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ゴミ箱 -GOMIBAKO-」を以下のとおり復元します。
*ゴミ箱 -GOMIBAKO-
【ごみばこ】
|ジャンル|ゴミ処理アクションパズル|&image(http://www.jp.playstation.com/software/title/8tnu01000000qy0w-img/8tnu01000000qy2v.png)|
|対応機種|プレイステーション3(PlayStation Store)|~|
|メディア|ダウンロード専売ソフト|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|ジェットレイロジック&brコランダム|~|
|発売日|2009年3月19日|~|
|定価|1,500円|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|徹底された難しさと理不尽な物理演算|~|

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#contents(fromhere)
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**概要
空中レールに吊り下げられて次から次へと大量に運ばれてくるゴミを、設置されたゴミ箱の中に順次落とし、壊したり燃やしたり腐らせたり、工夫しながら処理していくパズルアクションゲーム。~
ステージをクリアするごとにどんどん規模が大きくなっていくゴミの数々を、果たしてあなたは処理しきれるか。

**特徴
-基本的には落ち物系パズルゲームの系譜にあたる。上から一つ一つゴミが落ちてきてそれを順次処理していき、最後まで処理し切れたらクリアとなる。
--難易度は「SWEETS・MAINDISH・HELL」の3段階となっていて、このほかエンドレスモードと対戦モード、ミッションモードがある。
---ただしそれぞれのステージ数は大して多くなく、ボリュームは1500円相当というレベル。
-ゲームオーバー判定は「無傷のゴミが3回ゴミ箱の外へ出てしまったらゲームオーバー」というシンプルなルールを取っている。
--ステージクリア後にはまき散らしたゴミの数や輩出したCO2の数等でECOかEGOの判定がつく。
---ただしこの判定、関係があるのはMAINDISHモードのみである。MAINDISHモードの場合すべてのステージをECOでクリアすると最終ステージが変わり、エンディングもそれ用のものになる。

-ゴミはある程度先まで何が来るかが表示され、1個に限りストックすることが可能(すでにストックがある場合にはそれと交換になる)。傷がついたゴミは外へ押し出してもミスにならない。
--硬いゴミは落とす際に勢いよく叩きつけて(スマッシュして)壊し、ゴミ箱を揺すって破片を整理、ゴミ箱内のスペースを有効活用していく。
--単純な破壊処理のほか、炎がついたゴミ(タバコや後半のステージでは&bold(){炎上タンカー}など)を可燃物や石油に延焼させたりする焼却処理、腐敗玉という水で成長する菌らしきものを使用して腐食させていく方法などを使ってゴミの量自体を減らしていくことになる。
---炎上中に蓋を閉めると箱内の温度が上がり延焼しやすくなる。ただし酸素が無くなると鎮火してしまう。加えて酸素が無くなる直前に蓋をあけると一気に炎上する性質((バックドラフト現象を再現したもの。「一定時間を蓋を閉め続けている」条件下で「箱内の酸素ゲージが一ケタ」になったときに蓋をあける必要があり、なかなかシビアなものとなっている。))があり、これを起こすことで普段はまず延焼してくれない金庫などのゴミも処理が可能である。
---ガスボンベや不発弾など炎に当てることで爆発するものがあり、これらを使うことでゴミを吹き飛ばすことが可能。巨大な爆発物の場合ゴミ箱を一気に空にする。いずれもかなり強力であるが一気にエゴに傾く。
-ゴミの中にはまだ使えるもの「モッタイナイ」ゴミがくることある。ゴミ箱の下側に配置してゴミーに回収させると、ストックに炎上品や爆発物など有用なものを置いてくれる。
--逆に破壊してしまうと上からペナルティーゴミが大量に降ってくる。ペナルティーゴミの多くは硬いうえに不燃だったりきわめてカサが多かったりできわめて処理が難しい。こうなるとクリアは絶望的になる((一部ステージでは一応はクリア可能ではあるが…))。
---ペナルティーはスマッシュで破壊した場合以外に、延焼させてしまった場合はもちろん腐敗玉で分解してしまっても起きる。回収させるには結構ゴミ箱の底に置かないといけないため、回収が絶望的な場合には「意図的に外に放り投げてワンミスの代わりにペナルティーを回避する」テクニックも存在する。
-ステージがある程度進むとボスが出現する。ボスはいずれもきわめて巨大なゴミでしかも制限時間付き。制限時間内に破壊しないと上記のペナルティーゴミが来る。
--ただし当たり判定も大きく、続くゴミをちゃんと当てれば間違いなく壊せる程度の調整はちゃんとされているため、HELLともなると単なる通過点でしかない。

-難易度HELLをクリア後には特殊ゴミ箱が解放される。
--銀のゴミ箱はゴミが壊れやすく普段壊れない組み合わせでも破壊できる。赤のゴミ箱は延焼しやすく、緑のゴミ箱は腐敗玉の効果が高く、金のゴミ箱はそれらすべてを兼ね備える。
---解放は銀、赤、緑、金の順番でそれぞれのゴミ箱でHELLクリアが解放条件となっている。金のゴミ箱でHELLクリアをするとトロフィーがもらえる。

**評価点
-ルールが分かりやすい。
--「無傷のゴミが3回ゴミ箱の外へ出てしまったらゲームオーバー」というシンプルなルール。
--硬いゴミは落とす際に勢いよく叩きつけて(スマッシュして)壊し、ゴミ箱を揺すって破片を整理、ゴミ箱内のスペースを有効活用していく。
-音楽がとても良い。
--パズルゲームにしては非常にノリノリなBGM。プレイヤーのモチベーションを保ってくれる。
-ゴミの種類が豊富でユニーク。
--ステージが進むにつれてゴミ箱の容積が飛躍的に増大していき、ゴミも超巨大なものになる。ある種バカゲー的な雰囲気も持つ。
---小さいものは鉛筆から、大きいものは惑星規模の物まで。

-エンディングはゴミ箱のゲームコンセプトの通りでなかなか考えさせられるものとなっている。若干説教臭い部分はあるものの、エコの大切さを感じさせてくれるものになっている。もっとも後述するようにそのエンディングを見られた人は''ほんの一握り''であると思われる…

**問題点
//文章量が少なくて上下で圧迫感あるので、大見出しを通常太文字に変更。
&bold(){物理演算の挙動の癖}
-物理演算のいたずらで、時にはゴミが理不尽な動きをすることもある。いわゆる「ハヴォック神降臨((「ハヴォック」とは、リアル3D系ゲームによく使われる物理エンジンの名前。))」。

-ゴミ箱を揺らしてゴミの破片を最適化する際、空中にゴミが留まってなかなか落ちないことがよくある。腐敗玉で底の方のゴミを処理した後、振ってもなかなか落ちずにアーチ状に空洞ができてしまうこともある。

-ゴミを砕くにはゴミ同士を勢いよく叩きつける必要があるが、叩きつけたことにならずヒビすら入らないことがある。
--壊れ方はゴミによってかなり細かく設定されている。たとえば消化器はホースから落ちると双方とも全く壊れない事が多い。また目的の物より先に壊れた破片等に当たった場合スマッシュ効果は消える。
-やわらかいものがゴムのように跳ねる。雲やイカがゴミ箱の底から大ジャンプして外に出てしまい、ミスになることもある。
--スーパーボールやサッカーボールをスマッシュしてしまい飛んで行ったというような凡ミスから、壊れないけど押し込もうとしてスマッシュしたら跳ねた、ふつうに置いたのに&bold(){ハヴォック神が降臨してグルグル回った末吹っ飛んで行った}、というようなこともそれなり起こる。

&bold(){圧倒的なまでの難しさ}
-「SWEETS・MAINDISH・HELL」の3段階の難易度があるが、それぞれ「難しい・とても難しい・地獄そのもの」と言っても良い難しさ。MAINDISHでも人によっては100回以上やり直すことになるほど難しい。HELLはまさに地獄である。
-MAINDISHまではトライ&エラーで何とかならないことも無いレベルではある。しかしHELLは動画サイトでクリアルートを見ても&bold(){まともにクリアできないレベル}で難しい。

-HELLの場合、攻略ルートはほぼ一本道(というかそれ以外の方法でクリアする手段がない)。さらにステージ1,2,3は地獄のように難しいが4,5,ラストステージはルートさえ知っていれば比較的容易(あくまでステージ1,2,3と比較してであるが…)にクリアできる。
--試行錯誤というより、理不尽な物理演算を、いかに&bold(){クリアルートを外れないように制御できるか}、が問題になる。たとえばステージ1はゴミの量が多すぎてまともに捌き切れないため、「ゴミを傷つけつつゴミ箱の外に弾き出す」という皮肉な攻略法が要求される。特に最後の連続フライドポテトを如何にして外に投げ落とすかがカギ。
---ゲームを面白くするためには試作品をひたすらやりこんで少しずつ調整していく作業が必要だが、あまりにやりこみすぎると難易度の感覚が麻痺してしまい、高難度が普通だと感じてしまうことがある。開発チームやテストプレイヤーの人数が少ないと往々にして起こることだが、この『ゴミ箱』はその典型ではないかと思われる。
--HELLばかりが注目されがちだがMAINDISHのECOルートもなかなかの鬼畜さを誇る。ただしこちらはクリアルートさえ知っていればHELLほどにはルート維持は難しくない。

-エンドレスは完全に難易度が狂っている。HELLのようなゴミの順番、規則性が無くなり、ランダムで様々なゴミがくる。そのため運任せの要素も強い。
--ほとんどの場合巨大建造物が大量に来て一瞬で詰むステージ4,5は特にシャレにならない。世界記録ですら1回目ボスの直後までしか到達できておらず、多くの場合は10数個のゴミが来た時点でゲームオーバーになってしまう。ステージ1もたまったゴミを減らす方法がないため遅かれ早かれ手詰まりを起こす。
---もはや遊ばせる気があるのかさえ疑問なレベルであり調整自体が行われていないように思われる。ただしステージ2と3については運にも左右されるがバックドラフトを利用することでゴミを大規模に焼失させられるためそれなりの継続性がある。特にステージ2の世界記録は金のゴミ箱ですら到達困難な量のゴミを処理したスコアであり、まさに神の領域である。

-難易度と関係はないが、アウトが二つ(あと一回外に出たらゲームオーバー)の時に、「GAME OVER」と書かれた看板をチラつかせてくる奴がいる。
--しかも画面手前で他と比べ目立つ位置にいるため非常に鬱陶しい。

&bold(){その他、不親切な要素。}
-ゴミ箱には奥行きがあるが、プレイヤーが置くゴミは奥行き位置を決定できない。
--ただし奥行きはそれほどない。
--視点変更も出来ないため、小さなゴミが置ける穴が出来ても把握できないことがある。

-ゴミが溜まってくると、NEXTゴミが完全に画面外に出てしまい、ゴミの振ってくる位置を調整しづらくなる。ゴミが溢れかえってピンチになるほど見づらい。

-攻略の途中経過がセーブできない。途中でやめればまたStage1から。
--ちなみに攻略時間は、HELLともなると1つのステージに数時間かかることも。
-キーコンフィグ不可。叩きつけが↑キーに割り当てられているため、ゴミを左右に動かすときに誤爆しやすい(叩きつけは△ボタンでも出来る)。

**総評
-難易度が高いだけだったのなら、発想のよさや奇抜さやまとめて一気にゴミを処理する爽快感などで評価に値するゲームになっていたかもしれない。だが、ステージ数の少なさや詰将棋同然のルート管理といった不自由さが評価を難しい物にしている。そこに物理演算の理不尽さが加わっている形である。
-だが不思議な中毒性があり、文句を言いながらもやり続けてしまうのは、リプレイのしやすさや簡単な操作、良質なBGMゆえだろうか。色々と惜しい部分がある作品。
--その中毒性からプレイヤーを増やし、PlayStationAwards2009においてPlayStationStore2009特別賞を獲得している。また、海外では「Trash Panic」というタイトルでリリースされており、国外でも人気を博している。しかしながら海外の熟練プレイヤーをもってしても、最難関のHELLをクリアしたプレイヤーはほんの一握りである。(どのトロフィーサイトでも登録者のうち最難関のゴールドトロフィーを獲得したプレイヤーは1%以下という状況である。)

**その後
-およそ4ヵ月後の2009年7月16日に、100円で3プレイの課金制ゴミ箱『100円ゴミ箱』が配信開始。
--難しいと評判だった『ゴミ箱』と比べるとかなり難易度が低くなっており、本当に誰でも気軽に遊べるレベルに。
--『100円ゴミ箱』で特定のモードをクリアすると『ゴミ箱』で使える鋼のゴミ箱がもらえる(『ゴミ箱』本編でも入手可能だが、取得条件はHELLクリア)。
---簡単に入手できる鋼のゴミ箱により『ゴミ箱』の難易度も低下した。ただしトロフィーコンプには&bold(){ふつうのゴミ箱でHELLクリアを成し遂げる必要がある}ことに変わりは無い。
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