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スリルドライブ」を以下のとおり復元します。
''本項では『スリルドライブシリーズ』のうち『1』『2』『3』について紹介しています。''~
''判定は全て「良作」です。''
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*スリルドライブ
【すりるどらいぶ】
|>|ジャンル|レースゲーム|
|>|対応機種|アーケード|
|>|販売元|コナミ|
|開発元|1~2|~|
|~|3|ポリゴンマジック|
|使用基板|1|NWK-TR|
|~|2|VIPER|
|~|3|Python2((PlayStation 2本体(SCPH-50000)に専用のI/O基板を取り付けたシステム。『GuitarFreaks & DrumMania V~V3』もこのシステムを使用。 ))|
|稼動開始日|1|1998年|
|~|2|2001年|
|~|3|2005年((ゲーム内外の著作権表記では2004年と表記されているが、これは当初の稼働予定が2004年年内だったため。最終的には2005年4月頃まで正式稼働が延期された。))|
|>|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
|>|ポイント|交通事故をレースに&br()事故と隣り合わせのスリル&br()過激な演出も抜群&br()『[[BURNOUT>バーンアウトシリーズ]]』の始祖|
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#contents(fromhere)
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**概要
1996年の『ミッドナイトラン』から始まったコナミの3Dポリゴンレースゲームの1つとして、1998年に1作目が発売された『スリルドライブ』。~
「一般車両や歩行者だらけの公道や高速道路を、「交通事故」を起こさないようにハイスピードでひた走る」という、タイトル通りのスリリングな内容が最大の特徴であり、~
当然ながら筐体やレース開始前の表示には「&color(red){''このゲームに登場する過激な表現は全てフィクションです。実際の運転では絶対にマネをしないでください''}」という警告がある。

続編は『2』が2001年、『3』が2005年にリリースされており、当ページでもそれぞれ『1』、『2』、『3』と表記する。
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**ゲーム内容
-基本ルールは一般的なレースゲーム同様、自分含め4台の車でレースを行い、制限時間内にゴールを目指す。~
制限時間はチェックポイント通過である程度回復し、タイムアップになった場合はその時点でゲームオーバー((『1』『2』のタイムアップ時は警察車両のサイレンが鳴り響く。『3』では「ガス欠」という表現に変更され、サイレンも無くなった。))。

***事故
-本作で最も特徴的な要素。公道を走る故、一般車両のアザーカーが多数走行している。そのアザーカーに自分の車が衝突してしまうと「事故」となり、強烈な悲鳴とともにそのシーンがリプレイされる。また、崖や海への転落、中央分離帯や側壁に衝突といった自損でも事故となる。
--リプレイは「警察24時」のような重い雰囲気で救急車のサイレンも鳴る。なおリプレイ中も制限時間は減り続け、ゲーム的にもタイムロスとなるため出来る限り事故を起こさずに進めることが重要となる。
--事故時は『1』では事故の悲惨さ((一般車を巻き込んだ横転事故や電車との事故だと「大惨事!」など。))、『2』以降は損害賠償額により「事故発生」「重大事故発生」「大惨事!」、『2』以降は更にもう一つ上の「検挙」にランク付けされる。
---なお、バイクや警察車両との接触で事故となることはなく、CPU操作のライバル車も『1』『2』では一切事故を起こさず、逆にプレイヤーの事故に巻き込まれる事もない。

-また、内部的にはランクシステムが採用されており、ランク上昇と共に事故が発生しやすくなる(事故と判定される基準が厳しくなる)。
--具体的には『いかなる事故が起きず崖にも見えない壁ができる無敵状態>大型車・電車との接触、崖からの落下や壁への衝突のみ事故>小型車との接触でも事故>壁に軽く触れただけで事故』という具合。~
逆走を一定距離行うと赤い三角形の並んだ透明な壁が行く手を阻むが、高ランクである程度以上の速度を出しているとこの透明な壁との衝突でも事故と判定される。

-事故発生後はBGMが変化する。1回事故を起こすと不吉な雰囲気を漂わす曲に変化し、3回で更に不安を煽る曲になる。『3』のみ5回で更に曲が変化する。

-『3』では筐体にシートベルトが備え付けられ、装着しないと事故が起こった際に画面が見づらくなる((このシートベルトは事故発生時にプレイヤーを締め付ける演出があるため、安全上の配慮から身長130cm以下の人は装着しないように案内があった。))という、安全運転を推奨するシステムが追加された。
--それに加えてCPU操作のライバル車も事故を起こすように変更され、1人プレイ時でもライバル車に巻き込まれての事故を警戒する必要性やアドリブ性が生まれた。

***損害賠償金
-『2』から本格導入((厳密には『1』から存在していたが、初代では自車のカテゴリによってほぼ金額が固定化されており、賠償金の金額も事故時にしか表示されないオマケ要素であった。))された、本シリーズのもう一つの特徴的システム。アザーカーと接触した場合その度合いによって損害賠償金が加算される。~
現在の損害賠償金の総額は画面下に常時表示((基板の稼働国設定により通貨単位が変化し、日本版では円単位だが北米用にするとドル単位、欧州版ではユーロ単位となる。))されており、特に事故を起こした場合は多額の損害賠償金が加算、事故状況によっては数百万どころか数千万の損害賠償金になってしまうこともある((4台の玉突き事故で2000万円超えや、全作共通で最高額の列車を2台巻き込むと5000万円超えも可能。))。
--なお、警察車両や『1』『2』のライバル車は事故に巻きこむ事が不可能な為、損害賠償金が発生することはない。『3』のライバル車の事故に巻き込まれた場合も損害賠償金0円の事故となる。
--『3』では三角コーンや踏切の遮断桿等の器物破損、下記のドライブルスルー店舗の利用による代金も損害賠償金として計上される。

***レーダーチャート
-レース中のプレイヤーの行動は「運動神経」等の6項目で分析されており、リザルト画面で六角形のレーダーチャートとして表示、それを元に一言コメントやランク表記で運転テクニックが評価される。~
6項目の内、『1』『2』の「モラル」と『3』の「体調」のみスタート時から満点で、「モラル」は事故を起こす度に減少していく(上昇はしない)が、それ以外の5項目や「体調」はレース中の行動次第で増減する。
--『2』以降はレース中でも画面右上に常時表示され、各項目が変化すると「(項目名)が上昇/低下しています」、上限に達すると「(項目名)が満点になりました」とアナウンスされるようになった。
--『3』のみこれとは別に違反点数のシステムがあり、「暴走行為」や「一方通行違反」等で点数が引かれ、リザルトでは点数に応じて免許取り消し期間がランク付けされる。

#region(各作品毎のチャート要素 一番上から時計回りに記載)
-『1』
--『運動神経』『大胆さ』『かっこよさ』『IQ』『向上心』『モラル』
-『2』
--『モラル』『向上心』『カッコ良さ』『大胆さ』『運動神経』『IQ』
-『3』
--『運動神経』『体調』『大胆さ』『カッコ良さ』『好奇心』『I.Q』
#endregion

***コース
-コースはアメリカ・日本・ヨーロッパの中から選ぶ。ゲーム中でコースの難易度は明記されていないが、原則としてヨーロッパが最も難しいとされる((基本的な道幅が狭く、各所にロータリー式の交差点もある為。ちなみに『1』でのヨーロッパはほぼ「日本のポリゴンモデルをミラーにし、テクスチャを変えてロータリーを足しただけ」の手抜き気味なコースだったりする。))。~
『1』と『2』では日本とヨーロッパが1週、アメリカが一本道。『3』では各コースとも一本道であり、基本的に『スタートは道幅の広い都会→高速道路→崖のある山道や海沿い→道幅が狭く死角も多い都会でゴール』というルートを通る。~
無事故で進行している場合に限り、BGMも基本的に上記の区切りで変化する。
-『1』では全コース昼間の晴れで固定。ただし1回事故を起こすと天気が悪くなり、3回目以降は雷鳴まで発生するようになる。
-『2』は日本は夜、アメリカは逆光が眩しい夕、ヨーロッパは霧が立ち込める昼と、走りに影響が出る状況下でのレースがメインとなった。
--隠しコマンドを入力することで、日本は雨、アメリカはより逆光が激しい「眩」、ヨーロッパは濃霧と、より劣悪なシチュエーションが選択可能になり、難易度選択の幅が生まれた。また『2』以降は左右が逆となったミラーコースも隠しコマンドで選択可能。高難度のシチュエーションも組み合わせる事もできる。
-『3』では各コース毎に異なる3種類のシチュエーションが選択可能となり、低難易度シチュエーションも登場した。~
日本は曇り・夜・雨、アメリカは昼・夕・陽炎、ヨーロッパは朝・夕・霧。
--また『3』でも隠しコマンドを入力すればより高難易度のシチュエーションが選択可能。
---日本はスタート直後は夜、高速道路に乗った辺りから大雨+暗夜。アメリカは逆光が数倍強化された夕+陽炎。ヨーロッパに至っては暗夜に加えて雨と濃霧が交互に変わるという、シリーズ中でも最高難易度を誇る。

#region(コースの特徴一覧)
|コース名|特徴|
|アメリカ|道幅がかなり広い直線を主体に構成された比較的走りやすいハイスピードコース。走行距離も長い。&br;『2』でのシチュエーションは夕方で、夕日と高層ビル等の影による眩惑が非常にいやらしい。&br;高速道路ではゲームランク次第で夕日の照り返しの中で繰り広げられる車線変更合戦の中を掻い潜るハメになる。&br;『3』ではシチュエーションに限らず高速道路を降りた先で何度かは左折車が牙を向く。&br;「夕」を選択するとは高速道路では鉄柱によって陽光が嫌らしく差し込んできて目がチカチカする。|
|日本|道幅はそこそこながら、直角交差点だらけの街・田んぼや踏切のある郊外とバラエティに富んだコース。&br;『2』でのシチュエーションは夜で、距離感やコースの先が読みにくい暗闇がプレイヤーを焦らせる。&br;山岳地帯では街灯の無い峠道を走らされる。が、実は随所にカーブミラーが設置されており対向車の確認が可能。&br;『3』では水田での転落スポットが追加された他、踏切で電車に道を塞がれてしまう事が多々ある。|
|ヨーロッパ|日本以上に狭い道に、ロータリー等の交差点だらけの街中・死角だらけの山道と悪意に満ちた難コース。&br;コース名は大雑把だが、『1』と『3』は右側通行のフランス風・『2』は左側通行のイギリス風である。&br;『2』でのシチュエーションは霧がかかった日中で、その面でも他コースより見通しが悪くなっている。路上駐車も目立つ。&br;『3』では「夕」が追加された。まわりが少し暗くなる代わりにアメリカの様に夕日に悩まされる事は無い。|
#endregion

-『3』では「チェックポイント」が「ガソリンスタンド」に変更された他、コースの各所の道路脇にドライブスルー方式の店が追加された。~
これらは店の横を通る事により効果を発揮し、損害賠償金が増える代わりに大抵の店でプレイヤーに有利な効果が働くようになっている。~
代わりに全コースでドライブスルーの関係上高速道路区間が短縮された。

#region(ドライブスルーの店と効果一覧)
|店名|効果|
|修理工場|プレイヤーの車が修理される。夜間コースや車内視点でのプレイ時は特に有効。|
|パーツショップ|プレイヤーの車のエンジン・タイヤ・ブレーキの何れかがチューンアップされる。チューン内容は場所によって固定。&br;エンジンは最高速と加速力・タイヤはグリップ力・ブレーキオイルは制動力が向上する。|
|飲食店|プレイヤーのレーダーチャート内の「体調」が一定量回復する。|
|カーディーラー|プレイヤーの車が新車の別の車に変わる。どの車両に変わるかはコースや自車によって固定。|
|洗車機|プレイヤーの車が事故を起こした際に付く汚れが取れる。|
#endregion

***車両
-車両はレース用車両ではなく、実在する国内外の車を元ネタとした一般車両たちで構成されており、その点での外見的なリアリティもぬかりがない。
--ハッチバック・ワゴン・セダン・クーペなどで構成された初中級者向けの『コンパクト』『スタンダード』、バス・トラックなどで構成された上級者向けの『ラージ』((『1』のみ『PRO』表記。))に大別される。~
前者は「ボディが小さめですり抜けが得意だが、対車両接触時に事故になりやすい」、後者は「ボディが大きく、壁接触時に事故になりやすいが、実は加速力と最高速が高い」という特徴がある。
---中にはクレーン車・タンクローリー等の「猛スピードで走れるとは思えない車」や、隠し要素だがフォーミュラカーやホバークラフトといった「通常公道を走ってはいけない車」、牛((一応牛や馬も法律上は軽車両扱いであり、公道を走ることはできる。だからといって時速150kmも出さないが。))・人間等の「どう考えても車とは呼べないモノ((『1』ではクラス表記が無いが、『2』では「SPECIAL」、『3』では「SECRET」とクラス表記されている。))」まで選択できる。
--『2』以降は事故を起こした後はそのまま壊れた状態で走る事となり、「夜間コースでのヘッドライト故障」「車内視点にガラスの亀裂が入り見づらくなる」というデメリットが起こる。
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**評価点
-''レースゲームに「交通事故」を本格的に組み込んだ点''
--レースゲームではあってないが如し、あっても自車だけが壊れる「クラッシュ」に留まっていた事故の概念を一新し、レースゲームに「自車と一般車との事故」という概念を持ち込んだ点が画期的。~
非常に現実的な景観の車・コースに独特な重い雰囲気が合わさって、ゲーム上でのデメリットだけでなく「事故を起こしてはいけない」というプレイヤー自身のスリルを高めることに成功している。

-''幅広いプレイスタイル''
--レースゲームとしては普通にプレイできる為、タイムアタック、1位を目指すといったレースゲームにつきもののプレイはもちろんの事、~
事故、損害賠償金というシステムを生かし無事故プレイ・賠償金0円プレイといったチャレンジもできる。
--また、ランキング画面には通常のゴール時間ランキングの他に損害賠償金のワーストランキングも存在している為、「どれだけ派手な事故を起こし損害賠償金を稼ぐか」といったプレイも可能。
---特に仲間内でのプレイでは難易度の高さゆえうまく進むより事故が起き易いため、事故が起きると大いに盛り上がるだろう。
--『3』では先述の罰点の要素から、優良ドライバー(罰点0点)を目指すプレイヤーも存在する。
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**賛否両論点
-客層をかなり選んでいた『1』のシリアスな雰囲気
--アドバタイズデモは初っ端から強烈な交通事故の演出、最後は悲鳴と共に対人事故が描写され、BGMも不安を煽るものばかりと、暗い雰囲気を纏っており、かなりプレイする人を選んでいた。~
但し、隠し車両の牛・人間やコース内のパロディ看板の存在、ゲーム外では公式サイトの雰囲気((車やコースの名所(迷所)紹介・公式Q&A等と基本はお気楽なテンションなのだが、各要素紹介と言える連載ページの最終回ではシリアスな雰囲気になったりもしていた。))と笑えるシュールな要素もあり、雰囲気が極端に重くなりすぎてはいなかった。
--以降は続編毎にカジュアルな路線が強められていき、BGMはアクション映画の様な派手めなものが主体に、車両性能も扱いやすくなる等、恐怖描写が苦手な客層にもとっつきやすくなった。~
(とは言っても『2』では『1』のシリアスな雰囲気を色濃く残しており、相変わらず客層を選んではいた)
---それでいて『3』では隠し車両で「あひるちゃん((お風呂に浮かべたりするアレにタイヤ、マフラー、ヘッドライトを取って付けたような車。これを選択すると衝突・事故の際にアヒルの鳴き声が聞こえたり、警察の停止命令が「そこのあひるちゃん止まりなさい」になる。))」「ホバークラフト」と『1』並におバカでブッ飛んだものも用意された。
--カジュアル路線が強められた『3』ではあるが実は『1』や『2』のシリアスな雰囲気やゲーム性を好むプレイヤーからは不満の声を漏らす者も少なからず存在する。~
特に『2』以前からプレイしていた層にはそうした傾向が強い。
---更に『3』における事故シーンは明らかに吹っ飛び過ぎ、転がり過ぎで恐怖や悲劇を通り越して逆にギャグシーンと化している。コレもシリアスな雰囲気を好む層には敬遠された。
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**問題点
-''やや高い難易度''
--多人数でワイワイ盛り上がる分にはあまり気にならないが、純粋なレースゲームとしてゴールを目指そうとすると難易度の壁にぶち当たる。~
「カーブで外側に膨らんだところにちょうどやってくる対向車」「赤信号で交差点を横切る」「崖の外側に柵がない」などなど、~
あの手この手で事故を誘発するようになっており、初見ではゴールすることはほぼ不可能な死に覚えゲーとしての側面が大きい。
--また制限時間はゴールに近づくほどチェックポイントの間隔も狭まるが延長時間が大きく減り、''ゴール付近では3~5秒しか延長しない。''~
しっかりと対策を練ればゴールは可能でゲームバランスは決して悪くはないが、死んで覚えていかないといけないのは少々厳しい。
--特に『1』では一部区間を除いて全体的に交通量が多く、最初の市街地区間以外は"やや"どころかかなり難易度が高くなってしまった。~
中でも日本とヨーロッパの山岳地帯では行楽シーズンと見紛う交通量で多くのドライバーが対向車の悪夢に苦しめられた。(対向車と正面衝突すると当然の如く事故判定となる)~
『2』以降は高速道路以外の交通量はおおむね抑えられる事になった。

-『3』では非常に鬱陶しい警察
--コース上には特定の場所にパトカーが待ち構えており、目の前を通過すると追いかけてくる。『2』以前はプレイヤーの前でブロックを試みるような動きをするだけだが、『3』では容赦なく体当たりしてくるのでかなり邪魔。~
前述の通りパトカーとぶつかっても事故にはならないものの、そのままぶつけられっぱなしでいると速度がどんどん落ちてくる。またパトカーを回避しようとして事故になることもあり、鬱陶しさが募る。MTで全開で走っていれば振り切れるのが幸い。
--『3』では先述の通り、信号無視などの違反行為に対して罰点を取られるのだが、パトカーに接触したら、向こうからぶつかってきた場合でも「緊急車妨害」で罰点(1点)を取られる。~
これ自体は現実社会でも同様((緊急車両相手には進路を譲る義務があるため(道路交通法第40条 「緊急自動車の優先」より)。))なので仕方ないが、ゲーム的には鬱陶しさが否めない。~
先述の優良(罰点0点)ドライバーを目指す場合は非常に厄介だが、罰点を気にしない場合はそこまで影響はないのが救いか。
--そんな鬱陶しいパトカーではあるが、コースごとにカラーリングやサイレンが異なるなど無駄に芸が細かい。『3』では警察が現地語で停止を命じるようになった。~
「あー、前のクルマ止まりなさい」

-『3』における露骨なMT優遇
--『2』はATとMTで大した差が無く、『1』はMTの方が最高速度が10km/h速い程度であったが、『3』は目に見えてMTの方が速い。
---ATよりも最高速度が20km/hくらい高いのに加え、実は最適な回転数でシフトアップすれば加速力でもATに勝てる。
---というのも、ATではレッドゾーン寸前まで引っ張ってからシフトアップされるのだが、MTではレッドゾーンの遙か手前でシフトアップした方が高い加速力を維持出来る。~
その為、MTを選択するだけで数秒どころか、2回程度の事故によるタイムロスをカバー出来る程度には差が出る。
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**総評
レースゲームに事故・賠償金というリアルな表現がスリルと同時に一種のシュールさも醸し出し、多様なプレイスタイルの実現もあって、ゲームセンターでの人気シリーズとなった。~
1人プレイならストイックにゴールを目指したり賠償金アタックをするもよし、多人数では事故を起こした様を笑うもよしとどちらも違った楽しさが味わえる。~
稼働から年数が経ち、『1』は絶滅、『2』も絶滅危惧種、事実上の最終作である『3』も2010年代後半以降急速に数を減らしてきているものの、見つけたら是非1度はプレイして「スリル」を味わってみて欲しい。

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**余談
-『1』ロケテスト時は対人事故(歩行者やバイクへの接触事故)が存在していたことが[[『1』の公式サイトのQ&A>http://web.archive.org/web/20050209184747/http://www.konami.co.jp/am/td/td1/qa1.html]]で明らかにされていた。
--賠償額も人身事故として非常に高額に設定されていたが、本稼動時には歩行者は超高速でプレイヤーたちの車を回避するようになり、バイクはランク上昇状態で接触しても決して転ばない驚異の硬さになった。~
これに関してはQ&Aの回答スタッフが『(あの要素の事は)お願い、忘れて!』と弁明しており、その名残として「アトラクトデモの最後に対人事故が画面がホワイトアウトしながら描写される」のみとなった様子。
--唯でさえ一般車両との接触事故という要素自体が生々しい上に、わざと事故を起こして賠償金の金額を競うという遊び方も可能な為、生身に近い状態の人間を意図的に轢けるのはさすがにまずいと判断したのだろう。

-2005年に『3』が出た後、2006年に『4』の開発が行われ、ロケテストまで行われていたが結果的にはお蔵入り、海外でも『CRAZY STREETS THRILL DRIVE』のタイトルでロケテスト実施・ショーへの出展((2007年1月にイギリス・ロンドンで開催の『ATEI 2007』))がなされたが、これもお蔵入りした模様((Web・YouTube検索する限り、2007年3月以降に撮影された同作の写真・動画は存在しない。))。~
新要素として『マリオカート』に似た「コース上に置いてあるアイテムでライバル車を攻撃するシステム」が追加されたが、内容的に深刻なコンセプト破壊があり、国内稼働しなくてよかったという意見も存在していた。~
同社からは2008年に『GTI Club supermini Festa!』、2010年に『ロードファイターズ』が稼働した為、本作の国内未稼働は「日本のACゲーム業界で『交通事故』の表現が難しくなったのでは」とも推測される事となった。

-本シリーズのシステムは海外でも影響を与えたらしく、2001年に発売されたイギリスのCriterion Gamesの''『[[バーンアウトシリーズ]]』の初期2作のシステムはかなり本シリーズに酷似したものになっていた。''
--あちらはコースが周回制・ニトロ機能があるといった細かな差異はあるが、''特に第1作目は画面上のUIやチェックポイントのデザインもほぼ『1』そのまんまであった。''~
それが関係したのかは不明だが、第1作目は日本でもセガから『グランドヒート』との邦題でリリースされる予定が取り消され、日本デビューはサミーから2004年に発売された第2作目となった。
--同シリーズは3作目から「ライバル車に故意に接触してクラッシュさせられる」等の独自進化を遂げ、本家(?)といえる『スリルドライブ』を押しのけて世界中で大ヒットを記録する事となる。

復元してよろしいですか?