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PANZER FRONT bis.」を以下のとおり復元します。
*PANZER FRONT bis.
【ぱんつぁーふろんと びす】
//bis.の読み方不詳。
//恐らく「びす」ではないでしょうか?
//「びす」で正しい。フランス語。
|ジャンル|SLG|&amazon(B00005OVSH)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|エンターブレイン|~|
|開発元|シャングリ・ラ、ソユーズ|~|
|発売日|2001年2月8日|~|
|定価|6800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

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**概要
-日本のコンシュマーでは唯一と言っていい戦車シミュレーター。本作はその一作目の改良版。戦車数、ミッション数を増やし、バランスも調整、さらにストーリーモードとミッションを自作できるコンストラクションモードが加わった。
-舞台は第二次大戦の1941年~1945年のヨーロッパと一部日本。史実を想定した戦闘を再現する。プレイヤーは戦車小隊の小隊長となり、戦場を戦い抜く。使用できるのはドイツ、アメリカ、イギリス、ソ連、日本の戦車。

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**特徴
-戦車が登場するゲームはいくつかあるが、このゲームが他のゲーム違う点は、戦車というものを精密に再現している点である。

--そもそも戦車とは、装甲された車体に大砲を積んだもの。その装甲は来た砲弾を弾き返すか、打ち抜かれるかだけだ。砲弾を弾き返す限り、基本的に装甲はダメージを蓄積しない。つまり他のゲームのような、HPに当たるようなものは本質的には存在しない。ただし砲弾の衝撃などにより、貫通されなくとも内部の機器が故障、または乗員が死傷する場合はある。ただ本作では、乗員の死傷は再現されてない。

--戦車は基本的に正面を向けた戦闘を想定しており、正面の装甲が一番強く、後方が一番弱い。そのため当たる場所によって、被害の受けやすさが極端に違う。これも他のゲームではあまり見ない要素。

--砲弾の入射角によっても、被害を受けるかどうかが異なる。垂直に当たる場合と、浅い角度で当たる場合では、同じ装甲でも打ち抜かれる場合とそうでない場合に分かれる。軍事用語で言う避弾経始が反映されている。さらに距離が遠いほど貫通力が落ちるため、近距離で打ち抜けたものが、遠距離では打ち抜けないという事が起こる。

--二次大戦の戦車は、砲弾の初速が遅い。このため、目標と着弾地のズレを考えて照準をつける必要がある。距離に対しては、放物線を描いて飛ぶ砲弾のズレを考えてつけなければならない。ただ当時の照準機と同様、本作の照準機も距離をあわせるための仕組みがある。移動目標に対してはやはり弾速の遅さからズレがでるため、着弾地と移動予測先を考え狙わなければならない。

--砲弾の種類。対装甲目標のための徹甲弾と、非装甲目標のための榴弾など、目標によって使い分けなければならない。また当然だが、弾数に限りがある。

--部位破壊も再現されている。履帯切断や砲の故障などがある。運転席の覗き窓を狙って、重戦車を正面から破壊するという事すらできる。ただし、ゲーム性の問題もあり、対象部位に命中しても必ずしも破壊されるという訳ではない。

--本作はこれらを可能な限り再現している。このため、正面から何発入れても敵を破壊できなかったり、逆にちょっとした死角から側面に打ち込まれ、一発で破壊されてしまうなど、戦術性と緊張感のあるゲームとなっている。

-当時の戦車は通常、車長、運転手、通信手、射撃手、装填手の五人で動かす。本作ではプレイヤーの役割は車長、運転手、射撃手の役割となる。通信手と装填手はコンピューターが行う。

-小隊長としてのプレイなので、小隊で連携しミッションをクリアする事になる。他の車両への指示は細かく、多彩な戦術を取る事ができる。むしろ戦術を考えないとクリアできない。

-戦車を含む車両等は全部で75種。この他に爆撃機が4種、規格外サイズの装甲列車も登場する。ティーガーI、M4シャーマン、T-34などの有名どころはもちろん、マウスやシャーマンジャンボ、JS-3まである。さらに架空戦車が6種用意されている。架空戦車は強力ではあるが、時代の雰囲気から逸脱しない程度の能力になっている。
--串良飛行場に特攻練習機「白菊」が駐機しているが、ヤーボとしての参戦はなくオブジェに留まっている。

-使用する戦車を変更できる。史実を想定しているためミッションで使用する戦車は史実通りなのだが、これを他国の戦車や、自軍のさらに強力な戦車など好きな戦車へ変えられる。これは敵でも行え、お互いが相手の戦車を使うなどという事も可能。

-難易度としては高めのゲームだが、難易度設定を下げる事もできる。その設定も細かい。一番簡単な設定では、砲弾数無制限、発射速度倍化、故障無し、目標マーカー及び、距離の表示となる。初心者でもある程度プレイできるようになっている。

-架空の戦車を使ったストーリーモードがある。ただミッション自体は、通常のミッションを若干変えたもの。配置されている戦車の種類等が違っている。

-自分でミッションを作れるコンストラクションモードが用意されている。これによりクリア後も自分でミッションを組み立てプレイする事ができる。ネット上では未だに多くの自作ミッションが見られる。

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**難点
-戦車戦を精密に再現しているのが特徴だが、やはりゲーム。実際とは違う面がある。
--キャタピラを左右逆回転させてその場で180度回る方法を超信地旋回という。当時の戦車で、できなかった訳ではないが、足周りに負担がいく(ティーガーなどの重量級戦車ともなれば余計に)ので多用することはできなかった。
--距離の表記が実際の四倍になっている。現実通りにすると、遠距離の目標が極端に小さくなりすぎたり、足が遅すぎたりと、ゲームとしての難点が出てくる。そのためこのような処理を行われている。
--歩兵が全く攻撃してこない。実際には歩兵も戦車に対し近接攻撃を行っていた。もちろん、むやみに行っていた訳ではなく、頻度は低かったが。
--地雷などが存在しない。ゲーム性を損なうからだろう。
--プレイヤーが味方を撃つとその戦車は破壊されるが、コンピューターの戦車が自軍を打っても破壊されず、砲弾はすり抜けてくる。アルゴリズムを簡略化するためと思われる。
--史実を想定はしているが、ミッションの状況が実際とは異なる部分も多い。
--一部データーに実物とは異なる部分がある。

-PSのスペック不足による問題がある。
--遠距離になると地形や建物などを描写できない。このため狙いは正確なのに、表示されてない遮蔽物に砲弾が防がれたりする事がある。
--破壊された戦車は残骸としてその場に残るのだが、表示数に限界があるため、新規に戦車が現れる度に消えていく。ただしプレイヤーから離れた戦車が消えていくので、目の前の残骸が突然消えるという事はない。

-バグと思わしき部分。
--戦車はその車体の各部に細かな装甲値があるのだが、その一部に設定ミスらしき部分がみられる。そのため一部の重戦車が、旧式の戦車に正面から破壊される等がある。
---分かりやすいのがショートブル。重装甲の架空戦車だが、よく正面から撃破される。

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**総評
戦車マニアを狂喜させたゲーム。PCでは戦車シミュレーターは出ていたが、遊びやすいコンシュマーで出た意義は大きい。また、完全にリアルという訳でもなく、ゲームとしての面白さも維持している点も評価されるべきだろう。特にコンストラクションモードは、ネット上に様々な自作ミッションを作り出した。まさに一生遊べるゲームと呼べるかもしれない。~
ただ支持層は一部の熱狂的な者だけにとどまった。やはり戦車という狭いジャンルで、リアルを追求し難易度高めでは仕方のない所だろうし。むしろ、それは折込済みだろう。~
だがこの続編のが、リアルをさらに追求する方向に向かったのは評価が分かれる所。次作の『[[PANZER FRONT Ausf.B>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/717.html]]』がリアル度をさらに上げたため、ゲームの難易度が上がった。このため評価が二分。そのせいか、2015年現在、家庭用ゲーム機向けで戦車を題材にしたシミュレーター色の強いソフトは、海外でもリリースされていない。
//シム系でも『War Thunder』(PC/MAC/PS4)の戦車はオープンベータ、『World Of Tanks』(360)はeスポーツ路線のため除外した。

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