダライアスの1Pキャラ・プロコが登場。最も、幸福な運命を辿るとは限らないが…。

**問題点
-難易度が高め。
--自機の判定が大きい上に無敵時間が無いので、ダメージゾーン等に触れてしまうと2~3ライフは一瞬で持っていかれる。
--実はこのゲームは回避を前提にして考えるべきではなく、敵が出現した瞬間にショットで潰し、弾丸を吐かれる前に予防していく必要がある。この独特のコツを掴めないまま、一瞬でゲームオーバーとなってしまう初心者が後を絶たない。
--加えてトラックボールというアーケードでもなかなか見かけない操作システムが体感難易度を更に上げている。
---しかし移植版をプレイすると分かるが、実はジョイスティックで操作すると更にやりづらい。龍を大胆にグルグルと動かす必要のある場面、或いは微細な操作を要求される場面など多岐に渡っている為、トラックボールのように手の平全体で操作するシステムでないと難しいのだ。

-フラグ立てが曖昧。
--エンディングが百種類以上となると、自分がまだ見ていないエンディングを目指してプレイしたいと思うのが普通だろうが、このエンディング分岐条件が複雑かつ曖昧で、狙ったエンディングに到達することはまず不可能。

-「基礎編」がつまらない。
--「基礎編」と「実戦編」が選べる以上、「基礎編」は初心者向けだと思われるだろうが、実際はそうとも言い切れない。確かに基礎編ではマップが固定、敵も強くはないが、この基礎編では特殊アイテムが出現しないのである。
--特殊アイテムはスコア稼ぎに重要な要素で、これが無い基礎編はプレイ感覚が非常に単調でつまらない。

-全体に窮屈な印象。
--ランダム生成マップの弊害として、非常に狭い通路が登場することが多い。この為折角のトラックボール操作なのに、トラックボールを思いきり転がす場面は殆どない。

**総評
 トラックボールを用いた珍しいアーケードゲームだが、そもそも操作の癖が強すぎて必要以上に難易度が高く感じられるのもハードルの高さに拍車をかけている。そもそもトラックボールを使う必要があったのかどうか疑問を抱くのだが、この直感的体感的な操作性が固有のゲーム性を生み出しており、何はともあれその自機デザインも相まって、インパクトでは他のどんなゲームにも引けを取らないだろう。

**余談
 ボスキャラクターの「ケプロス」「ザンディック」、及び無敵キャラの「ガルスト」は同社のSFC用シューティングゲーム『[[ダライアスフォース]]』に、それぞれ形を変えて「メガロプロス」「ザンディックII」「ガルスト・ビック」という名前でラスボスとして登場(ルートごとに登場するボスが異なる)。また、自機のサイバリオンが同社のPSP用シューティングゲーム『[[ダライアスバースト]]』に「ダークヘリオス」という名称でゲスト出演するなど、ダライアスシリーズとの関わりが深い。上記のランダムなストーリー中にも、ダライアスシリーズに関係するキャラクターが登場することがある。&br()
 ハイスコアネームが「AAA」等と適当に入力された場合、勝手に他のランダムな名前に書き換わるという仕様だった。
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**家庭用移植
-X68000版(1990年9月14日、シャープ)
--本体付属マウスの''トラックボールとしても使える''という特殊仕様を生かし、アーケード版の操作性を簡単に再現することが出来た。
-スーパーファミコン版(1992年7月24日、東芝EMI)
--トラックボールが存在しないことによる操作性の劣化も問題点だったが、BGMがすぎやまこういち監修、松尾早人作曲のものに総差し替えになったことに批判が集中した((本来、すぎやまこういちには一曲だけ新曲を作ってもらう予定であったらしい。しかしメイン作曲者のYack.(渡辺恭久)が、当時音楽経験が全くない新人であったことが気に入らず、「素人の曲と一緒にされるのでは嫌だ」と、弟子の松尾早人に作らせたと言われている。))。
-他にもプレイステーション2にて2005年7月28日に発売されたオムニバス集『タイトーメモリーズ 上巻』にも収録されている。

 例によってトラックボール未対応など家庭用ゲーム機向け移植では絶大な難点があり、知名度の低さ・ハードルの高さを抱えている。

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