「トマトアドベンチャー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
トマトアドベンチャー」を以下のとおり復元します。
*トマトアドベンチャー
|ジャンル|アクションコマンド型ロールプレイングゲーム|&amazon(B00005V3FM)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|64MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|アルファドリーム、グラフィックリサーチ、シャンダー|~|
|発売日|2002年1月25日|~|
|定価|4,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|セーブデータ|4個|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年8月26日/702円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
後に『[[マリオ&ルイージRPG]]』を作る事となるアルファドリームが、処女作である『コトバトル 天外の守人』の次に制作したRPG。~
アルファドリームと任天堂が手を組んだ記念すべき最初のゲームである。~
~
元々は『ギミックランド』というタイトルでゲームボーイカラー用に開発が進んでいたが、~
『コトバトル 天外の守人』を気に入った任天堂から声がかかり~
ゲームボーイアドバンス用に作り直し任天堂発売でリリースされた、~
という逸話が公式側に語られている。

----
**ストーリー
> コドモの、コドモによる、コドモのための国、「ケチャプー王国」。~
主人公は、トマト好きの国王「アビーラ」に連れ去られたガールフレンド「パサランちゃん」を助け出すため、
ビックリ箱のような仕掛けと、想像を超えたストーリーが展開するこの王国を冒険していきます。~
(公式サイトより抜粋)

----
**特徴
-ギミックという武器システム。
--[[ポケモン>ポケットモンスターシリーズ]]で言うPPのように使用回数があるが、装備中のギミックの使用回数がすべて0になれば自動的に全回復する。

--戦闘はこのギミックを使用して攻撃するのだが、ギミックにはそれぞれ特徴的なアクションコマンドがあり、コマンドの成否によって演出や相手に与えるダメージが変化する。このため、コマンド式のRPGながらアクション色が強い作品になっている。

--コマンドは&color(#000000,#e0e000){「タイミング」} &color(#FFFFFF,#ff8000){「れんだ」} &color(#FFFFFF,#c05800){「ドキドキ」} &color(#FFFFFF,#ff80ff){「スピード」}の4種類だが、全く同じ内容のギミックはなく、マンネリ化させないつくりになっている。

--コマンド入力は7段階の難易度調節が可能で、難易度が高いほど相手へのダメージは大きくなる。
---同一のギミックを使用する場合、難易度レベル7で失敗するよりも難易度レベル1でも成功したときのほうがダメージは大きい。
---余裕がある人はレベルを上げて威力が高くできるし、子供や初心者などはレベルを下げて簡単にできるので、初心者にも上級者にも楽しめるように出来ている。

--また、ギミックの難易度調節の要素とは独立した要素として、ギミックごとに個別で「でんち」系アイテムで攻撃力の基本値((コマンド失敗時の攻撃力のこと。コマンド成功時はこの攻撃力の基本値に「各ギミックの難易度レベルごとに個別設定された倍率」を乗算した攻撃力となる。))や使用回数を強化する要素もあり、気に入ったギミックに対する愛着も湧きやすい。
---「でんち」系アイテムによる強化限界はギミックごとに個別で設定されており、基本的には序盤のギミックは攻撃力の基本値が低い代わりに回数と強化限界に優れる、さらにはコマンドがシンプルなものが多い。「すごいの」システムとの兼ね合いもあり、序盤の攻撃力が低いギミックを強化してラストまで使い続けるような運用方法に対してもメリットが設けられている。

--戦闘では敵味方とも直接攻撃に回避の概念が無く、命中時のダメージの数値へのランダム要素も無く、出せば必ず命中して一定のダメージを出す…という仕様を『コトバトル 天外の守人』から引き継いでいる。つまり、ギミックをどれだけ成功させるかと、すごいの(後述)やアイテムをどこで使うかによって勝敗が決まる。
---ただし、状態異常に関しては確率で成否が決まる。

-アクションコマンドが成功するとゲージが貯まり、&bold(){失敗するとゲージがゼロになってしまう}「すごいの」システム
--「すごいの」とは所謂「必殺技」であり、コマンドをどんどん成功させて必殺技「すごいの」を出すという方式。仲間ごとに2種類ずつ、全部で6種類の「すごいの」が存在しており、ゲージの消費量や効果によって差別化がなされている。
--これもレベルが高いほうがゲージが貯まりやすい。
--一度でも失敗するとそれまで貯めた分が水の泡になってしまうので、ギミックのレベル調整において絶妙なバランスを引き立てている。
---但し問題点も無い訳ではない。これについては賛否両論点の項目を参照されたし。

**評価点
-仲間たちの性格の個性の強さ
--語彙力が足りないのにツッコミ役を一手に担う無茶な役回りだが主人公らしい人物像の男の子「デミル」、ミーハーでガサツながらメカニックとしての腕前を持つ女の子「アレサ」、メンバー最年長で大人しく食いしん坊な服飾デザイナーの太っちょな男の子「ソフビー」、序盤から登場して敵方の情報をもたらしてくれるが終盤まで仲間にならないミステリアスな男の子「レレク」、の4名。


-仲間たちの性能も個性が強く楽しめる
--主人公・デミルは、勇者型の性能のイメージ。それに加え、「戦闘メンバーから外す事が出来ない」仕様を考慮してかギミックの選択肢がとても幅広い。
---最初の内はデミルの一人旅でありシンプルなコマンドのギミックが中心。ゲームが進むと、徐々に「コマンドが複雑で難易度レベルを低く抑えても難しい代わりに高威力」なものも手に入るようになる。

--アレサは、デミルと組む仲間の中では唯一のバランス型。しかし、デミルとは使い勝手がかなり異なる。
---防具の性能が突出して高く、ギミックの大半は敵に状態異常を付加する効果があり、「すごいの」の性能が非常にピーキー。「バランス型の性能のキャラは器用貧乏な性能になりやすい」というジンクスを、うまく破っているキャラクターと言えるだろう。
---1つめの「すごいの」である「メカメカパニック」は、少ないゲージで出せて大半のザコ敵を一掃できる強力な全体攻撃ではあるのだが、「デミルが眠ってしまう」という大きな反動が存在し、ボス戦などではうかつに使うと逆にピンチを招きかねない。もう一方の「トマトロボ2ごう」は「こちらのHP減少量に応じたダメージを任意の敵単体に与え、味方も全回復する」という特殊なもの。工夫やタイミング次第で凄まじい大ダメージを叩き出す事も可能だが、裏を返せばピンチではない時に使っても真価を発揮しないとも言える。

--ソフビーは、「たいりょく」が極端に高く「すばやさ」が低いステータスの持ち主。
---ギミックは「コマンドが少々難しいが全体攻撃」というものが中心であり、敵の攻撃を耐えてからザコ敵を一掃するか、すばやさの低さを逆手にとり後攻行動を前提にアイテムを使うといった戦い方がメインになる。
---「すごいの」は前述したアレサのピーキーさから一転、2種類ともシンプルな全体攻撃であり、細かい事を考えずに使っていける。1つ目の「はれときどき??」は戦闘後に入手できるお金を3倍にする効果を持ち、通常のプレイでも稼ぎながらのプレイでも資金繰りが厳しめなゲームバランスである本作では、なかなかありがたい。この効果はボスにまで有効。2つ目の「ガブチョコ」は雑魚及び一部の中ボスを一撃で倒してしまえるもので、一撃必殺の効果が効かない相手に対しても全体大ダメージを叩き出す。

--レレクは、ソフビーとは対照的に「すばやさ」が極端に高く「たいりょく」が低いステータスの持ち主。よほど低レベル進行でもしていない限り、安定してターンの最初に動ける点が最大の強み。
---終盤に差し掛かる頃に加入する都合で手に入るギミックは4人の中で最も少ないが、ギミックの大半が「高威力な代わりにコマンドが低難易度設定でも難しいほど複雑である上に回数も少ない」という難物揃い。レレク加入までの間にデミル、アレサ、ソフビーの3名のギミックでいかにプレイヤースキルを磨いたかが問われる。
---レレクの「すごいの」は、ゲージ最大の状態で使えて3ターンの間デミルとレレクを無敵化する「むてきソング」が超強力。無敵状態のターンの間に再び「すごいの」ゲージを回収する自信があるならば、恐ろしいほどの効果を発揮する。また、「むてきソング」の存在感に隠れがちだが、1つ目の「モグラッシュ」敵が戦闘後に確実にドロップアイテム落とすという戦略上とても強力な効果を持つ全体攻撃であり、見逃せない。


-パーティメンバー以外のキャラも個性が強い
--NPCやモブキャラも一筋縄ではいかないキャラが多く、本作の大きな魅力となっている。
---男の娘が居たりする。ソフトをお持ちの方は探してみよう。
--各地の町に一人ずつ存在するボスキャラ「スーパーキッズ」は特に個性的なキャラが多い。
---中には、「個性的」という評価を通り越してしまっているキャラもいない訳ではないが…。

-ボスキャラ「スーパーキッズ」は能力面でも良調整がなされており、程よく手強い。
--例としては最初に戦う事となるスーパーキッズ『ウープス』。『常時回復効果がある玩具のお風呂』に入りながら『強力な攻撃と防御が可能の鏡』を持っているキャラクターなのだが、それら全てが部位として設定されており、個別に攻撃可能。
---どれを壊すか考えて攻撃しないと、お風呂で回復されながら強力な攻撃を連発される事態に陥ってしまう。
---ピンチになると強力な全体攻撃「ポイズンシャワー」を連発してくる。大ダメージを受け、かつ毒状態になることもあるので、一筋縄では行かない。
--もちろんどうしても勝てない場合の最終手段として、レベルを上げてのゴリ押しでも倒すことが可能。

-マップが作り込まれている。
--所々に隠しボスが居たり、アイテムが隠されていたりする。探索にちゃんとした見返りが用意されているのはありがたい。
--ダンジョンのギミックも凝ったものが揃っており、解くにはしっかり頭を使う必要がある。
---後半のダンジョンには推理クイズや、錯視を活用した仕掛けも用意されている。歯ごたえは十分。
--グラフィック面でのネタ要素も、所々に仕込まれている。
---「明らかに牢獄だろ!」と突っ込みたくなるグラフィックの宿屋が存在する((というか監獄であると明言されている。「ロックといえば監獄だろ」らしい。))。
---その場所へ行くための交通手段が&bold(){人間大砲}で、それもどうみても&bold(){ペットボトル}。

-ブラック要素
--ストーリーのあちこちにブラックな要素が満載。直接的なものもあれば、暗喩もある。
--特に主人公・デミルのある場所でのセリフ「さんざんりようして すてるなんて! まるでおとなみたいじゃないか!」は、子供しかいない世界観になってしまうまでの状況などについて想像の余地がある。
--子供しかいない世界観だが、では大人はどこにいるのかというと、実は&b(){町の外で戦うモンスターがそれ。}
---というのも「大人はアビーラ率いる子供との戦争に負け、モンスターに変えられてしまった」という設定が存在するのである。因みにこの設定、なんと主人公が住んでいる村の住人から聞ける話だったりする。

-小ネタが細かい
--町の至る所に小ネタが仕掛けられている。色々と探し回ってみるのも一興か。
---例えば主人公が住んでいる村では誰かの家の煙突を覗くと、謎の音が鳴り主人公が疑問に思いはじめる…など。

-BGMも好評。
--ラスボス戦では、自分のターンになると&bold(){曲調が変わる}という熱い演出が存在している。

----
**賛否両論点
-「トマト」の関連性が薄い((主人公とヒロインは当初トマト嫌いの子どもたちが閉じ込められている村に住んでおり、冒険の過程でトマト嫌いを克服している節はある))
--トマト部分は総じて少ない、殆どがギミックやトマト以外の食べ物関連などである。元々が『ギミックランド』というトマトのトの字も無い作品だったという事情はあるといえばあるのだが。
---ネタバレに踏み込むため詳しい記述は避けるが、ストーリーの内容についても評価が分かれる。

-戦闘は主人公と仲間一人しか参加出来ない。
--おそらく画面レイアウトや「すごいの」のアニメとROM容量の都合と思われるが、その仕様上4人全員で戦闘するようなシチュエーションは無い。
--一応、ラストダンジョンには仲間たちそれぞれの特技・特徴を活かして先へ進む場面はある。
---…のだが、これが「満足に育てていない、もしくは苦手なアクションコマンドの多い仲間が一人でもいるとラストダンジョンで苦戦する」という別の欠点を生んでしまっている。

-「ぼうぎょ」コマンドがない。
--次のターンに強力な攻撃をする予告などはないし、回復手段は基本的に共有のアイテムしかないので防御する必要自体はないのだが、「ギミックの使用回数を節約したい」「すごいのポイントがたまりそうだが、アクションコマンドに自信がないギミックしか残っていない」などの理由で順番を別の仲間に回したいときに難儀する。
---アイテムを使えばいいのだが、そのために消費するのも難である。また回復アイテムなどは使用しても意味がないときは使えない。

-レベルを上げても「たいりょく」と「すばやさ」しか上がらない。
--攻撃力増強には、そもそものギミックを変えるか、ギミックを強化する必要がある。

-ギミックの性能について
--概要は前述したとおりだが、序盤のギミックほど「低威力&コマンドの内容がシンプルで簡単&回数が多い&電池による強化限界が高い」傾向にある。
---難易度レベルを高めに設定してもコマンドを成功させやすい為「すごいの」ゲージを稼ぎやすいメリットがある。その為、徹底的に強化した序盤のギミックを、多少火力を犠牲にしてでも「すごいの」目当てでずっと使い続けてもいい。
--しかしシナリオを進行させる、おしゃぶり(後述)を苦労して集めたことによりもらえる、などの方法で入手するギミックは後のものほど凄まじい威力を誇るものが少なくない。
---そこまで攻撃力に差があると、「すごいの」を度外視しても強烈なギミックを強引に連発していた方がお手軽に強くなってしまいやすい。
--「後に入手する装備品の方が強い」のはRPGの常ではある(防具である「きがえ」については本作も例外ではない)が、「入手そのものがやりこみの範疇であり苦労の末の報酬」といったニュアンスのギミックもある。

-ギミックによって難易度の差が激しいきらいがある
--難しすぎるギミックの一例。基本的には「序盤のギミックほどシンプルで難易度レベルを上げても簡単な傾向にある」とは前述したが、最大の例外はよりにもよってゲーム中でデミルが最初にもらえる「はぐるまヨーヨー」。「はぐるまヨーヨー」は難易度レベルを最高の7に設定すると&bold(){1フレーム(1/60秒)でもズレると失敗扱いになる}という超高難易度となってしまう。「格闘ゲームにおける超上級者でも実戦投入をためらうほどシビアな目押しコンボ」並、と言えば分かりやすいだろうか。
--簡単すぎるギミックの一例。前述の内容と対照的だが、これもデミルが最序盤にもらえるギミックである「マグネハンド」が代表例。Aボタン連打が苦手な人でもない限り、難易度レベルを最高の7にしていてもAボタンを普通に連打するだけで簡単かつ確実に成功してしまう。その分攻撃力は大したものではない((「マグネハンド」は最強状態である「でんち50&難易度レベル7」の場合、攻撃力は基本値(コマンド失敗時)77、コマンド成功時100。この数値自体は、無強化状態かつ低難易度設定でも上回るギミックが後半登場しはじめる、という程度のもの。))が、出しやすすぎる上に「すごいの」ゲージを溜めやすすぎる。それに加えて「マグネハンド」は(難易度と直接は関係ないが)デミルのギミックでは希少なデバフ付加効果のある代物なので、補助武器としても少々度が過ぎる性能を誇る。


-隠しアイテムである『おしゃぶり』を集めるシステムについて。
--マップの怪しいところに隠された『おしゃぶり』を集め、とある町で会える「カイゾー」というキャラに渡せば、それまでに渡した数に応じて新たなギミックを貰う事が可能。シナリオを進めれば手に入るギミックと比べるとコマンドの癖が強いものの、威力や範囲、付加効果が優秀。
---サブイベントの報酬としてもおしゃぶりが手に入る事がある。サブイベント自体の質も高く、一定量までならば楽しみながらおしゃぶりを収集していける。
--しかしカイゾーから最後のギミックをもらうには180個ものおしゃぶりが必要になるのだが、マップ上のおしゃぶりを全部集めて、サブイベントで手に入るものも全て足しても&b(){100個ちょっと}しか集まらない。残り80個については、とあるキャラクターに最大まで溜めた「すごいの」メーターと交換してもらうことで入手しなければならないのである。
---ダンジョンに潜る→敵とエンカウントし、アクションコマンドを連続で成功させてすごいのポイントを満タンまで溜める→(仲間を変えてまたポイントを溜める)→町に戻り、ポイントをおしゃぶりをと交換する→ダンジョンに潜る……という作業を延々繰り返さねばならない。苦手なアクションコマンドが多い仲間が一人でもいる場合、おしゃぶり集めの効率においても悲しみを背負う事になってしまう。
---余ったおしゃぶりにも使い途がない。そもそも上記の仕様からまず余るものではないが。

-ヒロイン「パサラン」の情緒がやや不安定で、感受性が豊か過ぎる。
--作中で、敵が彼女の「ココロエネルギー」という5種類の感情のエネルギーを吸いとって、とある兵器の燃料にするシーンがあるのだが……
--悪役がバナナで転んだだけで笑い出す。しかも笑い声の一つに「ヒャーッハッハッハ」という台詞がある。
--他にも悪役が本を読み聞かせて「おじいさんとおばあさんが居ました」と言っただけで号泣する。
---ギャグシーンではあるのだが、自分が感情を顕わにすれば敵に利用されるのがわかりきっているのだから、少しくらい我慢できないものか。

----
**問題点

-「ドキドキ」系ギミックの中に、実力ではどうにもできない運ゲーのものがいくつかある。
--特に問題が大きいのは、デミルが序盤の必須イベントでもらえてしまう都合で装備から外す事ができない((デミルに限らないが、所持ギミックが5個未満の場合は装備ギミックを一切変更できず、所持ギミックが5個以上になってもギミックを必ず4個装備しなければならない仕様となっている。))期間が長い「いかりかざん」。
---複数枚ある伏せられたパネルから1つを選んで、そのパネルが当たりなら成功というギミック。これは難易度レベルを最低の1にしていても「完全に運で問答無用で20%の確率で失敗する」という代物であり、文字通りプレイヤースキルが一切介入できない唯一のギミックである。つまり、「いかりかざん」が外せない期間は「すごいの」の活用は諦める必要がある。
---ちなみに「いかりかざん」は難易度レベルが最高の7だと80%の確率で失敗する。これなんて[[マインドシーカー]]?
--次に問題が大きいのは、ソフビーが加入初期に必須イベントでもらえてしまい、やはり装備から外せない期間が長い「サンレーザー」。
---前述のデミルの「いかりかざん」とは異なり、「コマンド用の画面の中の画面外のどこかから飛んでくる玉を、自由に動かせる長方形のパドルでキャッチできたら成功」というものであり実力が介入する余地自体はあるのだが、難易度レベルの設定によっては「いかりかざん」に次ぐ運ゲー。「回収しようがない位置から回収しようがない角度で飛んで成す術なく失敗」という憂き目と常に隣り合わせ。


-ゲーム内で遊べるカードゲーム『ギミカ』というものがあるが、やりこみ要素としては問題点が目立つ。

#region(ギミカの詳細)

-ぶっちゃけた話、&b(){相当な運ゲー}である。

-掻い摘んでルールを説明すると、お互いのプレイヤーはHP200を持ち、4つの色に分かれ、各自個別のポイントがあるギミックカードを、手札(キャラカード)を毎ターン一枚使用して色やポイントを上下させながら戦うというもの。
--ゲーム全体としては、HP200をすべて失うか、5回勝負((当然だが、ギミックカードは毎回新たなものが配られる))が終わった時点で残りHPの少ないほうが負け、ということになる。
--勝敗は主に色で決まり、青>赤>黄>緑の順に強いが、緑は青にのみ勝てる。
--カードのポイントの大きい方から小さい方を引いた数字がダメージとなる。
--ギミックカードのポイントが勝敗に直接関係するのは同ランク同士の戦いのみで、この場合は単にポイントの高いほうが勝ち。
---例えば黄・85ポイントの「きっこうグローブ」と青・47ポイントの「Kワンワン」の組み合わせでは、85-47=38ポイントのダメージがきっこうグローブ側に与えられることになる。
---自分側のギミックカードは既に手に入れたギミックに応じて増える。ギミックカードのポイントは各ギミックの基礎攻撃力があてがわれており、後から手に入るギミックの方が基本的に強い。同色対決のことを考えればポイントが自分>相手の場合の方が有利なので、所有ギミックの多いほうが僅かに有利であるとはいえよう。

-まずお互いに出すギミックカードが完全ランダム。
--ギミックのポイント・色を上下させられるキャラカードは、12枚のデッキを組むことは出来るが、最初に5枚配られてから&b(){補充されない}。
---ゲームが進む毎に選択肢が狭まっていくことになる。とりわけ最終戦は選択の余地すらない。
--「カードを使用しない」という選択肢がない。
---例えば、「自分が青・47のKワンワン、相手が赤・27のマグネハンド」など、「自分の色が相手よりひとつ上かつポイントが自分>相手」の場合、自分が色変動のキャラカードを使いさえしなければ確実に勝てる((色を一気に2ランク変動させるカードは存在するが、所謂"クリア後"のようにギミカ本編(と言っていいほどの濃さはないが)がひと通り済んでから登場するものである))のに、手札にランク変動のカードしかなければ使わざるを得ない。
---キャラカードを使う=自分に有利であるならともかく、順当に行けば自分の不利にしかならない行動をなぜわざわざとらねばならないのか。
--「お互いの手札が開示されている」「5回勝負のお互いのギミックカードが最初から全部わかっている」などの要素があれば、まだしも戦略的に出来るはずなのだが……

-CPUの強さがおかしい。
--最弱のギミカマニア・次のセレモ辺りは前述の「色さえ変えなきゃ勝てる」ような状況でも平気で色を変えてくる。~
そしてその次の「エノキン博士」は妙に手強い。
---これは難易度の調整ミスというより、CPUの特性の問題であるように思われる。キャラカードは劇中のNPCが当て込まれているのだが、エノキン博士のキャラカード効果は「自分のキャラカードの色を1アップ」というもの。基本的には最も重要で有用なカードとなる。そして、CPUは自分のカードを多めに使ってくる傾向がある。

-上位のギミッカーと戦うためには、その下のランクの相手に10回も勝つ必要がある。
--公式ページに「セレモもギミカをやってるよ!」という文章が見られるが、まず最弱の『ギミカマニア』に勝って、ランクをアップしないと対戦してくれない。
---ギミカマニアによれば「ギミッカーは自分より弱い相手には興味が無い」とのこと。セレモにもこれが当てはまるとすればなんとも友達がいがない。
--また、ギミカで勝利すると賞金がもらえるのだが、序盤の弱い相手ではその額が非常に少ないので、旨味を感じられずこの時点でだれてしまう場合も。
--「弱い相手には興味が無い」だのといった話があるにもかかわらず、2ランク分兼任しているギミッカーが2名いる。名前のあるNPCが足りないわけでもないのに……。

-相手に勝てば賞金が貰えるが、負けても特に払う必要はない。が、上位の相手と戦うための勝利回数がひとつ巻き戻ってしまうので結局リセットした方がいい。
--それをしなくても、戦うギミッカーは概ね主人公の友達か知り合いであり、何度も戦っていると&b(){友達から金を毟り取り自分が負けても何もしない}というなんとも嫌な主人公像が誕生してしまう。

-他の役割と兼任しているギミッカーがおり、ギミカ勝負を挑めるようになるとやりたい行動に至るまでに操作を増やしてしまうことになる。
--チュートリアル要員のセレモは選択肢が増えるだけなのでまだしも、おしゃぶりを渡しにいってギミカ関連の話までしなければならないカイゾーなどはかなり面倒。
---別に本人でなくとも、そのキャラと近しいモブでもよかったのではないか。

#endregion

--もっともこのギミカ、賞金を貰える以外は本編とはまったく絡まないので、やらなきゃいいだけの話ではある。お金についても雑魚を狩った方がよっぽど効率がいい。
--ギミカで通信対戦もできるが、面白いかどうか以前に&b(){このゲームを持ってる友達が周りに居ない}というどうしようもない状況になりがち。

#co{-ラスボスが、仕組みが分からないと恐ろしく強いが対処法がノーヒント
--高威力の攻撃を出す本体、状態異常(鈍足と防御力ダウンの効果)をしてくるオプションに分かれているのだが、オプションを全滅させる前に本体に手を出すととてつもない手数で猛反撃してくるが、それについては完全なノーヒント。その仕組みが分からないと、レベルがカンストしていても普通に負ける可能性あり。
--その割には、ラスボスが奥の手として出す技は&bold(){全くと言って良い程強くない}。}

-子供向けとは思えないような&bold(){恐怖演出・グロ要素があり、一部の低年齢層プレイヤーにトラウマを植えつけた}。
--特に中盤の「ス・クリーム山」&bold(){(目玉を掴んで押したり引っ張ったりする)}、終盤マップ「バルサミドーム」がよく代表として取り上げられる。ゲージュツゲージュツ
--他にもスーパーキッズ「リルビ」が復活した「デスリルビ」の姿がグロテスクで、復活直後や再撃破直後のやりとりも凄惨。
---怪物みたいな姿に加え、口の中に元のリルビの顔があるというもの。復活前はスーパーキッズ中でも中々にかわいいグラフィックだったのに…。
--序盤から何度も登場し、コミカルなライバルキャラとして存在感を発揮する敵キャラ・ブリッキとゴリッキの末路も、直接的なホラー演出こそないものの非常に後味の悪い展開となっている。

-ラスボスを倒した後、する事が無い。
--上記の「ギミカ」「おしゃぶり集め」などがあるが、述べた通り問題点が目立つ為、楽しめるかどうかというと…。

----
**総評
良い点も多いが悪い点も多い作品。~
バグは無に等しく普通に遊べる出来である。~
かわいいキャラクターや斬新なギミック、質の高いBGMなどマイナーながらも隠れた名作として名を残しており、エンディングの内容も相俟って未だに続編希望の声が多い。
----
**余談
-4コマアンソロジーコミックが発売されている。
-今作の効果音が後に発売される『とっとこハム太郎4』に引き継がれている。

-なお、本作の完成度は任天堂に高く評価され、のちの『[[マリオ&ルイージRPG]]』シリーズが本作とほぼ同じスタッフによって開発された。
--制作スタッフとしては、マリオ&ルイージRPGシリーズが本作の系譜を辿っているとのこと。

-CMも作られたが、如何せん内容がろくすっぽ伝わってこない。

#region
&u2b(http://www.youtube.com/watch?v=0YO4absdLD0){480,320}
#endregion

--謎の歌を歌いながらオムライスにケチャップをかける、任天堂にはありがちな謎のCMである。
---ひたすら耳と印象には残るが…。

復元してよろしいですか?