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スーパーマリオブラザーズ スペシャル」を以下のとおり復元します。
*スーパーマリオブラザーズ スペシャル
【すーぱーまりおぶらざーず すぺしゃる】
|ジャンル|アクション|&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/126000811.jpg,height=160)|&image(SMBSP0_Small.gif)|
|対応機種|PC-8801II&br;X1|~|~|
|発売・開発元|ハドソン|~|~|
|発売日|1986年10月|~|~|
|定価|6,800円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|~|
|ポイント|&bold(){無茶移植}&br;スペシャルに理不尽な難易度&br;当たり判定が甘すぎ&br;目に悪い配色|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
知らない人がいないぐらい有名な『[[スーパーマリオブラザーズ]]』のパソコン移植版。~
移植を担当したのは、後に『[[マリオパーティ]]』シリーズで大きくかかわることになるハドソン。~
しかし当時のパソコンはスプライト機能やスクロール表示をサポートしていないため、原作の内容を再現させるには到底至らず、遊ぶに堪えない劣化移植となってしまっている。

//総評から移動、編集
//もともと水平型VRAMはアクセス単位が8ピクセルで1単位であるため、キャラクター、背景ともに横方向の細かい制御は困難であり、スプライト機能なしにアクションゲームの実現には不向きな構造となっている。~
//そして『スーパーマリオブラザーズ』は横方向に大きくスクロールするゲーム故に、スプライト機能やスクロールをハードウェア的にサポートしないパソコンへの移植は当時の技術水準では困難なものであった。~
//本作と同様のターゲットで動作する『[[ソーサリアン]]』等、仮想画面を使用した差分書き換えによって大幅に処理量を減少させるなどの方法論が確立されるのは後の話である。
//専門用語を多用されても分かりづらいので簡略化

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**問題点
-FC版と違い''画面がスクロールせず、画面右端に行くと表示が切り替わる方式''である。しかもその際&bold(){PC-8801II版では画面がブラックアウト}するため、難易度が異常に高くなっている。
--X1版も画面の移動単位は画面単位だが、スクロール切り替えとなっており、画面端で一画面分スクロールし切り替わる。
--特に足場が狭く、正確な着地地点を予測する必要があるアスレチック面はこのシステムのせいで肝心な「向こう」が見えないために地獄と言われている。足場の位置やジャンプの力加減を覚える為にも無限増殖は必須。

-FC版に比べて''制限時間の減少が異常に速い''。
--そのくせ中間地点は無く、時間が切れたらコースの最初からやり直し。

-キノコやスターの動きが速いため、ろくに取れない。スターの無敵もすぐに切れてしまう。

-ファイアバーやクッパの動作が異様に速い。しかも当たり判定が甘い。

-先に進めなくなる罠がある。
--入ったら出られない土管があり、入ってしまうとタイムオーバーで死ぬしかない。

-上のタイトル画面を見てもわかる通り、配色が原色ばかりで目に悪い。

-BGMの再現度
--本作のBGMは基本的にFC版を忠実に再現した物になっているが、音源の違いにより音色並びにテンポのふらつきによって非常に違和感を感じる物になってしまっている。

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**評価点
-マリオシリーズ初のスタッフロール。
--ただし、スタッフロールのBGMは前述のアレなアレンジの地上面の使い回しと、苦労の割には合わない物となっているのは賛否が分かれるかも知れない。
--なお任天堂ハードでは、10年以上後のGBC版リメイクである『[[デラックス>スーパーマリオブラザーズデラックス]]』で初めてスタッフロールが採用されている。

-オリジナルの面構成。
--本作は行き止まりが存在している問題点があるとは言え、原作とは異なる構成に変更されているコースも多い。
---特にオリジナル版でプレイヤーから指摘されていた「後半面における序盤面の使い回し」もほとんどなくなっていたり、土管下の隠しステージもコース毎に異なっている点は十分に評価が出来るだろう。

-過去作からのゲストキャラクター達
--本作は使用可能な絵数の多いPCでの移植に当たって、雑魚敵にもオリジナルでお馴染みの面々に加えて、初代『[[ドンキーコング]]』を彷彿とさせるタルや炎、『[[マリオブラザーズ]]』のカニやハエ、ツララ等、『スーパー』以前の黎明期のマリオシリーズからの復活キャラクターが多い他、追加アイテムの中にもドンキーを彷彿とさせるハンマーも存在している。
---ただし何故かツララ以外の敵の名前はそれぞれ変更されており、それぞれチョキチョキ(カニ)、ナカジ(ハエ)、タルサー(タル)、シゲボウ(炎)となっている。
--『マリオブラザーズ』のキャラクターは後期シリーズでは『ブラザーズ』準拠のモードでしか登場しないケースが多く、『スーパー』のような横スクロールコースで『ブラザーズ』の敵が動き回るのは中々新鮮味がある。
---一方、『ドンキーコング』からのゲスト出演扱いのタルサーについては、出典の設定では敵であるドンキーがステージの頂上から落としてくる言わば「手動」とも言うべき存在なので突っ込み所しかない。

-時代を先取りしすぎた追加アイテム。
--本作ではFC版のバグ面や『2』のワールド9のように空中をまるで泳ぐように飛行できるようになる「ウィング(羽)」が存在していたり、シリーズでも珍しい高得点のボーナスアイテムやタイム回復アイテムも存在する。
--もっとも、後の本家シリーズでは『[[3>スーパーマリオブラザーズ3]]』や『[[ワールド>スーパーマリオワールド]]』で「しっぽマリオ」や「マントマリオ」といったロムのバグや高難易度面のクリアといった高いハードルを介さずに空中を浮遊できるアイテムが登場していたり、後期作ではタイム回復ポイントとして中間ゲートが設けられている、取得すると高得点を獲得できる赤コイン等々、ある意味では後の時代を予言していたとも言える。

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**総評
概要でも述べた通り、画面スクロールを活かしたアクションが肝の『スーパーマリオ』を、スクロール困難な機種に当時の技術で移植するのは無理があったといえる。

結局、ゲームの見た目は再現出来たものの元のゲーム性は殆ど喪失。~
また、操作性の著しい低下にも拘らず更に設計と親和性の低い底意地の悪いマップ構成等による難易度に因り、非常に残念な出来の悪い代物になってしまった。~
とはいえ、本作ならではの仕様や要素等光る部分もあり、そういう意味では存在意義のある作品と言える。

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**余談
-本作で登場する高得点の隠しアイテム(8000点)は、当時のハドソンのマスコットキャラクターである「ハチスケ」になっている。
--しかし見た目が蜂なので、マスコットであることを知らないと一見敵にも見えてしまう(もちろん触れても無害)。

-当時のハドソンはファミリーベーシックの開発を請け負うなど任天堂と親密であり、この作品に限らず任天堂のFCソフトの移植をいくつも行っていた。

-本作のパッケージアートワークでは『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』から流用されている。

-本作が発売された頃まではビジネスマシンのPC-9800シリーズよりホビーマシンのPC-8801シリーズがかなり出荷されており、商業ベースでは開発・移植が相次いでいた。
--本作品の不評により、各社からPC-8800への無茶な移植はなくなったという、反面教師的な作品である。

-このゲームの開発には、当時「高橋名人の弟子」として全国キャラバンなどで活躍した桜田名人が関わっており、Twitterで「バグで行き止まりがある」「BGMが一部違うのは耳コピのミス」などと当時の裏話を明かしている。([[参考>https://togetter.com/li/244217?page=2]])

-動画サイトなどで画面スクロールに完全対応した本作の動画を見かけることがあるが、それらはファミコン版の初代を本作風に改造した非公式のものである。
--当然ながら本作のファミコン版は発売されておらず、実際のPC版とは異なる点も多いので注意。

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