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*ウルトラマン倶楽部2 帰ってきたウルトラマン倶楽部  
【うるとらまんくらぶつー かえってきたうるとらまんくらぶ】
|ジャンル|RPG|&amazon(B000068GWH)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|バンダイ、ユタカ|~|
|開発元|インターリンク|~|
|発売日|1990年4月7日|~|
|定価|6,300円|~|
|備考|パスワードコンティニュー(カタカナ12文字)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
SDキャラクター全盛期のSDウルトラマン「ウルトラマン倶楽部」のRPG。~
第一作がディスクシステムで発売されたため「ウルトラマン倶楽部」シリーズに触れる最初の作品になった少年たちも多い。~
また、テレビ番組のウルトラシリーズ(国内向け)が81年から96年まで製作されなかったので、当時進行中の国内のウルトラシリーズはゲームだけであった。

**ストーリー
ウルトラ兄弟と怪獣が暮らす「地球(人間はいない)」「月」「ドックン星」「怪獣墓場」「ウルトラの国」の5面構成。~
宇宙警備隊員のウルトラマン(通称・マン)は地球基地隊長であるゾフィーの命を受け、バルタン星人Jrに襲われたピグモン村に向かう。その後もウルトラ兄弟は各地で起こる侵略事件を解決していく。

**システム
-宿屋・お金・装備・消費アイテムという概念はない。基地で全快する。強くなるためにはひたすらレベルアップするのみ。
-ウルトラマンらしく、海や宇宙空間では飛んで移動する。フィールド上であれば山や海に遮られずに自由に移動できる。
--海や宇宙空間では移動速度が速くなるのと自由な移動ができる反面、~
出現するモンスター(ザコ怪獣)の編成が陸地とは異なり、基本的に陸地よりも強めの敵編成となる形でバランスが取られている。
-ストーリーの進め方はRPGとしてはオーソドックスで、特定の相手との会話によってフラグを成立させることで~
それまで入れなかった場所に入れるようになるという形でストーリーを進めていく。
--直接のフラグ成立に繋がらない会話であっても、次に行くべき目的地への方角を東西南北でおおまかに教えてくれるので目的地まで迷いにくい。~
RPGをプレイする上での基本となる「話せる相手全員に会話をし、情報収集をする」を徹底すれば次に何をすれば良いか分からずに詰む恐れはそこまで多くない。
-戦闘はオーソドックスなランダムエンカウント式。敵味方を横から見た『[[ファイナルファンタジー>ファイナルファンタジーシリーズ]]』風の画面である。
-体力が減ると必殺技コマンド「今だ必殺」が確率で表示され、強攻撃・全体攻撃・麻痺・即死といった属性を持つ必殺技が使用できる。
--全部が使用できるわけではなく、表示されるのは1~4つとばらつき、リストに上がる技もランダム。
---効かないのにボス戦でも即死系の技が出たり、バリア系しか出ない時もあり、使いにくい部分もある。
--ポイントを消費するようなことはなく、使用可能な状況なら無制限で使える。
-通常のRPGの魔法にあたるのは「カプセル怪獣」。ウルトラセブンの劇中のカプセル怪獣と異なり、カプセル怪獣となる怪獣は本作に登場するザコ怪獣の中から選ばれている。
--使用すると「体力回復」「ダンジョン脱出」等の効果を即座に発揮するタイプと、使用者に代わって戦闘してくれるタイプの2通りがある。
--基本的に使うとなくなる消耗品だが、基地で休めば規定数まで補充できる。ランダムで敵がドロップすることもある。
-パーティは最大3人(メンバー変更は強制)。''主人公のウルトラマン((ゲーム内では「マン」と呼ばれる。))が倒れると仲間が残っていてもゲームオーバー''となり、最後にウルトラサイン(パスワード)を聞いた基地まで戻される。
--経験値やフラグもその時点まで巻き戻される。つまり一旦リセットしてパスワードを再入力したのと同じ状態になる。
-ファミコンソフトであるが文章の一部が漢字表記である。
--ただし文字は小さく、当時の小型ブラウン管テレビでは見づらいという問題もあった。

**評価点
-購入対象である小学生が遊べる単純さと難易度。
--パスワードもア~タのカタカナ16種が12文字と[[ドラゴンクエストII>ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]などとは比べ物にならない書き残しやすさ。
--経験値が共有で、消耗品アイテムもないために情報量が少なく済んでいる。
-登場キャラクターの多彩さとグラフィックのコミカルさ。
--プレイヤーキャラクターはウルトラマン・ウルトラセブン・帰ってきたウルトラマン((ゲーム内では「新マン」と呼ばれる。ジャックという名称は84年に付けられたがまだ一般的ではなく、演じる団次郎氏も2000年代に入ってようやくその名を知ったほどである。))・ウルトラマンエース・ウルトラマンタロウ。
--宇宙警備隊基地の隊長は地球がゾフィー、月がジョーニアス、怪獣墓場がエレク((ザ☆ウルトラマンの脇役))、ウルトラの国は父という人選。
--ザコ怪獣にはササヒラー、シーモンス&シーゴラス、シシゴラン、ドロボン、モチロン、ギロ星獣、バルダック星人、ケンドロス、プラズマ&マイナズマなどと~
ディープなファンでなければ当時なら怪獣図鑑、今ならネット検索がないと分からないような怪獣が登場。
---ペア怪獣(プラズマ&マイナズマ)や夫婦怪獣(シーモンス&シーゴラス)は必ず一緒に戦闘で現れる凝り方。
---一方で原作においてペアで登場した一部の怪獣達の組み合わせによっては登場エリアが異なって一緒に出現しない場合がある。~
(ササヒラー&ヤメタランス、カイマンダー&シシゴランが該当。ササヒラーとシシゴランは地球にしか出現しないのに対し、ヤメタランスは月のみ、カイマンダーは怪獣墓場のみの出現となる)
--攻撃したりダメージを受けるとキャラクターの絵が変わる。~
味方のウルトラマン達はHPが低くなると立ち絵が片膝をついて疲弊した様子に変化するという形で危険な状態だというのが分かりやすくなっている。
-最初にイベントとして倒したバルタン星人Jrの事件をきっかけに、親であるバルタン星人が各宇宙人を利用しウルトラマンに復讐するという、~
ウルトラシリーズにおけるバルタン星人の因縁を逆手に取ったストーリー。

**難点
-序盤のゲームバランスの不安定さ。
--回復手段や脱出手段を持たず、単体攻撃技のみのマン一人で戦うため、序盤のうちは長旅がかなり厳しくなっている。
--ダメージのばらつきが大きく、命中率もあまり高くないので被ダメージの計算がしにくく、戻るタイミングをつかみにくい。
--最初の仲間であり、全体攻撃必殺技とカプセル怪獣を持つエースは、あるダンジョンのボスを倒さないと仲間にできない。~
クリアできるかはエンカウントの回数や、敵からのダメージを回避できるかによって大きく左右される。
--安定させるにはレベルを上げるしかないが、入る経験値は微々たるものなので、レベルアップがかなり遅い。
--コンティニューの仕様上、全滅覚悟で進むこともできない。必然的に基地の近くでこまめにパスワードを聞きながらの地道な作業になる。
--エース加入後のゲームバランスは比較的良好、というのも唯一の回復手段が「味方全員を全回復」なので比較的余裕を持って進めるのだが、マンが死亡すると即座にゲームオーバーになるために常に緊張感はある。
---敵の技の一つの「はかいこうせん」は味方一人を即死させる効果で、ボスだけでなく一部のザコ敵も使ってくる。~
実際には使われても即死の効果が発動する確率はかなり低いが、マンが狙われて効果が発動し即死→ゲームオーバーという事もありうるのでその技を持つ敵との戦闘時は油断できない。
-仲間の入れ替えが激しい。
--パーティーが最大3人なので次のウルトラ兄弟が入る前に必ず2番目枠のウルトラ兄弟が抜ける。新しく入るキャラは抜けたキャラとほぼ同様のステータス…。
--好きなウルトラ兄弟を使うということは全くできない。
--特に2人になった直後にエリア移動し、ザコ敵が強くなるので3人の時と比べ大幅に苦しくなる。
-カプセル怪獣の効果がゲーム内ではまったく示されない。
--特に死者を蘇生する「ウー」は、全員生存している時に使うと何もせずに消える。効果の無い怪獣だと思っていた人も多いのでは?~
「マンが死亡するとゲームオーバー」かつ「マンはカプセルを使えない」ので、これを活用できるケースは「ウーを持っていない方の仲間が倒れた時のみ」とかなり限定されている。
-戦闘以外での文章で「ー」にあたる部分が「~」となっている。「ゾフィ~」や「エ~ス」と書かれ、いまいち締まらない。
-フィールド上のボスのグラフィックが同一で戦うまでどの宇宙人がボスなのかさっぱりわからない。
--フィールド上で固有のグラフィックとなっているボスはバルタン星人(親とJrで共通)、イカルス星人、アントラー、レッドギラス、ブラックギラスの5体だけ。~
町にいる怪獣はかなり描き分けられているので落差が激しい。
-放送から10年でも扱いが不遇な80、アストラ(偽物)は出るのにまったく出番のないレオ…
--近年ならともかくこのころのウルトラゲーでは彼らの不在が珍しくないが、レオや80が一番好きなファンには正直勧めにくい。~
ただし、近年では逆にレオ・80参戦・ジョーニアス不在というパターンが多い。

**総評
SDである「ウルトラマン倶楽部」のゲームであるが、ウルトラマンらしさをふんだんに盛り込み、キャラゲーとして十二分の出来。~
しかも、ゲームバランスも練りこまれているので純粋なRPGとしてもしっかりとしたゲームとなっている。地道なレベル上げに耐えられればであるが。

**余談
-本作は『Dの食卓』『[[エネミー・ゼロ]]』などで有名な飯野賢治氏のデビュー作でもある。''執筆したライターの目の前でシナリオを破り捨てて自分が書き直す宣言をした''というエピソードがある。
//書籍「デジタル業界当たり屋伝」より

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