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BAROQUE」を以下のとおり復元します。
*BAROQUE
【ばろっく】
|ジャンル|RPG|#amazon(B000069SCX)|
|対応機種|セガサターン&br()プレイステーション|~|
|発売・開発元|スティング|~|
|発売日|【SS】1998年5月21日&br()【PS】1999年10月28日|~|
|価格|7,140円|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2007年12月26日/600円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
スティングが発売した一人称視点RPG。~
独特で陰鬱、退廃的で暗い世界観が特徴的だが、その独特さが多くのプレイヤーを魅了し多数の派生作品を生み出した。~
一部ホラーな演出や鬱イベントもあるので、それらが苦手な人は注意。なお、PS版は『BAROQUE 歪んだ妄想』とサブタイトルが付いている。

**ストーリー
''「大熱波」''と呼ばれる災害で、人も物も「歪んでしまった」世界。その世界で目を覚ました記憶喪失の青年がいた。~
彼は体が透けた謎の男・上級天使により、世界を元に戻すため神経塔の奥に座する神を殺せと命じられる。~
神を殺すための武器''天使銃''を渡された彼は、自身に残る「罪の意識」や「引き裂かれた感覚」の真実を知るため、神経塔へ向かうのであった。

**特徴・評価点
-本作は一人称視点を採用し、ハック&スラッシュをメインに据えたローグライクRPGとなっている。
--一人称視点のリアルタイム進行である点を除けば『不思議のダンジョンシリーズ』などと同様に、ランダムで構造が変化する神経塔を降りていきランダムで配置されるアイテムを入手しつつクリアを目指すこととなる。
--同じく一人称視点を採用したRPGの『キングスフィールドシリーズ』と異なり、避けながら一方的に攻撃するといったアクション要素はない。
-プレイヤーにはHPとVP(バイタリティポイント)というステータスがあり、HPが0になれば死亡し外に放り出される。VPは時間経過と共に減っていき、VPがある限りHPが自動回復する。
--HPは肉、VPは心臓を食べることで回復できる。これらのアイテムには「腐った肉」や「焼き心臓」といった種別があり、種類によって回復量が変わったりステータス異常を起こしてしまうこともある。
-MPに該当するステータスはなく、魔法は「刑具」や「骨」、「箱」といったアイテムを使うことで発動する。
--「骨」は比較的入手しやすいアイテムで、投げると敵を追跡して攻撃する「追尾骨」、かじると階段のある場所へワープできる「再階骨」などがある。使い方は「かじる」と「投げる」で、それぞれで効果が異なる。
--「刑具」「箱」は入手しづらいレアアイテムだが、投げることで敵全体に攻撃できたり、回復効果があるなど強力なモノが多い。
-装備品は「剣」と「コート」「偽翼」の3種類だが、''「寄生虫」''によって耐性やステータス強化を得ることも出来る。
--アイテムは特定の場所にいる「呪葬天使」に渡すことで合成出来、装備品なら属性を付加したり強化することが可能。また、劣化したアイテムを回復してくれる。
--前述の「天使銃」はあらゆる敵を一撃で葬り去る最強武器だが、弾数制限があり使いどころが難しい。
-この他にも踏むと回復や罠などの効果がある「紋様」ステータスを強化できる「注入液」など様々なアイテムが登場する。
--『不思議のダンジョンシリーズ』同様にアイテムは未鑑定の場合もあり、実際に使ったり装備、または「判明骨」を使うまで不明なものもある。装備したものが呪われているといった罠も当然あり、ローグライクとしての骨子はしっかりしている。

-神経塔の外にも世界は広がっているが、移動できる場所は限定されている。
--外の世界や神経塔内には上級天使をはじめとした歪んでしまった人物たちがおり、会話が可能。また、少数だがザコ敵も出現する。
--登場人物たちも独特でまともな外見をしたものはまずいない。キリンのように長い首を持つ「首の者」、主人公の心を読んで言葉にする「角女」など外見も独特だが、ストーリーが進むたびに妄執や未練など様々な感情を吐露する様は哀愁漂う。なお、主人公は喋る事が出来ないため、角女の言葉が主人公の心情や口調を知る手がかりともなっている。
--彼らの言葉を聞くことで世界の背景、物語の真相が少しずつ明かされていく。

-以上のように、本作は登場するアイテム、ストーリー、キャラクター全てにおいて陰鬱で独特な世界観を築いている。全体的に暗い世界はプレイヤーを強烈に惹きつけるものがあり、この世界にドップリハマったプレイヤーも多い。
-ゲームバランスは「死んで覚える」を地で行くバランスのため、慣れない序盤は死にまくる。死亡すると当然レベルとアイテムを失ったうえで外に放り出される。
--だが、ダンジョン内で死ぬことで先に進むヒントが見つかったり、「死ぬ」事自体が物語を構成する重要なファクターとなっており、厳しめながら練られたゲームバランスになっている。主人公は多数のクローンが存在しており、ダンジョン内で死亡すると次のクローンが目を覚ましてプレイヤーとなる。ローグライクでは当たり前の「死ぬと外に出され、レベルやアイテムを失う」という要素もこうして理由付けされている。
--特定の場所にある「感覚球」にアイテムを投げることで外に放り出しておくことが出来、回収可能。PS版ではアイテムを送ると外にいる「物の者」が拾い、彼を殴ることで回収できる。が、彼の袋には容量制限があるため、容量を超えると送り返されてしまうようになった。容量はアイテムリストが埋まることで増えていく。
--神経塔以外に「カンオケ男」が主催するダンジョンがあり、挑戦することが出来る。ゲーム開始直後はチュートリアルもしてくれる。

-PS版ではNPCの台詞をリスト化した「シーンリスト」、物の者に預けたアイテムが一覧化された「アイテムリスト」、一度見たムービーを見返せる「ムービーリスト」といったやりこみ要素が追加された他、クリア後に挑戦できる高難易度ダンジョン「地獄ダンジョン」の追加や多数の修正点がある。

**問題点
-一人称視点ということもあり、ローグライクRPGとしては操作性に癖がある。
--大抵の敵は足音がなく、サラウンドでもないので背後から突然攻撃されることも多い。
--カメラを上下に向けられないため、足元を確認できないなど不便な場合がある。
--HPの自然回復は時間経過制のため、『不思議のダンジョン』のように足踏みで高速回復などが出来ない。

-ストーリーを進行するにはフラグを立てる必要があるのだが、そのフラグが分かり難い。
--一応、進展に応じてNPCの反応が変化したり行ける場所が増えるといった要素がある。

**総評
独特で強烈な世界観は人を選ぶものの、本作最大の魅力でもある。~
一方で1つのローグライクゲームとして見ても、骨太な作りの光る良作といえる。

**リメイク・派生作品
-バロックシンドローム
--PS向けに発売されたアドベンチャー。大熱波前の世界を描く。
-バロックタイピング
--PC向けネットワーク対戦対応のタイピングゲーム。
-バロックシューティング
--PC向け縦シューティング。本作のマスコット(?)である天使虫リトルが主役。
-PS2とWii向けにリメイクされている。
--こちらでは三人称視点への変更やキャラにボイスが付くなど多くの変更が行われている。
--また、天使虫リトルと創造維持神のデザインがPS2の規定により大きく変更されている。

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