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ASO」を以下のとおり復元します。
*ASO
【えーえすおー】
|ジャンル|シューティング|&blankimg(aso.jpg,width=150,height=200)|
|対応機種|アーケード|~|
|販売・開発元|SNK|~|
|稼働開始日|1985年|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|


**概要
-『B-WINGS』(データイースト)の流れを汲む縦スクロールSTGの名作。
--自機「SYD」を操り、自己思考・自己修復・自己補給能力を持つ生化学部品が生み出した兵器群「メカノクレート」に支配された世界の解放を目指す。
-操作は1レバー+レーザー(対空ショット)・ミサイル(対地ショット)・アーマーの3ボタン。
--いわゆる『[[ゼビウス]]』タイプの構成だが、このゲームの最大の特徴はアーマーボタンで展開する''「Armored Scrum Object」''の存在(タイトルの由来でもある)。
---全8種類のアーマーが存在し、任意に使い分けることが可能。これによって他に類を見ない独自性と高い戦略性を実現している。
-残機制の全13ステージだが、厳密には6ステージ×2周。13ステージ目に突入した直後にボーナス得点が入ってオールクリア。

**特徴
-ショット
--アイテムによって対空・対地それぞれ3段階まで強化できる。
--対地攻撃は多くのゲームが採用していたピンポイント爆撃式ではなく、軌道上にいる敵にも当たる。ただし弾速が低く、射程制限あり。

-''アーマー''
--エネルギーゲージが一定量以上あるときにアーマーボタンを押すと、画面下部で選択中のアーマーを装着。
--初期状態ではオクトとシールドの2種類しか持っていないが、敵から入手できる3つのパーツ(ヘッド、左ウィング、右ウィング)を続けて取ることで新たにストックできる。
--アーマー装着中は被弾してもエネルギーが減るのみでミスにはならないため、緊急回避(ボム)の役割を兼ねている。
---装着中に再度アーマーボタンを押すかエネルギーがゼロになると強制解除され、一度解除されたアーマーは再びパーツを揃えないと使用できない。
--アーマーは各1つずつ、最大8種類ストック可能。それぞれ効果や消費エネルギーなどが異なる。
---''オクトアーマー'':レーザーが8方向に飛ぶ敵弾消去可能な単発弾に変化。使いどころは少ないが、ピンポイントで力を発揮する場面も。
---''シールドアーマー'':自機の周囲に防御壁を展開。被弾しない限りエネルギーは減らず、被弾しても消費するエネルギーが少ない。
---''キャノンアーマー'':レーザーが高性能な広域弾に変化。装着中はエネルギーを消費し続けるが、燃費が良く使いやすい。
---''ホーミングアーマー'':1ゲージ消費でミサイルがホーミング弾に変化。ミサイルを撃たない限りエネルギーは消費しない。
---''パラライザーアーマー'':レーザーに敵弾消去と敵を凍らせる効果が付く。凍らした敵に接触すると破壊可能。装着中はエネルギーを消費し続ける。
---''ニュークリアアーマー'':ミサイルが高威力・広範囲の核弾頭に変化。ミサイルを撃たない限りエネルギーは消費しないが、速射性は低い。
---''ファイヤーアーマー'':前方直線状に火炎放射。高威力・敵弾消去可能だが射程に制限があり、装着中はエネルギーを消費し続ける。
---''サンダーアーマー'':ミサイルが超高威力・敵弾消去可能な全画面攻撃に変化。非常に強力だが、エネルギー消費量が最も多い。

**長所
-STG史上屈指の''戦略性の高さ''。
--8種類ものアーマーの使い分けによる自由度の高さから、やり込めばやり込むほど味が出る。
---基本は典型的な「パターンゲー」だが、パーツの取り方やアーマーの撃ち分けでプレイヤーそれぞれが独自の進め方を追求できる懐の深さを持っている。
---「全てのアーマーを同時に揃えると20万点ボーナス」という高難度だが狙い甲斐のあるフィーチャーやノーアーマーの稼ぎ要素もあり、スコアアタックも熱い。

-高い爽快感。
--このゲームの自機ははっきり言って弱いが、アーマーを装着することで性能が跳ね上がり、狙いを定めて一気に敵を殲滅するカタルシスを得られる。
---特に''ボスをも一撃で葬り去る''桁違いの威力と、全画面に広がるド派手なエフェクトを持つサンダーアーマーはASOの象徴と言える。

-ブレのないコンセプト。
--この頃のSTGは有機的な世界観を押し出す作品が台頭し、本作のような硬質な雰囲気を持ったゲームは減少傾向にあった。
--つまり時代遅れだった訳だが、良質なグラフィックやBGM、何より世界観よりもシステムの面白さと爽快感で勝負する潔い作風は多くのシューターに受け入れられた。
---『[[グラディウス]]』、『[[ファンタジーゾーン]]』、『ツインビー』などの名作が乱れ飛んだSTG群雄割拠の時代の中、独自の立ち位置を築くことに成功している。

**短所
-''激烈な難度''。
--当時のSNKのゲームは全体的にその傾向が顕著だったのだが、このゲームはひときわ難度が高く、面白さを体感できるまでの壁が厚い。
--アーマーシステムが複雑。完成までに3つもパーツを取らないといけない上に、途中で違うアーマーのパーツを取ると集めていたパーツが消えてしまう。種類も多いため、きちんと特性を把握できないうちは話にならない。~
さらにポイント(いわゆるアイテム)の種類がやたらと多く覚えるまでが一苦労な上に、''パワーダウンアイテムまで混ぜてくる''という意地悪ぶり。
--アーマーに汎用性があまりなく、多くが特定のボス専用になっており、そもそもボス以外の場所で使い道があまりない。シールドだけはどこでも使える汎用性があるが、逆にオクトのように使いどころがほとんどないものもある。
--当然最初はプラクティスの意味で簡単なステージから始まるかと思いきや、ところがどっこい''1面のボス「ヘカテリアン」がいきなりの強敵''。アーマーを計画的に運用できないと、初心者はおろか熟練のシューターも軽くヒネられる。
--中盤以降は敵が赤いホーミング弾を放ってくるため、回避のコツを掴まないと防戦一方になってしまう。自機の当たり判定もでかい。
--5面ボス「ギガビット」は特に難所として知られ、常時ワープし続けるため攻撃が非常に当たりにくい。ただしサンダーアーマー一発で撃沈できるという救済措置もある。
--1周だけならきっちりアーマーを活用していけば十分にクリア可能な範囲だが(シールドを多用するパターンが有名)、2周目はさらに難度が上がり続ける。
---もっとも、ここまで来られれば例外なく上級者なため、歯応えのある2周目は評価されるべき点である。

**総評
当時のSNKはヒット作に恵まれず厳しい状況下にあり、本作もわずか12人に減ったスタッフ総出で低予算で製作された(当時の川崎社長は「24の瞳」と呼んでいたらしい)。~
敵キャラの一部は担当デザイナーが締め切り直前に徹夜でひねり出したものであるといい、いかにギリギリな現場環境だったが伺える。~
ともかくこのゲームのヒットによって一命を取り止め、後の躍進に繋がっていくことを考えると、SNKのターニングポイントになった作品と言えるかもしれない。

**移植・続編など
-FCの移植版が存在するが、出回りは良くない。
--当時のごく一般的な「ファミコン移植」レベルであり、アーケードのファンにとっては正直満足の行くレベルではないが、イメージイラストやロゴ等完全にアーケードと同じなので、ファンにとっては雰囲気を感じられる作品。三つとらなければレベルアップしないレーザーやミサイルが、一つ取ればレベルアップする等、難易度はかなり抑えられている。また、ボスキャラがファミコンの性能上アーケード版よりもかなり小さいのも特徴。アーマー装着はポーズ中に行うため、リアルタイムで時機操作と同時にしなければならなかったアーケード版よりもかなり難易度が低くなっている。

-同じ系譜を持つ作品として1987年に『[[バミューダトライアングル]]』、続編として1991年にMVSで''『ASO II -Last Guardian-』''が稼動したが、評判は芳しくない。
--「ASOII」はMVSの仕様の都合上アーケードの縦STGにしては珍しい横長画面になってしまったのも大きなマイナスだったが、やはり根幹のゲームの出来そのものがイマイチだったのは否定出来ない。

-その後20年の時を経て、SNKプレイモアの''『ネオジオヒーローズ ~アルティメットシューティング~』''(PSP)にASOシリーズの自機の後継機「SYDIII」が登場。
--サンダーアーマーなどの特徴的な攻撃も一部引き継がれており、ファンにとってはなかなか感慨深い。
--オリジナルの(美少女)パイロットも新たにデザインされ、並み居るネオジオキャラを差し置いてメインビジュアルを飾っている。

-稼働から20年以上の時を経てカップリングソフト「SNKアーケードクラシックス ゼロ」に本作が「[[アテナ]]」や「怒」とともに完全移植された。


#region(プレイ動画)
&nicovideo2(sm1999739)
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