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そらのいろ、みずのいろ」を以下のとおり復元します。
*そらのいろ、みずのいろ
【そらのいろみずのいろ】
|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000OLHH9M)|
|対応機種|Windows 98SE/Me/XP|~|
|発売・開発元|Ciel|~|
|発売日|2004年6月25日|~|
|定価|9,240円|~|
|レーティング|ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|&bold(){長い}&br()実はダブル主人公の群像劇&br()絵柄は綺麗&br()Tony伝説に該当するかどうかは個人差|~|
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#contents(fromhere)
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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*概要
『シャイニング』シリーズ等で著名な作家、Tony氏のデザインを採用した作品。~
本作はゲーム以外でもアニメ、フィギュア等数々のメディアミックス化した作品群である。~
そんな中、ゲームにも当然期待はされていたのだが…。

担当ライターは嘘屋佐々木酒人(うそや・ささき・きびと)。スタッフロール内にはシナリオ担当として彼の名前のみ記述されている以上、建前としては嘘屋の単独作品となる。

*主要登場人物
-&bold(){最所 戎(さいしょ はじめ)}
--主人公1。短髪やや女性的な容貌。一見するとおちゃらけた人間だが、あくまで処世術であり場の雰囲気を読む能力には長けている。
--「さいしょ」と「はじめ」が並ぶ変な名前は、母の姓が「三国(みくに)」であったことの名残。元々「三国 戎」だったのが親の結婚で最所となった。
--十三とのコンビは「殺し屋」と言われるが、これは山本英夫の漫画『殺し屋1』が由来。
-&bold(){海野 十三(うんの じゅうぞう)}
--主人公2。鉄製黒斑眼鏡の刈り込み髪。真面目そうでいて好奇心が強く「面白い話」を探し求めており、戎に劣らず悪ふざけが好き。ふざける時もいたって真剣という風。
--作務衣を愛用する日本の書生風だが口癖が中国語の「先生」であったりと変わり者。
--殺し屋コンビの由来は言わずと知れたゴルゴ13。同名のSF作家も多少引っかかってる?
-&bold(){水島 朝(みずしま あさ)}
--ヒロイン1。ストレートロングヘアで巨乳。最初はツンと澄ましたようであるが実際は喜怒哀楽がはっきりした性格。生活能力は高いのだが、人付き合いで不器用な点が目立つ。
-&bold(){空山 菜摘芽(そらやま なつめ)}
--ヒロイン2。輪っか型ツインテの幼児体型。いつもニコニコしているが戎から共感や感心を抱かれるように演技。

*問題点
-長い
--恐らく本作の問題点はこれに尽きると思われる。舞台は田舎の学園であり、時期は夏休み真っ盛り。そんな中、男女2名(計4名)による物語が進行する。~
夏休みは基本的に(大学とかでなければ)40日間なのが常だが、本作はほぼ40日の内&bold(){1日単位}でイベントが発生する。~
シナリオが楽しければボリュームがあると評価出来るのだが、シナリオの基本は日常的な話に終始する。オチはあるものの、日常系を期待するともれなく眠気とアクビがやってくる。~
現実的に徹底した私生活を、40日分延々と垂れ流されることを想像して欲しい。例えるなら、夏休みの間に&bold(){日常系のエッセイを40冊読破}しろと言われたとしよう。~
余程の読書家でなければ&bold(){無理}に決まってるだろう。ここまで来ると、最早&bold(){苦行}である。~
更に、上記の苦行を、「主人公A→ヒロインA」、「主人公A→ヒロインB」、「主人公B→ヒロインA」、「主人公B→ヒロインB」、「トゥルーエンド」と5つのルート分攻略する必要がある。~
これは製作者からの&bold(){何かの挑戦状}だと思っていいだろう。%%丁重にお断りするのが普通だが。%%~
似たような作品に[[祝福のカンパネラ]]という作品があるが、あちらはキャラもシナリオも魅力があるので比較にならない。
-シナリオ
--とにかく日常的シーンばかり。それも、本当に現実的に起こり得る可能性のあるもの。
---だがこの年代の少年少女が起こしそうなバカ騒ぎ、冒険話や失敗談を多く盛り込んでおり、実は飽きさせない。
//登場人物もほとんど主要キャラ4名に絞られるので、話の展開が中々広がらない。一応、キャラの掛け合いは面白いのだが、~
//そう感じ取れるのは最初の30分くらいのものだろう。~
//またまた例えてしまうが、全編&bold(){サザエさんレベルのオムニバス}を延々と垂れ流すようなものである。~
//(サザエさんにはたまに強烈なゲストキャラが登場する回や、レギュラー陣が常軌を逸した行動を取る回などもあるが、この作品にはそういうのも少ない)~
//そういうゲームが皆無というわけではないが、物には限度があるだろう。
--登場人物が水泳部所属ということもあり、エロシーンより相当前(ゲーム開始数分で)に戎と十三の裸を拝むハメになる(何度も)。しかも水泳部であるだけに無駄に良い体をしている。&br()無駄に男の裸立ち絵まで描くゲームは本作に限らないが。
//サザエさん云々のたとえ話は不適切。ゲストキャラがいないのは事実だが「日常話」のバリエーションは日ごとに異なる。
--上でさりげなく触れられているが、実はダブル主人公性であり、このことは販促段階では全く伏せられていた。(シナリオとしての有効性を問わず)杓子定規に言えば詐欺である。
-本来の需要
--エロゲーなのでエロシーンはどうか?お楽しみシーンまではすんなりとは行かない。紆余曲折(といっても大したことじゃないが)を経て、全体の5割くらいのところでようやくお目見えする。~
しかし、大半のCGは使い回しである。シナリオは膨大だが、CGの数は同年代のゲームと比べても明らかに寂しい。~
また、CGでは男キャラの顔が隠れて(前髪で誤魔化しているわけではなく、本当に見えない)いるが、それは&bold(){別主人公でも使いまわしているから}である。%%エコロジーってやつか?。%%~
ちなみに、上記の問題点はあのWikipediaでも堂々と指摘されている。いくら酷いゲームでも、こういった批判は書かれにくいのがWikipediaの特徴なのだが…。
-システムについて
--当時としては珍しく画面スキップ機能が実装されている。が、現在主流のイベントへのジャンプスキップではなく、~
真っ白い画面が表示した状態でのスキップである。ROMゲームの「Now Loading...」の画面と書けばわかりやすいだろうか。~
このように共通ルートも膨大であるため、この機能を使うことが多いのだが、画面真っ白は色々と目にきついと思われる。~
せめて画像とかには出来なかったのだろうか?~
当然、ジャンプスキップではないので、既読テキストが多ければその分待ち時間も長くなる。だったら普通のテキストスキップのほうがマシだったんじゃないだろうか。
---少なくともDL版には普通の高速テキスト飛ばしも導入されている。というか高速と画面スキップにあまり差が見られない。
-主人公について
--所謂処女厨というもので、初体験の後にヒロインの破瓜が確認出来なかった((単に見落としていただけだが。))ため、事後テキストではそれで葛藤するシーンが見られる。~
それまでは軽いイメージがつきやすい、しかし好印象なキャラだったため、この辺りのこだわりは総スカンを食らうだろう。

-キャラクターのアクの強さ
--戎からして、おバカやネアカではなくピエロであり、冷静に人間心理や場の雰囲気を読んだ上でおちゃらける彼の行動は、合わない人にはどうにも合わない。
--朝は良くも悪くも感情をはっきり表に出すタイプであるが、菜摘芽は一瞬鼻につくレベルのかわい子ぶりっ子。他のキャラが己を殺す術を心得ている分、感情剥き出しの朝はお子様振りが際立ってしまう。

*評価点
-Tony氏の実力も伴って、絵柄は非常に綺麗。
--上に挙げた通り、男の裸立ち絵までリキ入れて描き込むのはどうかという感じはする。
-一応、シナリオで登場する料理系の雑談は、ひとり暮らしの人にはおすすめ…かもしれない。
--一瞬話の種になって消えるような無駄話からお婆ちゃんの知恵袋的なものまでウンチクネタが多い。これらのネタをもったいぶりもせず大袈裟に扱わずぽんぽんと開陳するのは、嘘屋(ライター)の人柄がなせる業である。

#region(close,ネタバレ注意)
以下、ネタバレ注意。

-恋愛系エロゲにおいて、真っ正面からスワッピング(カップル同士がパートナーを交換して行為に及ぶもの。本ゲームでは野合と表記された)を取り扱うという異色中の異色シナリオ。CG流用が多いのはその辺の事情もある。
--しかも、どちらかと言えば野合に及んだ方がトゥルーエンドに近く、それを避けたシナリオはいささかしこりの残る物となる。
--3Pの存在は販促の段階で匂わせていたものの、スワッピングについては伏せられていた。

-後に発売された18禁OVAは単独主人公のハーレム物に改変されていた。結果としては成功したようである。

#endregion

*総評
とにかく長すぎることが問題となってしまった作品。本作の魅力に気軽に浸りたいのであれば、大人しくOVA版(上下巻。当然ながら18禁)を視聴するのがよい。~
こちらの評価はゲーム版とは打って変わって上々で、更に内容も非常に有用で充分おすすめできるレベルである。~
もっとも、それは本作の独自性に触れないこと(詳細は上に格納)をも意味する。本当の意味で楽しむのなら腰をすえるしかない。~
退屈か面白いかははっきり言って個人差であるが、テキストが非常に長いことと、類例が余りないことだけは客観的事実であり、そこは覚悟していただきたい。

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