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*エリア88 【えりあはちじゅうはち】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&image(Area88SuperFamicom.png,height=160)※写真はSFC版パッケージ&br;[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3165&file=Area88SuperFamicom.png]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3165&file=sfcarea88b.jpg]]| |対応機種|アーケード&br;(CPシステム)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1989年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 1979年から1986年まで連載されていた新谷かおる氏の漫画『エリア88』。今でもなお氏の代表作として挙げられる名作であり、いくつかの媒体でゲーム化もされた。~ 本作もその一つであり、当時のカプコンが得意としていたシューティングゲームになっている。 **システム -性能の異なる三人のパイロットの中から一人を選んでプレイする。 --''風間真(シン)'':搭乗機は「F-20 タイガーシャーク」。通常ショットは真横へ発射。連射速度に優れており硬い敵への与ダメージ能力が高い。そのため最も扱いやすく強力な機体と言われている。 --''ミッキー・サイモン'':搭乗機は「F-14 トムキャット」。F-20とくらべて通常ショットの横幅が広いが連射速度は低い。だがそれほど大きな差ではなく、ほぼ同じ感覚で使用できる。 --''グレッグ・ゲイツ'':搭乗機は「A-10 サンダーボルト」。通常ショットが真横と斜め下の2方向に同時発射される特殊タイプ。その分それぞれ一方向への攻撃力は低い。プレイ感覚が独特で、使いづらいという人から最も楽にクリアできるという人まで意見が分かれている。 -2DSTGでは比較的珍しいライフ制。被弾するとライフが減り、これが尽きた状態で被弾するとゲームオーバー。ステージクリアするとライフは全快する。ステージ中の特定箇所で回復アイテムが出現することもある。 -「POW」アイテムを取ると経験値が貯まり、一定値になると通常ショットのレベルがアップして強化される。RPG同様次のレベルに上がるための必要個数は徐々に上がっていくが、数個程度取り逃したところで攻略に支障をきたすような事態にはならない。要するに、出たアイテムを取っていればステージ進行につれて徐々にレベルアップしていくというだけの話である。 -通常ショットにはセミオート連射が搭載されており、押し続けていると連射される。ただし次第に連射速度が低下していくので、「ポン、ポン、ポン」と断続的に押さなければならない。 -ステージ開始時に所持金を支払ってオプション武器を購入する事ができる。爆弾やホーミングミサイルなど種類は豊富。また最大ライフを一時的に増加させる燃料タンクや、数発の被弾に耐えるバリアも売っている。 --ステージクリア時に残っていた武器は、残量に応じて金額が払い戻される。逆に言うと「次のステージに持ち越す事はできない」ということでもある。 **評価点 -プレイヤーの目的に応じて難易度が調整可能なゲームデザイン --初心者のうちは序盤からオプション武器を買ってこれを活用して先に進み、慣れてくると前半面では武器を買わずに後半の難所に所持金をつぎ込む、安定してクリアできるようになるとハイスコアを目指して武器を一切買わずにクリアを目指すようになる(クリア時の所持金がボーナス得点に変換される)といった具合に、初心者から上級者まで、自分の腕前に見合った適切な難易度を自然に楽しめるという仕組みになっている。 -松前真奈美によるBGMは好評。原作の埃っぽさを感じさせつつも、STG独特のテンションの上がるハイテンポなものが多い。 -キャラクターグラフィックの原作再現度は高く、オリジナルデザインのメカニックもさして不満の無い作り。 -ステージ数は多めだが一つ一つが個性的、かつ短めの物が多いのでテンポが良い。難易度も控えめに抑えられている。 **賛否両論点 -EDは「敵母船を撃破後、意気揚々とエリア88に帰還する」という、原作と全く異なるハッピーエンドのため賛否両論。とはいえ原作終盤の展開を本作のシステムで再現するのは困難であるし、明るい未来を手に入れた主人公たちに「これはこれで」という声もある。 **問題点 -原作に無い超兵器が数多く登場。原作にもグランドスラムや地上空母などの超兵器はあったが、それに匹敵するオリジナルの超戦艦等が登場する。 -原作のキャラクターで登場するのが前述のプレイアブルキャラ3人+インターミッションで登場するサキとマッコイじいさんの5人と極端に少ない。キムやセラといった連載後半期に登場した88メンバーの人気キャラ、ゲイリー・マックバーンや神崎悟といった敵側のキーパーソン、涼子や安田、ジュリオラといった戦場の外での重要人物が全く登場しない。 ---- **総評 原作の雰囲気を尊重しつつ、ゲーム的な面白さも併せ持った名作STG。~ 原作のキャラがほとんど登場しない・原作にはないオリジナル要素もある、といった問題点もあったが、ゲームが面白かったため過剰な問題視はされておらず、ファンからの評価も上々である。 ---- **移殖 SFCに移殖されているが、ハードの性能に合わせた大幅アレンジが施されており、まったく別物となっている。~ ただし別物なりに優れたゲームとして仕上がっているためSFC版のファンも多い。以下に特徴を挙げる。 -難易度が全四段階から選択可能。「イージー」は楽勝だが、最難の「ゲーマー」は上級者でもかなり手こずる。 -三人のパイロットの性能差がより顕著になった。シンは通常ショットのレベルが上がりやすい、ミッキーは弾薬補給アイテムの回復量が他のキャラの2倍、グレッグは後述のDanger状態からの復帰が最速となっている。 -マッコイじいさんから武器だけでなく戦闘機も購入できるようになった。これにより搭乗機はキャラ毎の固定ではなくなり、ステージ開始時に所持している戦闘機から選んで出撃するようになった。 --機体ごとに搭載できる特殊兵装、ショットのMAXレベルが異なっている。AC版のようにステージごとに特殊兵装が限定されることもなくなった。また、A-10はボム系の積載量が多くショットが斜め下にも飛ぶ、ステルス機は敵のホーミングミサイルの目標にならない…といった特殊能力を備えた機体もある。また3種類の機体が追加された。 --基本的に上位互換の位置づけとなる特殊兵装(パワーアップタイプとなっているもの)は削除、一部は名称の変更が行われ、新たに上方へ攻撃できるものが登場した。 --燃料タンクはオミットされ、バリアもステージ内での隠しアイテムのみとなった。 -通常ショットのセミオート連射の性能が上がった代わりに同時発射数に制限が課せられたため、AC版で猛威を振るった「通常ショット超連射でゴリ押し」が通用しない。特殊武器を使いこなせないとクリアは難しい。 -二人プレイ不可能。 -残機+ライフ制で戻り復活だが、ライフに関しては複雑な仕様になった。 --ダメージを食らうと数秒間の間「Danger」状態に陥る。この状態でもう一発食らうと残ライフに関係なく即撃墜。勿論、ライフが無くなると常時Danger状態となる。 ---Danger状態からの復帰はグレッグが最も早い。さすが原作でも不死身っぷりを発揮していただけのことはある。 --このライフや燃料タンク・バリアに関する仕様変更により、全体的に難易度が上昇している。序盤であろうと気を抜くことはできない。 --残機全滅でゲームオーバー。コンティニューは可能だが、回数に制限あり。 -ステージ構成がAC版と異なる。AC版では決まった順序でステージを進めていったが、SFC版ではマップから次のステージを選んでいく方式に変更された。ステージをクリアすることで基地から戦線を拡大、それに応じて新たなステージへ進めるようになる。 --容量の問題で幾つかのステージやボスがオリジナルのものに変更されている。時折現れる敵補給部隊を強襲して資金を稼げるステージEXがAC版スペシャルステージの代わりとして追加。また航空部隊や潜水艦が基地に接近してきて、急襲を受けた場合はそのステージをクリアするまで別のステージに進めなくなるというシステムも導入された。 --ただしボスに関して、一部は特殊兵装がほぼ必須となるものが出てしまった。 -BGMはAC版のアレンジ+新曲。ただしAC版の一部の曲は未収録。こちらも良曲・良アレンジが多く評価は高い。 --なおサウンド用領域のデータ容量がかなり厳しいSFCにもかかわらず全曲+効果音を一度の読み込みで収録しきっているので、それがプレイ中のロード時間短縮に繋がっている。 ---- **余談 -海外版のタイトルは『U.N.SQUADRON』。しかし『エリア88』というマンガのゲーム化であることを特に隠している様子はなく、キャラクター達もそのまま登場する。(C)表記にも原作マンガの版権者であるDAIPROの名が載っている。 --なお、海外版の難易度は国内版よりもかなり高くなっている。 -サイトロンから発売されたAC版のサウンドトラックCDにはなぜか1面の曲が収録されておらず、代わりに未使用となったボツ曲が入っている。 -その後カプコンは、今作のゲームデザインを踏襲したシューティング『[[U.S.NAVY]]』を開発、発売した。しかしこれ、実は元々エリア88の続編として開発されていたが、版権が降りなかったためオリジナル作品に変更となった経緯がある。 -ファミマガ誌に、SFC版のボスである潜水艦シーベットが『[[ファイナルファイト]]』のハガーになるウソ技が掲載された。 -連射装置の有無で難易度が激変する。近年だと連射装置を取り付けて稼働させているお店が多く、連付きだと通常ショットのみで初見ノーコンティニュークリア余裕でした、なんてことも普通にあり得る。ただし連無しでは「基本的にはさほど難しくはないが、難所で気を抜くと即死もあり得る」絶妙なバランスとなっている。 //デフォで付いてないのなら、ないもの前提で評価すべき。なので余談に移す