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がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~」を以下のとおり復元します。
*がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~
【がんばれごえもん ねおももやまばくふのおどり】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000069TXJ)|
|対応機種|ニンテンドウ64|~|
|メディア|128MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|1997年8月7日|~|
|定価|9,345円(税込)|~|
|セーブデータ数|3つ(コントローラパック必須)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク>がんばれゴエモンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
コナミの人気アクションゲーム「がんばれゴエモン」シリーズのニンテンドウ64版第1作。シリーズ初の3Dアクションゲームとして制作された。

ゲームシステムは「[[3>がんばれゴエモン3 ~獅子重禄兵衛のからくり卍固め~]]」のシステムを踏襲したアクションアドベンチャーとなっており、お馴染みレギュラー4人組を切り替え個々の能力を活かして進んでいく。

シリーズ恒例の江戸時代をパロディ化した世界観や笑えるギャグ、コミカルなキャラクターは健在である。

**ストーリー
>のどかなある日のこと。
>飯屋で食事をしていたゴエモンだが、同席していたエビス丸が勘定をまけてもらおうと~
裸踊りを始めたため、激怒した店主に追い出されてしまう。~
そんな時、ふと上空を見上げると、桃の形をした謎の飛行物体が大江戸城に接近し、~
謎のビームを発射して城をへんてこな形に作り変えてしまった。
>
>殿様の頼みを受けて犯人を捕まえるべく旅立ったゴエモンたちはサスケとヤエを仲間に加え、~
事の首謀者であるミュージカルスター、春風弾神(はるかぜだんしん)とマーガレット蘭子率いる謎の組織、~
「ネオ桃山幕府」が目論む「日本全土舞台化計画」の野望を阻止すべく立ち向かうのであった。

**ゲーム概要
本作はSF要素の強かった前2作からシリーズの原点に立ち返り、日本諸国が主な舞台となる。~
各地の町・村・茶店とそれらを繋ぐ街道を行き来して情報を集め、敵の城に乗り込んで謎を解き奥に待ち構えるボスを倒すことでシナリオを進めていく。~
SFC版「3」「きらきら道中」から引き続きキャラクターチェンジシステムを搭載しており、ゴエモン、エビス丸、サスケ、ヤエの4人の能力を使いわけて進む。~
使用キャラクターはCボタン下で変更することができる。

''ライフ''
-初期体力は5で、招き猫を取ると最大値が増えていく。残機数は初期の段階で3だが、大入り袋を取ると増える。
--ライフが無くなるとミスとなって残機が減少し、残機0でゲームオーバー。
--落下穴に落ちた場合は即死扱いにはならず、ライフ減少の上、復帰ポイント(その地点の入り口)からの再開となる。
---一部の城に存在するプレス系のトラップに圧し潰されるとライフ残量に拘わらず即死となる。
--コンティニュー後は最後にセーブした地点からの再会となる。セーブ時には所持金と残機数も記録される。

''武器・術''
-メインウェポン
--3段階のレベルがあり、道中のイベントで強化される。
--本作では攻撃ボタンを連打することで三連続攻撃ができる。

-サブウェポン
--一部を除いて所持金を消費するため、お金が足りないと使用できない。

-今作も引き続き「術」が使用可能で、道中の修行イベントにて習得できる。

''キャラクター性能''~
メインウェポンはいずれも至近距離にやや広い攻撃判定がある((武器レベル上昇により範囲が広がっていく))が、振り回し方向の都合でゴエモンとエビス丸は縦・サスケとヤエは横に判定が大きい。

-''ゴエモン''
--メインウェポン:キセル
--サブウェポン1:チェーンキセル
---射程が長く(ただし左右方向の判定は通常キセルより狭い)卍ブロックに引っかけて空中移動することも出来る。攻撃力はレベル1固定。
--サブウェポン2:小判(1両消費) 溜め攻撃:炎の小判(3両消費)
---溜め攻撃は当たった敵を貫通する能力が付与されている他、特定の仕掛けに火を付けることもできる。
--術:一触即発の術
---怒りを爆発させ、しばらくの間重い鉄箱を動かせるようになる。更に発動中は攻撃力が2倍になるが、同時に受けるダメージも2倍になるというデメリットもつく。また、術の発動には10両が必要。

-''エビス丸''
--メインウェポン:小槌
--サブウェポン1:ミートの小槌
---倒した敵から出てくるアイテムが必ず団子になる。攻撃力はレベル1固定。
--サブウェポン2:からくりカメラ
---溜め押しで使用し、隠された仕掛けや、幽霊系の敵を実体化できる。武器ではないので攻撃判定はない。
--術:ちびエビスンの術
---小人になって接触判定が小さくなり狭い隙間を通れるようになる。ただし使用中は攻撃不可で、ジャンプ力や移動速度も低下する。

-''サスケ''
--メインウェポン:くない
--特殊ウェポン:チョンマゲ
---武器欄には表示されず、「Bを押しながらZ」で上方、「Zで伏せながらB」で前方にチョンマゲを伸ばして攻撃する。攻撃力はレベル1固定。
--サブウェポン1:花火爆弾(1両消費)
---射程と引き換えに全サブウェポン中、トップクラスの攻撃範囲を誇る。特定のヒビ入り壁を壊すこともできる。
--サブウェポン2:極寒のくない(1両消費) 溜め攻撃:くない激氷破(3両消費)3方向同時発射。
---当たった相手を倒せなかった場合でも、敵の動きを一時的に止めることが可能。(ただし、ごく一部ではあるが極寒のくないで凍結できない敵もいる。)((公式ガイド本では「すぐ熱くなる性格」「茹でたて」のためそれぞれ無効という説明がある。))
---特定の熱い浮遊床を一定時間冷却し、ダメージ無く乗れる状態にするといった使い方も。
--術:飛行の術
---通常よりも高いジャンプができる。

-''ヤエ''
--メインウェポン:忍び刀
---武器レベルがアップするとBボタンの長押しにより敵の弾を受け流す「剣シールド」が使用可能になる。使用中は移動不可。
--サブウェポン1:ヤエバズーカ(1両消費)、溜め攻撃:ロックオンバズーカ(3両消費)溜め押しで敵をロックオンし追尾性能付きの弾を3方向に同時発射する。
--サブウェポン2:小竜太の笛
---移動専用のアイテム。竜神の子「小竜太」を召還し、到達済みの町・村・城・茶店へ自由に移動できる。建物内では無効だが、洞窟内では使用可能。
--術:人魚変化の術
---水上でのみ使用可能で、人魚に変身して潜水可能になる。潜水中はダッシュアタック(Bボタン)で攻撃可能。変身は水上でのみ可能。

''インパクト戦''~
本作のインパクト戦は旧作同様、油とエネルギーを稼ぐ前哨戦ステージと巨大メカ戦の二部構成で、仕様は『マッギネス』に準じる。

-前哨戦ステージ
--『マッギネス』での高速アクションステージが久々に復活した。
--本作では斜め後ろ側から見た視点で高速移動するインパクトを操作し、敵や敵基地を破壊することでエネルギーと小判を稼いでいく。~
地形に引っかかったり衝突したりするとエネルギーを失う。

-インパクトボス戦
--お馴染みの主観視点によるコマンド入力型アクションバトル。基本はこれまでを踏襲しており、「3」同様のコマンド入力による必殺技を駆使して戦う。~
本作では十字キーは使用せず3Dスティックは照準カーソル合わせに使うので方向キー入力はCボタンユニットで行う。
--各種基本のパンチ攻撃とお馴染みの必殺技に加え、新たに格闘攻撃の「ぼよよんキック」とビーム攻撃の「んが砲」((格闘系の技でダメージを与えると「んがゲージ」が増加し満タンの時にのみ「んが砲」を撃つことができる。))が追加された。~
この他にも公式コンボ技が4種類用意されている。(いずれも最後に敵をダウンさせる効果あり)
--従来のシリーズでは敵が近づいてきたときに迎撃するのがメインだったが、今作は敵を引き寄せる「チェーンキセル」が追加され、積極的に攻めることが可能となった。
--バトル空間も完全に3D化されて360度の立体視点が取り入れられており、照準カーソル合わせに視点の横回転・上下移動という奥行きが加わった。~
注意しないと四角に回り込まれることもあるため、より戦闘の緊張感が増した。

#region(インパクト戦の各種コマンド)
|名称|コマンド|威力|備考|
|左パンチ|B|30|出が早く右パンチより隙が少ない|
|右パンチ|A|80|出が遅く隙があるが、威力が高く敵をダウンさせる。|
|ハナ小判|Z|5|金1消費|
|チェーンキセル|R|20|敵を引き寄せる|
|百烈パンチ|↑↓↑+A|10×命中数||
|ぼよよんキック|↓↓+A|100|敵をダウンさせる|
|んが砲|↑→↓←(or↑←↓→)+Z|400|ゲージMAX時のみ|
|防御|→→(or←←)|-|ダメージを1/5にする|
|連拳コンボ|BBA|160|コンボ技|
|連脚コンボ|BBBA|200|コンボ技|
|突撃コンボ|BARRA|250|コンボ技|
|百裂天空キック|百烈パンチ中A連打|300((百烈パンチのヒット回数で変化する、「300」というのは公式ガイドブックの記載値。なおパンチの方は百「烈」だが、キックの方は百「裂」と表記されている。))|コンボ技|
#endregion

--
**評価点
-アクションゲームとしては難易度は低めだが、シリーズ初の3Dアクションゲームであることや購買層を考えるとちょうど良いとも言える。
--操作性やカメラワークなどは悪くなく、同時期のゲーム中では及第点の出来栄えと評価可能。((見落とされがちだが視点はRボタンを押しながら各Cボタン・3Dスティック(最接近時のみ)で操作可能。))

-和風情緒と旅情感溢れる作風への回帰。
--フィールドは、日本各地の景観や風土をコンパクトながらも上手く再現しており、のんびりと諸国漫遊をしている気分でプレイできる。
--城ステージでは、歌舞伎の舞台を模したステージや、障害物がすべて食べ物のステージなど、従来の賑やかなお笑い要素が満載。

-恒例のパロディ要素
--本作の敵役である悪のミュージカル軍団ことネオ桃山幕府は宝塚歌劇団のパロディとなっている。
--首領二人組みの名前が実在の宝塚女優の名前から取られている他、インパクト戦の最後の相手となる巨大ロボの名前が歌劇団のトップスターに与えられる称号から取られていたり、キーアイテムである4つのミラクルアイテムがそれぞれ宝塚の5つの組名にちなんでいたりと、細かいところまでパロディが含まれている、

-BGMの評価が高い。
--フィールドは和風を基調としたのどかな曲調で、前述した旅情的な雰囲気をつくるのに一役買っている。反面ダンジョンでは、ノリが良い熱い曲が流れこちらも人気が高い。
--ダンジョンのより深部に進むにつれ曲が段階的にバージョンアップするという凝った演出も有り。
--特にヤマトのテーマ「ヤマトナデシコタビノハナ」、トサ~イヨのテーマ「夕焼け Want you」、サブまりん城のテーマ「熱血マン」など、非常に評価の高い曲がそろっている。
//特筆すべき曲としては、その2曲よりもふさわしいものがいくらでもあると思うんだが。選ぶのが難しいとはいえ・・・
//他は「殿様救出大作戦!」「逢いたくて未練階段」「ハートブレイクコロリン」「Goe Goe Spark」辺りかな? ↑三曲が知名度ダントツとは思うけど
--オープニングに影山ヒロノブ、インパクトのテーマに水木一郎など豪華アニソン歌手を起用し、テレビアニメのオープニングさながらにボーカル入りのテーマ曲が流れる。弾神と蘭子のミュージカルシーンでは、この為にわざわざ呼んできたという''プロのオペラ歌手が歌っている。''

-スピード感溢れるインパクト高速ステージ。
--建物や敵を踏み潰しながら猛進する内容となっており、爽快感に溢れている。
--また橋に蹴躓いたり、大きめの障害物と衝突したりなどして大破してしまったインパクトの姿はかなり笑える。

-インパクト戦は3D化によりスピード感は若干落ちたが、視点移動の要素が加わってより立体的な迫力が増し、ロボットバトルならではの重量感溢れる戦いを繰り広げられる。

-招き猫を集めて体力の最大値を増やすことができ、すべて集めてクリアすると全巨大メカ戦を勝ち抜くボス連戦モードが追加される。

**賛否両論点
''難易度の低さ''~
-従来のシリーズ作品に比べ、アクションの難易度が非常に低い。
--その大きな原因は''操作キャラの異様なまでの体力の多さ。''初期状態ですでにハート5つもあるのに敵の攻撃はほぼ全て「1回ハート1/2」のダメージで固定((とある大型敵に当たった場合はハート一個分削られる。しかし気付いたプレイヤーはほとんどいないのではなかろうか。))。~
つまり初期状態で回復なしでも9回まで敵との接触が大丈夫という事になる。敵にぶつかる頻度は同じ3Dゲームの[[スーパーマリオ64]]並で、ハート一個分の回復アイテムである団子も多めの頻度で手に入り、場所によってはハート完全回復のキラキラ団子も少なくないためそう簡単には死なない。エビス丸のサブウェポン「ミートの小槌」を入手すれば回復アイテムの入手頻度を更に上げられるため、ますます死に難くなってしまう。~
そして招き猫を集めていくとどんどん体力が上がり、最終的にハート20個(39回までならダメージを受けてもOK)にまで上昇する。((参考までに旧作の例を挙げると、「ゆき姫」では初期体力値が8メモリで1回で2ダメージ、特定のボスの攻撃では1回で4ダメージ。体力の最大値は16。道中に回復アイテムはあるにはあるが数は少ない。更にステージクリアするとゲージが初期化されてしまう。「マッギネス」では同じく1回1/2ダメージで体力初期が3・最大が5、道中に回復アイテムがほとんどなかった。))((本作の初期値と体力設定が同じアクションゲームの例としては「星のカービィ3」もあるが、あちらは無敵時間がかなり短く、また自機の挙動も遅めなのでバランスが取れている。))
--上述の通り、『3』同様、穴に落ちても即死にならず「体力がハート1/2個分減ってそのエリアの入り口から」という仕様なので転落のペナルティが小さく、上記の体力の高さもあってまず死なない。
---唯一、プレス系の罠(一部の城にのみ存在)の下敷きになってしまうと即死。体力0になった際自動で回復してくれる各種おにぎりも、押し潰し系の罠で死亡した場合は効果を発揮できないままに没収されてしまう。
--上記の点は、ハードの主力購買層やシリーズ初の3Dアクションであること、当時は3Dアクション自体が新興間もなくユーザーにとってなじみの薄いジャンルであったことを考慮した上での配慮とも考えられる。~
しかし、元々ゴエモンシリーズは難易度が高めな傾向にあるため、従来のファンからは特にこの点で批判が多い。

-大江戸ツーリストの存在意義が薄い。
--ツーリストに初到着後に起きるイベントをクリアしてからでないと利用できない上、10両払ってアワジ島~えらやっちゃ村(アワ)間の移動しかできない。更に言えばイベントクリア直後に笛をもらって自由にワープができるようになるのでわざわざお金を払って施設を利用する必要が無い。~
ヤエのサブウェポン「小竜太の笛」を入手するためのイベント上の通過点的な扱いであり、ツーリスト自体を使う意義はほぼない。
---唯一、利用が必須になるケースは「笛を貰ってすぐに本州側に戻った場合」。笛をもらった直後の状態では四国側にワープ先の登録がされていないため直ぐに本州へ戻ってしまうとワープで四国に行けなくなってしまう。~
但しこれも、笛を貰った場所のすぐ近くにある扉を1つくぐるだけで阿波の「えらやっちゃ村」がワープ先として自動登録される為、大抵のプレイヤーは余裕を持って回避可能である。

''キャラごとの格差が微妙に大きい''
-過去作と比べてバランスはそれなりに取られてはいる方だが、ゲーム進行につれて格差が広がる感はやはりある。
--水中戦のエキスパートであり、強力な遠距離武器を入手出来るヤエや、当たり判定が小さく汎用性の高い飛行の術を覚えるサスケと比べると、他の二人は術も限られた部分でしか活用出来ない。これが災いし、終盤ではこの二人を集中して活用しがちになってしまう。
---特にサスケの飛行の術は強力で、大概の仕掛けを大ジャンプで乗り越えてゴリ押し出来るため、意識してキャラクターを使い分けないと、最終ステージでは気付けばサスケだけを使っている状況になりがち。
---ただし、これらの二人の武器や術は作中後半、サスケの飛行の術に至っては最終ステージ手前になって習得出来るものであり、それ以前に絞って言えば他二人の相対的な有用性は変わらない。後述のようにゴエモンとエビス丸にもそれなりの長所があるので全く使えないわけではない。

-ゴエモンの場合、チェーンキセルのお陰で全キャラ中で唯一、小判を消費せずに中距離攻撃が可能(サスケのちょんまげよりリーチが長い)で、~
遠距離攻撃の小判投げは連射が利くためダメージソースとしては最も重宝する。

-エビス丸に関しては、サブウェポン、専用の術のいずれも用途が戦闘や謎解きの補助に限られていて直接的なダメージソースにはならないため、普通に使っていればほぼピンポイント要員扱いになってしまうが、それ以外の部分でも長所がないわけではない。
--具体的には上述のミートのこづちにより救済措置的武器を唯一持ち、こづちの当たり判定が広い点があげられる。~
いずれも使い所は限られていて地味ではあるが、エビス丸の武器攻撃の軌道は上段からの振り下ろしであり、攻撃が横方向のヤエとは見かけ以上に当たり判定が広く、軌道は近いが武器が小さく見かけ以上に当たり判定が狭いゴエモンやサスケにも勝る。~
この特徴は、自分の上方から飛んでくる敵や攻撃を迎撃する時に特に活かされ、戦う相手次第では他のキャラクターより大分有利に立ち回れる。
//各キャラ独自の長所はあり、一応ピンポイント以外の使い所も有る程度はあるので、賛否両論項へ移動


**問題点
''3Dゲーム特有の問題点''
-本作は3Dアクション黎明期の作品ゆえ、洗練された対策がなされていないというのも致し方無い側面はあるが、下記のような粗や配慮不足も見られる。
--敵や足場との距離感が掴みづらく、軸定めもやりにくい。3Dゲームに慣れていないプレイヤーだと、序盤の敵に攻撃を当てたり足場を飛び移ったりするだけでも一苦労。
--現在の3Dゲームでは標準装備となった「視点の向きを固定して移動する」機能が存在しておらず、また「その場で向きを変える」のもキャラ視点(移動・攻撃不可)状態にならないとできない。
---このため、チェーンキセルや飛び道具を狙いたい方向に飛ばすのに難儀する事が多い。勿論、そこまで緻密に狙わずとも仕掛けの解除は可能ではあるのだが。

''武器レベルが強化されるタイミングが遅い''
-第二段階への強化は未攻略の城がラストダンジョンである「ゴージャス・ミュージカル城」含め二つになった時点でのイベント終了後。
--更に最後のパワーアップはミュージカル城の中間地点で発生するイベント消化後という、あまりにも遅すぎるタイミング。
--順当に進めていれば、第二段階へ強化した時点で残っているボス敵は全てインパクト戦の為、その強さをほぼ実感できずにゲームが終わってしまう。

''インパクト戦関連''
-視界の上下・360度回転・上下移動が可能になった分立体的な迫力が増したが、メーター類が見えづらくなった。

-ゴエモン・インパクトのシーン全般(ボス戦含む)でポーズ(小休止)が不可能。その為、休憩したくてもぶっ続けで戦わなくてはならない。

-搭乗デモのスキップが不可。
--これはマッギネスの時同様、デモシーンと高速アクションステージのBGMが共有となっているためと思われるが、デモ自体が旧作よりも長くなったため、ボス戦の度に見なくてはならないのはさすがに煩わしい。

-必殺技が増えたものの各技の威力・使い勝手の差が激しく、特定の技の連発だけで有利に運べてしまう。
--とにかく百烈パンチが強い。
---1発1発のダメージは10と低いが、連続で殴る回数が多い分ダメージ量は非常に大きい。~
さらに「コマンドが入力しやすく出も早い」「攻撃回数が多いのですぐにんがゲージが溜まる」「技中Aボタン連打で百裂天空キックに移行し相手をダウンさせられる」という強みもある。~
また、前作では「パンチゲージがMAX状態のときにしか放てない」という制限があった((とはいえ、ほんの数秒足らずでゲージが満タンになってしまうのであって無きがごとしであったが。))が、本作では制限自体が存在しないので好きなだけ放てる。~
更に敵を引き寄せるチェーンキセルの追加により「敵を引き寄せる→百列パンチ」というお手軽な強力コンボが存在している。~
「当てるタイミングによってダメージ量が減る」「技の持続時間が長いので空ぶると隙だらけ」という欠点はあるものの、明らかにメリットの方が大きく、とにかく百烈パンチ絡みの技さえ出しておけばかなり有利となってしまう。
--公式コンボ4種類も格差が大きい。
---コマンドが非常にお手軽な「百裂天空キック」が一番高威力な反面、他の3つはタイミングが面倒な割に全て威力が低い。
--これらの要因もあり、インパクト戦自体の難易度は「3」同様、低い。

-視点移動の追加による操作形態の変更上、技コマンドの方向キー入力がCボタンに置き換えられたため右手を忙しく動かさなくてはならなくなった。~
Cボタンのサイズが小さいこともあり、やや入力し辛くなっている。

-戦闘時の演出面も若干さびしくなった。
--インパクト搭乗デモ自体は更に凝った演出になったが、3D化に伴って戦闘中のコックピット側のキャラクター表示が省略された他、戦闘開始前や撃破後の敵パイロットとのやり取りもなくなった。

''その他システム面''
-取り返しのつかない要素
--ラストダンジョンに入ると以前の場所に戻ることができなくなる。万が一、他の場所で手に入る招き猫を1つでも取り忘れたまま旅日記をつけてしまうと、最初からやり直す以外に取り返しがつかなくなる。((ミュージカル城突入前に体力がハート18個分になっていれば、そこまでに入手可能な招き猫を全て回収できていると判断していいだろう))

-小竜太の笛でワープ移動する際の演出がスキップできない。
--演出が終わるまで10数秒近くはかかるので、ワープで移動を繰り返す際にテンポが悪くなる。

-セーブにコントローラパックが必須
--一応、パックを未使用の状態でも記録をつけられるが、一時的なセーブに過ぎないため、電源OFFにする・リセットボタンを押すのいずれかでデータは消滅してしまう。また、コンテニュー画面でゲーム終了を選んだ場合もそれまでにつけてきた記録は保持されず消滅する。
--コントローラパック自体の普及率があまり高くなかったのだが、ソフト同梱版はでていない。今から実機で遊ぶには、ハードとソフトの他にコントローラパックを手に入れなくてはならない。普及率が高くなかっただけに、中古でもそれなりに値がついている。その上、内臓電池の消耗という問題もある。また、コントローラーパックはデータ破損が起き易いため、運が悪いとデータが消えて最初からやり直しにもなりかねない。

''その他残念な点''
-二人プレイができない。
--ゴエモンシリーズでは定番の要素なだけに、この点は惜しまれた。
--これについては、「3Dアクションで二人プレイという技術的な問題が最後まで解決できなかった為、廃止されるに至った」と、開発に携わったスタッフの一人が64ドリーム内の特集で行われた質問に対しコメントした。
--&bold(){開発初期のバージョンには試験的に二人同時プレイが実装されていた}。64ドリーム(現:ニンテンドードリーム)などの雑誌において、そのスクリーンショット(イメージCG)を拝むことができる

-クリア後の出入りが不可能な城ステージがある。
--本作の城ステージはラストダンジョンであるゴージャスミュージカル城を除き、クリア後も自由に出入りが可能だが、第4ステージのサブまりん城のみ、話しの流れの都合上クリア後はマップ上から完全に消滅し、二度と入れなくなってしまう。
--タイトル通りの熱血感溢れるBGMと食べ物をモチーフとしたギミックで構成されたユニークさで人気のダンジョンなだけに、この点は不評である。
---招き猫が全く配置されていないため招き猫コンプに影響しない点は良心的ではあるが。

-せっかく日本各地のあらゆる国が舞台なのに、全く登場しない地域も少なくない。
--中盤で行けるようになる思ったとたんにとある重大な事件に巻き込まれる九州をのぞけば、琉球と蝦夷((両方とも江戸時代は「日本」と呼ぶには微妙な地域だが、旧作では前者は「ゆき姫救出~」「~マッギネス」ではステージとして、後者は「~マッギネス」で丸ごとエリア5として収録。))は地図にすら無く、本州でも地図の地形表示のみで一切行くことの出来ない地域((主に北陸道、琵琶湖、他多数の地域))が有ったりもする。
---いずれも、とある場所からテレポートできる「めおと岩」((説明はほぼ無いに等しいが、地図上の現在位置を見る限り「伊勢」と思われる))のように、何らかのおまけ的な道中や町村などとして収録しても良かったのでは、という意見も有る。~
容量上いれる余裕がなかった可能性もあるのでこれだけで問題とは言い切れないところもあるが。

**総評
3Dゲーム黎明期の作品ゆえに粗もあるが、シリーズ初の3Dアクションながらゲームとしてのバランスの悪さやシステム的に難のある部分は少なく、3Dアクションの基礎的な部分もきっちりと作りこまれている。過去作と比して異例とも言えるほどの難易度の低さは旧作からのファンにとっては批判点として受け取られやすいが、その分、箱庭系3Dアクションゲームが苦手な人にもお勧めできる。

グラフィック、音楽、演出、ゲーム性全ての面において、これまでのシリーズの良点を受け継ぎつつ3Dアクションゲームとして昇華させ、ハードを移した新たなゴエモンシリーズの初代作品として高い完成度を持った良作である。

**余談
-パッケージや説明書で公に表記されてないが、実は、&bold(){ゴエモン・インパクトのボス戦にだけ振動パックに対応している。}
--攻撃のヒット、んが砲、ボスの爆発などでブルブル震える。何故、このシーンに限って対応させたのかは謎。
--振動パックとコントローラパックは挿入箇所が共通の為、試すにあたっては旅日記(セーブ)との二者択一。~
その上、抜き差し可能なタイミングの指示などは存在せずプレイ中の差し替え自体が可能なのかも不明。
---加えて、振動パックを差したまま起動すると''パックエラー警告画面から先に進めなくなってしまう''((パック無しで起動し、後から振動パックをつけてもリセットを指示されるだけで、結局進めない。))。~
そのため、上記の振動機能は単に消し忘れただけのものと考えられる。
--データ破損や誤動作等の原因になりかねないので、試したければデータが消えても良いコントローラパックを準備した上で確認してみるのが望ましい。
//途中で差し替えても正しく動作するとは限らず、データが壊れる恐れも有るのでは?ディディーコングレーシングのように、途中で差し替え可能なタイミングを指示してくれるでもなし・・・
//振動パックではゲームが起動できないため追記

-バランスブレイカー級のバグが複数存在している。[[ゴエモンはバグが多くって…>がんばれゴエモン ~でろでろ道中 オバケてんこ盛り~]]
--有名なのは操作キャラに反応する物体を全て消滅させる「地図バグ」。フリーズする危険性と隣り合わせの技だが、これだけでも大幅なシーケンスブレイクが可能。
--さらに、ゴエモンとサスケで「サブウェポン連射による浮遊移動((サスケは「極寒のくない」を入手する必要がある。))」、エビス丸で「ポリゴン抜けバグ」を実行可能。後者は猶予1フレーム(=0.015秒)という精密動作を要求されるためTAS((「Tool-Assisted Speedrun」若しくは「Tool-Assisted Superplay」の略。外部ツールを使用し、実際のゲーム機で理論上実現可能な範囲内でのスーパープレイや最速クリアを目指す遊び方のこと。))でもなければ使えないテクニック…かと思いきや、人力でやってしまう人がいるというのだから恐ろしい。
--一応いずれのバグも封印は容易で、通常のプレイをする上で支障をきたす類のものではないのが救いか。

-珍しくサスケが仲間になるのが三番目ではなく四番目。
--序列では従来通り三番目らしく、ポーズ画面や交代の順番は三番目に位置している。
--厳密にはゴエモンとの出会いはヤエよりもサスケのほうが先(三番目)。しかし、ある理由によりその時点ではプレイヤーキャラクターとして使用できず、後のイベントをこなすことにより操作できるようになる。

-無料冊子「コナミスタイルマガジン」や「コナミマガジン」で一応本作関連のとてもシュールなゴエモンの漫画が連載されていた。描いたのは開発スタッフでもあるまつもと氏。

-海外でも発売されている。海外版の名前は「''Mystical Ninja starring Goemon''」
--また、海外ではチェーンキセルを引っ掛けられるブロックのマークが卍から★マークに変更されている。卍は[[ナチス>ヒットラーの復活 TOP SECRET]]を連想させるためだろうか。

-本作を題材にした漫画タイプのゲームブックが過去に出版された。

//クリア動画を貼らないように。&br()
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