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クレイジー・クライマー」を以下のとおり復元します。
*クレイジー・クライマー
【くれいじーくらいまー】
|ジャンル|アクション|
|対応機種|アーケード|
|発売元|日本物産|
|開発元|日物レジャーシステム、ジョルダン|
|稼働開始日|1980年|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
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#contents(fromhere)
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**概要
体一つで高層ビルの外壁を登る「クレイジークライマー」を操り、最上部を目指すアクションゲーム。最大の特徴はレバーを2本使う独特の操作系。~
命綱無しに生身の人間が高層ビルを上っていくという荒唐無稽の世界観、他に類を見ない操作体系、斬新なアイデアから高評価を得た。

**システム
-入力デバイスはレバー2本。右レバーで主人公の右腕を、左レバーで主人公の左腕を操作し、ビルの窓サッシをつかんで登っていく。
--屋上に出現するヘリにつかまるとステージクリア。途中、妨害されて落下すると1ミスになり、残機を1つ失う。
--右レバーを上に上げると右腕を上げ、左レバーを上に上げると左腕を上げる。
--上の段のサッシを掴んでレバーを下げる=腕を下げると体が持ち上がる。これを繰り返せば主人公は1段づつ登っていくことが出来る。逆にサッシを掴んだ状態で腕を伸ばし下の段を掴んで上の手を下げれば一段降りれる。
--レバーを左右に入力すると腕を左右にずらすことができ、片手ずつ隣の部屋のサッシをたぐり寄せれば左右移動ができる。


''様々な障害・妨害物''~
-窓サッシ
--窓は時間経過により開いたり閉じたりする。完全に閉じていると窓をつかむことが出来ないため、両手とも窓を閉められると落下してしまう。
-落下物
--落下物は植木鉢・瓶・鉄骨・鉄アレイとさまざまなものがある。これらに接触した際、片腕が開いていると落下してしまう。両手ともサッシを掴んでいればセーフ。
---一定以上の階に到達すると振ってくる鉄骨や鉄アレイに接触すると問答無用で落下するようになる。

-看板
--上階から落ちてくる巨大看板に接触すると条件問わず落下する。

-ゴリラ
--道中、巨大なゴリラが出現。定位置に陣取ってパンチを繰り出すだけだが、殴られると運次第で落下する。

-しらけコンドル
--鳥が出現し金の卵や糞を落としてくる。金の卵や糞は落下物と同じ扱いだが、鳥は一定時間画面上を周回する。

-ビルはところどころ穴があいていたりくびれていたりするため、そういうところでは主人公が選べるルートが狭くなり、障害物回避が難しくなる。

-たまに風船が飛んできて、掴まると主人公をある程度上昇させてくれる。

**評価点
-その稀有な操作デバイスからくる体感的直感的な操作方法が非常に気持ちよい。
--リズム良く左右のレバーを上へと入力するだけで登っていくというシンプルな操作方法なのでとっつき易く、障害物もたいてい何かしら対処方法があるため、コツさえつかめば誰でも遊ぶことが出来る。
--レバーを2本使うゲームは非常に珍しい。本作および続編以外では、『リブルラブル』や『空手道』などそれぞれ独自の操作性を持ったごく少数のゲームに限られる。

//-同時に、本作に似たゲーム性を持つゲームというのが存在しないため、出来が悪い/バランスが悪いと言う比較対照が無い((一応数年後に他社からファイアートラップというゲームが発表されている))。--釈然としないものを感じる評価点だが、そもそも本作は

**問題点
-ニチブツのみならずこの頃のゲーム業界ではよくある事だが、BGMが全て(おそらく)無断使用楽曲。
--子象の行進、ドラえもんのうた、ピンクパンサーのテーマ、しらけ鳥音頭など。これらは2012年現在でも著作権保護期間内の楽曲である。
--移植版ではほぼ全てサウンドが変更されているため、無断使用の可能性は高い。ただし、しらけコンドル出現時のBGMとして使われる「しらけ鳥音頭」は移植版や後述の『クレイジー・クライマー2000』でJASRACから許諾を得て使用されている。

-当時の出回りはそれなりに良かったのだが、『[[ドンキーコング]]』のコピーゲーム『クレイジー・コング』は本作の基板を改造したものを使用しており、このクレイジー・コングの出回りが良かったため、多くのクレイジー・クライマーオリジナル基板が消滅してしまい、オリジナル基板で遊べる機会も限られてしまっている
--クレイジー・クライマーの基板は現存数こそ少ないものの、非常に単純な構造をしているため、専門知識があればすぐに汎用アップライト筐体で稼動することが出来る。
---ただし、レバーを二本使う関係上、(レバーやボタンを取り付ける)コントロールパネルは改造したものか、二人同時プレイ可能なコントロールパネルを用いなければならない。

**総評
他に類を見ない一品物のゲーム。単純操作で解りやすいゲームなのも相まって大ヒットを記録し、多くの人の記憶に残る一作となった。~
本作とムーンクレスタのヒットを受けて、ニチブツはただのコピーメーカーから1人前のゲーム開発企業へと成長して行った。

//そういう意味で言えば、本作は面白い一品ゲームというだけでなく、ニチブツというメーカーが生み出したゲーム性、ニチブツが巻き起こした騒動全ての切っ掛けとなった一作と言えなくもない。
//↑意味がよく分からない。

**移植 / 続編
本作はさまざまな機種に移植されているが、前述の通り、全てサウンドは変更されている。~
また、レバー2本による操作感覚を再現に成功した移植は、PS版からとなる。

-FC版
--十字キーに被せて使う専用ミニレバーが2本付属しており、1P・2Pコントローラーの十字キーを駆使してビルを登っていく((コントローラーは縦並びにして使う))。道中に1画面アクションの部屋に入れる場所があり、そこでは1コンを普通に持って操作する。また、タイトル画面等にオリジナル曲が付いていた。

-SFC版(『ニチブツアーケードクラシックス』収録)
--十字ボタンが左手、ABXYボタンが右手。ひとつのコントローラーでそれなりにプレイできるようになった。

-WS版
--縦持ちでプレイ。縦長のディスプレイと左右それぞれ4方向のボタンになるのでワンダースワンとは相性がいいゲーム。

-PS4版
--現在、ニチブツ作品の全権利を保有しているハムスターから「アーカードアーカイブスシリーズ」としてDL配信されている。~
ちなみに同シリーズでの最初の配信作品が本作である。

-続編として『[[クレイジー・クライマー2]]』がアーケードで登場している。
--基本システムはそのままに、グラフィックやサウンドは大幅進化。逆に言えばそつなくまとまった後継作。
--X68000とPS4で移植版が出ている。

-『クレイジー・クライマー2000』がPSにて販売されている。
--3D化した町並みをデュアルショック特有の左右対称のアナログスティックを駆使して登っていく。サウンドは異なるがオリジナル版も収録されている。
--元祖ニチブツビルはもちろん、2つの壁を行き来できるビルやグルグル回れる円筒形のビルも登場。入居者は主人公の邪魔をするよう指示されている、という設定がある。

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