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beatmania」を以下のとおり復元します。
*beatmania
【びーとまにあ】
|ジャンル|音楽ゲーム|~|
|対応機種|アーケード|~|
|販売・開発元|コナミ|~|
|稼動開始日|1997年12月10日|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[beatmaniaシリーズ]]''|
''※本項目のデータはアーケード版初代のみに絞り、続編やプレイステーション版(タイトルは無印だが2ndMIXの移植)については割愛する。''
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#contents(fromhere)
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**概要
5つのボタンと1つのターンテーブルを用いて楽曲をプレイする、音楽シミュレーションゲームのはしり((厳密には家庭用の『パラッパラッパー』が始祖。))。~
コナミ社内においてメダルゲーム等を担当する部署であるGM(ゲーミングマシン)事業部が開発し、1997年末にゲームセンターで稼働を開始した。~
装飾の派手な筐体、筐体から響いてくるダンスミュージック特有の重低音など、今までの「ゲームセンターのゲーム」という概念を覆すことに成功し、老若男女問わず幅広いプレイヤーを惹きつけた。~
「u gotta groove」「20,november」「super highway」などはこのゲームを代表する楽曲であると言える。~
略称は「ビーマニ」または「初代」((7ボタンを使用する『beatmania IIDX』と区別する目的で「5鍵」とも。))。コナミの音楽シミュレーションゲームのブランド名「BEMANI」も、この略称が由来である。

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**ストーリー
-プレイヤーは「『クラブサガワ』に飛び入り参加した新人DJ」という設定。
--『クラブサガワ』の支配人(''公式設定でオカマ'')やDJ KONAMIがプレイ中に手ほどきをしてくれる他、「DJ Battle」もプレイヤーの盛り上がりを妬んで喧嘩をふっかけてきたDJとの対決という設定になっている。

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**特徴
-画面上から落ちてくるノートに対応したボタン・ターンテーブルを操作し、楽曲を正確に演奏することで画面中央下に表示されたグルーヴゲージを楽曲終了までに赤のゾーンまで上げてキープすることでステージクリア。逆に押すボタンを間違えたり((本作と「2ndMIX」は後の作品と異なり、一切ノートが無い場所で操作してもミス扱いになる。))、オブジェクトを見逃す、タイミングを著しく外すとミスとなりゲージが下がる。
--判定は良いものから「GREAT」「GOOD」「BAD(タイミングを著しく外した)」「WORST(見逃し・誤操作)」((後のシリーズ作の「POOR」判定。本作のみ「WORST」表記))の4種類。GOOD以上ならスコアとゲージが上がり、逆にBAD以下ならスコアはもらえずゲージが下がる。ゲージやスコアの変動量も判定によって違ってくる。
--特殊なノートとして「フリーゾーン」と呼ばれるものがある。この間はターンテーブルに限り自由にプレイでき、最低1回はスクラッチしていればGOOD判定が得られる。

-インターフェース
--5つの鍵盤に対応した5レーン+ターンテーブルに対応した1レーンが画面両端に、楽曲と譜面の速度を示すBPM、クリア目標を示すグルーヴゲージが画面下、画面中央にはムービーが表示される。
---ムービーはボタンを押したり、ミスをするとそれに対応して絵や色が変わるといった演出がある。

-ステージ構成は全5ステージ
--1、2ステージ目と4、5ステージ目でそれぞれ選べる曲が異なる。
--3ステージ目ではストーリーの項で触れた「DJ Battle」が挟まれる。
---「DJ Battle」は「お手本に合わせてスクラッチを行う」ユニークなステージ。

-楽曲
--ヒップホップやレゲエ、テクノ、ブレイクビーツ、ソウル、ハウスとジャンルを問わず、広くダンスミュージックをコンパイル。~
「DJ Battle」、後述の二人同時プレイ専用曲や隠し曲を含め全8ジャンル/全9曲。
--楽曲に応じて難易度も異なり、その目安として☆の数が表示されている。
--「DJ Battle」を条件を満たしてクリアすると4、5ステージ目で隠し曲であるレイヴ「e-motion」((なお、本作では表記ミスで「e-emotion」となってしまっている。))が出現する。

-2人同時プレイによる対戦プレイor協力プレイも可能。
--テクノ、ソウル、ハウスでは曲名が若干変化し、1人プレイ時とは異なるアレンジバージョンとなる。~
更にブレイクビーツに至っては''曲そのものが変わる''((1人プレイ時は「2 gorgeous 4 u」で2人プレイ時は「greed eater」))という後の作品では見られない独自要素がある。
---2人プレイ時の曲やバージョンを1人プレイで選ぶ事は残念ながらできず、その逆もやはり不可。これは後に再録された作品でも同様である。
--なお、本作と『2ndMIX』では、ステージクリアの成否は1P側と2P側独立して判定されており、片方のプレイヤーがクリアに失敗した場合、失敗したプレイヤーは次のステージへ進めずにゲームオーバーとなる。

-エキスパートモード
--コイン投入後に開始する事で隠しモードであるエキスパートモードをプレイすることが出来る。~
内容は「DJ Battle」以外の全7曲を決められた曲順でプレイしていくというもの。
---「エキスパート」というだけあってゲージの増減具合が通常モードよりも厳しく設定されている。また、通常モードとは異なりスコアの概念が存在しない。
---シリーズ最終作の『[[THE FINAL>beatmania THE FINAL]]』でのエキスパードモードで存在する「THE FIRST」コースの曲順はこのモードの曲順を再現したものとなっている。

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**評価点
-ルールも操作方法も簡単だが、正確な演奏ができるようになるにはそれなりの練習が必要となる。
--だが練習を積みスキルが上がってくると、今まで全くできなかった曲ができるようになるので選曲の幅が広がり、スコアも腕前に付随して上がってくる。努力すればした分だけ自分の成長が大いに実感できるのも魅力の一つ。

-バックストーリーのおかげでクラブで演奏している雰囲気をよく出していた。
--選曲後の曲名表示画面では支配人からの曲の簡単な解説が入るが、その内容が中々面白いものとなっている。
--更にゲーム途中で挿入される「DJ Battlle」は内容や設定も相まってストーリーへの没入を引き立てている。

**賛否両論点
-当時の基準からしても大分古い基板を用いていたため音質が悪く、ムービーもいくつかの素材を使いまわすことが多かった。
--主に90年代のコナミ製アーケードゲームで使用されていたSYSTEM-GXをbeatmania向けにカスタマイズしたDJ-MAINと呼ばれる基板が使用されている。
--人によっては「この筐体のこもった音だからこそ味が出る」といった意見もあり、一概に悪いことだとも言えない。
--シリーズ後期のタイトルでは基板の性能の低さに苦労していたようで公式サイトには基板の性能不足を嘆く開発者のコメントが掲載されていた。
--基板の性能は90年台前半レベルだったとTHE FINALの公式サイトでコメントしている。

**問題点
-やや厳しめなゲージと判定の仕様
--ゲージの上昇がノートの数に比例するため、ミス時の減少量が成功時に加えて大きくなりやすい。判定が少しきつめの曲をやるだけでグルーブゲージの維持がかなり大変だった。
//-オブジェ1個ごとの判定幅がかなり狭く厳しい。グルーブゲージの維持もかなり大変。
//--初期作は実はさほどでもなかったりするのだが、特にハイスピードオプションと光るGREATが追加されて以降の厳しさは今時の音楽ゲームとは一線を画するレベル。
//--加えて曲によって判定が見た目とは大きくズレていたり、一曲中でも各パートごとでズレ具合が違っていることもあり、判定ラインをガン見しながらの目押しでもなかなかうまくいかない場合も…。
//---熟練者同士での対戦では、曲ごとの判定のズレ具合をどれだけ覚えているかがスコアの差に直結するだろう。
//初代をそこまでやりこんでないので、初代時点での判定の詳細が分からない。ポップンとかと違って厳しめだった記憶はある。 詳しい方は初代のみの記述で修正して復帰を。

-フリーゾーンの仕様
--本作のフリーゾーンは最良判定がGOOD止まりでGREATを取る手段が存在しないため、このノーツが存在する曲では最高得点が100000点にはならず中途半端な数字になってしまう。((厳密に言えば、本作ではクリアラインギリギリのゲージでクリアすると獲得できるボーダーボーナスや全てGREATを出すと獲得できるパーフェクトボーナスが存在するため、最高得点は100000点ではない。))
---『2ndMIX』ではフリーゾーンでGREATを取る手段が設けられたため、フリーゾーンが存在する曲でも最高得点が100000点になるようになっている。

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**総評
ゲームの操作方法は「''画面上から降ってくるノートと流れる曲に合わせてボタンを押すorターンテーブルを回す''」。たったこれだけである。ルールも「曲を正確に演奏するほどスコアが高くなる」と単純明快そのものであり、それでいてハイスコアを出すには相当なやり込みを必要とする。~
まさに「単純明快で間口は広く、奥は深く道は険しく」を体現したようなゲームであり、楽曲のクオリティの高さも相まって多くのアーケードゲーマーをDJ・サウンドトラッカーへと変貌させた。~
本作がゲームセンターに「音楽シミュレーションゲーム」という新しいジャンルを開拓した功績は、間違いなくゲーム歴史上でも重要な基点になるだろう。~

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**余談
-当時はオンライン対戦も普及しておらず、基本は筐体内でのスコアアタックや自己ベストの更新がメインだった。そのため、ひたすらに腕を磨き難しい楽曲のクリアやハイスコアの更新を目標とするプレイヤーが多い、非常にストイックかつ硬派なゲームだったと言える。
--この風潮は、上位作品かつ事実上の後継作である『beatmania IIDX』シリーズにも受け継がれており、長年のシリーズ展開においてオンライン要素が大幅に増えた中でも、『[[beatmaniaIIDX 25 CANNON BALLERS]]』(2017年12月稼働)でオンライン対戦モードが導入されるまであくまで個人で完結するゲームプレイのスタイルを保ち続けていた。
---このオンライン対戦モードも他機種に多い「スコアで競い合う要素を持ちつつも助け合いの一面もある」というものとは経路が異なり「互いに勝負曲を投げ合い4曲のスコアで勝敗を付ける」という競技性の高いものである。

-ハイスコアを狙う遊び方とは別に手馴れたプレイヤーの中には「物で画面全体を隠してプレイ」や「2人同時プレイを1人で行う」などといった、ギャラリー受けを狙った風変わりな遊び方を行う者も見られた。
--これらの遊び方が元となって続編の『2ndMIX』ではノートがレーンの途中から見えなくなる「HIDDEN」、前述の「2人同時プレイを1人で行う」をほぼそのまま公式モードとして採用した「DOUBLE」が追加されている。

-家庭用に初めて移植されたbeatmaniaシリーズは『2ndMIX』の移植であることから、今作のVGAの大半は家庭用ハードに移植されていない。
--このため、2019年現在において初代beatmaniaのVGAを完全な形で見るには動画サイトや実機プレーでしか見る事でしかできないのが残念。

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