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*アークザラッドII 【あーくざらっどつー】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000069SPT)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジークラフト|~| |発売日|1996年11月1日|~| |価格|6,090円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~| |廉価版|PlayStation the Best:1998年7月9日/2,940円&br()PS one Books:2001年11月22日/1,890円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年11月14日/600円(PS3非対応)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[アークザラッドシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1176.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 『アークザラッド』の続編。「光と音のRPG」がキャッチフレーズ。 [[「シナリオが短く中途半端」と批判された前作>アークザラッド]]の完結編的位置づけでもある。 ---- **特徴 -新しい主役『エルク』やシナリオを用意しながら、前作で決着をつけられなかった敵とも決着をつけられるようになった。 --鬱ゲーとまではいかないがストーリーは全体的に暗く、主要キャラの家族・友人といった大切な人物の死別が何度も描かれ、人類世界が破滅に向かっていく様が何度も描写される。 //ネタバレ。特に、ラスボスの直前に大きな災厄が起き、塔の高みにいたアーク一行以外の生物がほぼ息絶えてしまうというイベントが名高い。3でいう「大災厄」であり、その情け容赦ない破滅ぶりは新桃太郎伝説のカルラの悪行やFF6の世界崩壊に引けを取らない。またラスボスを封じるための聖櫃も破壊されてしまううえ、精霊力の衰えも激しく描写されるので終末感が半端ない。しかし、ドラマ性を高めるためとはいえ、ここまで完膚なきまでに世界を崩壊させてしまったせいで、続編以後のシナリオの出来に大きく響くことになった。特に直系の3は世界が崩壊しきった後の世界であるため2とはあまり関係がなくなっている。←ネタバレはregionタグでやりましょう。うっかり見てしまいます。それに異様に長いです。他ゲームに例えるのも知らない人にはよろしくない。またこの時点で存在しない3のことは3の記事で記述するべきです。 ---ゲーム開始直後のオープニングから虐殺シーンが始まるあたりで察して欲しい。また、EDの内容も有名である。 --もちろん鬱や暗い展開一辺倒ではなく、希望的な明るい展開や心温まる感動的なエピソード、シュールなギャグやメタ発言なども数多く存在する。 -反面、シナリオのボリュームは膨大で、特に悪役「四将軍」の1人ガルアーノとの戦いはストーリーの半分ほどを占め、ガルアーノ本人との戦いもBGM"四天王戦"との相乗効果で迫力がある。前作の問題点でもあったボリューム不足を補って余りありすぎる大作となっており、「茶碗一杯で少なすぎると文句を言ったら炊飯機ごと出てきた」と某雑誌のレビューでもネタにされた。 -魅力あるキャラクター。 --前作の見どころだった「随所で声優によって吹き込まれた台詞を喋る」は健在。またドット絵ながら多彩なアニメーションを見せるのも魅力の1つ。 --本作での仲間は新キャラ7人((火のエルク・水のシャンテ・風のシュウ・地のリーザ・光のグルガ・闇のサニア・属性なしのヂークベック。))+前作の七英雄5人((前作も仲間キャラは7人だったが、一人はストーリーの関係でスポット参戦、もう一人は司令官的ポジションで非戦闘員になっている(代わりに彼の特殊能力で召喚できた召喚獣が仲間になる)。))+隠しキャラ1人+αとかなり多く、これに加えてモンスターを仲間に加えることが可能(後述)。 ---ただし戦闘に参加できるのは5人まで。またモンスターは防具を装備できないため、防御力や状態異常耐性に劣る。 --新キャラ・旧キャラ問わず、全員に''必ず1回以上は個別エピソード・見せ場が存在''するため、ストーリーでのキャラの空気化はほとんど無いと言っていい。((但し、序盤でほぼ決着が付いてしまうシャンテや、水先案内人という立ち位置のポコとゴーゲンはやや出番が少ない。)) -より進化した戦闘システム。 --戦闘システムは基本的に前作と同じなのだが、攻撃時のエフェクトやSE、スピード感は大きく進化。『槍』や『マシンガン』など遠距離に攻撃できるものをはじめ、武器の種類も大きく増えた。 --一部を除いたほぼ全てのキャラクターは、2~3種類の武器を装備可能。これにより様々な戦い方が可能となった。アニメーションも各種個別に用意されている。 --各武器には熟練度システムが設けられており、これが上がる事でより高いダメージを与えられるようになり、攻撃エフェクトも多彩化していく。 --魔法や技などの特殊能力の数も大幅に増えた。また、前作と違ってレベル1-3を任意で使い分けられるようになり、利便性が大きく向上している。 ---ただし、ディバイドや天の裁き等の一部の魔法は最大レベルでの射程範囲がレベル2の時と変わらなくなり、微妙に弱体化しているものもある。 -前作には存在しなかった「店でのアイテムの売買」が可能となった。 --元々前作は自由度が低くRPGというよりはむしろシミュレーションに近いシステムだったが、本作から一般的なRPGに近いシステムとなり、各種ショップやサブイベントが追加されたという経緯がある。 -武具・アクセサリー・アイテムの成長システム --キャラクターや特殊能力はおろか、武器などにもレベルが設けられており、戦闘で使い込む事でより強力になっていく。 ---また、武器によっては名前が変化し、能力値上昇やステータス異常付加などの様々な特殊効果が付くものもある。 -鍛冶屋・合成屋システム --武具の成長システムに伴い鍛冶屋システムを追加、費用を支払う事で武具を強くする事ができる。 ---また、前述の特殊効果の追加はこの鍛冶屋でも可能。中には鍛冶屋でしか追加できない特殊効果もある。 --一定条件を満たす事で、レベルの上昇とは別に、最大レベルの底上げや最大攻撃力の更なる向上を行う事ができるようになる。 ---ランダム要素がある上に膨大なお金が掛かるのでかなり骨が折れるが、膨大な時間と乱数の果てを極めると鬼のように強くなる。 --特定のアイテム複数を使用して強力なアイテムを作り出す「合成屋」なる店も存在する。 ---後述のバグで出なくなったアイテムを素材とする合成アイテムがあるため、2重の意味でアイテムコンプリートは不可能になっている。 -コンバートシステム --前作『アークザラッド』のセーブデータを引き継ぐ事が出来る。 --前作からのメンバーのステータスがそのまま引き継がれ、コンバート専用アイテムや前作にまつわるイベントの追加挿入などの特典がある。 --後に様々なゲームに受け継がれる機能だが、プレイステーションではこのゲームで初めて使用された。 -仲間モンスターシステム --キャラクターの一人であるリーザが特殊能力「ラヴィッシュ」を使用する事で、一定確率でモンスターを仲間にできる。 ---ただしアークデーモンやTYPE-Aクローン、ボスなどの一部のモンスターは仲間にならない。 --クラスチェンジ(条件付き)を利用する事で仲間モンスターを別種のモンスターにチェンジさせる事ができる。 ---クラスチェンジをすると姿または色が変化し、ステータスが変動する他、変化させたモンスターの持つ特殊能力を新たに覚えさせる事ができる。 --上述のようにモンスターは防具やアクセサリーを装備できないという大きなハンデがあるが、人間キャラには無い独自の強みを持つ上位モンスターであれば、十分にスタメンとして使っていける。 ---例としては、防御率・回避率が極めて高い、移動力が高い、豊富で強力な特殊能力を持つ、アンデッド特性(普通の攻撃で死んでもHP1で行動不能の死体として残り、少し後に全回復して復活する、ただし死体に追撃されると死亡する)等。 -モンスター図鑑 --前作同様、プレイヤーキャラやモンスターの情報を閲覧できる図鑑。 --リーザの特殊能力「調べる」をモンスター(敵味方問わず)に使用すると、モンスター図鑑にてそのモンスターの情報が詳細に記されるという一種の収集要素がある。 --今作ではプレイヤーキャラやモンスターの種類が前作の2.5倍以上と大幅に増えているが、モンスターのクラスチェンジや、特定キャラの特殊能力「チェンジエネミー」を活用すれば図鑑を埋めていくのは比較的容易。 -ギルド --依頼をこなしたり、各ギルドにポスターに貼られている指名手配モンスターを倒すことによって現金の報酬と「ギルドポイント」を受け取ることが出来るというもの。 ---依頼の中には分岐やミニイベントがあり、その結果によって報酬を全額もらえる大成功の他に中成功・小成功・失敗が存在する。当然大成功以外は報酬が落ち、大成功以外が多いと「ギルドポイントを一定以上得る」という条件が必要な依頼が開始できなくなる。 ---ゲーム内では全く書かれてないが依頼はストーリーが進むと消滅してしまうため、サブイベントなどのメリットを最大限に得るためには出ている依頼はどんどん受けていき解決していくべきである。依頼人と話して仕事を開始してから依頼達成に時間をかけたり、ギルドで依頼を受ける時期自体が遅いと悪い結末になるものも一部ある。 ---手配モンスターはおおむねレアアイテムを持っており、倒すか盗むかして入手できる。手配モンスターの中には依頼の途中に立ちふさがるものも存在するので、全てのアイテムを見るためには依頼も手配モンスターもこなす必要がある。 ---依頼の遂行や手配モンスター討伐を請け負うことで、サイドストーリーを楽しむことが出来るようになった。 -改名 --ほとんどのアイテム、仲間モンスターを改名可能。漢字もある程度備わっている。 ---ただこのことがアイテム最大所持数を落としている可能性もあるが…。 //---この時期のRPGには時折あるシステムだが、このボリュームでバグなく実装できているのが素晴らしい。←この点においてバグがないかもしれないが下記のバグが多い記述と合わせると変なのでカット。 -こういった多彩なシステムにより、ディスク1枚のみでありながらやり込み要素が恐ろしい事になっており、サブイベントをも網羅すると100時間近いプレイ時間となる。しかしその詰め込み具合が災いして、後述のようにディスク面のキズや汚れに非常に弱い。 -BGMはF1のテーマこと「TRUTH」や『グランツーリスモ』のメインテーマ「Moon Over The Castle」などでおなじみの安藤まさひろ(T-SQUARE)が前作から引き続き担当。明快なメロディでダイレクトに感情に訴えかけてくる楽曲の数々はいずれも名曲揃い。前作の曲も多く使用されている。 -非常に高い自由度 --グレイシーヌ攻略後は世界を巡ることができるため、封印の遺跡を攻略するもよし、ギルド仕事をクリアしまくるもよし、仲間モンスターを集めるもよし。 ---- **賛否両論点 -アイテム欄が99しかなく、中盤以降はすぐいっぱいになってしまう。アイテムコンプリートは不可能。 --ギルドの依頼のイベントに依頼成功させても捨てられず使うこともできないアイテムが残ってしまうものがある。プレイの利便性を考えてその依頼を無視するのも手。 --ただしアイテム欄が限られているからこそ、アイテムの取捨選択という思考性があったり、プレイヤーによって所持アイテムの構成が変わってきたりして、面白い部分でもある。 -攻略情報がないと''極めて気付きにくい''要素や取り返しがつかないものが多い。 --期間限定のギルド仕事で、また仕事を大量にこなすことが発生条件で報酬も貴重な「海龍の卵返却」、レベルアップ時にキャラの攻撃力に成長ボーナスをつける武器「骸」、入る期間が限定されている海底油田の指名手配モンスターなど。 ---発売当時は攻略本や雑誌による情報を見るまでこれらに気づかなかったプレイヤーも多かった。 //---ギルド仕事の発生条件も、「指名手配書」を見る、ギルドに出入りするなどややこしいものがある。 //そのふたつも通常のプレイでも別にややこしくはない。 --鍛冶屋の仕事追加は後で挽回は可能であるものの、やはり気付きにくい。 --他にも期間限定の魔物、特定のイベント戦闘でしか会えない魔物が多い。ラヴィッシュで捕まえたいときは要注意。 ---- **バグ 本作はバグが非常に多い。~ 関連しているかどうかは不明だが、データ量が非常に多いため、ディスクにちょっとでも傷がつくと何かしらの不具合やリードミスが起きる可能性がある。 -データ上は存在するが通常プレイでは絶対に入手不能なアイテムが相当数存在する。特に「紫の思い出草」は早い段階で合成用素材として確認できるが、絶対に入手できない。 --一部は解析によって仕様上のミスで入手不能になってしまっているということが明らかになっている。よほどデバッグ期間が短かったのだろうか。 -フリーズも多く、また特定の施設に入るだけでブラックアウトする事もある。 --特定の特技を使うと必ずフリーズする、特定の町へ入ると必ずフリーズするといった報告もあるほど。 -条件を満たしてしまうと完全にシナリオが進行不能になってしまう凶悪なバグも搭載。 --その状態で上書きセーブしてしまうと1からやり直しという罠まである。 -他にも大小様々なバグが数多く存在する。中には故意に起こせてプレイヤーに有利に働くものもあるが。 --マザークレアの館が特にバグが多く、装備できないはずのアイテムが装備できるなどの不具合が多い。 --最大HPとMPが限界値に達するという、''もはや笑うしかない''バグもある。実際にやってみた動画は[[こちら>http://www.nicovideo.jp/watch/sm1043878]]。何故このようなことが起こるかは不明。 -マザークレアの館で特技を追加すると、本来習得する特技が習得できなくなる。 --これを防ぐには1キャラにつき用意された特技8コを全て習得してから追加する必要がある。 ---人間キャラはマザークレアに辿り着く前にほぼ確実に8コ習得できるが、召喚獣や仲間モンスターはなかなか揃わない。また仲間モンスターはマザークレアの館でさまざまな種類にクラスチェンジさせて8コ揃えた後に特技を追加という手順をとる必要がある。 -ベスト版では多数のバグが修正されており、現在配信されているアーカイブス版はこれがベースとなっている。 -その他、各バグについては[[こちらのページ>http://www.geocities.jp/a_ri_no_su/arc2/databasetop.html]]を参照 ---- **問題点 -敵を倒した際の演出 --敵をまとめて倒しても撃破時のアニメーションは順に1つ1つ消化されていく。その為雑魚をまとめて倒した時などでは無駄に時間が掛かってしまう。 --前作では同時に倒した場合は一斉に消えていったのだが。今作では敵を倒した後に資金を入手した事を表す演出が入るため、処理の関係でまとめて同時にはできなかったのだろう。 -終盤の難易度がややきつめ。育成に適した狩場がほとんど存在せず味方のレベルが上げにくくなるのに対し、敵のレベルは変わらずに上がっていく。 --必ず仲間になるメインキャラだけでも10名以上、これに加えて召喚獣、ちょこ、パンディットという準メインキャラに仲間モンスターまで含めると総勢20名を超えることも珍しくない。~ にも関わらず出撃枠は5名分しか無く、明らかにバランスが取れていないのも拍車をかけている。 --主力メンバーを5名前後に抑えて育成すれば極端にレベル差は開かないが(というよりそうせざるをえないが)、いくつかパーティを二手に分けて同時攻略しなければならない場面が存在するのが厄介。 ---ヂークベックの経験値分配機能を使えばある程度解消されるが、ヂークベック自体があまり強くないキャラな上に完全に作業プレイ状態になってしまうのも辛い。~ また、この方法では武器の熟練度や魔法経験値が伸び悩むので完全に対策できるとも言い難い。~ ---実は終盤の稼ぎ用に用意されるはずだったと思しき没マップが見つかっていたりする。正式に実装されていれば解消されていた問題点だったかもしれない。 //-後半以降敵レベルが急なインフレーションを起こし、敵のLVと能力値が上がる。味方キャラを均等に使っていると到底追いつけない。むしろ絞っていてもきつい。 //--正確には、敵レベルのインフレではなくこちらのレベルアップが遅くなる。 //--ギルド仕事や封印の遺跡等のサブイベントをフルにこなしていてもきつい。 //--にも関わらず北極・南極の塔で2PTに分かれるため10人LVを上げておかねばならずそもそも絞るわけにもいかない。 //↑攻略情報ありきの部分なのでカット //攻略情報ありきって・・・そういう問題じゃないと思う。何も知らずに北極南極の塔に入ってしまって「初めて」10人育成するべきことに気付き結局育成することになる。それまで育成していなかったキャラを適正にするには時間がかかるし、攻略情報無しということはどちらにボスがいるのか知らない=どちらにエースを連れていけばいいかわからない。 //--また味方キャラが多いのに対して出撃枠が5人と少ないこともあってメンバーが使いやすいキャラで固定化しやすい。 //--通常攻撃の命中率は自分と敵のLV差で決まるため、後半は攻撃を外しまくってイライラする。 //---『命中率』というパラメータがステータス画面にあるわけでもなく、LV差が命中率に影響するという説明があるわけでもないため、上記のLVの上げにくさと相まってなかなか解決方法に気付かない。人によっては魔法一辺倒になり、トッシュ等が不遇と化す。 //---特にヂークベックの武器と攻撃力は空気と言ってよい。 //--以上の問題は、ヂークベックを利用した経験値稼ぎという方法で解決が可能である。しかしインターネットにより攻略情報が出回っている今だから言えることであり、初見でこのような『小技』はガイドブックを使ってもまず気付かない。 -ラヴィッシュで捕獲不可能なモンスターが十数種類も存在する。しかもゲーム中で一切説明無し。判別する方法も無し。 --モンスターの捕獲育成もかなり人気が高くかつ大きな要素の一つであり、さすがにこれは不親切と言わざるをえない。 //-捕獲可能なモンスターと捕獲不可能なモンスターの区別が分かりづらく((実はモンスター図鑑にLV255で登録されるモンスターはラヴィッシュ不可。最高位モンスターやデーモン系、アピス系などが相当する。しかしこういった説明はゲーム中で一切ない。))、そのような相手にはラヴィッシュは徒労に終わる。 ---- **総評 特徴には書かなかったが、本作の世界観は、ある国がビルの立ち並ぶ近代都市なら、ある国は城を構える中世的な都市、ある国はウエスタン、と様々な文化を取り入れているのが特徴だが、このゲーム自体も他の様々な名作RPGの面白い要素を多く取り入れ、それらを大ボリュームを持った一作に纏め上げているのが本作の最大の評価点であり、名作RPGとして名を連ねる理由であろう。~ 一方で装備品やアイテムの強化と仲間モンスターの強化といったやり込み要素はおそらく''スタッフでも想定外''であり、''大量のバグ''も含めてそれらを未だに研究をしているチームがある。上記で紹介したページもそのチームの一部なので興味がある人は一度覗いてみるといい。後世にまで愛されることは良いことである。どうも何かが間違っている気もするが・・・ ---- **その後の展開 -ファンディスクとして『アークザラッドII モンスターゲームwithカジノゲーム』が発売。~ 前作の悪役が傲慢な口調でカジノを取り仕切り、自分で仲間にしたモンスター・キャラクターを戦わせる「闘技場」がメインコンテンツ。詳しくは後述。 -後に続編の『[[アークザラッドIII>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1175.html]]』が発売されたが、元々発売する予定は無く開発元も変更されたためか賛否が大きく分かれる。~ さらにその後『[[精霊の黄昏>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/719.html]]』『[[ジェネレーション>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/5146.html]]』などのシリーズが発売されるものの、3同様賛否が大きい。 ---- **余談 -シリーズの中で特に多くのメディアミックス展開がなされている。 --少年ガンガンにて本作の漫画版「アークザラッドII~炎のエルク~」が西川秀明氏によって連載されていた。 ---過去作の「Z MAN」同様、「燃える少年漫画でありつつ、心の闇も描いて」おり、白い家やジーンを主体に途中からは独自の展開に進んで行った。また、アンデルやジーンといった一部キャラの容姿がゲームと大幅に異なっている。~ 今では「職業:殺し屋」や「偽書ゲッターロボ」で有名になっている為、そちらの読者が見ると作風の違いに驚く事だろう。((ただし元々氏はドラクエ4コマや少年漫画をメインに描いていた。)) ---また、ガンガンWINGで「アークザラッドII~炎のエルク~〈SEVENFOLD STORIES〉」というタイトルでキャラ個別の短編も短期連載しており、そちらも1冊のコミックスとして発売されている。 --休刊してしまった「月刊少年ギャグ王」にて、藤凪かおる女史による連載もあった。 ---休刊の都合か、ガルアーノを倒したところで終わってしまう。大筋は原作通りに進むものの、掲載紙のためにかなりのギャグ重視作品になっている。 --1999年には本作をベースとしたアニメ版がWOWOWにて放映。 ---一部のキャストがゲーム版が異なり(上記の漫画版のドラマCDではゲームと同じキャストだった((よりによって主人公であるエルクとリーザが既に違う。)))、14話以降は完全にアニメオリジナルストーリー(グロ描写有り)となっているため評価が分かれている。 -登場人物の一人「グルガ」がカルト的な人気を誇る。 --「勇敢で心優しい正義感溢れる革命の英雄」という物凄くかっこいいバックボーンを持ちながらも''常時ふんどし一丁の筋肉もりもりマッチョ''という外見に加え回復時の''「美しい…」「完璧だ…」''という濃すぎるボイスや''ボディビルダーのようなポージング''もあり、非常に濃いキャラに仕上がっている。 --ストーリー本編でギャグ描写は一切無い((むしろ「家族愛」をテーマにした感動的なエピソードが用意されている。))ものの、後述のモンスターゲームの劇場では思う存分ネタにされている。興味がある方は是非見ていただきたい。 -主人公「エルク」も''「うへえ、ロリコンか」((とある敵の「金髪の女(リーザのこと)は俺によこせ」という台詞に対する返し。ちなみにリーザは14歳))「だいたいてめえ、さっきからセリフがひらがなばっかりじゃねえか」((合流シーンでの、トッシュとの口喧嘩にて。台詞が字幕のみだからこそ出来るメタ発言である。))''等、名言が多い。 --彼自身凄く暗い過去を持ちながらも、勇者として成長していく姿はネタ抜きにしても人気が高い。但し、中盤以降から見せ場をアークに取られがちで、序盤から時折見せるギャグ描写等からどうしても「2番手」ポジションが強い。 -敵が全滅する隠しコマンド(通称:瞬殺コマンド)というものが存在する。 --極めて強力だが、当然ゲームとしてつまらなくなる上にタイミングによってはフリーズ等の原因になるのでご利用は計画的に。 -最高LVは1000。ちなみにこれまでのRPGでの最高LVは[[イデアの日]]の999である。 ---- *アークザラッド・モンスターゲームwithカジノゲーム 【あーくざらっど もんすたーげーむうぃずかじのげーむ】 |ジャンル|シミュレーションRPG+ミニゲーム集|&amazon(B00005OVEZ)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジークラフト|~| |発売日|1997年7月31日|~| |価格|6,090円(税込)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年12月12日/600円(PS3非対応)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 『アークII』のやり込み用ディスク『モンスターゲーム』とファンディスク的な作品『カジノゲーム』のセット品。~ 『モンスターゲーム』は元々は『アークII』の初回出荷版に付属する応募券を送る事で抽選でプレゼントされた非売品だった経緯がある。 ***モンスターゲーム概要 -『アークII』のリーザのラディッシュで捕まえたモンスターを使用して闘技場を制覇する事が目的。 -『II』のデータを共有する仕組みのため、ゲームをプレイするには『II』のデータが必要不可欠。また、こちらで新たにデータを作る事は出来ない。 -試合に参加できるのはモンスターのみで、相手は全15チーム(1チーム3人パーティ制)が用意されている。 --初期チームを全員撃破すると新たな15チームが出現する他、1チーム5人パーティ制となり人間キャラも使えるようになる。%%モン…スター?%% ---ただしパーティに人間キャラを一人でも加えると、そのパーティが戦う相手のレベルが2倍になるというデメリットもある。 --どこまで連勝できるかを競うモードもある他、対戦機能も存在する。 -鍛冶屋やマザークレアの館((モンスターの技追加やクラスチェンジなどを行う施設))、ヴィルマー研究所((ヂークベックの蓄積した経験値を仲間たちに分配する施設))など『II』では世界各地に分散されていた便利な施設が一同に揃っている。 --ヴィルマー研究所は内容もありヂークベックが居ない間は利用出来ないが 、鍛冶屋とマザークレアは本編では利用できない時期でも全て利用可能となっている。 -キャラクターの戦闘用ボイスを使用した寸劇「シャンテの劇場」やセーブデータ同士のアイテムとモンスターの交換機能「トレードセンター」も存在する。 ***評価点(かつ問題点) -闘技場を勝ち進むことで様々な報酬を得ることができる。非常に強力な武器防具や、通常では絶対に習得不能な特殊能力を持っていたり、ステータスにドーピングを施されたモンスター等。 --本編では設定ミスで登場しなかった「紫の思い出草」、入手できる可能性のある戦闘が限られている上に低確率であった「炎の剣」等も入手できるようになっている。 -モンスターやアイテムの交換機能があるため、他データを倉庫代わりにすることができる。つまり、本編の「アイテム欄が少ない」という問題点をある程度解消することができる。 --また、セーブ&ロードを繰り返して好きなだけ増殖を行ったり、新しくプレイするデータに引き継ぎを行うといったこともできる。 -対戦機能を利用することで、本来敵にしか使用できない「チェンジエネミー」を味方に使用することができる。これによりかなり自在にモンスターを改造することが可能。 --そのため、事実上モンスターの育成手段に幅が出る。 -当然ながら、これらの機能をフル活用すると、序盤から強力な武器防具やモンスターを使えるし、ドーピングアイテムを増殖することによってお手軽にパラメータを強化できてしまう。ご利用は計画的に。 -ロードできないはずのデータをロードするバグがある。乱用すると本編の進行に異常をきたすこともある。 -セーブ&ロードを担当するサニアの口調が必要もなくキツい。 ***カジノゲーム概要 -チョンガラが経営するカジノを舞台としたミニゲーム集。何故か店員は『II』登場キャラのそっくりさんとなっている。 -こちらは新たにデータを作る必要がある。 -ミニゲームはナンバーズとスロット、ビンゴと競馬と''射的''を組み合わせた「ビンゴダービー」((ベットしていない邪魔なキャラを射撃してレースに介入できる要素がある。))やルービックキューブの形をしたスロット、「大富豪」を元にしたカードゲームなどがある。 --ミニゲームを制覇するとチョンガラが元気を取り戻し、部屋内のジュークボックスが聞けるようになる。 ***カジノゲーム評価点 -陰鬱な本編に比べ、明るく楽しい世界観。 --これはモンスターゲームの劇場なども同一だが、本編で時折見せるギャグやユーモアに満ち溢れたポップな世界観になっている。 ---特に陰鬱なストーリーだけでなく、レベル上げの作業も長引いてしまいストレスを溜めがちな本編をやる際に''心の清涼剤''としてもってこいな一本に仕上がっている。