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サンダークロス」を以下のとおり復元します。
「[[修正依頼]]」が出ています。依頼内容は総評の追記です。
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*サンダークロス
【さんだーくろす】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B000L33V7U)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|稼働開始日|1988年|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-ブルーサンダー45型(2Pはレッドサンダー24型)を操り謎の機械化軍団と戦う内容のコナミ製横スクロールSTG。
--1レバー+2ボタンで操作。各種ボタンの役割はショットとオプションコントロール(下記)。全7ステージ。周回制。
---1周目7面到達以降は途中参加及びコンティニューができなくなる。
--スピードアップ、最大4機までのオプションを装着、3種類の武器をアイテムを取得する事によってパワーアップするアイテム制を採用している。
--武器アイテムは続けて取得する事によって、最大4段階パワーアップさせることが可能。
--オプションは自機の上下に2機づつ追加される。オプションはオプションコントロールボタンを長押しする事で間隔を開いたり閉じたりする事ができる。
--これにより異なるY軸に攻撃したり、自機に近づけてピンポイントの火力を高める事ができる。
--オプションは最大まで取得すると、スペシャルパワーアップアイテムに変化。取得するとオプションボタンを押す事でオプションコントロールの代わりに強力な攻撃を行う事が可能。
---本体と同じ火力を有する子機を最大4機装着可能と、同社『[[グラディウス]]』を強く意識させるが、本作はアイテムパワーアップ制なのでどちらかと言えば沙羅曼蛇に近い。

#region(パワーアップ詳細)
-アイテムは以下の通り。
--O(オプション):自機と同じ攻撃をするオプションが付く。取る毎に下→上→下→上の順に付き、4つ揃うと出なくなる((後述のS変化パターンの場合は除く))。
--S(スピードアップ):自機の移動速度が14段階まで上がる。
//ベーマガだかメストだかの紹介記事では16段階になってた気が
--V(バルカン):ショットボタン押しっ放しで連射可能な武器で、取得すると3連射→4連射になり連射速度が上がる。&br()V・B・Tは種類に関わらずどれを取っても武器のランクが上がる。
--B(ブーメランショット):地形や敵に当たると進行方向が変わり、その飛んだ先の敵にも当たる。取得する毎に2→3→4連射になる。
--T(ツインレーザー):自機の前後に2連射可能なレーザーを撃つ。取得する毎にレーザーの長さが伸び、最大ランクでは耐久度の低い敵を貫通する。『グラディウス』のレーザーのような自機とのY軸連動はしない。

-パワーアップアイテムは通常、O→S→武器選択→O→…という順に出現し、武器選択は一定時間でV→B→T→V→…と変化する。
--最初のOから次のSを取って順当にパワーアップしていくとSの2個目は出ず((この仕様のためSを2段階以上上げるのはほぼムリ))に武器選択→O→武器選択→O→…という順に出現し、オプションも武器もフルパワーアップした時点からスペシャルパワーアップアイテムが出現する。
--Oを取らないでいると延々Oが出続ける。
--最初のOを取って次のSを取らないでいると一定時間でS→V→B→T→O→S→…の順にアイテム内容がループ((変化ペースや出現位置の都合上、大概は1周し切らない内に画面外へ消える))し、そのままS以外のパワーアップを取っていくと、Sを取るまでは出るパワーアップアイテムが全てSからのループを続ける((オプションが4つ揃ってもOにもなる))。

-スペシャルパワーアップアイテムは以下の通り。
--L(マクロレーザー):オプションからY軸連動する極太レーザーを撃つ。
--F(フレイム):ショットボタンを押している間だけオプションから炎が伸びる。
--N(ナパーム):オプションから前下方へ一定距離飛んで破裂する爆弾を投下する。

-スペシャルパワーアップアイテムを取ると画面下辺にゲージが表示され、空になるまで特殊攻撃が使える。LとNは1発につきゲージが1消費され、Fは炎の放射時間で消費される。Fは基本的に他よりゲージの減りが遅い。
-スペシャルパワーアップアイテムはL→F→Nと変化した後、Bからの通常武器選択ループになる。取るまで出続け、取ったら次以降の出現アイテムは特殊攻撃の残量が切れるまでほぼ全て((一定ルールで1upが出る))?(ボーナスアイテム)になる。
#endregion()

**評価点
-当時のコナミ作品の中では比較的低難易度。
--本作はパッと見難しめに見えるが、ブーメランショットが異常に強く、同期のコナミ作品の中では難易度が低めに設定されている。
--ブーメランショットは敵や壁に当るとどこかへ反射すると言う特徴がある。そのため、コレを撃っていると予想外の場所から飛んできた敵も容易に倒す事ができる。そしてアイテム制なのでミス後の持ち直しが''比較的''楽。
-だが、それらを覆し本作が何より「初心者向け」となっている理由は近年になって導入されるのが標準となってきたシンクロ連射装置になる。
--なんとオプションを4個つけブーメランショットを選び、シンクロ30連射を押すと&bold(){如何なる状況においても常時処理落ちする}という特徴を持っている。
--そのため、初プレイでも手馴れたシューターならば容易に、そうでなくても少し練習すればすぐにクリアできてしまう。
---ただし、特定の場面で連射しまくるとバグで地形や当たり判定がおかしくなり、ミスが回避できない詰みな状況になったり、何もない空間で突然死が起きる事があるので、該当する場面の連射では注意する必要がある。
--ちなみに2周目以降も1周目のパターンが通用するので、初心者が2周目以降が存在するゲーム及びハイスコアを目当てにプレイするのにもってこいの作品だが、反面、上級者には物足りなくなる事も。

-メカニカルな世界観。
--コナミのSTGの代表作『グラディウス』は火山地帯やイントルーダーを代表する自然・生物的なキャラや、エイリアン面や要塞ステージを代表する機械と生物が同居したキャラが多いが、本作は『グラディウス』と比較して機械的な敵が非常に多い。
--故に『グラディウス』と比較して地味と言われているのが現状だが。
-本作の「ミス後の持ち直しを容易に」「難易度低め」「世界観はメカニカル」と言うゲームデザインには脱グラディウスへの意欲が見て取れる。

-深見誠一・兼田潤一郎の手かげたBGMも評価が高い。
--特に4面の夕日の中で巨大戦艦と戦う際に流れる「Great Battleship」はそのシュチュエーションと相まって、盛り上がる事必至。
--ちなみに本作で使用されていた曲は隠れた人気があるのか、『パロディウス』や『オトメディウス』などのグラディウスの派生作品でも比較的良くアレンジされている。

**難点
-スペシャルパワーアップが使いにくい。
--オプションを4つ取得した状態ではオプションアイテムがスペシャルパワーアップアイテムに変化し、一定時間強力な攻撃をする事が可能。
--が、取得すると強力な攻撃と引き替えにオプションコントロールや、自機本体を除く所持していた武器での強力な攻撃が出来なくなる。特に火炎放射は射程が短くなり、取得すると一気に不利になる可能性も。
--しかし、取得時には全てのアイテムがボーナスアイテムに変化するので、どちらかと言うとスコアラー向けのアイテムと言うべきか。

-自機の見にくさ。
--本作の自機は通常の状態では特に問題が無いのだが、オプションを取得しパワーアップすると、オプションの形状の関係上自機と混同しやすくなり、自機を把握していないといつの間にかアウトになるということになりがち。
--後にグラディウスシリーズにフォーメーションオプションとして逆輸入された場合は、オプションの仕様上、自機の見分けが付きやすくなっており、格段に死ににくくなっている。

-当時としてはやや地味な扱い。
--今でこそ丁寧に作られた初心者向けSTGとして再評価されているが、高難易度がステータスになりつつあったSTG全盛期の時代にあって本作はハードシューター達にとって物足りないヌルゲーとしてみなされ、そのため本作の評価及び知名度はかなり低く撤去も早かった。
---なお、十分なインカムを得られなかった声を受けて2周目以降の難易度を再調整した新バージョン((調整内容は2周目以降の敵の耐久度の増加、出現アイテム数の減少等。更に従来のエンドレス制以外に3周エンド設定にすることも可能になっている。))も数は少ないながら存在する。
--特に世界観がグラディウスシリーズとは異なり、メカが中心の世界観であるため、やはり当時のプレイヤーに地味に見られがちだった。
--ちなみに海外では当時流行していたグラIIよりも人気があったらしい。

-後味の悪いED
--本作のEDは最終面から順番に自機が戻っていくものなのだが、最後のコナミロゴが表示された後に1面のボスと同型の敵がボス戦BGMと共に背景から現れ自機を攻撃し、2周目がスタートする。
//--その後、EDの展開通り続編が作られた。
//流石にこの当時で続編と絡める話にするのは強引過ぎかと

**総評
ゲームデザイン、世界観等あらゆる要素で「グラディウス」とは異なる方向性を示した本作。~
当時の高難易度、そしてそれをこなすことがステータスとなる風潮が出来つつあった中で、シューターから物足りないという意見が出たものの、その一方で丁寧な作りこみと良質なBGM。そして高難易度化についていけなくなった一般層にはシンプルなシステムと遊びやすい難易度が好意的に受け止められ、結果的に長く愛される作品となった。~
本作稼動から3年後にアーケード向けの続編がリリースされたこと、他のコナミ作品で本作のネタが度々登場していることがその証といえるだろう。~
現状、家庭用移植が後述の移植度に問題があるPS2版しかないのが難点だが、初心者向けの作品としても丁寧に作られたコナミ製横スクロールシューティング作品としてもオススメできる一品といえる。

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**続編
-その後、続編として『サンダークロスII』が同じくアーケード向けに基板が1991年に販売・稼動された。
--特に変化したシステムなどもなく、難易度は多少上昇したが、概ね前作から正常に進化した内容。一方でBGMは当時コナミへ移籍した「メタルユーキ」こと斎藤幹雄が担当し、雰囲気がガラリと変わった。
---リリース当時は格闘ゲーム全盛期だったこともあり、1作目以上にマイナーな作品になってしまった。

**海外版
-海外版では以下の違いが見られる。

-オプションが2個標準装備。
-二人プレイ時のオプション数が最大8個に増加。((各自機でそれぞれ4個ずつ。一人プレイ時は国内版と同じく最大4個))
-スピードアップ、やスペシャルパワーアップ、1UPが無い。
-パワーアップがバルカンのみ。
-国内版のオプションボタンに当たるボタンでボンバーが発動可能。
-↑の変更により、国内版であったオプションコントロールが廃止。オプションの間隔が常に固定となる。
-ステージの順番が違う。2→1→4→3→5→6→7の順番で進行する。
-1周目7面突入以降のコンティニュー、途中参加が可能。
-エンディングの内容が変更され、舞台となる惑星をバックにメッセージとスタッフロールが流れるものになっている。
--と同時に国内版のラストにあった後味の悪い演出がなくなっている。
-打ち返し弾を発射する敵が標準で出現。しかも誘導性能が高く、そのおかげで大幅に難度が上昇。
--と国内版とは似て非なる別ゲーに変貌している。

**他のコナミ作品において
-同社のパロディウスシリーズでは本作のネタが多く使われていたりする。
--例えば看板娘的存在の「ひかる&あかね」の元ネタが本作の自機だったり、本作の自機が「オプション&マルチプル」の変身のバリエーションになっていたりする。
-他にもグラディウスシリーズで本作のオプションが「フォーメーションオプション」という名称で登場している。
--厳密に言うと、グラディウスにおける固定式のオプション自体は本作の少し前に発売されたMSX『沙羅曼蛇』の特殊パワーアップの「オプションホールド」が既に存在していたが、同オプションが本作で採用された事によりフォーメーションオプション=サンダークロスというイメージが定着したと思われる。
-遊戯王OCGでグラディウスシリーズのキャラがカード化されている中、本作の自機「ブルーサンダー」もカード化されている。

**移植
-「[[オレたちゲーセン族シリーズ]]」の最終作(同時発売は『トリオ・ザ・パンチ』)としてPS2に移植されているが、「処理が重く、BGMやゲーム自体が全体的にスローテンポで、付属のサントラまでもが同様の状態」「ラスボス戦はサウンドが鳴らず、エンディングやスタッフロールは無音」「''2P側のスコアが1P側に入ってしまったり''、スクロールがガタガタしていたり、ステージ終了後にフリーズしてしまう」など、シリーズの晩節を汚すクソ移植ここに極まれりorzともいえるブツとなってしまった。
--ちなみにそれ以前にX68kに移植される予定があったらしいが、中止になってしまった。
--しかし出来は良くないとはいえ唯一の移植であるためか現在ではプレミア価格がついている。
-またMSX2の傑作横STG『スペースマンボウ』は当初本作の移植として企画されていた物であり、その後本作の続編「サンダークロス2」のステージ要素に『マンボウ』ラスボスの攻撃方法が使われている。

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