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ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!」を以下のとおり復元します。
*ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!
【ちびまるこちゃん おこづかいだいさくせん】
|ジャンル|ミニゲーム集(自称じゃんけんRPG)|#amazon(B000069S3B,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2888/981/579892_20226_front.jpg,height=160)|&image(14.png,width=160,title=まるこ、再起不能(所持金的な意味で))|
|対応機種|ゲームボーイ|~|~|
|メディア|512kbitROMカートリッジ|~|~|
|発売元|タカラ|~|~|
|開発元|アドバンスコミュニケーション|~|~|
|発売日|1990年12月7日|~|~|
|定価|3,400円|~|~|
|プレイ人数|1人~2人(同時対戦プレイ)|~|~|
|周辺機器|通信ケーブル対応|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|運ゲーに始まり運ゲーに終わる&br理不尽なお母さんの徴収&br''ズバリ、貯金が半分になるでしょう''&brセーブ・コンティニュー・パスワード一切なし|~|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
さくらももこ原作の国民的人気アニメである「ちびまる子ちゃん」のゲーム化第一作。~
原作・アニメ共に人気絶頂の時((本作発売1か月前の1990年10月28日放送回にてオンライン式計測法導入後のアニメ歴代1位となる視聴率39.9%を叩き出している。))に発売された作品。

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**内容
-本作は主人公のまる子を操作して''まる子以外の登場人物からギャンブルで小銭を巻き上げ、デパートで5つの品物を買い集める''のが目的である。
--5つの品物は合計で10,350円、一方まる子の最初の所持金は30円。目標までは遠い。
--所持金と貯金が0になるとゲームオーバーとなる。
-お金を集める手段は、まる子の町の住人とミニゲーム勝負をして勝つというもの。ミニゲームはサイコロゲーム・スロット2種・坊主めくりもどき・Big or smallの4種類が存在する。
--どれもこれも運任せなだけの代物で、要するに''賭博ゲー''である。相手となるキャラもキャラで、こうした賭博行為を(大抵は「ゲーム」と称して)平然と持ちかけてくる。
--ゲーム中でも「賭け率」という言葉が普通に出てきたり「あなた、賭け事をしているようですね」と言われる。立派な賭博ゲーであることは制作者側も認めているらしい。
-他に、お金は手に入らないが「じゃんけん」と「福引き」もある。じゃんけんに勝つと気力が上がり、ミニゲームで貰える金額も上がる。一方、気力がなくなるとじゃんけん以外の上記ミニゲームはプレイできなくなってしまう。福引きについては後述。
--さらに、じゃんけんで連勝すると5種類の中からランダムにカードが1枚貰える。内4枚は有益なカードだが1枚だけ凶悪なマイナス効果を発揮するカードが存在する。詳しくは後述。
-まる子の所持金上限は500円しかない。従って、ある程度集金したら買い物をして使うか自宅に戻って貯金箱に入れる必要がある。当然、1,000円以上(上限が倍になれば2,000円以上)の商品を買う為には貯金が必須である。
--とあるカードを使うと倍の1,000円まで持てるようになるが、それでも焼け石に水といった感じでさほど有利にはならない。

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**問題点
-本作を凶悪な運ゲーとしている要因として、以下の3点が挙げられる。
***母親による所持金没収イベント
&big{''自宅帰還時にまる子のお母さんが自宅の玄関で待ちかまえていることがあり、その場合問答無用で所持金全額を奪われる。''}
-イベント内容を要約すると''事前警告なし+ランダム発生+強制イベント+発生回数上限なし+こちらの金銭状況への配慮無し''。この時のまる子の「あんた おにだね…」というセリフが全てを物語っているとも言える。
--とはいえ、住民に賭博を仕掛けて金を巻き上げているのはまる子の方なので、このお母さんの行動は(取り上げた金を住人に返しているのならば)道理としては当然なのだが。
-''自宅マップに入るまで居るかどうかが分からず、強制イベントの為回避不能''。後述の福引景品以外の対策はない。
--所持上限額を超える価格の商品がある以上こまめな帰宅・貯金が必須だというのに、こんな地雷とも言うべきイベントが不定期に仕掛けられるのだからどうしようもない。さすがに貯金を没収されることはないが。
-''貯金が無い状態であろうとお構いなしに発生する''のも見逃せない。
--前述の通り貯金と所持金共に0になればゲームオーバーだが、ゲーム開始時は貯金0円のため初帰宅の時にエンカウントすれば''所持金没収でゲームオーバー''。温情措置など一切ない。
--ネタや誇張抜きで、強制ゲームオーバーとなる状態でも発生させるのは流石に悪質と言わざるを得ない。賭博ゲーだとしても、せめて即刻ゲームオーバーとなる状態では発生しない程度の配慮は欲しかったところである。
-唯一の回避法は福引きで当てた「景品」を持っていること。景品と引き替えに没収は免除される。
--無論、こちらも福引きなので完全に運任せである。そもそも福引き券自体が、じゃんけん勝負で勝つとたまにもらえる代物である。
---なお、福引きの内容は''福引き係に話しかければ即座に抽選終了、貰えるものは「けいひん」という名のアイテム1種だけ''という非常にあっさりしたもの。また「けいひん」が具体的にどういうものかは作中で明かされることはない((徴収を忘れるほどなのでそれなりに価値のあるものなのかと思いきや、ナレーターの代弁で「こんなもので喜ぶとは安上がりな母」というまる子の心境が語られており、結局のところ謎。))。
-ちなみに町内をうろついてるお母さんに話しかけてもお金を徴収されることはなく、他のキャラ同様にじゃんけんを挑まれるただの対戦相手の立ち位置((作中でも「いきなり なにを いいだすのか」とツッコミを入れられている。))。

***丸尾君カードによる貯金半減
-本作では、一度ギャンブルをした相手とはすぐに再戦できない(じゃんけんを除く)。
--しかし、町内を一周して全員に勝ったとしても手に入るのは2,000円程度。クリアするには何度も戦う必要がある。
-再戦するには全ての住民と再び戦えるようになる「たまちゃん」のカードを使う必要があるのだが、このカードは1枚しか持ち歩けない。よってクリアのためにはじゃんけんで「たまちゃん」のカードを複数枚手に入れなくてはならない。
--前述の通り、カードはじゃんけんに勝つと5枚中1枚がランダムで手に入る。カードは「まる子」「おじいちゃん」「おかあさん」「丸尾君」「たまちゃん」の5種類。「おじいちゃん」と「おかあさん」のカードは使うと気力が上がる有益なカード。「まる子」のカードは使うと前述の通り持てる所持金の上限が倍になる(ただし1回だけ)。しかしここで「丸尾君」のカードを引いてしまうと…
&big{''丸尾君カードを引き当てた瞬間、即座に貯金が半減する。''}
-母親の徴収と異なり引いた瞬間即座に強制差し押さえであり''回避手段なし''。丸尾君のカードを引いたが最後、貯金が半分になる運命。連続で引けばあっという間に貯金が無くなっていく。母親を避けて貯金さえ上手くできれば後は何とかなるなんてことは全然ない。

***データセーブ、コンティニュー機能未搭載
-運任せな仕様のくせに、''データセーブ、コンティニューの類は一切無い''。これが無いがために前述のお母さんによる所持金徴収や丸尾君のカードによる貯金半減への回避が出来ず、ゲームオーバーor電池切れになれば最後、それまでの苦労はすべて水の泡となり最初からやり直しである。したがって、クリアするためには運と根気と地道な作業に加え、プレイ環境の充実が不可欠である。
--一度のプレイでクリアまで進めないといけないので、スーパーゲームボーイやゲームボーイプレーヤーは必須。GBでプレイする場合はACアダプターまたは新品の電池が欲しいところだが、電池の場合は運が悪ければいつまでもクリア出来ず電池切れという事態もありうるので、ACアダプターがほぼ必須となるだろう。
-基本的には運任せであるものの、スロットゲームならばリールを「目押し」で止められるため、この技術介入要素を使えるならば収支がアップしてクリアが少しだけ楽になる((ミニゲームの内容はプレイするかしないかを選ぶ場面での画面表示で判別可能。))。

-ちなみに苦労した末にたどり着くエンディングは[[こちら:http://www14.atwiki.jp/gball/pages/352.html]]。苦労した割には淡白過ぎる。
--そして何事も無かったかのように再びタイトル画面へ。ことごとくやり甲斐というものに欠けている。

***その他の問題点
-やたらと扉のある建物があるが、入れる建物は一部だけ。
--入れる建物とそうでない建物の区別もつきづらい為、場合によってはストレスとなる。

-品物を買って所持金が0円になってもゲームオーバー。
--''苦労して4000円ためて4000円の品物を買ったと思ったらゲームオーバーになる''という事故が起こる。最低でも4010円たまってから買わなければならない。
//---しかしわずか10円を稼ごうとして丸尾くんカードを引いたりするともう…
//丸尾君カードは貯金箱に接触しない限り発動しないからほぼ商品を買えるのが確定の状況じゃ障害にならない

-キャラゲーとして残念な表現や仕様がある。
--じゃんけんの画面で「おねえさん」と表記されているおねえちゃん。
---原作やアニメを見たことのある人は違和感を抱くであろう場面。「おじいちゃん」「みどりちゃん」はそのままなので、別に文字数の表示制限のせいというわけでもないようだ。
--じゃんけんコマンドとミニゲーム後のはなすコマンドで無視を貫く静岡のおばあちゃん。
---静岡のおばあちゃんにはこれらのセリフデータが設定されていないようで、話しかけてもリアクションが一切なく不自然。
--マップ画面のドットキャラはキャラクターの特徴を捉えてるとは言えず、かわいくない。
---もともと特徴の強い丸尾君・はまじ・みどりちゃんはマシな部類で、おとうさんやおねえちゃんはドットキャラをぱっと見ただけでは一体誰なのかわからない。
---まる子に関しても、横方向に歩く姿が%%ヤクザ歩きさながら%%妙に前傾姿勢で違和感がある。
---ただ低容量で色も使えないGBソフトであること、キャラクターを16×16ドットに収めることが主流だった当時の状況を考慮すると仕方ない面もある。 

-2人対戦ゲームが手抜き仕様。
--この手のミニゲーム集における2人用モードは「1人用ではCPU相手だったミニゲームを対人戦で遊ぶ」というのがセオリーだが、本作の2人用は''上記1人用と同じギャンブル集金ゲームを2人同時にプレイする最速クリア競争''というもの。
--購入する品物は任意選択の1つだけになり、先にその品物を購入するか、相手がゲームオーバーになれば勝ち。品物が5つのままだったらどうなっていたことやら…。
--品物は1つとはいえ、1人用でも条件が辛いフランス人形やオルゴールを選んでしまうとお互い膠着状態となり、険悪になること必至。これらを選ぶのはやめたほうがいいだろう。
--登場カードのうち、おじいちゃんカードは相手の所持金を減らし、おかあさんカードは''相手側にお母さんの所持金徴収イベントを仕掛ける''という凶悪な妨害アイテムに変貌する。これらカードによる強制徴収はどうやっても回避できない。
---逆に言うと、相手への介入要素はこれだけしかない。強制徴収イベント以外は各々淡々とゲームをプレイするだけである。
---勝敗決着後に表示される画面も1人用のエンディングやゲームオーバーと大差はなく、あっさりタイトル画面へ戻される。
--1人用でも運頼みでストレスのたまるゲームを、ほぼそのまんま2人個別にプレイさせる対戦モードの存在価値とは…?

-&bold(){そもそもまる子にこんな悪どいことをさせている時点で原作レイプである。}
--原作やアニメなどでもあくどい言動は見受けられるが、バレて叱られたり、報いを受けたり、結局良心に負けて反省する等エピソードの流れとしてはそれを許しておらず、良識は弁えている。
--ちなみに原作でもまる子が家族相手にギャンブルを持ちかける場面があるが、毎回最後はお母さんに怒られている。

-説明書の文章に「ですます調」と「である調」が混在している。
--後者は作中のナレーターを再現しているのだろうが、出だしがですます調にもかかわらず、終わりだけである調になっている文が多いため、ただ読みにくいだけになっている。

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**評価点
-まる子の最初の所持金は30円((原作でもまる子のこづかいは1日30円。))という点はきっちり原作再現。
--またタイトル画面や町内のBGMには原作アニメED曲((現在はOP曲になっているが、本作が発売された1990年の1期放映当時はED曲であった(ちなみにOPは、関ゆみ子の「ゆめいっぱい」)。))「おどるポンポコリン」のアレンジが使用されている。このためパッケージ裏にはJASRAC表記や認可シールが貼られている。

-マップ以外のグラフィックは当時のキャラゲー及びGBソフトとしては平均以上で良質。デモシーンのまる子の顔アップ絵は漫画そっくり。ミニゲームの画面やカードの絵柄としてよく見る各キャラの顔グラはそこそこだが…。
--負けるとタバコをふかすおとうさんや、困り笑いするおじいちゃん、平静を装いつつも動揺を隠しきれていない花輪君など、原作の細かな性格描写を反映した絵もある。
--はまじとみどりちゃんの負け顔はかなり独特。人によっては腹筋崩壊、もしくは気味が悪いとか感じるかも。

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**総評
以上の点から、本作はそのシステム・仕様上GBソフト史上屈指の難易度を誇るクソゲー・運ゲーと言える。~
人によってはGB版『[[マインドシーカー]]』という人もいるほどである。~
しかし、あちらは一応セーブ機能があるのに対しこちらはそれすらないので、最早擁護不能な域に達していると言っても過言ではない。

キャラゲーとしても特にこれといって特筆する箇所が無い為、まる子ファンであっても購入はオススメしがたい。

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**余談
-本作の反省を踏まえてか、これ以後タカラの「ちびまる子ちゃん」のゲームは軒並み難易度が下げられており、開発元も変更されている。
--が、まる子のゲームソフトとしては''未だにこれが一番売れたソフト''のようなので信頼は回復できなかったと思われる。
---ちなみに、本作におけるファミ通でのクロスレビューは40点満点中22点。これでもまる子のゲームソフトの中では点数が良い方であり、後続のソフトの点数は総じて芳しくないため、これが売上が振るわない一因と思われる((現在のところ、シリーズ最低点は『ちびまる子ちゃん3 めざせ!ゲーム大賞の巻』などの18点。))。
--ちびまる子ちゃんのゲーム化権は機種ごと複数のメーカーにライセンスされていた。本作発売元のタカラは自業自得といえるが、翌年以降他機種でゲームを発売することとなったエポック社とナムコはいい迷惑である。

-後に発売された『[[人生ゲーム伝説]]』と同じ開発元とされている(よく見るとグラフィック・フォントがまる子とそっくりで、途中セーブが無いところまでそっくり)。案の定、これも本作に負けず劣らずのクソゲーとして悪名をとどろかせるのであった。
--ちなみに開発元のアドバンスコミュニケーションはFC時代にも同じスタッフによる『[[ジーキル博士の彷魔が刻]]』や『[[燃える!お兄さん]]』(いずれも発売元は東宝)といったクソキャラゲーを開発していた。

-パッケージや説明書には原作者描き下ろしと思われる「ゲームボーイを持ったまるちゃん」などのイラストが使用されている。1970年代を舞台とする原作の設定から考えると、わりと貴重な組み合わせのイラストと言えるかもしれない。
--本作でのお目当ての品物総額より遥かに高価そうだが、これも家族や友人との賭博とお母さんの目を盗んでの貯金の末入手したのだろうか。
--説明書の表紙ではまる子のほか、たまちゃんや花輪君もゲームボーイを持っている。が、丸尾君はひとりだけ持っておらず、横で羨ましがっている。かあさまがゲームを許してくれないのだろうか。
--たまちゃんは説明書内のイラストで「コレ おもしろいね」と言っているのだが、本作の出来を考えると何か別のゲームで遊んでいるのだ、と思わざるを得ない。

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