「ロマンシング サ・ガ2」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ロマンシング サ・ガ2」を以下のとおり復元します。
//全体的に文章の簡略化、過剰な表現を抑える編集をしました。
本記事では、SFC版である『ロマンシング サ・ガ2』と、移植・リマスター版であるPSV/PS4/Switch/One/Steam版(判定はいずれもスルメゲー・不安定)を解説する。
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#contents()
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#areaedit()
*ロマンシング サ・ガ2
【ろまんしんぐ さがつー】
|ジャンル|RPG|CENTER:&image(RomancingSaGa2.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2517/774/RomancingSaGa2.jpg]]&br()[[裏を見る>https://gamefaqs1.cbsistatic.com/box/0/9/6/51096_back.jpg]]&br()&image(rs2gp.png,width=160)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|16MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1993年12月10日|~|
|定価|9,900円(税抜)|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2010年3月23日/800Wiiポイント&br()【WiiU】2014年1月22日/800円&br()【New3DS】2017年8月23日/823円(税8%込)|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)&br;アイコン:麻薬等薬物&br;※バーチャルコンソール版のみ|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|千年を超える戦いを描いた歴史ドラマ的RPG&br()高い自由度と魅力的なボスキャラ・BGM&br()敵の攻撃力が異常に高く、難易度はかなり高い&br()システム面にも不具合や粗が目立つ|~|
|>|>|CENTER:''[[サガシリーズ]]''|
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#center(){{
 &big(){''「ここに始まるは、遥かなる戦いの詩」''}
 }}
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**概要
数々の斬新なシステムを売りにするも、その酷いバグ振りで良くも悪くも話題となった『[[ロマンシング サ・ガ]]』に続くシリーズ第2弾。~
システム的には前作から発展させつつ、更に斬新なシステムを多く盛り込んでいる。
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**ストーリー
> 古代、七英雄と呼ばれる集団は数多くの悪しき魔物を倒し、いずこかへ消えた。~
いつの日か、七英雄は戻ってきて世界を救うのだという。~
世界が乱れるたびに人々は伝説を語り、七英雄が戻ってくることを願った。~
平和な時代が訪れると七英雄の伝説は忘れられたが、人の世の興亡は繰り返す。~
安定した国々による平和な時代が終わり、分裂と闘争の時代が始まった。~
七英雄の名は再び語られ始め、そして、彼らは帰ってきた。だが…~
 ~
千年の歴史を持ち、かつては世界中を傘下に収めたと伝説に語られるバレンヌ帝国も、~
今や支配圏は北バレンヌ地方の一部だけになっていた。~
バレンヌ帝国の皇帝レオンは領内に跋扈するモンスター鎮圧に次男ジェラールを連れて駆け回っていたが、~
帝都アバロンの東の港町ソーモンを占拠した七英雄の1人クジンシーによる、~
突然の帝都襲撃によって、留守を任せていた長男ヴィクトールを殺害される。~
七英雄は世界を救う存在などではなく、強大な力を持つ人類の敵だとレオンは悟る。~
かねてよりクジンシーの危険性を警告していた女魔道士オアイーブから~
志と能力を継承する術「伝承法」を教わったレオンは自らの命を犠牲にしてクジンシーの技を見切り、~
「伝承法」を受けた次男ジェラールはクジンシー討伐を果たす。~
 ~
以降、皇帝に即位したジェラールもその後の皇帝も、同じように命尽きる時、伝承法によって次代の皇帝へと志と能力を託す。~
こうして、何百、何千年にも渡る歴代の皇帝達による、七英雄との戦いと世界統一の歴史は紡がれていく…。
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**特徴
''ひらめきシステム''
-本作最大の発明と言っても過言ではない画期的なシステムで、これが導入された事により今までにないRPG体系を実現させている。以降のサガシリーズ(コンシューマー作品はもちろんソーシャルゲームまで含む全て)においても長く愛されているシステムである。
--従来のRPGではいわゆる「経験値」を溜めてレベルアップし技能を修得するものばかりだったが、今作では戦闘中に突然キャラの頭上に電球が出て新たな技を「ひらめき」、その技を使えるようになる。
---術レベル成長による上位の術の開発や武器レベル成長による威力上昇など、従来のRPG同様の育て鍛える要素も存在する。
--ひらめきの条件に「特定の技の使用」が含まれている場合もあり、序盤用の技かと思いきや終盤の強力な技の派生元だったりもするため、WP不足で弱い技を使用した際に思わぬひらめきが発生する場合も((ひらめいた瞬間に技を出す時はWPを消費しない))。
---WPはいわゆる技用のMP。術用にはJPを使用。実際にはWP、JPの表記はゲーム中には無く、技:現在値/最大値といった表示がされている。
--また、本作ではキャラによって「この技は閃くが、あの技は絶対に閃けない」という閃きタイプが設定されている。
---ひらめきの魅力にとりつかれ、派生ルートの探求やひらめくキャラを見つけるといったやりこみに莫大な時間を費やしたプレイヤーも多い。

-基本的に強敵との戦闘であるほど強力な技をひらめきやすくなるため、強力な技のひらめきで窮地を脱したプレイヤーも多い。
--ただし技をひらめいた場合、ひらめいた技を使う代わりにそのターンに使わせるはずだった技を使わないため予定が狂ってしまうことも。

-『見切り』技能
--「ひらめき」は自分で使用する技のほかに「特定の相手の技を完全に回避できる『見切り技』」もひらめける。
--強力な敵に対しても、その敵の攻撃に対する見切り技を装備しているだけで非常に有利に戦えるため、''ゲーム攻略上非常に重要な要素''。
---物語中でも序盤のボス戦で見切りの大切さを教えられる。後述の「伝承法」システムも絡め、シナリオ上における序盤の山場である。
--技と見切りを装備する技覧は共通であり、合わせて8つまでしか装備できない。
---攻撃重視にするか、防御重視にするかプレイヤーの腕が問われる所である。
---また技覧が一杯だと新しい技を閃けなくなるので、ひらめきも考慮するなら7つ以下に抑える必要がある。~
逆に8つでは「ひらめけない」事を利用して、ひらめきによる予定外の行動をなくすといった戦略も。
--実はすべての『使える技』には『見切り』が存在する。
---極端な例では味方しか使えない技の『見切り』も存在する(魅了などのステータス異常で同士討ちされない限りはひらめくことができない)ため、そこもプレイヤーのやりこみ魂をくすぐるエッセンスになっている。
--見切りも万能ではなく、麻痺や眠りといった状態異常のときは発動しない。場合によってはそれらへの対策も必要となる。

-技と見切りは一度閃けば技道場に登録され、年代ジャンプ(後述)を経た次世代からは技道場にてどのキャラにも習得させられる。また、一度技道場に登録された技は二度と閃かなくなる。
--強力な技や有用な見切りをなるべく早い時期に技道場に登録し、共有化させることが重要となる。

''LP(ライフポイント)システム''
-『[[魔界塔士Sa・Ga]]』のパラメータの1つである「ハート」がアレンジされて復活したもの。
-各キャラはHPとは別に「生命力」を示すLP(ライフポイント)を持つ。戦闘不能になったり、戦闘不能時に攻撃を受けたり、LP直接攻撃系の技を食らうたびに1ずつ減っていく。
--「HPゼロ≠死」となっており、戦闘不能にはなるが一般的な回復手段で復帰させられるようになった。その代わり「LPゼロ=死」から復活する手段はない。
---その一方で常にHP全回復の状態で戦闘が始まる仕組みであるため、LPさえ減らなければダメージを全く気にせず戦うことができる。
--なお本作の時点ではLPを回復させる手段が少なく、回復量1の希少なアイテムか、仲間からLPを奪う(宿に泊まると装備者のLPは全快するが仲間のLPは1減る)という装備品くらいしかない。お陰で戦闘不能になるたびに迫ってくる死に怯えるハメに。
---死亡しても別キャラを際限なく補充できてしまうため、キャラを使い捨てる覚悟があれば死亡など怖くないのだが。とはいえ、戦闘中やダンジョン奥など補充ができない・難しいときのキャラロストはやはり怖い。良くも悪くも、多くのRPGの常識観念が通用しない要素である。
--キャラごとに最大LP(それ以上の数値には上げられない固有値)が設定されており、そこからもキャラの背景や役回りなどが見えてくる。最強クラスの能力なのに最大LPが1というなんともはかない命のキャラも存在するが、逆にLP99のキャラもいる。

''陣形''
-“陣形”(戦闘時のキャラの立ち位置)が進化。前作を含む歴代のスクウェアRPG作品の「前・中・後列」だけのシステムから大幅に戦略要素が追加されており、戦闘の局面に応じた陣形を選ぶ事により低レベルでも有利に戦闘を進められる。
--各陣形のキャラの立ち位置は決まっており、皇帝以外のメンバーの配置換えができる。
---また縦列・横列といった攻撃範囲の概念もあり、例えば縦並びの陣形では横列攻撃に強いが逆に縦列攻撃には非常に弱くなってしまう。敵の攻撃と陣形の相性を考えて戦う必要がある(また上記の「見切り」で陣形の弱点を補う事もできる)。
--ダッシュ中に敵と接触すると陣形が乱れ、「フリーファイト」という基本陣形での戦闘になってしまう。

-序盤では最前列に攻撃を集め、後ろのメンバーを守護する「インペリアルクロス」と縦1列に並ぶ「フリーファイト」しかない。いずれも使える陣形とはとても言い難いが、他に選択肢が無い以上この2つを使い分けて運用せざるを得ない。
--該当する陣形を所持しているクラスを皇帝にして、陣形道場の人に話し掛けることで新たに陣形を開発出来る。攻撃力・防御力・素早さ・術法攻撃力の上昇するものから、必ず先手・後手を取れる陣形やパーティーメンバーの行動順序が固定できる陣形まで、様々なバリエーションに富む。
---ただし、効果が極端な陣形もある反面、誰が得するのか分からない陣形もある。
--オリジナリティの高かった前作の隊列システムに比べ、本作の「味方の配置によって能力値が上下する」という陣形システムはカプコンの『[[天地を喰らうII 諸葛孔明伝]]』の陣形システムとの共通点が多い。

''装備と属性の戦略性''
-本作での攻撃は斬・殴・突・射・炎・冷・雷・状の8種類の属性に分類されており、攻撃にはいずれかの属性が((術法「ギャラクシィ」のように、属性を持たない(防御力を無視する)ものもある。))、各防具やモンスターにはそれぞれの攻撃属性に対して個別に防御力数値が設定されている。
--攻撃が複数の属性を持つ場合、防御は最も低い数値を基準として計算される。例えば斬+殴属性の攻撃を受けた場合、斬と殴の防御力の低いほうの数値が基準となる。このため、複数属性を持つ技は扱いやすい。
--ただし、これについては''マスクデータ''と言っていいほどゲーム中では不親切な仕様だったが(詳しくは後述)、術法には特定の攻撃への防御力を高めるものが数多く存在し、「なべつかみ」といった一見防御力の低そうな防具でも特定の攻撃に対しては思わぬ防御力を発揮することもあるなど、''敵の攻撃と防御属性を考えて装備を吟味する''などの戦略性が生まれた。
-また、バトルフィールドにも火・水・風・地・冥の5つの属性が存在する。これを''地相''(地形効果)という((効果などは違うが、地相という要素は前作から登場していた。))。その効果は以下の二つ。
--地相と同属性の術の攻撃力が増す。
--地相がそのキャラ・モンスターの得意属性である場合、HPの自動回復効果(再生)が発生する。
---ただし、地相は決して固定的なものではなく、特定の術を使えば別のものに切り替えることが可能である。したがって、プレイヤーには自身にとって有利になる地相をいかに保つかという戦略性が求められる。
---なお、「水・火の地相」「風・地の地相」「冥の地相」はそれぞれ独立しており、例えば「火+風の地相」や「水+風+冥の地相」といった複合地相も存在する。
-前述の「見切り」と同様に、このような''装備品の性質や地相の効果の利用を前提にしたゲームバランス''は次作以降にも引き継がれてゆくことになる。

''皇帝たちの何代にも渡る戦いを演出する「伝承法」システム''
-本作には''一貫した主人公は存在せず''、パーティーの中心である操作キャラは''バレンヌ帝国の皇帝''である((あえて主人公を挙げるならゲーム開始時に名前をつける「最終皇帝」となるだろうが、その最終皇帝を出さずにクリアすることも可能となっている。))。
--プレイ中「皇帝のLPが0になって死亡」「パーティーが全滅」「年代ジャンプ(詳しくは後述)が発生」といったことが起こると、次の皇帝への継承(''皇帝継承'')が行われ、新しく別のキャラが皇帝となる。
--そして、新しい皇帝には「''伝承法''」による能力の継承により、先帝の技と術、そして技能レベルが受け継がれる。皇帝となるキャラクターがどんどん変わっていっても(腕力、魔力など基本能力はキャラクターごとに固有ではあるが)育成を続けることが可能となっている。
---また、継承するにあたって、先代・後継双方のキャラのマスターレベル(後述)を含めた初期技術レベルのうち、高い方が引き継がれる。つまり、様々なクラスを渡り歩くことで、術を含めたあらゆる技術を非常に高くすることができる。
---後継者に指名できるのは、先代と同じクラスのキャラとそのクラスによって決まる特定のパターンの中からランダムで選ばれる3種、計4種の中から選ぶことになる。ロードすると再抽選される。
---つまり、基本的に全滅してもゲームオーバーにはならない。敗北後の皇帝継承時に''「先帝の無念を晴らす!」''と言うのが印象深い。

-本作では一定数のイベントをクリアすると「○○年後」とメッセージが表示され、次の時代へと移る。これは「''年代ジャンプ''」と呼ばれており、ジャンプすると以下のようなことが起こる。
--前時代のパーティーはリセットされ、新しい皇帝による新パーティーを再編成することになる。
--長い時間が経過し、新たなイベントが発生する。年代ジャンプを繰り返しながらストーリーは最終決戦へと向かっていく。
--前時代に閃いていた技・見切りが技道場に登録され、全てのキャラが習得可能になる。また、発注していた合成術が完成する。
--前時代に試作品を''開発''(詳しくは後述)していた武具が、量産されて購入可能になる。また新世代の武具が開発可能になる。
---このように、年代ジャンプが行われたタイミングで技術・装備品が充実してくるので、年代ジャンプで時代が下る度にパーティーを強化していける。
---ただし、''年代ジャンプが発生する回数は有限''。もう年代ジャンプが発生しない時代に無計画に到達すると、技を閃いても登録できないわ、武具が開発・量産できないわで泣きを見ることになる。一世代で計画的に技の閃きや武具開発を行っておくプレイが求められる。
---一応、年代ジャンプが発生しない時代になっても、擬似的な年代ジャンプが行われることはある。その場合、技の登録などは行われるが、武具の量産が行われない。
-今作のストーリーは年代ジャンプのシステム上、(長くて)何千年にも渡り、(序盤と終盤を除いて)皇帝は「''伝承法による皇帝位と能力の継承''」を繰り返して代替わりしていくことになる。

''パーティー構成の選択の幅が広いクラスシステム''
-本作のパーティーキャラクターは''すべて何らかのクラスに属している''。クラスとは職業・種族のことであり、1クラスは8人のキャラで構成されている。仲間になっているクラスから好きなキャラを自由に選んでパーティーに加入させることができ、もちろん皇帝となるキャラもどれかのクラスから選ばれる。ただし、同クラスのキャラはパーティーに2人以上入れることはできない。
--クラスは全部で32種類で、それぞれ8人所属しているので、256人のキャラがいる計算になる(また、扱いが特殊なキャラがあと5人ほどいる)。
--キャラのLPがゼロで死亡しても、名前は同じ新キャラ((見た目と名前は同じだが、それ以外は完全に別人でそのキャラが本来持っている技能以外は前に鍛えていても0になっている))としてまた現れるので、仲間がなくなる心配はない。
--初期状態では猟兵や歩兵などの帝国兵しかいないが、ストーリーが進むと聖騎士、遊牧民、ハンター、町の泥棒、海女、船乗り…果ては人魚や火トカゲ族、モグラ人間などの亜人クラスまでパーティーキャラに使えるようになる。クラスによっては皇帝にした際、特定の陣形を思いつくのもポイント。
---例として、体力が高く防御に優れる「帝国重装歩兵」、平均的な能力値で体術以外の武器は何でもそれなりにこなせる「帝国軽装歩兵」、腕力が高く序盤の攻撃の要となる「フリーファイター」などのクラスがある。
--クラスの中には性別が存在するクラスもあり、男女別々のクラスとして扱われる。中には「ホーリーオーダー」のように性別によって能力値の傾向が全く異なるクラスもある(男は剣や槍が得意なコテコテの前衛タイプ、女は槌と天術が得意な術士タイプ)。
--「剣が得意な~」「何でも器用にこなし、特に小剣が得意な~」という加入前のセリフでクラス全体の特徴はある程度判断でき、同じクラス内ならば、キャラの所持技能・閃きに優れる武器の種類・能力値などの特徴は大体同じである。得意技能や能力値は固定なので、それぞれのキャラに合った役回りをパーティー内で考える必要がある。
---ただしクラス内での閃きタイプの若干の違いが主要な技を閃けるかどうかにも関わってくるため、キャラ交代で完全に代用できるというわけでもない。中には得意武器と全く異なる閃きタイプを持つという癖のあるキャラもいるため注意が必要。
---なお、剣と大剣、小剣と槍、斧と棍棒は技は異なるが技能は共通。小剣は器用さで槍は腕力に依存するため、小剣使いと槍使いの互換性は低め。
--本作では通称「マスターレベル」というマスクデータがあり、各自の技術レベルの他に全キャラで共通して蓄積する技術レベルがある。
---通常の技術レベルは同一戦闘で複数種類使うと技術点が分散されて配分されるが、マスターレベルは誰かが使ったカテゴリ全てにそれぞれ丸ごと蓄積される。その為、効率よく上げるには一度の戦闘でできるだけ多くの種類のカテゴリを使う必要がある。
---マスターレベルはメンバー加入時に参照され、そのメンバーの補正値を加えた値が初期の技術レベルとなる。つまり、偏った育て方をしていると年代を経てもその偏りまで継承されてしまう。
---上記の通りマスクデータであるが、知ってさえいれば体術以外は正確な値を割り出すことは容易。
--クラスのキャラ名にはそれぞれ元ネタがある。例えば、帝国重装歩兵なら「ベア」「ライノ」など動物の名前から、宮廷魔術士男なら「ジェミニ」「カプリコーン」など星座の名前からである。
---面白いものとして、宮廷魔術士男「サジタリウス」は射手座の名前の通り弓矢が得意、宮廷魔術士女「サファイア」は漫画『リボンの騎士』のヒロインよろしく小剣が得意、沖田総司を元ネタにしたイーストガード「ソウジ」は「薄命の天才」を意識して高ステータスの代わりに''LP1''、軍師「コウメイ」はモチーフの諸葛孔明の如く全キャラ通して術の威力がトップクラス…など名前を活用したニヤリとくる小ネタも含まれている。
--また、基本的にそれぞれのキャラは無個性で、固有のイベントを持つのはジェラールなど一部のキャラだけである。
---だが、各クラスに隠しデータで「性格」が設定されており、「マジメ系の男性・女性」「ワイルド系の男性・女性」の4種類に大別できる。同じイベントでも、皇帝の性格が違うと一部の展開や喋るセリフが異なるので、クラスの違いによるストーリーの変化がある程度楽しめるようになっている。

''成長システム''
-まず、前作のように「キャラを好きなように育成できる」のではなく、本作ではキャラの腕力・体力などの能力値は完全に固定で変化しない(HPなどは成長する)。 魔力が高く術法に向いたキャラ、器用さが高く弓が得意なキャラなど、キャラの向き不向きはほぼ決まっている。
--新たな成長要素に、「技能レベル制」を採用しており、武器と術法のそれぞれの系統ごとに個別のレベルが設定されている。
---前作のような確率で上昇する方式ではなく、敵に応じた「技術点」が戦闘で使用した技能に振り分けられてレベルアップしていき、その技能の威力や効果が強力になっていく、いわゆる経験値方式。
--どのキャラも、どれかの技能が「所持技能(得意技能)」として設定されている。初めてパーティーに加入した初期状態のキャラでも、そのキャラの所持技能レベルはマスターレベルを基準に調整され一定レベルまで成長した状態になっている。パーティーキャラの入れ替わりが頻繁に発生するために、初期状態のキャラでも即戦力になるよう採用された成長システムであろう。
--「魔力が高いキャラは術法系の技能を所持している」など、基本的にキャラの能力値に合った所持技能となっており、それを戦闘で使用して伸ばしていくことがほぼ前提となっている。

''お金について''
-本作では、戦闘に勝ってモンスターが落としたお金を獲得するという一般的なRPGのスタイルとは少し違う。敵と戦闘になるたびに''税金が国庫に入る''という仕組みになっている。一回の戦闘で獲得できる「税収」の量は、帝国の領土が増えることで上がる。ちなみに、本作でのお金の単位は「クラウン」。
--税収は領土ごとに異なるため、収入の多い地域を早めに領土にするほど資金効率が良くなる。

-そして、国庫に納められたお金は様々なことに投資できる。新しい武具の開発(後述)、帝国大学や新市街の建設、新部隊の結成など…。国内の発展や軍備の充実のために数百万単位の資金が必要となる。
--そのため、各地のダンジョン内の宝箱から入手できる金額も10万や20万などと高額である(しかし、必要な額が高いのでお金は中々足りない場合が多い)。
--後述の通り戦闘回数や年代ジャンプにより敵は強くなるので、その前にいかに収入を増やし武器防具の開発などを進めるか計画性が問われることになる。
---これがまた絶妙なバランスとなっており、不足しがちな資金も考えてやればちょうど良い収支になるようにできている。

-国庫とは別に、皇帝の財布にも1万クラウンまでお金が持てる。ただし、皇帝のポケットマネーを使うのは領土外で買い物した時ぐらいである(また、財布の仕様上、価格が1万クラウン以上の商品はない)。
--領土内の店での買い物は基本的に''皇帝特権でタダ''((領土にしてもタダにならない店もある))となる。つまり一度高額で開発したものは流通後いくらでも揃えられるというシステムである。
---一方、薬などの消耗品は売っていないため、倉庫に補充された限られた分を慎重に使う必要がある。
--''タダで手に入れたものを売っても金は手に入る''が、ポケットマネーの上限までしか補充はされず国庫には入らない。
---ポケットマネーの補充はこの他、国庫管理の大臣に話しかけたり、宝箱からクラウンを得ることでも可能。

''開発システム''
-装備については店で買う・宝箱で手に入れる・敵のドロップアイテムとして入手のほか、自帝国内で何十万クラウンとお金を投資することで武具の「''開発''」も可能。
--最終的には剣と重鎧を除く系統において、開発される武器・防具が最強の性能になり、自由で店で購入することができるようになる。
--開発は、段階的に高性能のものが開発可能になっていく。開発に必要な資金も40万、80万、120万と高性能になるほど増加する。ただし、一世代で一段階しか開発できず、「年代ジャンプ」を経ずに序盤から一気に最高の武器まで開発するといったことはできない。
-術(魔法)は戦闘を重ねて技能レベルを上げると新たな術を習得できるようになる他、「合成術」と呼ばれるものはお金を投資することで開発が可能。
--術の習得、合成術の開発のどちらにも「術法研究所」の建設が必要。この建設にもお金がかかる。


**評価点
''自由度が高いイベント構成で、プレイヤー独自の帝国史を作れる''
-''プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝を操作し、世界の統一と七英雄打倒を目指していく''。基本的には世界各地の問題(イベント)を皇帝直々に解決し、お礼にその地域をちゃっかり帝国の領土にすることで世界を平定していく。問題の多くは七英雄と繋がりを持つ事が多く、実際は世界の平定より七英雄打倒が主目的である。
-世界各地のイベントや、七英雄を倒す順番はある程度自由に行える。また、1つのイベントに複数の攻略法が用意されているため、プレイヤー個人個人によって違った展開となるのが魅力。
--例えば要塞の攻略でも、「正面から強行突破」「お金を払って道を教えてもらう」「あるクラスに依頼して秘密の通路から楽々攻略する」という3つのルートがある。同じイベントでも着手した時期や所々の行動によって展開が変わったり、さらに皇帝の「性格」によっては強硬な手段に訴えたりと細かい分岐パターンは数多く、全容は把握しにくい。それだけに色んな進め方が可能で複数回プレイに耐える内容である。
--反面、選択や行動次第でクラスを仲間にできない、領土に加えられないなど不利な結果に終わってしまうこともある。全体的に取り返しがつかなくなる恐れのある要素は多めだが、一応、基本的に個々の要素はもし入手できなくてもゲームクリア自体に著しく影響することはないという設計ではある。
-ある地域のイベントをクリアしてから何百年か経つとまた次のイベントに派生したりと、年代経過を生かした壮大なストーリー展開である。帝国の領土の拡大や、帝都に大学や新市街が建設されたりと帝国の発展する様も楽しい。
-そして、エンディングではクリアまでにプレイヤーが作り上げた帝国の年表が表示される。ゲームクリアまでにはプレイヤーそれぞれの違った帝国史が完成したはずであり、長い戦いを振り返る演出は感動的である。
#region(フリーシナリオの真髄ともいうべき選択肢(ネタバレ注意))
|#image(https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2517&file=rs2event1.PNG ,title=前半の山場とも言えプレイヤーの選択眼と行動次第)|#image(https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2517&file=rs2event2.PNG ,title=とあるトラブル相手の交渉、交渉するよりもお得な解決策は?)|#image(https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2517&file=rs2event3.PNG ,title=この後、究極の二択に続く)|
#endregion

''魅力的な敵キャラ''
-主要な宿敵である''七英雄''もそれぞれのキャラが立っており、単純な悪党と言うよりはこの物語の名敵役として見る動きもある。
--物語の節々に七英雄に関するエピソードがはさまれており、それにより七英雄がモンスターとなってしまった悲しい境遇が暗示されている。これを踏まえて「七英雄こそ真の主役」と解釈するファンもいる。
//#region(七英雄一覧動画。動画内にはネタバレも有り。)
//|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=OG8GreD0-pQ)|
//#endregion
//動画が再生できなくなっているためCO。

''演出面''
-本作では''戦闘とフィールドのキャラグラフィックが統一されている''。
--実は新機軸であり、戦闘シーン時の多彩なモーションが、マップ画面でのイベントのキャラのリアクションやステータス表示画面のモーションとしてよく使われる。
--この仕様が、以後のドット絵のスクウェアRPG作品に多大な影響を及ぼしているのは言うまでもない。

-現在でもネタにされている独特なセリフ。
//「流し斬りが完全にはいったのに……」「ははっ、ざまあみろ!」「アバロンのダニが一匹減ったな」「男が来たら殺すのよ!」「ま、また~、なんでオレだけ2回も~」「・・・・まさか こ う て い ?」
//↑これらは印象に残るもののセリフ単体で独特・シュールと言うほどでもない
--「やめろー!卵をよこせー!」「アリだー!!」「うりうりビチグソだぞー」&「やめてよーやめてよー」「はたらげー」「ほ、ほぎー」「あ う お」などシュールな言い回しはサガシリーズを象徴していると言える。

-前作から引き続き、伊藤賢治氏がBGMを担当。「クジンシーとの戦い」「七英雄バトル」といったバトル曲はもちろん、「皇帝出陣」などのダンジョン曲も好評。何千年にも渡る戦いの帝国史という本作のテーマに合った重厚かつ哀愁あるサウンドである。

-キャラや技エフェクトなどのグラフィック面やフォントの改善など、前作より進化した部分も多々ある。

''術が劇的に強くなった''
-前作では術による攻撃と武器による攻撃のダメージの差があまりに激しく、攻撃用の術はほぼ役に立たないといわれていた。
--これに対して本作は修得が厳しい分攻撃力が非常に高く、武器の技と同等か、それ以上の役割を見出せるようになった。
---中でも、敵全体に大ダメージを与えられる「ストーンシャワー」や「ギャラクシィ」、敵単体が対象ながら、先に上げた二つ以上の破壊力を持つ「クリムゾンフレア」は非常に強力。いずれも、雑魚戦、ボス戦の両方で非常に役立つものとして認められている。
--補助術も便利なものが多く、反則的な強さとして特に話題に上がる術法が、水術「クイックタイム」。使用するとそのターンの敵側の行動を封じ、更に以後数ターン味方に先制攻撃効果が付加されるというもの。
---クイックタイムの消費JPは高めだが連続使用も十分可能。また、システム上パーティー全員への習得も容易であり、ラスボス相手でもこれを交代で唱え続ければ全く行動させずに簡単に勝ててしまう。
---高難度に対処できないプレイヤーへの救済措置として用意された可能性もあり、プレイ体験でも「クイックタイムを使ってなんとかクリアできた」という話は結構見られる。そのため、ラスボスは「クイックタイムがなければ攻略不可能」というやや誇張気味の意見も出ている。後述の術を敵が行動する前に唱えることができるため、先制攻撃効果も地味に強力といえる。
--他にも、HP全快で自動復活させる火術「リヴァイヴァ」、斬属性攻撃を100%無効化する天術「ソードバリア」、全物理攻撃を2/3近い確率で無効化して一部の複合属性なら100%無効化する地術「金剛盾」、分身を作り出すことで2倍のダメージを与えられるようになる冥術「シャドウサーバント」、1ターンのあいだ、敵のすべての攻撃の威力を半減させる「光の壁」等が強力。これらを活用すれば、ラスボスをクイックタイム抜きで完封に近い形での勝利も十分に可能である。
//前作で役に立たなかった術が実用に足るようになったのは評価点と判断し、移動します。

''その他''
-後述のように設定ミスやバグが多数存在するが、ゲーム進行に係わるような重大なバグはほぼ発生しない。
--そのような重大なバグが存在しないわけではないが、意図的に行わない限り普通にプレイする限りではまず遭遇しない。
--また同様に作りかけで放棄されたイベントやダンジョンも見当たらない。
---データ上には新施設予定の図書館やデバッグルームも存在するが、通常プレイでは絶対に行けないので、作りかけの施設が目に見えてしまっているといった事はない。

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//↓を消してゲームバランスだけの項目にすると、評価項目の下、問題点の前になるので、単純な評価点になってしまいます。 そう取らないとしても、評価してるのか問題視してるのか不明になるのでやめてください。
**賛否両論点
//難度の高さが魅力にも繋がっているのは、魅力部分にも書かれていたので、それらとまとめ賛否両論点へ
***非常に尖ったゲームバランス
''強烈な敵の強さ''
-敵の苛烈な攻撃
--敵の火力が全体的に高い。
---雑魚ですら、初期だと防御が売りのキャラでも3発食らえば死に、キャラによっては一撃死する。後半の敵の中にはHP上限を超えるダメージを与えてくる敵もいる。
---意外な事にあからさまな大技を使う敵は少なく、強敵の多くは中級以下の技で無慈悲な大ダメージを叩き出す。「キック」や「触手」といった何の変哲もないネーミングの攻撃でオーバーキルされる様は非常にシュール。強力な全体攻撃ともなればそれだけで全滅の危険性もありうる。
---これは、雑魚敵の直接攻撃の多くが体術に分類されていることも一因。体術技や術法は防御力1ポイントにつき一律で5しか軽減できない(軽減量=防御力×5×段数)。敵の使うパンチや爪の通常攻撃、「キック」等は数百ダメージに及ぶのを考えると、防御力による軽減などほんの気休めにしかならない。
--状態異常攻撃も序盤から激しい
---スタン効果(1ターン行動不能)のある範囲攻撃で攻め手を潰されたり、重度の混乱や魅了などによる味方の攻撃であっさり殺される事も多い。
---状態異常の回復手段はあるが、耐性防具等は少ないため、どうしても後手後手になってしまいやすい。
--ただし本作は戦闘終了時にHP全快、状態異常全快になっていることもあり、戦闘の被害を引きずらないようにできている。そのぶん戦闘内容を激しくしているとも言える。
//---キャラの生命線であるLP以外は回復も容易であるため、''戦闘内容を激しく、その分回復もしやすく''という形になっている。
//無料の宿がいくつもあるとはいえ限られた薬を使っての回復は容易ではない。

-戦闘回数による敵の強化
--戦闘を繰り返せば繰り返すほど敵の強さが上がっていくシステムだが、''戦闘回数は、倒しても逃げても全滅しても加算される''ため、逃げ続けていると成長しない上に敵ばかり強くなるという悪循環が起こる。
---年代ジャンプによっても[ジャンプ年数÷4]の戦闘回数が加算される仕様になっている。ジャンプ年数自体戦闘回数によるので、二重に敵が強くなってしまう((年代ジャンプにより開発武具の量産化、閃いた技の共有化によるパーティー強化が行われるので、その調整のためと思われる。))。
---進行の仕方によっては何もできないような状況に陥ってしまうこともしばしばある。
---ただし、国庫への収入は戦闘発生毎にあるため、逃げてばかりでも装備などの開発は可能。
--一部には明らかに強さと登場時期が合っていない敵がいる。
---グラフィックが大きい敵が単体で出たりしたら危険信号([[とある中盤の強雑魚>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2517/2568/rs2mons.png]])。((バトル担当スタッフが見た目に応じて強くしたりしていた。盾を描いたら盾回避を設定されると警戒されたりしたらしい。))
---強敵ではあるが耐性に穴があるので技と術を駆使すれば苦戦こそすれども撃破は可能。節約家には厳しいといったほうがいいのかもしれない。

-雑魚敵を避けにくい
--前作と同様にシンボルエンカウントではあるのだが、キャラクターが大きい上に、当たり判定が大きいため、特に狭い通路では避けるのは難しい。
--ダッシュには色々デメリットがあるため、敵を避けるためにダッシュを行いづらい。
---まずダッシュ中は円で囲まれた自キャラの周り以外は敵が見えなくなり、その演出が入る際にはタイムラグも生じる。
---ダッシュ中敵に当たると陣形を乱される。
--一応、「ダッシュ機能なし」「フロアの敵全員がこちらを追尾」という仕様だった前作に比べれば、こちらが近づくまで追ってこないだけでも格段に避けやすくなってはいる。

-''RPG史上最強のラスボス''とも評されるラスボス。
--''「とあるバランス崩壊級の術法(後述)を使わないと、勝利するのがかなり困難である」''等という評判まで流れた。
--ラスボスは今までのボスより段違いに強い。HPだけでも、ラスボスは合計HP10万余りを誇る(それまでの大ボスは最大でも3万程度)。速攻で一気に沈めるのは難しいし、技と術の使用ポイント切れも起こしやすい。長期戦に耐えられる力が必要になっている。
---単純な攻撃も熾烈だが、「男性キャラ全体を魅了」「全LPをロスト(=食らったキャラは完全死亡)」などほぼ見切り必須な初見殺しタイプの技も使ってくる。加えて1ターン中に4~5回行動し、場合によっては最大''7回行動''する。
---しかも、ラスボス戦直前になると後戻りできなくなるため、そこでうっかりセーブするとどこにも移動できなくなってしまう。ネット情報がない当時は詰んで泣きを見た人も多い。ラスボスのもとへ向かう前に「もう戻れないぞ」としっかりと警告は出ているのだが…。
--とはいえ術・武器防具・陣形などのシステムをきちんと理解していれば、実は各系統の最高位術を覚えるレベル35程度でも倒せる。ラスボスは最初1回行動であり、ダメージを与える毎にどんどんパワーアップする。最初に補助技や補助魔法を使い込んで味方を強化し、万全の体制を整えてから攻撃を開始するのが(恐らく想定された)定石である。
---しかしゲーム内の情報だけでは気付けない・気付きにくい要素が多く、それによってラスボス以前のボスは皆強力な技で一気に押し切ってしまえるため、補助術の有用性に気付く余地が少ない。
---そのため、''長期戦の戦い方を知らないままラスボスに到達してしまった''という事態に陥り、HPが多い上に段階を経る必要があるラスボス戦で躓いてしまった人も多い。後々、強化の必要性に気が付いたとしても、''ラスボス手前でセーブしてしまったら2度と戻れない''。
--後に、予備知識を付けてガチガチに対策を固めて挑んだところ、昔の記憶が嘘のように余裕勝ちしてしまったという話も割と聞かれる。実際、やり込みにおいては皇帝1人でラスボスを倒す、更にはノーダメージという条件付きで倒す猛者も現れるほどである。
--故に今作では「次のダンジョンのボスをどうやって倒すか」といった短期的な対策を超えて、装備の開発や技や見切りの獲得、術の強化等をゲーム開始からラスボス戦に至るまでにどうやって進めるか、といった長期的な見通しが求められる。ウォーシミュレーションゲームで言うなら「戦略級」レベルの攻略が問われる。

''上記敵の強さに対応可能な各種要素''~
これらだけでは敵が理不尽に強いだけのゲームだが、本作はその対抗策も決して少なくはない。~
それ故に、その高い難易度や独特のシステムを魅力的に感じたプレイヤーも多い。~
最終的には「''自軍も敵軍も強すぎる''」という一種の[[世紀末バランス>北斗の拳 (AC)]]ともいえるゲームに。

-キャラの使い捨てが可能なシステム
--まず主人公である皇帝も含め、使い捨て可能なシステムになっているため、仲間が死んでもいくらでも補充できるし、皇帝もよほどの事がなければ継承対象がなくなる事はない。
---仲間の育成のし直しが必要だったり、同じクラスでも個人差はあるなどの問題はあるが、仲間がいなくなる心配等はない。
---条件を満たすと登場する最終皇帝の登場後は、他キャラへの継承ができなくなるが、代わりに死亡時には仲間を犠牲にしてLPを回復可能。

-強敵ほど成長しやすい
--確率で技を覚える「閃きシステム」だが、敵が強ければ強いほど強力な技を閃くので、敵との強さの差が広がってしまった場合でも、その強さの差を利用して強力な技を覚える事による対処も可能。
---ボスは戦闘を重ねてもたいして強くならないことを利用して、早めに強敵と戦い強力な技を覚えてボス戦で楽をするというテクニックもある。実際、技能レベルもガンガン上げたいなら、退却を繰り返し一気にモンスターを高レベルにして即死技で狩りまくるほうが時間的に効率がいいことも。

-通常エンカウントの雑魚敵は全て退却可能
--退却できる場合(ボス戦ではなく、皇帝のHPがあり行動可能なときのみ)は相手の行動前に必ず成功する。
---戦闘開始時に皇帝が行動不能になっている事はないので、戦闘開始直後であればボス戦以外は確実に逃げられる。
---マップによっては雑魚を避けるのがつらいマップもあるが、雑魚敵との戦闘での消耗を避けたい場合は逃げながら進むこともできる。
---一部イベント戦も退却が可能。これにより戦闘中に強力な技を閃いたものの形勢が不利になってしまった。などと言う場合は退却→再戦というのも戦略の一つとなる。

-プレイヤー側も状態異常を活かしやすい
--特にスタン効果を付与する攻撃は序盤から習得可能で消費WPも0の物が多い。
---陣形による最速行動や素早さの補正を活かせば、強力な敵も封殺が可能。

-一部陣形が非常に強力
--前列3人に行動後防御を付与し攻撃力と素早さを飛躍的に上げる「アマゾンストライク」、中央の皇帝が囮となり周囲全員の直接攻撃力を増強する「鳳天舞の陣」、必ず先制攻撃できる代わりに回避不能になる「ラピッドストリーム」、自動防御で被ダメージを半減できるが敵に先制される「ムー・フェンス」、この4つの陣形を戦術に応じて使い分けるのが基本となる。
//--他にも、先頭の皇帝が囮となり前列の直接攻撃力を増強する「デザートフォックス」、インペリアルクロスを改良し多くに素早さボーナスと行動後防御を付与する「インペリアルアロー」、皇帝以外の前一列メンバーに素早さボーナスと行動後防御を付与する「フリーファイト-1」と強力なものがある。
//フォックスは単純にアマゾンストライクの下位互換であり、アローも-1も4人全員が敵の前に行動することが不可能な仕様のため、アマゾンストライクには劣る。強くてもわざわざ書くほどではない。
--先制陣形+「使ったターンは非ダメージを半減する術」等、補助術との併用によってより強力な戦術となりえる。~
こうすれば敵の苛烈な攻撃も比較的抑えられる(こうでもしないと抑えられないとも言えるが)。
--なおアマゾンストライクなどの「行動後防御」は、後述するバグの産物である。そのため意図されたバランスよりも強い陣形になっている。

----
**問題点
***説明不足な数々の要素
本作の難易度を高くしてしまっている原因の一つで、仕様を理解しているかどうかで難易度が変わってくる。~

''防御力値の仕様''
-前述の通り、本作には「斬・打・突・射・熱・冷・雷・状」の8属性が存在するが、「防御力」として表示されるのは''斬防御のみ''。~
それ以外の7属性については、ステータス画面等で「特定属性に対して防御力を持つ事を示すアイコン」が表示されるのみである。~
すなわち作中で他7属性の数値を確認する事は''不可能''であり、ボス等の強敵に対して特定の属性防御特化にしようと思っても難しい。

-また、表示されるこのアイコンには、「数値が〇〇以上の防具だとアイコンが付く」等といった法則性・規則性は存在しない。~
例えば数値が0だろうが5だろうがアイコンは付かないし、逆に数値が10だろうが20だろうが32だろうがアイコンは付く。~
この仕様の影響を最も受けている装備が、物理防御がかなり低く、「熱・冷・雷・状」のいずれかに防御力があるローブとアクセサリー。~
どれも特定の術法属性が高いが、数値が分からないためアイコン頼りの勘で装備するしかなく、それぞれの特色や違いが判断できない。

-更には「斬防御しか表示されない」という仕様を逆手に取った、「最強の帽子」という半ば公式トラップの防具が存在する。~
この防具は斬属性防御は13と非常に高いが、''他7属性の防御力は全て1''。斬以外のアイコンがない事が一応のヒントになっているが…。~
極めて不親切な仕様にしておき、更にそれを利用したトラップ防具まで用意するのは、プレイヤーへの嫌がらせ以外の何物でもない。

-一応、斬属性に優れた開発装備で固めれば、少なくとも物理攻撃にはそこそこ耐えられるだけの防御力を確保できるようになっている。~
一例を挙げれば、最高ランクの軽鎧+兜+篭手で固めると、左から40・48・23・23、重鎧+兜+篭手だと44・47・31・31という数値になる。~
しかしこの場合だと、前者の術法防御は20・20・20・20、後者だと15・15・15・20と敵の術攻撃にかなり弱くなってしまう。~
上記の仕様と防具の装備欄が''たった3箇所しかない''事も相まって、本作は防具による防御力のやり繰りが極めて難しくなっている。

-比較的有用な防具として、斬属性を筆頭とした物理属性全般に優れ、かつ熱・冷属性にもそこそこ高い「全身鎧」という装備がある。~
しかし全身鎧の開発にはかなりの手間と資金を取られる他、不具合と厄介な特性も併せ持っている(どちらも後述)。

''盾・ガーダーの仕様''
-盾は装備した時点で盾防御力が加算されるが、実際にその防御力が適用されるのは''戦闘中に盾が発動した場合のみ''である。~
しかも''実際に発揮される防御力は表示されている数値の2倍''と、極めて不可解かつ分かりづらい仕様にされている。

-ガーダーは盾より回避率が低いが発動するとダメージを完全にカットできる。~
開発が進むと盾の回避率は下がりガーダーは上がるため差は縮まってくる。~
さらに防御状態ではガーダーの回避性能は2倍となるため、「ムー・フェンス」などの行動前防御が自動でつく陣形と組み合わせると発動率は盾を上回る。~
なお行動後防御では一部の陣形を除いてこの特性は発揮されない。
//回避率2倍ではない。そもそも表示される確率と回避率は合っていない。

-また、表示されている数値はあくまで目安に過ぎず、発動率は敵の攻撃によって補正が掛かるため変動する。~
実際には多くの攻撃で数値以上の発動率を発揮し、逆に小剣技の場合は特殊補正が掛かって発動しなくなる。

-両手武器・体術技・術を使用するターンは盾が発動しない。ただし、これに当てはまらない例外の技・術がいくつかある。

-8属性のどの属性が防げるかは盾によって決まっているが、[熱冷雷状]に該当する攻撃の殆どは盾では防げない術等である。~
従って盾の術法属性は殆ど意味がない。赤竜波や月影等、大ボスが使う強烈な全体攻撃に対してピンポイントで活躍させられなくもないが…。

-土術「金剛盾」によって形成される魔法盾は、物理属性のみなら65%、斬打突+術法属性なら100%の確率で敵の攻撃を「回避」する。~
更には両手が塞がる行動や回避不能の陣形でも発動し、小剣技等の通常の盾では防げない攻撃や、一部の術すらも無効化してしまう。
//正直チート以外の何物でもなく、これの存在や防具装備欄の少なさ、分かりづらい仕様も相まって、本作の盾は有効性が低い。
//大剣やラピッドストリームの関係で優先されないだけで全員片手武器にでもしてみれば十分な有効性が実感できる。全身鎧で盾も併用しやすく金剛盾も雑魚戦でいちいち使わないし強力なラスボスに対抗する手段をチートと言い切るのは酷。

''防具の仕様''
-各防具には重量が設定されており、''装備重量1につき素早さが0.5下がる''ようになっている。~
おまけに装備重量の存在も素早さが下がる仕様も、例によってゲーム中では一切表示も説明もされない。~
本作の素早さは行動順・回避率・陣形の素早さ補正・斧以外の武器命中率と、サガシリーズでも飛び抜けて重要性・影響力が高い。~
特に体術は腕力・素早さの両方を参照するため、極端に重い事を知らずに全身鎧を装備していると、体術の与ダメージが激減してしまう。

-腕防具や全身鎧を装備すると''弓の命中率が下がる''。これもやはりゲーム中では説明されない。~
弓を引く際に邪魔になるという事なのだろうが、説明がないせいで弓の命中率が低いと誤解される原因となった。
--ただし弓技の命中補正は斧技に次いで低く、武器の重量も大剣・斧と同じ「3」なので、完全な誤解でもない。

-上で少し触れたが、本作は防具の種類が多い割には装備欄がたった3箇所しかない。~
「それぞれの部位の防具の特性を組み合わせて味方を強化する」というゲームデザイン上、明らかに少ないと言わざるを得ない。~
全身鎧をメインに防具を選ぶ場合は3箇所でも十分な防御力を確保できるが、素早さを活かしたい場合は防御に不安が残る事になる。~
一部のクラスは欄外に4箇所目の専用固定装備を持っており、合計4つの防具を装備できるという大きな特徴・長所を持っている。~
流石に少なすぎると判断されたためか、次回作はデフォルトで4箇所となり、この仕様は『サガフロンティア2』まで続いた。

''術法の仕様''
-新たな術の習得や合成術の開発にはマスターレベルの上昇が必要だが、どの程度上げればいいかはゲーム中で確認できない。~
条件を満たして習得できるようになっても、それを示唆する告知等はなく、いちいち術法研究所に行って確認しなければならない。

-戦闘中に複数の行動を行うと、それに対応した各武器/術レベルに技術点が分配されて、その分成長が遅くなってしまう。~
一方でマスターレベルに対しては、技術点が分配される事なく各武器/術レベルにそのまま蓄積される。

-術には使用者の術レベル上昇に伴い、追加攻撃・攻撃範囲の拡大・状態異常回復等が追加されるものがある。~
同じくこれもゲーム中で説明されないが、前者2つに関しては目に見えた変化が起こるので、他と違ってそこまでの実害はない。

''マスクデータ「理力」((後の移植版による正式名称。それ以前は「冥力」の他、冥才・術補正・魔力補正値等と呼ばれていた。))''
-これが高いほど隠し術法である「冥術」の与ダメージが上昇し、逆に''冥術以外の与ダメージが低下する''という能力値。~
すなわち魔力が同数値のキャラ同士でも、理力がより高いキャラの方が通常術法の与ダメージは低くなってしまう((例外として火術「黒点破」の命中率と、風術「体力吸収」の与ダメージは理力に依存する。))。~
存在がゲーム中で一切確認できない完全なマスクデータであり、それどころか''当時発売された攻略本にすら載っていない''。

-このマスクデータ「理力」の存在は、プレイヤーの見えないところで、しかも多方面にかなりの悪影響を及ぼしている。
--表示されている魔力ではなく、魔力からマスクデータの理力を引いた値が実際の魔力であり、画面上の魔力は全く当てにならない。~
例えばクラス「フリーメイジ:女性」は平均19.6という高い魔力を誇るが、平均理力が14.6であり実は術士としては最弱のクラス。~
同じクラス内でも、「宮廷魔術師:男性」のカプリコーンが実魔力5なのに対し、ライブラは実魔力12と極端な差が出る事もある。~
逆に意外なキャラクターが術士に向いているという事もある((「帝国猟兵:女性」のイザベラは実魔力9。これは「フリーメイジ:女性」はおろか「宮廷魔術師:女性」の誰よりも高い数値である。))が、基本的にレアケースであり積極的な活用は難しい。
--本作のキャラクターの能力値は、女性は器用さ・魔力・素早さが、男性は腕力・体力が高めという調整にされている。~
しかし女性キャラは概ね魔力と共に理力も高く設定されており、術士クラスの場合だと女性キャラを起用するメリットが少ない。~
「宮廷魔術師」「ネレイド」「フリーメイジ」いずれも理力が邪魔をしており、例外は「ホーリーオーダー」「イーリス」程度。~
結局、閃き適正や初期所持術によるマスターレベルの上げやすさ等、魔力とは別の利点を見出すしかない。
--合成術「クリムゾンフレア」には魔力低下効果があるとされているが、実際には理力低下効果。逆に敵の術法攻撃力を強化してしまう。
--腕力・魔力等と同様に理力ボーナスのある防具がいくつか存在するが、こちらも画面上では魔力ボーナスとの判別ができない。~
例として魔力+3の「月影のローブ」と理力+3の「宵闇のローブ」が存在するが、能力値画面では前者のみ「魔力+3」と表示され、後者には表記すら無い。~
詳しくは後述するが、本作の冥術は攻撃力が低いため、実質「術法威力ダウンボーナス」というデメリットになってしまっている。

-流石に混乱が大きかったのか、またはシステム的にも扱い辛かったのか、本作以降に理力という能力値は存在していない。

''その他説明不足な点''
-以下に挙げる点もゲーム中で説明されず、知らなければ損または不便な点である。
--勝利・退却・全滅を問わず、資金は戦闘一回ごとに収入分が国庫に入る。
--武器防具開発は1回の戦闘ごとに開発できる種類が変わり、戦闘5回で開発が終了する。~
重鎧・兜・篭手・具足を一通り開発すると、その段階ごとの全身鎧が開発された状態となり、次世代から流通させられる。
--各施設は発注後に戦闘を15回行う事で完成し、年代ジャンプでは完成しない。逆に合成術は年代ジャンプでなければ完成しない。
--各陣形の効果は開発時に大まかな説明が一度あるだけで、それぞれの詳しい効果を知る事はできない。

***数値の入力ミス・設定ミス・不具合等
-特定属性に優れた防御力を持っていながら、アイコン表示の設定がされていない防具があり、有用であってもそうと気付きにくい。~
いくつか例を挙げると、~
・強化服=全属性に8の防御力を持つが、アイコンは斬打突射のみ((同じく全属性に25の防御力を持つ「アバロンの聖衣」にはちゃんと8つのアイコンが表示される。))。~
・精霊の指輪=熱冷雷状に10の防御力を持つが、アイコンは熱冷雷のみ。~
・キャンディリング=冷雷状に20の防御力を持つが、アイコンは状のみ。

-「画面に表示されている攻撃力」と、「実際の戦闘中に発揮する攻撃力」が異なっている武器が数多い。~
大半は1~2程度なので大した問題はないが、棍棒は中位・上位の開発品にそれぞれ5の差があり、それなりの違いが出る。~
大剣「オートクレール」は特に差が大きく、表示攻撃力は50だが実数値は35。16進数の入力で「32」と「23」を打ち間違えたと思われる。~
また、厳密には数値ミスではないが、合成術「妖精光」は素早さ・術法防御の上昇効果があるとされているが、実際は前者しか上がらない。

//全身鎧はアプリ版でも直してないしバグではなく仕様ではないかと。
//仕様と言い切るにはあまりにも目的が不明すぎる。
//どっちの意見も確定しきれないので、バグか仕様かは特定しない書き方に変更
//重複記述となったのでこちらをCO。仕様というよりはコードをそのまま流用した可能性のほうが高いと思う。
-新しく防具を開発すると、完成品を受け取った途端に''流通している全身鎧がランクダウン''してしまう。~
全身鎧は4つ防具の開発段階によって自動的に開発されるため、開発段階が変化する際のルーチンが上手く機能していない模様((オープンヘルムが完成→ラメラースーツに格上げ→部位が揃っていないのでプロテクトスーツに戻る、となるはずが一度格上げするルーチンが働いていないため、ランクダウンのみが働いて退化してしまうのではないかと思われる。))。
//---大半のバグが修正されたアプリ版でも未修正であり、バグか仕様かは不明。

-一部の陣形において、能力値ボーナスや行動ボーナスが機能していない。
--「ホーリーウォール」には、ゲーム中の説明とは裏腹に何のボーナスもない。本来は前衛に行動後防御ボーナスが付くはずだった。~
後衛2人の被弾率が僅か1%しかないという特性を持つため、一応「後衛の2人を守る」というコンセプト自体は機能しているが…。
--「パワーレイズ」は皇帝の術法威力を増幅する陣形だが、実際には術法4属性の内の状属性しか上昇しないため使いにくい。~
一応、最強術「クリムゾンフレア」を強化できるため、皇帝が強力な術士なら使えなくもないが、やはり実用性は薄いと言う他ない。
--また、実際には入手できない没陣形が1つあるのだが、これがエンディングのスタッフロールで当たり前のように登場する。~
当時のプレイヤーから「一体どうやったら入手できるのか」と物議を醸した(後の移植版・リマスター版では入手可能になった)。

-閃きで習得した一部の技が、技道場に表示されないが、内部では登録済みになってしまう。~
どうやら通常の8つの武器系統に含まれない特殊な武器系統の技として扱われているようで、そのために道場で表示してくれない。~
表示はされないが「登録処理」自体は無事機能しており、「閃いてはいるが技道場で習得する方法がない」という結果になっている。~
内部では「道場登録済み」となっているためにまた閃き直す事もできない。登録されない4つの技の内、2つはかなり有用なので地味に痛い。

-腕力+2や魔力+1等の能力値ボーナスを持つ防具は、実質のプラス値が表示数値よりも1低い場合が殆どを占める。~
特に「〇〇+1」と表示されている防具は、装備しても実際の能力値は全く上昇せず、戦闘中に何の効果も発揮しない。~
表示通りの効果がある防具もあるが、これは「表示数値より戦闘数値を1高く設定してしまっている」という入力ミスの産物に過ぎない。
--解析によると数値自体は正しく設定されているが、不具合により能力上昇が実際のデータより1低い値で戦闘に適用されているとの事。~
このバグは個別に適用されるので、「+1」の防具を3つ装備して「+3」にしても効果は「+0」である。

-一方でプレイヤーに有効な不具合も多い。
--陣形の素早さ補正1.25倍があるポジションには、自動防御を指定するフラグミスの恩恵により、全て行動後防御が付与されている。~
このフラグミスの存在が、陣形「アマゾンストライク」を最強クラスの性能に押し上げたと言っても過言ではない。
--もはや有名な話だが、射属性を100%回避する盾「ワンダーバングル」が、設定ミスで''全物理属性を100%回避する最強盾''と化している((プログラムの内部数値では弓と全物理は1つだけ数値が違うので、スクリプターの打ち間違いが原因であろう。))。~
とはいえ盾で回避しにくい攻撃も存在するし、敵の術法攻撃も強烈なため、死ぬ時は普通に死ぬ。
--敵を殺さず退却させる大剣技「活人剣」には、使用したターン中は「一部を除くほぼ全ての攻撃を回避する」という効果がある。~
ところが活人剣を選択してキャンセルし、別の行動を選び直しても回避効果が得られるという、前作の隼キャンセルに近い不具合がある。~
尤も、この技は習得が非常に難しいので、習得した頃には裏技が必要ないほど自軍が強くなっているケースが大半だが。
--シティシーフが民家から金を盗むイベントで、シティシーフの隠れ家にある宝箱から何度でも資金を入手できる不具合がある。~
これを利用すれば序盤から大量の資金を獲得可能。
--いくつかの武器で能力上昇系の固有技を使用できるが、これを閃いた際に使用する最初の1回だけ異常に効果が大きい。
--特に特殊な操作をせずとも、最序盤に最高ランクの植物系モンスター「ナイトヘッド」と遭遇できてしまう。~
勿論撃破は事実上不可能であり、全滅の危険すらあるが、上手くやれば初代皇帝の代で中堅クラスの技を習得する事も可能。

-以下の2つは不具合というより、テストプレイ時に発見できなかったチェック漏れである。~
発生条件が偶然ではなく、通常プレイではまずしないような特殊操作が必要で、どちらかと言えば裏技に近い。
--ワールドマップ上である動作を続けた後、町やダンジョンに入ると様々な異常現象が発生する、通称「マップチェンジバグ」。~
かなり危険な裏技だがキャラクターが壁抜け可能になり、通常プレイでは見られないユニークなものを確認できる事も。
--何もかもが色々とおかしいバグった皇帝、通称「石化皇帝」「来々帝」。~
ある特定の条件を満たすと、皇位継承候補を選ぶ時に技能レベルや能力値、名前やグラフィック等が異常なキャラが候補に登場する。~
複数の武器/術法の技能レベルが最大値の50を超えていたり、没になった武具・アイテムや敵専用の技を所持していたりする。

***その他
''武具・アイテムの調整不足''
-前述した防御力値の仕様云々以前の問題として、''武具やアイテムには大雑把すぎる調整が目立つ。''具体例を挙げると、

-前作にあった石化/状態異常回復アイテムは、本作では削除されており、特に石化は戦闘中の回復手段がない(次回作で復活)。

-武器は多数存在するが''最強武器は剣以外全て開発装備''、宝箱等で手に入る伝説の武器よりも開発武器の方が普通に強い((例外は片手剣の最強武器である竜鱗の剣のみ。))。~
非売品には固有技が存在するものも多いが、役立つ固有技はごく僅か。殆どの固有技は通常技より弱く、補助技しか役に立たない。~
サンダーボルトや退魔神剣等の優秀な固有技も一応あるが、そういった技に限ってダメージ計算が特殊であり、妙にひねくれている((サンダーボルトは参照能力値が腕力ではなく魔力であり、突レベルと魔力の両方に秀でたキャラは非常に少ない。退魔神剣に至っては斬レベルと冥術レベルの両方を参照し、かつ参照能力値は魔力という極めて複雑なダメージ計算式になっている。))。~
一応、開発品が揃わない序盤に入手できるものもあり、その場合は「(その時点では)高い攻撃力と固有技の恩恵を得る」という事は可能。~
しかしこれは、「苦労して入手したのに開発品より弱く、固有技も閃き済みの通常技より弱い」という逆の事態も起こり得てしまう。
特に槍のレア武器「竜槍ゲイボルグ」は、全槍技最強の固有技を持つものの、武器攻撃力の関係で結局開発品で使う技と大して変わらない。

-アクセサリーは例によって''全て非売品''。宝箱から得るか敵のドロップを期待するしかなく、しかも内3つはレアドロップ限定。~
アクセサリーは能力値上昇・高い術法防御・耐性の獲得と役立つものが多いが、入手量が少なすぎて有用な装備とはなりにくい。

-斬防御が高い防具が大量にある一方で、打防御が高い防具は兜の開発品のみ、射/突防御が高い防具は宵闇のローブのみ、雷防御が高い防具はラバーソウルのみと、防具の防御力設定にも杜撰な点が非常に多い。
--仮に斬防御だけでなく全属性防御が表示される仕様だったとしても、この防御力設定(+防具装備欄の少なさ)では、敵の苛烈な攻撃への対処するのは困難だったであろう。実際、後述の移植版では「特定の術法防御が高い防具」が多数追加されている。
--これを見て「防具に頼らなくても補助術で何とかできるので問題点ではない」という意見を持つ人もいるかもしれない。~
事実、状態異常は元気の水等で、射属性はミサイルガードで、雷属性はエアスクリーンで、その他物理攻撃も光の壁等で対処可能である。
--しかしこれは、裏を返せば「回復や防御等の補助を術に依存しすぎている」とも言える。術による能動的な対処法が異常に充実しており、防具による受動的な対処が困難。術では石化以外の全てを治療できHPも全快させられる方法がある一方で、回復アイテムでは400までのHPと毒しか回復できない。ここら辺はやはりバランス調整に不備があると言わざるを得ない。

-前作とは違い、''一度仲間に加えたキャラは死なない限り外す事はできない''。また、''皇帝であるキャラを交代させるには死なせるしかない''。各クラスのキャラは決まった順番にしか登場しないため、特定のキャラを皇帝にしたい・仲間にしたい時はそのキャラが出てくるまで無駄に全滅させる、キャラのLPが尽きるまで敵の攻撃を浴びせて殺すといった作業が必要になる。当然、これをしている間にも戦闘回数は増えるし、敵もどんどん強くなっていく。
--また、手っ取り早く皇帝の能力を上げるため、新皇帝即位→即全滅→新皇帝即位……を何度か繰り返すプレイヤーも多い。
--人によってこの行為は「''謀殺''」「''[[ルドン送り>http://ansaikuropedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%B3%E9%AB%98%E5%8E%9F]]''((「ルドン高原」というアバロンから簡単にいけるモンスターの生息場所に由来。誰に教えられたわけでもないのに多くのプレイヤーが同じ目的に使用した、恐るべき地域である。))」などと呼ばれ、ネタとして愛されてはいる。
--勿論、謀殺作業は無理に行わなくてもクリアできるが、死なせる事でしか仲間を外せないのはやはり不便であり、仲間は普通に入れ換えさせてほしいと思った人は多いだろう。
--恐ろしい事にこの「謀殺」は、書籍『ロマンシング サ・ガ大全集』において''「スキルを効率よく上げるには、皇帝を早く交代させろ」「仲間は使い捨てが可能だ。いらなくなったら遠慮なく殺せ」と書かれており、公式に推奨されている''。
--最高の人材をパーティに集めたり、どの時代でも同キャラ(システム上は同キャラだがストーリー的には同名の別キャラ扱い)でイベントを進めて永世皇帝による帝国史を作ったりと、やり込みの手段としても活用されている。
---ただし、''仲間キャラのステータスは一度仲間にしないと確認できない''((おおまかな得意武器等は話してくれるが、具体的な技能数値等は分からない。ちなみに皇帝は選択時に確認できる。))ため、ステータスをきっちり調べた上で仲間にしたい場合にはリセットを繰り返す事になる。
//普段のプレイなら、「このクラスを仲間にしよう」と思ったら、そのまま仲間にしていくでしょ。ステータス見て却下するのなんてソウジくらいじゃないか?
//↑得意って言わないけどそのクラスなら持ってると思った技能が、実はクラス内に2~3人は持ってない奴がいるとかある。
--最終皇帝の代になると、全滅はゲームオーバーになってしまうためこの手法は使えない。
---ただし最終皇帝がLP0になると仲間が自分の命(LP)を皇帝に捧げて代わりに死ぬ救済措置が取られているため、就寝時にLPを吸い取られてしまう指輪で手軽に最終皇帝をLP1にできるのと組み合わせて、仲間の命を吸収していくソウルスティールまがいの謀殺が可能。

-本作では体術まで含めると8系統の武器が存在するが、それぞれの性能の差が激しい。~
武器威力の差、技威力の差等の他に、武器技能LVから算出される係数の計算式も系統毎に異なる。
--大剣は武器威力が他より一回り高く、技能LV由来の係数も最大で使いやすい。「全体攻撃がない」という欠点があるが、剣装備+その全体攻撃でフォローが可能。
---両手武器は盾を使えないという欠点があるが、大剣はそれを補って余りあるほど火力が高く、そもそも本作は先制陣形・術の強さ・装備欄等の関係で、盾装備の利点が次作以降ほど高くない。
--剣はコスパのよい高威力の多段攻撃技や全体攻撃技を持ち、盾使用可能かつ命中率も高く、大剣との技の閃きなどで互換性もあるので、大剣と切り替えながら効率的に進めることができる。
---しかし開発費用の関係で武器は1種を集中的に開発して皆で使うほうがお得なため、使い勝手が良い剣・大剣レベルだけしかレベルが上げられてないという状況になりがちである。また終盤は術のレベル上げに人数を割かなければならなくなる事もこれに拍車を掛ける。
--斧は入手が他の武器より遅く、初期は武器威力と命中率に難があるため扱いづらいが、中盤に強い武器が手に入るころから本領発揮し、強力な技も早めに閃けるため、中盤における最大火力系統となる。技のコスパや全体即死攻撃((2つあり、武器固有技の方は水術「霧隠れ」と組み合わせると高い命中率がさらに高まりザコ狩りに有用))にも優れ、最強武器の攻撃力こそ控えめだが、技能LV由来の係数は剣や大剣並に高く、技の場合は斬・殴両属性を持ち敵の弱点を突きやすい。
--棍棒は「眠り」攻撃を序盤から持ち「防御力半減」の技がある点が魅力だが、殴属性しか持たずスライム系などの鬱陶しい敵に全く歯が立たなかったり、序盤の技のコスパの悪さと多段攻撃の命中率の低さにより扱いにくい印象が付くうえ、
中盤以降もコスパの良い多段攻撃技も技名から推察しにくく、それを活かす強い武器が入手しにくく火力面で不遇。~
--槍は攻撃力・命中率が高く、特に序盤は強い。しかし計算式の関係でそれ以降伸びが悪く、遠距離攻撃や全体攻撃の有無、攻撃属性の関係で斧や剣に劣るようになる。とは言え強力な武器を(開発品も含めて)早期に揃えやすく、終盤では高威力の技や強力なデバフ技も習得できるため、斧と並んで十分にパーティを支えてくれる。
--小剣は技能LV由来の係数が最弱で、同じ威力の武器と技と技能LVでも、他の系統に比べてダメージが弱くなる。武器の攻撃力自体も、第3段階まで開発しても最弱の36である。ただ強力な多段攻撃技があるため中盤までの威力は槍に劣らない。
---盾防御不能かつ、「スタン」「麻痺」の効果のある技や蛙即死の技などもあり、上手く使えば敵の行動を阻止することができる。
最強技のファイナルレターは、耐性を持たない敵単体を約8割の確率で即死させるが、それを覚える頃には他の武器や術で叩いた方が早い。
--弓は序盤の非常に早い段階で全体攻撃を取得できる点が魅力。この全体攻撃の上位技もあり、必ず先制できる技があったりと中盤までのサポート役にとても適しているが、腕防具や全身鎧を装備すると命中率が下がる点、盾も使用できない点に注意が必要。
中盤以降は武器が第2段階までしか開発できず、その攻撃力も37な点や最強技の威力の弱さが目立つ。
//---ある非売品の弓では全体即死技「皆死ね矢」を水術「霧隠れ」と組み合わせれば命中率が高まり終盤でもザコ狩りで活躍できる。ただし命中率は突技能依存であるため、実質的に槍・小剣系の技ともいえる。
--体術は上記陣形での素早さ増減効果や装備の重量によりモロに影響を受ける。有用陣形「アマゾンストライク」との相性がよく前列に配置すれば増幅効果が他より高く十分に主力となれる火力が出せる。一方で素早さが半減する陣形「ラピッドストリーム」と「ムー・フェンス」との相性が悪く、陣形選択の幅が狭められる。終盤は腕力や素早さを陣形や補助術で強化すれば、体術最強技「千手観音」が大剣をも凌駕する最大ダメージを出せる。
--総括すると剣・大剣は最初から最後まで安定しており、中盤は斧が強いが命中率は安定しない、終盤はそこそこ強いのが斧・槍、補助技が使いやすいのが小剣・棍棒・弓、体術は使い方次第となる。
//序盤技はディープワン道場まで、中盤技はラッフルツリー道場までのつもりで書いています。

-術レベルが上げにくい
--攻撃術のない水術や初期に攻撃術のない地術は、余裕がある時は回復が不要な状況でも意識して使っていかないとなかなか成長しない。~
他の属性も、攻撃術はあっても初期術は威力が低めなため、やられる前にやれが前提の本作では技と比べて実戦と育成を並行して行いづらい。効率面から言えば、ある程度敵レベルが上がってから一気に上げたほうがよい。斧の全体即死技などと組み合わせると楽に上げることができる。
--風術だけは初期術の5レベル毎のダメージ増幅が大きいため序盤は頼りになるが、上位に使いやすい攻撃・補助術がないため、最終的には中位の補助術しか使わなくなる。逆に地術はレベル23前後(マスターレベル18)になれば実戦的な全体攻撃術を覚え使いやすくなる。
--合成術を開発すれば全属性で攻撃術を使用できるが、その合成術の開発自体、ある程度の両術の術レベル(マスターレベル15及び25)が必要。~
しかし開発してしまえば、2つの術のマスターレベルを技術点を分割する事なく育てる事ができ効率が良くなる。敵を攻撃しつつ3人で全系統を上げるという手法も可能。
--技P回復アイテムがパーティー全体回復なのに対し、術P回復アイテムの方は単体回復である。よって技使いが多いほど消費効率が上がり、術使いが多いほどダンジョン攻略のやりくりが厳しくなる。戦士系でも回復術は覚えられるため、物理で殴るだけなら術師を入れなくても攻略に差し支えはない。


//-前作と違い、町やダンジョンはエリアマップ上に「地名」としてではなく「アイコン」として表示され、カーソルを合わせると初めて地名が表示される。ところがハリア半島など''アイコンそのものが存在しない''ダンジョンが一部存在しており、''行けるようになっても気付けない''。
//特殊な行き方があるダンジョンがある事自体は別に問題じゃないと思う。
//↑「行き方が特殊」なのが問題なんじゃなく、「行けるようになっても気付けない」のが問題なの。マップの端の「どこそこへ」だの、チカパ山だの、あっちこっちにあるんだぞ、こういうの。立派に問題だ。
//少なくとも例に挙がってるハリア半島の行き方はゲーム中に示されてね?
//↑「獣道程度ならなくもないが、とても人間の通れる場所ではないよ」というセリフが有るのみ。これだけだったらそもそも場所が表示されたのかすら気付けない。むしろ「危険だから教えてもらえなかった」としか受け取れない。
//↑その話の流れで言うと、こっそりと武装商船団の話を聞いたことになってるはず。明らかに行き先が二つ提示されてるとしか思えない会話だから、きづけないってのは流石にないんじゃない?
//上記指摘もあり、判定なしスレに話が移っているので一度CO。載せるか意見の割れるものはCOしたままがルールとなります。

-上記のように、''ラスボス直前でセーブするとどこにも移動できなくなる''ため、ラスボスに勝てなかったが対処のしようがなく詰んだ人も多い。
--一応、ラスボス前のある地点で「この先は、引き返せないぞ」と警告が出るが、厄介な事に、実はその台詞が出ている時点ではそこを過ぎてもまだ引き返せる。その後、ラスボスの前座ボスを倒すともう戻れなくなってしまうのである。
---この警告自体も、システム的なアナウンスではなくキャラの台詞を体にしているために「最終決戦の緊迫感を出すための演出だろう」と聞き流し、進んでみると本当に戻れなくなって唖然とするケースも。
--せめて「前座ボスを倒す→警告が表示される→そして進むと戻れなくなる」という順番だったなら、まだハマる人が少なかったと思われるが…。

//冥術については実質死に要素に近いので問題点へ。
-隠し要素として、「冥術」という本来は敵専用である術も使えるようになるが、「敵が使う」事を前提に調整しているため、攻撃術は味方が使っても弱いものばかり。理力(冥力)等を最大まで調整しても最強の攻撃術は全体2000以下のダメージしか与えられない。
--また、入手には特別な手順が必要(しかも覚えられる場所がほぼ隠し要素)であり、やっと使用可能になる終盤にレベル1から育てる必要がある。~
しかも冥術は天術と相反するので、冥術士は便利で強力な天術を使用できない…と使いにくい要素が多すぎる。
--補助術も毒・魅了・混乱・一度だけ敵を弱体化といった、覚える頃には使い道のない、もしくは活用しにくいものが大半。~
しかし、上位術には強力かつ代用のない分身効果の術((一度だけ攻撃回避+2回攻撃でダメージ2倍。))があるので、それが冥術最大の価値と言える。~
%%クジンシーのフリーズバリアを解除する以外の用途がないヴォーテクスはどうしようもない産廃だが。%%
--ちなみに、冥術はストーリーの展開上、「サラマンダー」というクラスと二者択一で入手する事になるが、そのサラマンダーも全般的に直接攻撃面で最強に近い優秀なクラス。「冥術とサラマンダーのどちらを選ぶか」はプレイヤーの間で分かれる。

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**総評
雑魚戦ですら命がけのバランスのせいで、著しく特殊効果の強い一部の技・術以外は火力重視での速攻が安定するという結論に到達しやすい点が理解の難しさにつながっている。~
他にもマスクデータやバグ等の問題もあり万人向けと言い難いのは確かだが、その自由度とゲーム性の高さから「シリーズで一番好き」と評する人も決して少なくない。~
選択の自由度が幅広く、色々な遊び方が可能なため、一度クリアしただけでは飽きたらずに何度もプレイしたという人も多い。~
高い難易度や独特のシステムが魅力的に感じたプレイヤーがいるのも確かで、現在においてもやりこみプレイを続ける人も少なからず存在する。~
「年代ジャンプを最大まで発生させ帝国歴を4000年以上にする」「EDの年表を全て一人のキャラの業績にする」「序盤の皇帝ジェラールの時代に七英雄ロックブーケを倒す」などのやりこみ・制限プレイも多く行われた。

理解しにくい点や粗は多かれど、それすらも気にさせないほどの魅力に満ちた作品と言えよう。
//ここにあった魅力部分は評価点にすでに書かれている事が多かったので、一部書いてなかったもののみ移し、重複しているものは消しました。
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*ロマンシング サガ2(リマスター)
【ろまんしんぐ さがつー】
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br;iOS(7.0((iPhone5以降対応)))&br;Android(4.2.2)&br;プレイステーション4&br;Nintendo Switch&br;Xbox One&br;Windows(Windows10、Steam)|
|メディア|ダウンロード販売|
|発売元|スクウェア・エニックス|
|開発元|アルテピアッツァ|
|発売日|【PSVita/iOS/Android】2016年3月24日&br()【PS4/Switch/One/Win10/Steam】2017年12月15日|
|定価|2,200円|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)&br;アイコン:麻薬等薬物|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|
|ポイント|ガラケーアプリ版ベースの移植&br;グラフィックを大幅強化&br;やり込み要素も多く追加&br;PSVITA版は多少劣化気味|

**概要(リマスター版)
1993年に発売された『ロマンシング サ・ガ2』(以下『原作』と表記する)のリメイク作品。
『[[魔界塔士Sa・Ga]]』『ロマンシング サ・ガ』がワンダースワンカラーに移植された際には、『原作』も移植する予定となっており、ゲーム雑誌でも情報が掲載されていたが、いつの間にかお流れになってしまった経緯がある。~
その後、2010年に『原作』に追加要素を加えて携帯アプリとしてリリースされた(以下『アプリ版』と表記する)。~
その後、2016年に『アプリ版』をベースとしてグラフィック面の向上等を行ってPSV/iOS/Androidでリリースされたのが『携帯機版』である。~
この『携帯機版』はその後、高画質化した上で、PS4、Switch、XboxOne、Windows10及びSteamといった『据置機版』が2017年にリリースされることとなった。~
したがって、『原作』のリメイクとしてはこれら3つのバージョンが存在するが、『アプリ版』を基準として『携帯機版』『据置基板』についてはグラフィック要素等の変化が主であることから、これら3つのバージョンを一括して『リマスター版』として一括して扱うこととする。~
なお、『アプリ版』についてはスクエニモバイルサービスが終了した際に配信終了となっているため、現時点で新規にプレイすることは不可能。

なお、『リマスター版』では『原作』と異なりタイトルの中点がない『ロマンシング ''サガ''2』が正式タイトルとなっている。

**追加要素(リマスター版)
''以下、特に注記がない場合は『アプリ版』における追加要素を指す。なお、『アプリ版』においては追加要素は有料の追加コンテンツとなっているが、『携帯機版』以降ではデフォルトで含まれている。なお、利用するかどうかを任意に選択可能。''
-追加ダンジョンである「追憶の迷宮」が追加
--「追憶の迷宮」は南ロンギット地方に出現する。
---出現条件は北ロンギット地方でこのダンジョンに関する会話を聞くこと。最短であれば比較的序盤で出現させることが可能。
--このダンジョンは更に4つのダンジョンから為る。『原作』で語られなかった古代人の新設定が語られる他、新規追加アイテム、新規クラス、『原作』における没陣形が手に入る。
--このダンジョンでは敵の強さは戦闘回数に依存せず、深部に進めば進むほど強敵が出るという本編と異なる特殊な仕様となっている。
--ダンジョンの道中で全滅した場合には、本編同様に皇帝継承が行われることになるが、ボス戦については伝承法が無効とされる仕様になっているため、敗北するとゲームオーバーとなる。
--ダンジョン内の宝箱からは『原作』で登場しなかった追加アイテムが登場する。深部で入手出来る装備品は『原作』のものよりも強力なものが多い。
---主に、原作で弱かった武器種において、てこ入れされたものが多い。
---アクセサリの中には属性防御を大幅に上げるものや、ドロップ率、技術点(経験値)を増加させるといったものもあり、『原作』では出来なかった攻略や、入手が面倒だったアイテムも入手しやすくなっている。
---新武具の名前は『前作』の最強装備から取られているが、全てがあるわけではない(例えば最も有名な最強武器といっていいアイスソードはない)。
--追加ダンジョンの4つのダンジョンでボスを倒すと、隠しボスと戦闘することが出来る。この隠しボスはかなり強力である上、『原作』におけるハメ技ともいうべき「クイックタイム」の対策を持つため戦略なしで勝つのは困難となっている。

-追加ダンジョンでは「陰陽師」と「忍者」の新規クラスを加入させることが出来る。
--陰陽師は『原作』では隠し術法となっていた冥術をデフォルトで修得している。
---これにより、『原作』ではサラマンダーと二者択一であった冥術を''限定的ながら''((1.陰陽師以外のクラスでは、冥術を使うことが出来ない。 2.陰陽師を皇帝にしたとしても、皇帝は初期で天術を覚えていることから天術が優先されてしまうため、皇帝は冥術を使えない。 3.デフォルトで覚えている2種類の冥術のみしか使えない(ペインといずれか1つの冥術(その時点で修得可能なものに限る)からランダム)。 4.合成術は当然利用不可 という制限を受ける。ただし、マスターレベルを増やすことは出来るため、使い込めば運次第で強力なシャドウサーバントを覚えた陰陽師が仲間になることはある))両立させることが可能になった。
---設定上冥術が強力になる「理力」が高い者が多い。

-強くてニューゲーム(「NEW GAME+」)が可能となった。
--手持ちや倉庫アイテムの大半、技や術のマスターレベル、完成させた合成術、閃いた技や見切り、所持金を引き継いで最初からプレイ可能。
---武器・防具の開発は引き継げず、戦闘回数、陣形、加入クラス、イベントアイテムは引き継げない。
--任意のセーブデータを選んでそのセーブデータの時点の状況を引き継ぐことが可能。
---任意のセーブデータということでクリアは必要ない。その為、『原作』で事実上の詰み状態となった場合の救済にもなっている。
--なお、装備品等は引継可能なので、唯一品を複数個所持することも可能。
---魔石の指輪等を複数所有することで『原作』では出来なかった攻略も可能である。
--ただし、冥術修得に必要なアイテムについては引継不可なので、サラマンダーと冥術の複合は(上記、陰陽師を除けば)不可能であることに代わりはない。

-建造物として果樹園が追加された。
--クジンシー(初回)を撃破後に玉座に座ることで作れる。アバロンの左下、大学の下エリアに作られる。
--効果は収入が増える、それだけである。
--戦闘回数に応じて果樹が生長し(『アプリ版』では果樹の本数が増える)都度収入が増えていく。
---更に戦闘回数が増えることで果樹園を大きくする提案が出る。追加費用が掛かるものの、更に収入が増える。
---最終的には12,800クラウンの収入となる(『原作』における収入の最大が31,600であるため、果樹園を含めると、収入は最大で44,400となる)。
--果樹園はクリア後の年表にも載らないが、『原作』においても金欠になりやすいバランスであったため、それを改善するシステムといえる。
--なお、このコンテンツについては『アプリ版』においても無料コンテンツであった。

-イベントが追加された。
--陰陽師、忍者を含めた全てのクラスを仲間にし、全ての領域を領土とした上で最終皇帝になった際に一定条件を満たすことで特別なイベントが発生するようになった。
---このイベントをクリアすることでかなり強力なアクセサリを入手出来る。強くてニューゲームを使えばパーティ人数分集めることも出来る。
--『原作』でもそうであったが、サラマンダーと冥術は二者択一であるため、『アプリ版』では冥術を取ってしまうとこのイベントが起こせないという難点があったが、『携帯機版』以降はサラマンダーは条件から除外された。
---なお、陰陽師、忍者を含めたクラスを仲間にしなければならない都合上、『アプリ版』では追加コンテンツの購入が必須である。

-『携帯機版』以降(スマホは除く)においてはトロフィーや実績が追加された。
--各機種で内容はほぼ同じ。
---細かい違いとしてSteam版では他の全ての実績を入手するタイプの実績が存在しなくなっている。

-ゲーム内で得られる情報が増えた。
--原作では大量のマスクデータが存在したが、様々な情報を確認できるようになった。
---装備画面で武具の説明(盾の回避率等)を追加、戦闘中に選択中の技の説明を追加。
---陣形選択後に各ポジションのボーナスが明示されるようになった。
---装備の重さは倉庫の体重計で、理力は術法研究所で確認可能。
---戦闘回数を教えてくれる大臣の追加。

**変更要素
-『原作』のバグの多くは修正された。
--プレイヤーに有利なもの・不利なものを含めて多くのバグが修正された。
--プレイヤーにとって有利なものとしては、「シティシーフイベントの資金の無限増殖」「ワンダーバングルの超性能」「沈んだ塔への強引な侵入」は修正された。
--プレイヤーにとって有利とも不利ともいえるものとしては、「ナイトヘッドが序盤に出現する」も修正されている。
--装備品の性能が表記と異なっているものについては、表記通りの性能に改められている。
--エルブンスキンについては装備から外せるようになった。ただし、魔石の指輪は『原作』同様不可。
--陣形効果が正しく出ていなかったものについても修正された。これによりホーリーウォールの実用性は増している。
---本来は想定外だった「素早さボーナスに付随する行動後自動防御」については仕様化された。
--一方で、「全身鎧の退化」「ベルセルクの技、地獄爪殺法等の見切りが道場に登録されない」といった不具合は修正されていない。

-防具の具体的な性能(属性ごとのパラメータ)が分かるようになった。
--しかしながら、『携帯機版』以降では再びマスクデータとなってしまった。

-『携帯機版』『据置機版』では、グラフィック描写が更に進化している。
--フィールドのグラフィックが一新された。
---一方で、キャラや敵キャラのドット絵は敢えて変更されていない。
--ダッシュ時に視界が狭くならないようになった。
---ただし、ダッシュ中に戦闘になると、陣形が乱されるのは変わっていない。
---本作の仕様ではそもそもダッシュしても陣形が乱されないエリアが(数少ないが)存在するものの、『携帯機版』以降ではどこがそれに該当するかは分からなくなった。
--一部の敵がアニメーションするようになった。
---アニメーションするのはボスキャラや固定ボスとして登場する雑魚敵(ゼラチナスマター等)のみ。
---雑魚敵については色違いであっても色違い先はアニメーションしない(例として、ゼラチナスマターと色違いであるゴールドバウムはアニメーションしない)。

-冥術のサンドストームの威力が増えた。
--おそらく、冥術が攻撃面で弱すぎることによる措置と思われる。%%ただ、普通に考えると敵に使われた時の脅威が増えただけである%%


**評価点(リマスター版)
-詰み対策が増えた
--『原作』では育て方や武具の開発方針・増えすぎた戦闘回数等によって事実上詰み状態になってしまうことが普通にあり得たが「強くてニューゲーム」によってそれまでのプレイが完全に無駄になることがなくなった。
--武器、防具の開発状況は引き継がれないが、合成術は引き継ぐことが可能。
---前のプレイで合成術を作っておけば次のプレイの資金繰りが楽になる。
---武具の開発状況そのものは引き継げないが、開発後にパーティ人数分の武具を購入しておけば事実上、次の周回で開発せずに済む。

--追加ダンジョンでは、戦闘回数に依存しない強さの敵が出現する。その為、逃げすぎて敵が強くなりすぎた場合でも育成がしやすくなっている。
---逆に、戦闘回数に依存しないため、対策さえ用意しておけば、序盤の段階で強敵相手に育成することも可能。

-ドロップアイテムの収集が行いやすくなった。
--追加ダンジョンでは序盤の敵も出現するため、雑魚敵のドロップアイテムに関して言えば弱い敵のドロップアイテムも狙いやすくなった。
--追加ダンジョンでドロップ率アップのアクセサリを入手すると、アイテムドロップ自体がしやすくなる。
---これによって一度しか戦えない相手のドロップアイテムも狙いやすくなったといえる。
---また、強くてニューゲームを使えば、再度入手することももちろん可能である。

-マスクデータが開示された事で遊びやすくなった。
--特に陣形のボーナスは良い方も悪い方もはっきり表示されるようになったので、誰をどこに置いたら良いかという判断をしやすくなった。
--ただ、上述の通り、『携帯機版』以降では防具の性能は再びマスクデータになってしまった。

-冥術の実用化
--冥術は全体的に威力が強化され、実用に耐えうる威力になった。
---特に合成術のサンドストームは2倍近くに威力が上がり、術全体でも上位の威力となった。
--冥術用の新クラス陰陽師のおかげで冥術の育成もしやすくなっている。

-やりこみ要素の追加
--追加ダンジョンは各ダンジョンの最下層には強力なボスが控えており、それらを全て倒すとさらに強力なボスとも戦えるようになっている。
---最後に戦うボスは''クイックタイムを使用するとクイックタイムで返される''(プレイヤー側は無効化)というクイックタイムが強すぎた事への対策になっており、隠しボスにふさわしい強さになっている。
--トロフィーもコッペリアの皇帝継承や最終皇帝以外でのクリア等、原作でやりこみの一環だった要素を拾っている。

**問題点(リマスター版)
-UIが全機種で全て統一されているためか、画面上にタップボタンがそのまま表示されている。
--一応、PSVなどのゲーム機では操作ボタンの解説が付いてはいる。

-アプリ版で表示されるようになっていた各種属性防御が、またマスクデータに戻ってしまった。~
防御力が分かりづらくなっていた原因なので、アプリ版で歓迎された最大の改善点の一つだったのだが…。

-PSV/iOS/Android版発売時に真っ先に問題視された事だが、戦闘時のSE(=効果音)が全体的におかしい。
--SFC版のSEが全て収録されておらず、足りない部分を他SEで代用しているため、SFC版に慣れ親しんでいるほど強い違和感が付きまとう。~
例として、大剣の通常攻撃のSEが剣の通常攻撃のSEと同じ、クリムゾンフレアのSEがどういう訳かリヴァイヴァと同じである等。~
この点は開発スタッフ側も認識していたが、修正が難航したとの事でおかしいままリリースされたという。
--一応、発売からかなりの時間が経ってからのアプデで改善されたが、それでも全てが修正された訳ではない。~
亀甲羅割りのSEがバグったノイズのようになっている等、依然として多数のSEがSFC版と違っている。これはPS4版やOne版も同じ。

-操作性がSFC版と微妙に違っており、やはりSFC版に慣れ親しんだプレイヤーほど誤操作を起こしやすい。キーコンフィグもなし。

-一部の技が道場に登録できないバグがそのまま残っている。
--本作では「強くてニューゲーム」が存在する為、「一度閃くと引継ぎプレイを続ける限り2度と閃けない」という移植前以上に後を引くバグになってしまっている。
//たいして重要でない技であること、強くてニューゲームの前は一度は閃けることなど全く問題点ではない。
//↑絶対プレイしてないだろ。地獄爪見切りは超重要だ。威力は即死級だわ複数ターゲットだわ使う敵多いわ。
//無理に枠使ってまで入れる程重要な技ではないぞ。基本、それ以外にも死ぬ要素多いゲームだし、ぶっちゃけ閃かなくてもゲームクリア全体で見れば影響がほとんどない。移植元でもそこまで超重要扱いなんてされてないし、詳細は省略されてる。

-果樹園の使い勝手が悪い。
--序盤~中盤の一番金が必要な時期に建設料を要求され、SFC版以上に窮乏化する。戦闘回数の増える終盤には収入が多すぎて金が余りがちになる。全武器防具を開発するなどの完全プレイでもない限り、利用価値は低い。

-SFC版では普通の斧技だった「高速ナブラ」の参照値がおかしくなった。
--RS3の分身技と同じく、前回行動したキャラの参照値がそのまま引き継がれる形になっている。戦闘をまたいで引き継ぐ事も可能。~
本作には能力値を直接アップする術法が存在するため、予め重ねがけで超強化した攻撃を使用しておくと、その次の戦闘で''1ターン目から9999ダメージを5連発できる''という壊れ技になってしまった。なお、プレイ開始後すぐには参照値がないので、低いダメージしか出ない。

-冥術が強化されたのはいいが、そのおかげで敵が使うサンドストームがとんでもない脅威になった。~
下手な全体攻撃よりも遥かに強力なため、使用する敵が出現した際は全滅を覚悟しなければならない。

-1コマンドでできるソフトリセットが存在しない。
--設定画面を呼び出してから「タイトルに戻る」を選択してリセットしなくてはならないので、手間が掛かる。~
サガシリーズはレアアイテム収集も楽しみ方の一つなので、一度しか戦う機会のない敵が多い本作では、この仕様はネックとなる。

-同じく、戦闘時に1ボタンでできた退却/防御コマンドも、本作ではわざわざ歩行キー左右でスライドさせて入力する必要がある。~
SFC版が手軽な操作だっただけに、幾度となく戦闘を行う本作では気になる点である。

-アニメーションの弊害
--基本的にボスに動きが追加されたのだが、一部のボスは後に雑魚としても出てくる。その際、完全な雑魚戦闘にも関わらず一部のモンスターだけが動き、しかも動くモンスターよりも強いモンスターは動かなかったりするので、通常戦闘では若干浮いてしまっている。

-オリジナルより劣化した演出
--年代ジャンプ時の字幕表示がSFC版では黒地に字幕のみという演出だったが、リメイク版で何故かメッセージウインドウが表示されてしまい、SFC版がもっていた雰囲気を若干損なっている。

***PSV版特有の問題点
-画面切り替えが少し重い
--アプリ経由で作られた関係でUnityで開発されておリ、他のUnity開発ゲーム同様PSVにおいては少々挙動に重さを感じる。ロード時間も少々入る。
--各据え置き移植版では改善され、ロードをほとんど感じなくなっている。

-解像度の関係でかキャラクターなど一部のドット絵が潰れたように表現されている。

-VitaTVに非対応。
--スマホにも対応した影響からか、VitaTVには対応していない。
---この件について、発売日直前に公式Twitterで謝罪と批判コメントのような呟きが投稿された。
--現在は後発のPS4版とクロスセーブできるようにアップデートされている。

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**総評(リマスター版)
コアなファンがいる作品ということで追加要素を含めた移植は大いに歓迎された。しかしながら2010年当時はスマホ黎明期であるにも拘わらず携帯アプリということでプレイを諦めたファンも多かったが、それから6、7年という時を経て各現行プラットフォームとPC、スマホへの移植と相成った。~
基本的な部分は変わらないものの、プレイヤーへの情報開示を増やしたり、どのタイミングでも使用できる「強くてニューゲーム」の追加をするなど、遊びやすさは間違いなく向上している。~
七英雄に関する情報の追加など、少ないながらも新規要素も悪くない。~
//もっとも、既にSFC版をプレイしたことがあるプレイヤーにもう一度プレイしたいと思わせる程の追加要素であるかは疑問が残る。~
//個人的見解かと思われる
「SFC版が難しすぎて投げてしまった」「どんなゲームか一度やってみたい」と思ったプレイヤーにはお勧め出来るリメイクであるといえる。

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***その他(リマスター版)
-上記の通り、各リマスター版は開発エンジンにUnityを採用している。しかしUnityはPSVと相性が悪くまたスマホのほうがPSVより高スペックなこともままあるため、iOS版、Android版に比べてロード時間が若干長くかかったりする。
--ダウンロード配信以前のニコ生でもプロデューサーがこの点について言及していた。
--ただしスマホは機種によりスペックは様々なので、Android版は特定の場面でメモリ不足で強制終了してしまうなどの不具合も引き起こされた。
--これら処理の重さは据え置き移植版では軒並みクリアされている。
-基本プログラムは同じはずなのだが、iOS版のみタップ操作とメモリ解放の挙動の違いから、初期Verにて様々なバグが引き起こされた。
--バグを利用すれば別のセーブデータの倉庫にある古代魔術書を引き出して、サラマンダーと冥術の両立も可能だった。
--このバグにより、陰陽師と忍者で開発できる予定だったとおぼしきボツ陣形の存在も明らかになっている。
-レオン皇帝から息子ジェラールへの死の淵での言葉に対する返答「はい、はい」と「はい」でテキトーな返事である前者を選ぶと、「もっと真剣になるのだ!」と怒られてしまうのだが、さらにPSV版ではトロフィー「父の遺志を継いで」が解除されないようになっている。
--展開的にもそのような仕様だとユーザーも受け取っていたが、Ver1.01アップデートで「はい、はい」でも解除されるようになった。
-イベントの進行などもかなりSFC版に忠実で、SFC版の時点でやや不自然だった進行ルート(スービエと二度戦える、最終皇帝以外のクラスでクリア)もそのまま残されていたりする。

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**余談
-またしても攻略本に大嘘ばかり書かれている(それでも前作よりまだマシだが)。
--データ上にのみ存在しているが実際には入手不能なアイテムが数多く記載されている。これらアイテムのほとんどは、上記アプリ版で正式に入手可能となっている。
--棍棒技「トリプルヒット」と小剣技「ライフスティール」が「敵も味方も使える通常の(=武器種さえ合えば使える)技」とされているが、実際には敵しか使えない。そのため本を信じてひらめこうとしたプレイヤーは時間を浪費することになった。
---なお棍棒技ですらないトリプルヒット((実際は斬属性の技であり、天術のソードバリアで完全防御が可能。))と違ってライフスティールは小剣「ソウルセイバー」の固有技のうちの一つとして設定はされているのだが、ひらめき難度の問題で実際にひらめくことはできない。ひらめき難度の設定ミスか、それとも意図的にひらめき難度を上げて実質上の削除を行なったものの資料変更をされなかったのか……。

-『ファミリーコンピュータMagazine』で漫画が連載され単行本化されている。全3巻。漫画そのものよりも、七英雄の過去を描いたシーン((厳密にはウォンウォンと音が鳴り響く浮遊城の中でワグナスが過去を回想しているシーン。))を素材にした七英雄コラで有名。ワグナス! 現在は絶版で入手困難だが良作なので、中古屋で見かけたら是非読んでみよう。
--全3巻という都合上、ゲーム上では再現できない&しにくい変更点もあるが、物語はおおむね原作に則った物になっている。((例を挙げると伝承法による皇帝継承が4回(レオン→ジェラール→オライオン(フリーファイター)→クリームヒルト(アマゾネス)→ジェラール2世、ちなみにクリームヒルトはある七英雄撃破のためにオライオンが力を貸すという形で継承し目標達成後は即位せずに最終皇帝であるジェラール2世に皇帝の座を譲っている。最終皇帝は序盤の主人公であるジェラールの孫で、名前も同じジェラール。)しかなかったり、物語が100年も経たないうちに解決したり、最終決戦時のクリームヒルトの装備が女最終皇帝の物だったりしている。))

-スクウェア・エニックスより発売されたオンライントレーディングカードアーケードゲーム『[[LORD of VERMILION]]』シリーズに七英雄がゲスト参戦している。
--裏面カードテキストなどにより新たな設定も判明した。

-2012年9月から配信されているソーシャルゲーム『エンペラーズ サガ』およびブラウザゲーム『インペリアル サガ』は本作の世界観をベースとしている他、敵ドット絵などのグラフィックが流用もされている。

-七英雄の名前の由来は「山手線の駅名を逆さにして、もじったもの(池袋、上野、恵比寿、五反田、品川、新大久保、新宿)」だというのは割りと有名なネタ。
--ちなみにノエルの友人「サグザー」も東京の地名(浅草)から取られているとのこと。
--七英雄の名はその後、「クソゲーオブザイヤー2008の候補となった7本のクソゲーをさす別称(蔑称)」としても使われるようになる。また、これらの作品は「''[[2008年クソゲー七英雄>用語集/全般/2#id_b55ea92b]]''」とも呼ばれている。
--2015年には佐賀県とのコラボであるロマンシング佐賀2では七英雄の元ネタになっている駅に該当の七英雄の広告が展示された。(ダンターグとボクオーンに関しては形態毎の広告がある。)

-本作はロマサガ3部作の中で唯一、単独のムック本が発売されていない。~
ゲーム中で語られない「裏設定」があまり存在しないという事でもあるが、1や3と違って風呂敷を広げ過ぎず、そのソフト内だけで完結させたのだとも言える。
--携帯版追加要素で古代の天変地異についての裏設定が語られる。
--3部作を網羅したデジキューブのムック本「大全集」には、いくらかは裏設定が掲載。

-電撃オンラインのリメイクして欲しいゲームランキングで7位にランクインした。

-2017年春に舞台化されたロマサガ3の好評により、2018年秋には本作を原作とした舞台『SaGa THE STAGE ~七英雄の帰還~』が上演された。

-CMは中世風の街中を色んな人がフキダシのセリフでしゃべるというロマサガ2の世界観を表現した実写映像。「ボタンひとつで歴史が変わる」というキャッチコピーをアピールしていた。
#region(CM動画)
|&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=s7t0ZMGp3Qg)|
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#areaedit(end)
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