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TATSUJIN」を以下のとおり復元します。
#contents()
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*TATSUJIN
【たつじん】
|ジャンル|STG|&image2(tatsujin-01.gif,center,width=160)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|東亜プラン|~|
|稼働開始日|1988年11月|~|
|プレイ人数|1~2人(交互)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[東亜プランSTGシリーズ]]''|

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**概要
1988年にタイトーより発売された業務用縦スクロールシューティングゲーム。~
大ヒット作となった『究極タイガー』のスタッフが作り上げたシューティングゲーム。画面一杯に広がるショットやレーザー。ドクロ型に爆炎が広がるボムなど見た目のインパクトがより強くなった。~
タイトル画面にはクレジットされていないが、『[[タイガーヘリ]]』や『[[究極タイガー]]』同様に開発は東亜プランが担当している。前作『究極タイガー』(以下究極)にて確立された「パワーアップ型縦スクロールボムシューティング」の流れをそのまま汲み、前作の開発スタッフがそのまま本作の開発を務め上げた((ファミコン通信1988年10月号、ビデオゲーム通信より。))。

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**ストーリー概要
プレイヤーはボルゴ星系軍が開発した「SUPER FIGHTER」と呼ばれる新型宇宙戦闘機を操作し、侵攻を企てるギタン星人を撃破するのが目的となる((メガドライブ版取扱説明書より抜粋。))。

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**システム
-全5面で構成され、5面ボスを撃破すると以降はループプレイとなり、自機が全滅するまでゲームは続く。1周クリア毎に難度が上昇するが32周エンドで難度はカンストとなる。究極と異なり各面のボスを倒しても、クリアデモやラウンドボーナスなどのインターバルは一切なく、すぐに次の面が始まる。最終面のボスを倒してもエンディングに相当する演出は全く無く、そのまま次周回面に入る。

-操作は1レバー2ボタン方式。8方向レバーで自機を操作、ショットとボムを駆使し敵を倒す。ソフト側での連射には対応しておらず、レーザー以外の武器は手動で連射を行う。ごく一般的なパワーアップ型のシューティングゲームとなっており、自機のパワーアップは、道中に出現するアイテムキャリーや、地上に設置されているアイテムボックスを破壊することで現われる各種のアイテムを取ることで行う。
#region(各種アイテム詳細)
|[P]パワーアップ&br()5つ集めるとショットが1段階パワーアップし、2段階までパワーアップできる。&br()ボムアイテムと異なりミスしてもリセットされないため、4個の状態で寸止めしておくと、ミスした場合の復活が容易になる。&br()ただし最強状態にパワーアップすると出現しないため、最強パワーで進むか、1段階目だけにとどめて&br()ミス時の復活用にストックしておくかはプレイヤー次第ということになる。&br()最強状態になるとショットのタイプに関係なく自機左右にオプションパーツが自動的に付き、&br()援護射撃を行うがこのパーツ自体に攻撃判定や敵弾を消す能力は無い。&br()&br()[B]達人ボム&br()使用するとドクロの爆炎が広がるボム。ボタンを押すと即発動する。最大10個までストック可能。それ以上は5000点のボーナスとなる。&br()&br()[S]スピードアップ&br()4段階まで速度が上がり、それ以降は5000点のボーナスとなる。|
|[1UP][2UP]&br()自機がそれぞれ追加される。&br()1UPは特定の武器でしか壊せない地上物に入っているため、事前に対応した武器に換装しておく必要がある。&br()2UPはノーミスでゲームを進めることにより1ゲームで1回だけ出現する。|
|''パワーショット(3連→9連→15連)''&br()自機の標準装備となっており、ゲームスタート時やミスした場合はこの武器が装備される。&br()道中、ボスシーンを問わずどの場面でも威力を発揮するため、&br()良く言えばオールランドタイプ、悪く言えば特徴の無い没個性的な武器。|
|''達人ビーム(1連→3連→5連)''&br()自機前方への攻撃に特化したショット。耐久力のない雑魚敵を貫通する。&br()前方集中タイプのため、面の途中のように雑魚敵が四方八方から現われる場面に於いては使いにくいが(中央)、&br()動きの鈍いボス敵に対して使用すると効果的(右)。|
|''サンダーレーザー(1連→3連→5連)''&br()ビーム同様、耐久力のない雑魚敵を貫通し、敵をロックオンする性質をもったレーザー。&br()一度ロックされると相手が破壊されるまで追尾を続け、複数の敵をロックすることも可能(中央)。&br()ロックを解除したい場合はボタンを離し攻撃を中断すればよい。動きの早い4面ボスに対して効果的(右)。&br()画面のほぼ全体を覆いつくすという派手な外見に相反し、威力が最も弱いが継続的に相手にダメージを与えることが可能。&br()自動追尾機能や、ショットボタン押しっぱなしで使えるなど便利な武器であるが、ボスや中ボスのロックオン中に他の敵が現われた場合、&br()瞬時の対応が必要とされる他、敵弾が見辛くなるという欠点も持ち合わせる(中央)。&br()※2本のレーザーと3本のレーザーを交互に表示させるため、5連状態をキャプチャすることは不可|
#endregion

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**評価点
-シューティングの面白さを濃縮したゲーム性。無駄なものを排除し「撃つ」・「避ける」という2つの要素を特化、究極よりも自機の攻撃が派手になり撃ちまくる爽快感が増し、自機の移動速度も速くなり「遅くて避けられない」といった不満点は改善され、純粋に「かわす・見切る」テクニックが要求されるようになった。

-パターン化すれば容易な攻略。道中の雑魚戦から中ボス・ボスに至るまで敵機の攻撃はパターン化が可能。一見激しそうな攻撃を仕掛けてきても、安全地帯やパターン化を構築することにより攻略が容易になる。逆に言えばいきあたりばったりなプレイでは攻略は出来ないということであり、2面からは画面下方から敵が出現しはじめる他、前触れもなくいきなり中ボスが現われる場面もあり、これらのパターンをしっかり覚えなければあっさりとゲームオーバーとなってしまう。

#region(画像)
&image2(tatsujin-09.png,center)
#center(){一部の敵には安地も用意されている}
#endregion

-面数こそ5面と少な目だが、中ボスの役目を果たす中型機が非常に多く出現するのが特徴。『究極』に登場する「オタケビ」のように同じものが何度も出現するのではなく、ほとんどが他と異なる外見を持ち、各々が異なるアルゴリズムで攻撃を仕掛けてくるため、プレイヤーを飽きさせない。中にはボス並に苦戦するタイプのものもあり、冒頭に記した「面数が少ない」ということを感じさせることがない。

-爆発までのタイムラグが無いボム。ボタンを押すとすぐに発動するため緊急回避の手段として非常に有用となった。ボムそのものはこれまでのシューティングゲームにもあったものだが、ボタンを押して即発動するボムが登場したのは本作がゲーム史上初とされ、緊急回避に主眼をおいたこのタイプのボムは、これ以降のシューティングゲームに多く取り入れられることとなった。

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**賛否両論点
-デフォルトのエクステンド設定が「1st70000,every200000」となっており自機が増えやすい。道中にも1UP・2UPが存在するため、普通にプレイすると1周目をクリアする前に残機表示がカンストする(最大10)。ただし内部でカウントされているため、表示は止まっても残機は無限に増え続けている。この要素に加え、上級プレイヤーともなるとパワーアップを2段階まで上げなくても十分進めるため、ミス時の保険として[P]をストックすることが多くなり、体力が続く限りプレイし続けることが可能となっている。しかし1人のプレイヤーによる長時間の筐体占有はオペレータの死活問題に直結するため、「No extend」に設定((他に「1st50000,every150000」「100000only」の2つがあり計4つの設定がある。))するゲームセンターも見かけられた。

-ボスや中型機との戦闘は、パターンを覚えている事を前提としたバランスになっている。反射神経やアドリブ操作を楽しみたいプレイヤーにとっては、シューティングゲームと言うよりはパズルゲームに近いかもしれない。

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**問題点
-フルパワーで進むとミス時の復活が辛い。自機を最強までパワーアップさせると「P」アイテムが出現しなくなり、ミス時の「保険」としてストックすることができない。自機の速度も初期段階にリセットされるので、後半面ではなし崩し的に自機のストックを減らしかねない。

-取り方を間違えると自分の首を絞めてしまう武器アイテム。インストラクションカードには記載されていないが、中ボスやボス出現後に武器アイテムを換装すると耐久力が上下するシステムを採っており((ファミコン通信1989年1月号より。読者投稿により発見される。))、「ショット」から「レーザー」にチェンジすると耐久力が下がり楽に倒せる。しかしその逆をすると耐久力が上がり、苦戦を強いられる。

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**総評
やりこみプレイヤーが続出するなどユーザーには好評を博した本作であったが、熟達したシューターにより1コインで筐体を長時間占有されるゲームセンターもあり、自衛策としてディップスイッチの設定を「VERYHARD」「No extend」に変更するなどの対応を取ったが、何周もできるような上級者には効果が薄いばかりか、筐体の空いている時にプレイする一般レベルのユーザーを締め出してしまうという悪循環に陥り、一部のオペレーターからは「電気代だけ取られてインカムが上がらない」といった不評を買うなど、思いがけない一面も覗かせた作品となった。

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**その後の展開
-本作発売から4年後の1992年に続編となる『[[達人王]]』がリリースされたが、初心者お断りの超高難度が仇となったことに加え、すでにシューティングゲームが衰退の一途を辿っていたことから日の目を見ることも無くひっそりと姿を消した。

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**余談
-「達人の達人による達人のためのシューティング」((ファミコン通信1988年12月号、ビデオゲーム通信より。))と評され、リリース当初は究極タイガーを凌ぐ高難度ばかりが目立ったが、徐々に全国各地のゲーマーによってパターンの構築がなされてゆき、同時に「ゲーメスト」1989年1~2月号でも攻略法が掲載され始めたことから、スコアカンストを達成するプレイヤーも出始めた。

-2018年より一部で流行した「ペニーワイズがオススメするシリーズ」の元ネタである1990年のTV映画「イット」において、本作の海外版「TRUXTON」の筐体が一瞬だが映るシーンがある。

-2018年現在、本作を含む東亜プランの全作品の版権の保有元となっているのは本作が社名の由来と見られる「株式会社TATSUJIN」である。
--本作の作曲者兼プログラマーでもあった弓削雅稔氏が同社の代表取締役を務めている。

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**移植版
-メガドライブ・PCエンジン版が発売。家庭用機ということから難度を若干下げて移植され、両機種共に業務用に無かったエンディングが追加されている他、ソフトウェア側で連射機能が付加されている。

*メガドライブ版
|対応機種|メガドライブ|&image2(tatsujin-12.png,width=320,center)|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス|~|
|開発元|東亜プラン|~|
|発売日|1989年12月9日|~|
|定価|6,000円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要(MD)
-発売元こそセガだが、MD版の移植は東亜プランが直々に行っている((他にもメサイヤから発売されたMD版『ヘルファイヤー』も東亜プランの手で移植されたものである))
-家庭用TVモニターに合わせた横画面となり、画面の右端に得点やボムなどのゲーム情報を一括で表示させてあり、「アーケードのイメージを損なわない上手なアレンジ」((ファミコン通信ゲームカタログ1991より。))と評価された。業務用をほぼ忠実に再現しているが、BGMのテンポが速くなっている他、パワーショットの15連ショットが9連+バリアに変更されている(画像参照)。このバリアは敵の体当たりは防ぐが敵弾は防ぐことができない。
-2段階目でミスした場合、ショットが1ランクダウンした状態で再開できる、ただしミス時にレーザーやビームを使用していても復活時は自動的にパワーショットとなる。
-BGMのテンポが速くなっている理由について作曲者の弓削雅稔氏の話によると「メガドライブの音源周りの仕様を知ったのがマスターアップの2週間前だったことから調整が間に合わなかった」とのこと。~
この影響で実際のフレームレートはPAL((ヨーロッパやASEAN諸国で使われているTV映像信号規格))仕様で作られており、NTSC((北米地域や日本で使われているTV映像信号規格))の環境だとPAL仕様の約1.2倍の速度で動作してしまうという結果になってしまった。
-ちなみにMD版は1周ごとに違うエンディングが流れ、そこではAC版では見られなかった結末が見られる。そして、5周クリアでやっとスタッフロールが流れるという仕様。

*PCエンジン版
|対応機種|PCエンジン|&image2(tatsujin-13.png,center)|
|メディア|4MbitHuカード|~|
|発売元|タイトー|~|
|発売日|1992年7月24日|~|
|定価|7,200円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要(PCE)
-業務用と同様の仕様。メガドライブ版で割愛されたパワーショットの15連ショットが使用可能となっている。この他業務用と異なりショット2段階レベルであっても[P]アイテムがストックできるように仕様変更された(画像参照)。メガドライブ版には無かったオプションモードが搭載され、難易度・エクステンドスコア・連射の設定が可能。裏技を使用することで機能が拡張され、先の3つに残機数・ボム数・クレジット・BGMとSEテスト・縦画面モードがメニューに加わる。
-PCエンジン版ではBGMのアレンジをアトラス社の女神転生シリーズで有名な増子司氏が手掛けている。原曲に忠実なアレンジだが、実際BGMを聞くとその片鱗がわかると思われる。

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