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ガイアポリス」を以下のとおり復元します。
*ガイアポリス
【がいあぽりす】
|ジャンル|アクションRPG|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|稼動開始日|1993年|~|
|プレイ人数|1~2人(同時プレイ)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|時代に乗り遅れた|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
得点によるレベルアップや隠し武器の存在など、RPGの要素を持った縦画面のアクションゲーム。~
天空の城を奪い地上を滅ぼさんとするザハーク帝国を倒すため、プレイヤーは「炎の騎士」に導かれながら天へ到る道を求めて世界を旅する、という内容。~
ファンタジー風の世界観や縦スクロールという点では『ワルキューレの冒険』等に似るが、シューティングやジャンプアクションの要素を持たない点では『ファイナルファイト』等の流れを汲んでいるといえる。

なお、正式タイトルは『ガイアポリス ~黄金鷹の剣~』であるが、漢字部分の公式での読みが不明であるため((「おうごんたか」なのか「こがねたか」なのか、「けん」なのか「つるぎ」なのか。))、題名の読み仮名をつけないといけない当wikiの都合上、記事タイトルから「~黄金鷹の剣~」は省かれている。

**世界観
序盤では中世ファンタジー的世界観が前面に出るが、中盤以降はメカニックなデザインの敵や浮遊都市・動力機関などスチームパンクな雰囲気も見せるようになる。~
これはこのゲームの舞台が「戦争で旧文明が滅びた後、復興した世界」であるという設定を持っているためだが、その旧文明について劇中ではあまり語られる事はない。~
しかし、世界地図や地名は今の地球と酷似していることから「地形の変容=戦争により大陸の形すら変わってしまった(アメリカ合衆国の辺りは不自然なまでに一直線に大陸が南北に分断されており、ロシア北西部は巨大な円を描くように大陸がえぐられて海となっている)」「地名の細かな相違=旧文明が滅びた後、口語で伝承される間に誤って伝わってしまった」と考えると、「滅亡した旧文明」=「(実際の)地球の現代文明」とも受け取れ、色々と考えさせられる(良くある設定だが)。

**システム
-俯瞰視点のアクションゲーム。プレイヤーは亡国の王子ジェラード(バランス型)、妖精の生き残りエレイン(スピード型)、追放された竜人ガラハッド(パワー型)といった、特徴ある3人のキャラクターからプレイヤーを選ぶ方式をとっている。
--尤も見た目と性能からエレインが一番人気だったが。

-ボタンは攻撃、傭獣への指示、魔法の3つ。ジャンプは出来ない。
--レバー二回でダッシュ攻撃、レバー一回転で回転攻撃が出る。どちらも攻撃ボタンを押す必要は無い。逆に言えばダッシュだけする事(当然のごとくダッシュ攻撃直後には硬直がある)は出来ない。回転攻撃は所謂メガクラッシュに近いが、体力消費が無い代わりに無敵も無い。
--攻撃ボタンを押しっぱなしにしていると盾を構え(皇子と竜人の場合ゲーム開始直後は盾を所持していないためガードできないが、エレインの場合トンファーを交差させて構えるので開始直後からガード出来る)、正面から飛んできた飛び道具を防いだり攻撃をはじいたり出来る。またこの状態では敵から受けるダメージそのものを軽減させることが出来るため、この防御の活用によってかなりの頑丈さを得ることが出来る。
--傭獣は卵を拾うことで一匹だけ付くオプションで3種類居る。同じ卵を拾い続ければレベルアップ、違う卵なら交代する(レベルは共有なので下がる事は無い)。ボタンにより攻撃モードと非攻撃モードに切り替え可能。攻撃モードでは敵を自動追尾するため、プレイヤーキャラを安全地帯に置いたまま攻撃させる事も可能((攻撃力はそれなりにあるものの攻撃間隔が遅いので、傭獣だけで攻略するのは非現実的。))。挟み討ちされた際に背後の敵を傭獣で足止めするのは基本戦術((プレイヤーから手を出さない限り、傭獣に攻撃された雑魚敵は傭獣を狙い続ける。))。ただし傭獣にも体力が設定されているので、敵の攻撃で死ぬことも。非攻撃モード時は無敵になり、時間経過で体力が回復する。
--宝石アイテムを取得すると切り札である魔法を使うことができる。集めた数が多いほど広範囲・高威力の魔法が発動する(一部除く)。ただし1回こっきりで、低レベルの魔法を複数に分けて使う事はできない。名実共に切り札なので、ここぞという場面で使いたい。

-得点=経験値。一定の点数を稼ぐとレベルアップする。武器や防具は道中で拾う(隠されている場合も)事でパワーアップ。買い物は存在しない。
--ゲームオーバー時のレベル、装備や進行状況をパスワードとして保管する機能があり、難易度がある程度下がった状態で続きをプレイできる、というような一種の救済措置が用意されている。

-画面上部には制限時間が表示されている。時間切れになると永パ防止キャラが出現し、ほぼ回避不能の攻撃をしてくる((本作のラスボス「邪神モルドレッド」の頭部が現れ、画面のほぼ全域に炎を吐いてくる。))。

**評価点
-演出面は非常に素晴らしく、『天空の城ラピュタ』を彷彿とさせる類似点こそあるものの、高水準で纏まっており評価は高い。初めて自力で「ガイアポリス」まで到達したときの達成感と盛り上がりは中々他のゲームでは味わえないものである。
--王道ながら質の高いオーケストラ調のBGMや美しいグラフィック、世界中を股にかける壮大な展開がユーザーを魅了する。

-全方位攻撃なうえ人型の敵なら転ばせる事が出来る回転攻撃を無制限で使えること、ガードや傭獣の存在により、類似ゲームに比べて安全確保がやりやすくなっている。

-パスワードシステムにより連コインしなくても好きな時にコンティニュー状態で始められる。

**問題点
-宝石3個分の魔法より2個分の魔法の方が強かったり、宝石9個の魔法が役に立たなかったりというような妙なミソがついている。

-攻略をスムーズに進めるためには経験値、すなわち得点アップにつながる隠しフィーチャーの有効活用が要求されることがあり、知識の有無が難易度を左右しがちである((インストカードにもゲーム中のヒントにも、その知識についてフォローしてくれる物はなく、アーケードゲーム攻略誌「ゲーメスト」の攻略も中途半端で打ち切りとなったため、ネットも発達していない当時では攻略情報の交換が極めて難しいものだった。))。ある意味『カダッシュ』(1989年。タイトー)と同類。
--ステージ5のあるポイントを攻撃し続けると1点ずつだが無制限に打ち込み点が入るバグ((あるオブジェクトを画面端になるようにスクロール調整をすると壊れなくなるが点は入る為。当然、位置調整に失敗すると普通に壊れるか画面外に出てしまう。))がある。1コインでレベル30(最大)にするのはそのバグを使わないと著しく困難である。

-後半になると、体力ゲージ(最大8本まで増える)のうち1本強を平気で奪う敵が群れを成して現れたり、ボスの攻撃が避けづらく強烈になったりするなど、難易度そのものの上昇も顕著である。
--特に終盤のボス「ワックスマン」はやたらに広い攻撃範囲、ガードの上からでも1ゲージ、モロに貰えば3,4ゲージは持って行く異常な攻撃力、全ボス中2位に相当するタフネスを誇っており、プレイヤーの心にトラウマを刻み付けている。

**総評
完成度自体は高く、ベルトアクションゲーム全盛期時代だったら大ヒットしていたかもしれない。~
しかし時は既に対戦型格闘ゲーム全盛期であり((本作の出た1993年は、ストIIの新バージョンである『スーパーストリートファイターII』や、餓狼シリーズ初期の集大成である『餓狼伝説スペシャル』が出ていた。))、殆ど注目されず埋もれてしまったのが惜しまれる。~
アクションゲーム好きならやってみて損は無い。

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**余談・その後の展開
-オペレーター視点では、対戦型格闘ゲーム全盛期時代にプレイ時間1時間オーバーの本作はインカムが良くない言う印象しか与えなかった。そのため早々と撤去されてしまったと言う話も。
--ボス戦のみの面やボーナスも含むとは言え全16ステージというスケールのでかさが完全に裏目に出てしまった形となる。
//プレイヤー側が実際にプレイしていてもわからない部分のためこちらに移動
--似たような状況でもそれなりにヒットした『[[ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム>ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ]]』(1994年。カプコン)とはネームバリューの違いか((ベルトスクロールアクションの雄・カプコンの作品な上、TRPGプレイヤーなら誰もが耳をそばだてるタイトルであった。))、出来の違いか・・・((誤解無き様に書くと、本作は判定通り良作である。ただアクションゲーム的にはD&Dより古臭い。あとD&Dは経験値稼ぎする必要は無い(レベルは1面につき1上昇で固定)。))。

-1998年に発売された同社の3D格闘ゲーム『バトルトライスト』にて、プレイヤーキャラの紅一点であるエレインがタイムリリースキャラの1人として出ている。((ちなみに後述のパステル同様、CPU戦では条件分岐によるラスボスとして扱われている。))
--と言っても同作自体が%%出来が良くなかったので%%マイナーゲーム((しかもOP、ED、スタッフロールのムービーに押井守とプロダクションI.G.を起用しているという宣伝文句があったにも関わらず、である。))なうえ、そもそも同じタイムリリースキャラとして登場した(かつてのコナミの看板キャラ)[[パステル>出たな!! ツインビー]]に話題を攫われていた状態だったが・・・。

-移植版も存在せず、コナミからは『[[クイズマジックアカデミー]]』シリーズの問題でちょっと触れられるくらいの扱いしかされていない。

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