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セプテントリオン」を以下のとおり復元します。
*セプテントリオン
【せぷてんとりおん】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000068HAB)[[高解像度で見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3544/2595/Septentrion_f.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/3544/2594/Septentrion_b.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|販売元|ヒューマン|~|
|発売・開発元|フィールド|~|
|発売日|1993年5月28日|~|
|定価|8,500円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|斬新な演出&br;制限時間はリアルで60分&br;ハード性能を活かしたゲーム性&br;権利問題ゆえに配信は絶望的|~|
|>|>|CENTER:''セプテントリオンシリーズ''&br;''SFC'' / [[~Out of the blue~>セプテントリオン ~Out of the blue~]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
映画の迫力と臨場感をゲームに持たせることを目的とした、シネマティックライブシリーズの第1弾。他には『[[クロックタワー]]』が有名。~
かつてヒューマンが経営していた業界初のゲーム開発専門学校「ヒューマンクリエイティヴスクール」が展開していた、在学生の優秀なアイデアを商品化する『生徒作品商品化プロジェクト』によって生まれた作品である。

プレイヤーは4人の乗客・乗員のうち1人を操作するキャラクターとして選び、海上で転覆し沈みつつある豪華客船から、他の生存者を助けつつ脱出する。

**ストーリー
>1921年9月13日午後7時11分。
>ハンブルトン沖合にて豪華客船レディクリサニア号は大嵐の中航海を続けていた。
>半年以上もの間この船に乗り続けている乗客達は不安を覚えながらもいつものように船内で贅沢な時間を過ごし、船員達は嵐によって次々と故障していく船内の対応に追われながらも他の船へ救援信号を送っていた。
>そんな中、記録的な大波がレディクリサニア号を直撃し……

&br()
#region(主人公と重要人物たち)
-&bold(){キャプリス・ウィッシャー}
--ランカスター在住の建築家。既に両親は亡く、かつて軍人である父の再婚相手が連れてきた義妹のエイミーが唯一の家族。エイミーの病気の治療のためレディクリサニア号に乗っていた。しかし航海の中でエイミーの病気が悪化し、自分にすがりついてくるエイミーを気遣いつつも内心鬱陶しく思っている葛藤を抱えている。
---上記の通り介護疲れを起こしているために性格がこじれており、「あんたのくだらないプライドのために死にたくないんでね」など悪い意味で相手にガツンと言ってしまう。会話の中で火に油を注いでしまい救助できない生存者も多い。事あるごとに舌打ちし、気に食わない相手には皮肉を飛ばし、更にはうっかりキレてしまう一幕も。
---重要人物のエイミーには複雑な心境を抱いており、そのためか唯一重要人物が死亡していてもグッド寄りのエンディングを迎えられる。ただし他のエンディングではむしろキャプリスが自らを投げ打ってまで義妹を大切に思う一面が見られるのでそういった面でもかなりこじれているキャラクター性だと言える。
---連れている生存者が落下死した時の台詞「&bold(){俺のせいじゃない、運が無かったんだ}」はある意味このゲーム全体を象徴する暴言。

-&bold(){レドウィン・ガードナー}
--ヘレフォード在住の牧師。レディクリサニア号の処女航海の記念に招待された。オープニングの時点からギャンブルと酒が大好きな生臭坊主っぷりを見せつける。牧師でありながら「人間は神に頼らず自分の力で生きていくべき」という信念を持っており、ゲーム中でも所々起こるイベントでその様子を見ることができる。ユーザーからの渾名は「牧師しゃん」。
---上記の信念に基づいた人生観と豪快な性格から説得がスムーズかつ痛快に進むため、登場する生存者であればほぼ全員を説得して救助することができる。1人だけレドウィンでは救助できない生存者((荒れ果てたバーで親友と共にワインを飲み漁っているペインズ。ジェフリーであれば説得可能。))も居るが、その生存者とも互いの価値観をぶつけ合う熱いやり取りが見られる。
---重要人物が3人も存在しており1人でも欠けるとバッドエンドが確定、3人揃っていても救助者の得点が足りないとエンディングでレドウィンが死亡するため生き残るにはベストエンディングを迎えるしかないというゲームシステム的に厳しい一面もある。

-&bold(){ルーク・ハインズ}
--リバプール出身の船員。レディクリサニア号が危険に曝されている中で乗客達のために救援を求めようとするが、余計な面倒を起こさず航海を続けたいオーナーのイスメイと対立する。
---救助できる生存者はキャプリスとだいたい同じだが説得に時間がかかったり説得するのに特定の生存者が必要な場合があるなど難航しやすい。若くて未熟な面もあり、相手に言い負かされることもしばしば起こる。
---重要人物はイスメイ。ベストエンディング以外でのルークは船員という立場やイスメイが面倒な性格をしているのもありかなり散々な目に遭う。ただしレドウィンとは違い重要人物が居なくても頑張れば生還可能。((イスメイを死なせてしまった場合はバッドエンド確定。))

-&bold(){ジェフリー・ハウエル}
--ノリッジ在住の医師。温和な性格で、妻のアデラと共に初めての船旅を満喫している。
---人生経験豊富な医者であり、後述のバグを除けばレドウィンよりも説得できる生存者が多い。%%割とキレ散らかしているレドウィンと違い、%%落ち着いた口調で相手を諭すので安心感がある。また、ジェフリーであれば怪我人や病人の体力が僅かに増える特典もある。
---重要人物のアデラが他の主人公でも救助可能であることもあり、何処にアデラが居るかという把握が容易。ベストエンディングを狙う上で難易度が最も低い主人公とも言える。

-&bold(){エイミー・マーカーソン}
--キャプリスの義妹。重い病を患っており、日に日に症状が悪化している。唯一の家族であるキャプリスの負担になっていることを自覚しており、キャプリスが居ないと不安に襲われる反面、「キャプリスは自分が居なければ楽になれるのでは」と重い苦悩に苛まれている少女。キャプリス以外が主人公の時は登場しない。
---システム的には体力こそ少ないが((実は怪我人のフランク、アラン、パメラと更に重い病気のマリーよりは体力が高い))他の生存者と同じように動けるので下記の奇行で連続ジャンプをキメてお前のような病人が居るか!とツッコミを入れられるのはお約束。

-&bold(){ステラ・アダムス}、&bold(){ハリー・アダムス}
--母親がホールのダンス会場で過ごしているため二人で船内を探索している姉弟の子供。ハリーは舌足らずでレドウィンのことを「牧師しゃん」と呼ぶ。この二人を連れている時しか起こらない悲劇的なイベントが存在する。レドウィンの重要人物であり、レドウィン以外が主人公の時は登場しない。
---二人とも得点がトップクラスであるためレドウィン編のベストエンディング達成を容易にしている。子供であるために体力こそ少ないもののエイミーよりはマシなので思ったよりは長く動ける。ハリーはとある場面でとんでもない根性を見せる。

-&bold(){ジャック・ハミルトン}
--アダムス姉弟のいとこ。二人と同様に母親がダンス会場で過ごしている。ハリーと喧嘩した事で母親に怒られてしまったため、何処かに失踪して行方が分からなくなっていた。レドウィンの重要人物の一人だが他の主人公でも救助可能。
---子供組の中では年長者であり、実は体力がジェフリー並みに高い。脱出ルートの通り道に存在していて得点も高いので大抵の場合彼を救助することになる。ただし船内が爆発した後でないと登場しないため、タイムアタック時は見捨てられる。

-&bold(){イスメイ・タウンゼント}
--レディクリサニア号のオーナー。典型的なワンマン経営者で嵐の中の航海を強行した、一連の事件の元凶。ルーク以外が主人公の時は登場しない。
---あまり助けたくなるような設定ではない上に得点も低いというとても面倒なキャラ。ベストエンディングを狙うなら救助は必須になるが、ルークが生還するだけならイスメイを救助する必要は無いので一種のやり込みプレイとして行える。
--なお、名前の元ネタはタイタニック号のオーナー「ジョセフ・ブルース・イズメイ」だと思われる。

-&bold(){アデラ・ハウエル}
--ジェフリーの妻。夫を強引にダンスに誘うなど気丈な面もあるが、転覆後は夫を信じて自室で待ち続けているしおらしさも。歩き方にも気品が溢れる淑女。ジェフリー以外の主人公でも救助可能。
---得点はやや低めだが分かりやすい場所に居る上に((近くにマリー、アンジェリカ、ケイト、バーバラなどの高得点キャラが多い))短い会話で救助できる。その上爆発後でも救助可能なので、他の救助者が事故死してしまった際などに余裕があれば救助したいキャラ。ただしルーク編では会話がやや長い上にジェフリーもついてくる……(後述)

#endregion

**特徴
-タイムリミットは“実際の時間で”60分。(ゲームプレイの実時間では沈没まで1時間だが、設定上では沈没まで6時間経過している)
--落下や火に触れるなどして操作キャラが死亡してもゲームオーバーにはならないが、タイムリミットから5分が引かれてしまう。
--60分経過すると船の完全な沈没が始まり……。起こっていること自体は単純なのに、操作しているキャラクターと連れている救助者の死への過程を生々しく見せつけられる演出の評価は高い。

-あくまで一般人としての登場人物
--操作キャラや生存者たちは一般人にすぎないため、あまり長いこと歩き回れば疲れるし、高いところから落ちたり落ちてくる障害物にぶつかったり疲労が限界に達したり溺れたりすれば死ぬ。
---前述のように操作キャラは時間と引き換えに復活できるが、他の生存者は死んでしまったら復活することは無い。ただし操作キャラも水中で溺れた場合残り時間に関わらずゲームオーバーになってしまう。
---各乗客には個別のポイントと体力が設定されており、怪我・病気持ちであったり女性であれば、死にやすい代わりにエンディング時の評価が高い。

-定期的に船が傾いて地形が変化する。
--傾きの方向はランダム。またゲーム開始から30分が経過すると船内で爆発が起こり、傾きの度合いが増し、更に地形が変化しやすくなる。
---例えば地面が突然壁もしくは天井になり、通路を歩いていたはずが垂直落下、なんて事態が起こる。移動先が高所かつ足場が無い状態で連れていた生存者が全員落下死……というのも特定の場所かつ船の傾き次第では発生しうる。プレイを重ねることで危険な場所や通行可能な場所が分かるようになり、攻略ルートの構築ができるようになってくる。
---場所によっては船が傾く直前に起こる揺れの際に椅子、ガラス等が落下してくるためこちらも回避しなければならない。なお操作キャラ以外には落下物は当たらない。

-救助やその他多くのイベントは全て会話による説得で行われる。
--プレイヤーは相手の特定の台詞に対して返答するか無視するかを選択可能で、これにより展開が変化していく。相手によっては途中で部屋の中にあるものを探して取りに行く展開もある。

-マルチエンディング
--ベストエンディングを迎えるにはプレイヤーごとに決められた重要人物を生きたまま助け、且つ体力のない女性や子供を優先的に救助して得点を稼いだ上で脱出する事。
--しかし重要人物を死なせてしまった場合やそもそも救助しなかった場合のエンディングも味のあるものになっているため、敢えてそちらのエンディングを狙うプレイングをする意義もある。

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**評価点
-スーパーファミコンのオブジェ回転機能をゲーム性に取り入れたアイディア。

-要所に盛り込まれた人間ドラマ
--主人公ごとに救助者の反応も異なり、しかもそれぞれが違った味を持った人間ドラマとして成立している。例え救助できないキャラ相手でも会話パターンがとにかく豊富で、主人公毎に会話を発見していく楽しみがある。

-曲数こそアレンジ含めて12,3曲ほどだが映画さながらの緊迫したBGM。
--ゲーム中は特定の部屋に入ったりイベントが起こらない限り1曲のみ流れ続けるが、この1曲が船が転覆して周囲が死屍累々という絶望感とそこからの脱出に臨む焦燥感を表している秀逸なもので、ずっと聴いていても飽きないようになっている。

-沈没船という極限状況に説得力を持たせたゲームシステムなどの点が評価され、ベストエンドに至った時の達成感は例え難い。


**賛否両論点
-ゲームとしてハードルが高い
--パニックの再現の一環ではあるが、以下のような理由から慣れるまではゲーム自体にかなり翻弄される。
---それに加えマップの理解も不可欠であり、そして何より船内の傾きを有利に運ぶ運が重要になる。
--状況説明もそこそこに、開始から少し経ったらすぐに船が転覆し、脱出を迫られる。
--客船の中はかなり広く、一度の探索で全てを把握するのはまず不可能。
---地図をくれる人はいるが、パイプラインなどの構造まではさすがに載っていない。初見ではまず、どこに行けば良いのか分からず迷い死ぬだろう。
--定期的なランダム地形変化のため脱出ルートが特定しづらかったり、傾きに生存者が引っかかって誘導に悪影響が出たりする。
---この点は、タイミング次第でまさに映画でよく見る「運命の悪戯」になり得る。何のことは無い隙間を跳び越えようとしたらちょうど船が傾いて……と言う、ただのアクションゲームの経過でしか無いのに、どんなイベントよりもドラマティックな展開が生まれる。
---逆にマップの傾きによって通常のジャンプでは届かない箇所に行けるなど、進行を手助けする場合も多々ある。
--生存者を連れていくには会話による説得が必要なため、せっかく生存者を見つけてもすぐに連れて行けるわけではなく、更にゴール近くのイベントで起こる別の生存者グループとの対話では、言い負かされると仲間が全員連れて行かれ、救助不可能になってしまう。((連れていかれた仲間は全員死亡扱いになる。なお、主人公がキャプリスかジェフリーかつまだ重要人物を救助していないのであればここから引き返してベストエンディングを狙うことが可能で、その際は別の生存者グループは再登場しない。))
---なお一定の条件を満たしていると別の生存者グループは登場しない。制限時間を超過して船が沈没寸前である・船が爆発していない・主人公がレドウィンかジェフリーであれば逆に別の生存者グループから生存者を引き抜くイベントが起こるので予め生存者の上限まで救助しておく、というものなので後者二つに関しては狙って達成するとプレイ時間を短縮できる。

-主人公の体力設定があまり機能していない
--主人公によって体力に違いがあるように設定されているが、操作している主人公の体力は水中を泳ぐ際のみ影響する。しかし水没したパイプラインなどを逆走する等わざと水中を泳がせ続けない限り溺死するような場所はゲーム中存在しない。また、主人公のみ水中から地上に出れば体力が全開するので完全に水没している部屋以外ではまず警告メッセージも出てこない。
--最も体力が少ないジェフリーでも水中で2分以上は持つので、主人公による体力の差はゲーム進行にほとんど影響を及ぼさない。&bold(){全キャラ中最高の体力を持つルークが主人公の時に至ってはルークが溺れる前に連れている生存者が全員溺れ死ぬ。}

**問題点
-生存者の行動パターンがあまり賢くない
--慣れない内は思うように誘導できない。ちょっと複雑な地形にすぐに引っかかったり、溝を飛び越えさせようとしたらしくじって転落死したり……なんてザラ。
---&bold(){奇行}に走ってる最中も当然体力が減っているため、放っておいたり気付かないままで居ると突然過労死してしまうことも。

-思わせぶりで救助できないキャラが居る
--ある場所にエレベーターに閉じ込められたので助けてほしいという船員2名が居るが、プレイヤーがどう足掻いてもこの2人を救助することはできない((この2人は主人公によっては名前を名乗るが、内部的には死体などと同じモブキャラ扱いなので最初から救助することを想定されていない。))。更に救助できないからと言って無視していると罵倒してくる。通行するだけなら罵倒される前に部屋移動出来るので分かっていれば罵倒を聞くことは無いが……
---この2人を救助しようとエレベーターの柵を焼き切るバーナーやすぐ隣の部屋で瀕死になっている技師を助ける方法を探したプレイヤーも居たのでは。

-主人公に選ばなかった場合の他の主人公候補の扱いが雑
--主人公の一人であるルーク、ジェフリーは他の主人公で救助する機会があるが、何故か得点が設定されておらず救助しても0点扱いで全くメリットが無い。特にジェフリーは得点が高いキャラであるアデラと同時に救助することになるので場合によってはプレイヤーにわざと始末されることも……

-得点の関係で男性キャラを救助しにくい
--重傷を負っているアランは救助すれば女性キャラ並みの5点が加算されるが、他の男性陣は一律2点か3点に設定されており上記の通り0点のキャラすら居るのでこれを知っていると男性キャラを救助する選択肢を選びづらくなってしまう。
---一度に連れて歩ける生存者は7人までなので男性キャラをほいほい救助しているとベストエンディングを迎える余裕が無くなるという理由が一番大きい。とはいえ、重要人物の得点が低いルーク以外は3人までは救助する余裕があるし(その後は高得点の生存者を狙う必要があるが)、レドウィンは重要人物の3人以外を全員男性にしてもベストエンディングに行けるのでゲームシステムを理解できれば男性だらけでも良いエンディングを迎えることはできる。

-内容がおかしいエンディングが存在する
--レドウィンかルークで重要人物を全員救助しつつ得点が不足していた時のエンディングが該当。どちらも重要人物の道連れにされた主人公が死亡する展開になるのだが、その後の生還者一覧で該当する重要人物がちゃっかり生還しているのが分かる。
---ルークの場合は重要人物が死にきれなかった、という解釈は出来るものの、レドウィンは子供である重要人物が危険なボイラー室を単身で往復して脱出ということになるので違和感がかなり強い描写になる。

-進行に関わる重大なバグがある(特にジェフリー)
--キャプリスで重要人物を救助せずエンディングを迎えるとBGMがバグってフリーズすることがある。
--レドウィンがエイカーズを連れた状態でアランを説得しようとすると説得の途中でエイカーズがアランと重なるような位置に移動して会話がそれ以上進まなくなる会話ルートがある。((説得の際にエイカーズに一切話しかけないか、エイカーズをアランと同じ部屋に入れなければ回避可能。))
--ジェフリーではとある部屋の死体に話しかけると不自然なメッセージが表示される、他の主人公では救助できるスミス一家との会話が途中から進行しなくなり救助不可能((内部的にはバグで進行しない先の会話データも入っており、怪我をしているパメラの体力もしっかり上がっている。なお海外版では修正されてジェフリーでも救助可能になっている。))、アンジェリカの得点が他の主人公で救助した時と比べて低い、丁寧口調の男性キャラが疲労時に台詞を話さない((ネルソン、アランが該当。特にアランは負傷しており体力が少ないので影響が深刻。))などやたら不具合が多い。

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**総評
難しさを持つゲームシステムだが、シネマティックな雰囲気とベストエンドに至った時の達成感の凄まじさはSFCのゲームでも随一。~
プレイヤーの中にはスーファミの最高傑作として本作の名を挙げる者も少なくはない。

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**余談
-本作は1972年の海洋パニック映画『ポセイドンアドベンチャー』のオマージュであるとされる。
--海上で転覆した豪華客船、民間人が生存者を率いて脱出を図る、などのシチュエーションもさることながら、プレイヤーの一人であるレドウィン牧師が、映画の主人公であるスコット牧師と類似した特徴を持っていることからもそれが分かるようになっている。
--またエンディングでは実際の映画のスタッフロールを思わせる「架空の出演俳優の紹介」が挿入される。ちなみにレドウィン牧師役俳優の名前は、スコット牧師役の俳優ジーン・ハックマン(Gene Hackman)をもじったJean Hickman。
-時代設定は、1912年の「タイタニック沈没事件」を意識してか1921年となっている。

-本作にはストーリー・設定を一新した同名、サブタイトルつきの[[PSリメイク版>セプテントリオン ~Out of the blue~]]が存在する。
--しかし、ゲーム性を無視したポリゴン化がなされた上にストーリーもグダグダになってしまい、ファンからは黒歴史と見なされている、
//衝突が起こっても「乗客に不安がらせないため」と何もしない船長、なのにいつの間にか始まっている浸水、その中で緊張感も無くちんたらと人探しをしている乗務員、など突っ込みどころが多く、駄作としてスーファミ版の支持者からは無かったものと見做されている。
//---しかも元を差し置いてこちらのリメイクの方が先にゲームアーカイブスで配信される事態も起こった。場所によっては捨て値で売られてるのに誰得?
//他記事が既に存在するシリーズ作品の余談における批判的記述はほどほどに。

-本作の版権は、ヒューマン倒産ののち株式会社ハムスターに引き継がれたが、本作のゲームデザインを手がけた木邨圭太氏が著作権を主張しており、キナ臭い事態になっている。
--「ゲームセンターCX」で本作に挑戦しているが、以前から挑戦候補に挙がってたものの中々許可が下りなかったらしい。またCS放送分ではハムスターと木邨の名が並んで載っていたが、DVD収録分では木邨の名前のみが載っていた。
--こういった事情があるため、原作の現行機への移植は絶望的かもしれない。
//近年の状況に応じてバーチャルコンソールから現行機への移植に差し替え。

-没要素が意外と多い。没生存者1名((ブライアン・ディクスター。スタッフロールのCAST欄に居る謎の人物のROBERTとは別人))と多くの没台詞が存在し、特に後者は船内の状況を生々しく実況するキャプリスやプレイヤーの生存者を連れ去ろうとする未登場の人物、一向に脱出できない主人公に悪態をつく救助者など開発初期の構想を垣間見ることができる。
--重要人物のエイミー、イスメイにも通常範疇では見ることが出来ない船底を棒で叩くモーションが用意されていたりする。特にイスメイのあまりにやる気の無い叩き方はある意味必見。

-海外では「SOS」というタイトル名義でVIC東海から発売。上記のジェフリー関係のバグを修正し、生存者の得点配分が見直されてルークとジェフリーが高得点になった事に加えて男性キャラを救助してもベストエンディングを迎えやすくなっているなどバランスの調整が入っている。
--一方でエンディングでの生還者一覧の主人公の名前がどの主人公でもルークに化けるなど珍妙なバグが起こっていたりする……

復元してよろしいですか?