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キングダム ハーツ」を以下のとおり復元します。
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本記事では『キングダム ハーツ』とその完全版である『ファイナル ミックス』、リマスター版の『HD 1.5 リミックス』を紹介しています。判定はいずれも「良作」です。
#contents
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*キングダム ハーツ
【きんぐだむ はーつ】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B00005V8XI) |
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|2002年3月28日|~|
|定価|7,140円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ&br()2005年9月8日/2,940円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[キングダム ハーツシリーズリンク>キングダム ハーツシリーズ]]''|
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**概要
ディズニーとスクウェアのコラボレーションによるアクションRPG。~
アクションとしては『[[スーパーマリオ64]]』のそれに近い物があるが、そこへRPGの要素が加わることにより独自のゲーム性を生み出している。

発売前はスクウェアに他社の版権を使用したキャラクターゲームの制作経験がほとんど無い事やディズニーキャラとファイナルファンタジー(FF)キャラが共演するという想像もつかない内容、キャラクターデザイナーの野村哲也氏が初めてディレクターを務めること、宇多田ヒカル氏が主題歌を担当することなどから様々な話題性を呼んだ。

ワールドとして登場するディズニー作品は『不思議の国のアリス』、『ヘラクレス』、『ターザン』、『アラジン』、『ピノキオ』、『リトル・マーメイド』、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、『ピーター・パン』、『くまのプーさん』の9作品。

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**特徴
-RPGにおけるコマンド選択とアクションを融合させたシステム
--攻撃や特殊な行動は画面左下に常に表示されているコマンド欄から行動を選択しアクションを行う。移動やジャンプ、回避行動や防御などはコマンド選択とは関係なく行える。
--コマンドには【たたかう/まほう/アイテム/?】が存在する。また、まほうコマンド欄の最下部にしょうかんコマンドが存在する。
--「たたかう」コマンドはキーブレードによる攻撃を行う。デフォルトで三回まで連続でコンボ攻撃を行うことができ、最後の攻撃は強力なコンボフィニッシュ攻撃になる。またパーティキャラ以外のNPCに隣接しているときは「はなす」コマンドに変化する。
--「まほう」コマンドはMPを消費し、魔法で攻撃や回復などを行う。魔法は特定のボスを倒したり、イベントをこなしたりすることで習得、強化できる。((ドナルドの魔法及び他キャラの同じ効果のアビリティもソラと同様に強化される。))魔法の威力は各キャラの最大MPに依存する。
---魔法の発動にはコマンドからの選択以外にカスタマイズで○△□の三つのボタンに各魔法を登録できるショートカットコマンドが存在する。L1ボタンを押している間ショートカットコマンドが開き、対応するボタンを押すことで即座に魔法を出すことが出来る。
--「しょうかん」はMPを消費して仲間を呼び出し一緒に戦うコマンド。召喚中は専用コマンドで召喚したキャラに応じた技を使うことが出来る。((召喚するキャラはすべてディズニーキャラである))
---召喚キャラには召喚MPが存在し時間経過や技を使うことによって消費、0になると召喚が終了する。また「かえす」コマンドで召喚を終えることもできる。召喚中はパーティメンバーが消える。((「ティンク」のみ例外で、召喚してもパーティメンバーが消えず召喚MPも存在しない))また、一度召喚したキャラはエリアチェンジなど戦闘中から切り替わらないと再度召喚できず、ソラ一人でのバトルでは召喚できない。
--「アイテム」コマンドでは所持しているアイテムを使ってHPやMPを回復できる。
--「?」コマンドは状況に応じて変化するコマンド。宝箱を空けたり、仕掛けを作動させたり、アビリティで装備している特殊技を使用するなどのことが行える。
--戦闘はマップを移動中に敵が出現した際、画面が切り替わらずに始まる。敵が出現している間はBGMとコマンドの色が変化する。

-アビリティ
--キャラごとにアビリティを装備して強化できる。アビリティごとにAP(アビリティポイント)が設定されており、APの合計が各キャラの最大APを超えない範囲で装備することが出来る。同社のFF9のシステムに近い。
--アビリティには「たたかう」コマンドに関するもの((攻撃を変化させる「ヴォルテックス」やコンボ回数を増やす「コンボプラス」など))、プライズ((敵を倒したり、物を叩いたりした時などにばら撒かれるアイテム))に関するもの((ばら撒かれるプライズを増やす「プライズアップ」やプライズを吸い寄せる「ドロー」など))、MPを消費して発動できる特殊技((突進攻撃を何度も行う「ソニックレイヴ」や強力な連続攻撃をくりだす「ラストアルカナム」など))など様々なものがある。

-パーティメンバー
--パーティキャラとして二人まで仲間が同行する。パーティキャラはプレイヤーキャラの後ろをついていき、戦闘中は自動で戦ってくれる。パーティキャラの戦闘中での行動はカスタマイズである適度制御できる。
--パーティメンバーは基本的にはドナルドとグーフィーの二人だが、各ワールドごとに仲間になってくれるゲストキャラも存在する。パーティメンバーの変更はゲストキャラ加入時とセーブポイントで行うことができる。

-グミシップ
--各ワールドへの移動はグミシップという乗り物で行う。移動手段には、道中の敵を倒しながら目的地に向かう3Dシューティングを行う「ノーマルドライブ」と、一度行ったことのあるワールドに一っ跳びで行けるようになる「ワープドライブ」の二つがある。「ノーマルドライブ」は隣接したワールド間でしか行えない。
--グミシップはグミシップメニューでグミブロックを使って組み立てることが出来る。また、設計図から組み立てることもできる。
--グミブロックは敵が落としたり宝箱から手に入れたりショップで購入でき、設計図は敵が落としたり人からもらうことで入手できる。

-FFキャラのゲスト出演やFFシリーズの要素
--一部のナンバリングタイトルからFFキャラがゲストとして登場している。((ゲスト出演するFFキャラはモーグリを除くとVII・VIII・Xのキャラのみ。ディレクターが過去にデザインを担当したキャラに留まっている。なお、エアリスは当初『パラサイト・イヴ』のアヤの予定だったらしい))。
---FFキャラは本作独自の設定で登場しており、本作と原作では性格の異なるキャラもいる。((例えばユフィは原作のような厚かましさは無く、スコールも原作のように悩んだりせず、二人ともソラ達に教え導く役割である。))
---ディズニーキャラやオリジナルキャラでは担う事の難しい役割をFFキャラが担当するという形になっている。
---一部のFFキャラとはシナリオ中や闘技大会で戦うことができる。また、FFキャラの武器をモチーフとしたキーブレードも登場する。
--コマンド欄のデザインや名称はFFシリーズの物がモチーフとなっている。魔法や一部のアイテム、アビリティの名称もFFシリーズの物から取られている。

-1作目のみに存在する要素
--トリニティと呼ばれるマークがマップの至る所にあり、そのマークの近くで表示される?コマンドのトリニティを選択するとトリニティアクションを起こすことが出来る。トリニティマークには青・赤・緑・黄色・白の五色があり、ストーリーを進めることで各色に沿ったトリニティアクションが段階的に使えるようになる。
---トリニティアクションを行うには、必ずパーティメンバーにドナルドとグーフィーを入れなければならない。
--装備したらすべてのキャラが使えるようになる共有アビリティがある。ジャンプ力を上げる「ハイジャンプ」など移動手段を強化するアビリティで、これを装備すると今まで行けなかったところへ行けるようになる。共有アビリティの装備にはAPを必要としない。
--敵の攻撃を弾いたり、敵の特定の部位に攻撃を当てたりすると、敵を倒した時にもらえる経験値とは別にTechポイントという経験値がもらえる。
--戦闘中、△ボタンを押すことでパーティメンバーに攻撃を指示することができる。

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**評価点
-シリーズ通しての特徴である爽快感溢れるアクション。
--操作は非常に分かりやすく単純であり、アクションが苦手な人でもプレイしやすいようになっている。((「たたかう」コマンドによる攻撃が敵との距離や状況に合わせて最適な攻撃を行うようになっているなど))
--システム面も、常に左下のコマンドを操作しなければならないといったことは起こらないように工夫されており、直感的に操作しやすくなっている。((多用されやすい「たたかう」コマンドはコマンド選択後やキャンセル時に自動的にカーソルが「たたかう」に戻る仕様により、別のコマンドを実行した後でも瞬時に行いやすく、ショートカットコマンドに登録していない魔法に関してもコマンド選択後やキャンセル後もカーソルが選択されている魔法の位置に保持される仕様により、同じ魔法を再び使用しやすくなっている。))
--多くの敵は攻撃を弾くことで隙を晒してくれるのでこれを積極的に狙うというテクニカルな戦い方も行うことができる。

-質の高いグラフィックやモーション。
--PS2初期の作品でありながらグラフィックは非常に良く作りこまれており、3DSで発売された『[[キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]]]』まで今作基準のグラフィックで作られているほど。
--ディズニーの原作では描かれていなかったような細かいマップも違和感なく作りこまれている。そのため、各映画の世界への没入感が向上している。
--キャラの動きやムービー中のフェイシャルモーションも作りこまれている。特にディズニーキャラはディズニーアニメをそのまま3DCGにしたかのように豊かな動きをしており、今でも見劣らないクオリティを誇る。

-豪華な声優陣。
--登場するディズニーキャラのほとんどがオリジナルのディズニー映画の吹き替えを担当した声優陣である。
--今作で初めて声がついたり[[以前>エアガイツ]]に別の声優が声を担当していた『FF』キャラ達は、以降は『FF』シリーズ内も含めて今作での声優が標準となった。

-ディズニーとのコラボレーションを十分に生かしたストーリー。
--ストーリーはディズニーキャラが共演するという微笑ましさを感じる前情報からは想像も出来ないほど奥が深くシリアスでもあり、かつ軽く流していても分かりやすい内容になっている。
--ストーリーにおいて重要となるキーワードである光と闇、心や友情などをディズニー作品のバックボーンを生かしながらしっかりと表現できている。

-しっかりと力を入れられてる『KH』オリジナルの要素。
--ディズニー作品の世界観や『FF』シリーズの要素を使用しながらも、『KH』独自の世界観を生み出すことに成功している。
--メインであるオリジナルキャラ達はしっかりと独自のバックボーンを持っており、ディズニーキャラや『FF』キャラと同じ空間にいても異物感をあまり感じさせない絶妙なキャラ造形となっている。
---主人公のソラと今作ではライバルであるリクはディズニーのキャラ達とよく絡み、それらのキャラ達に埋もれない個性を持っている。ヒロインであるカイリもシナリオにおいて重要なキーキャラクターとなっている。
--ソラと共に行動するドナルドとグーフィーなどの一部のディズニーキャラやFFキャラ達はKHオリジナルの衣装を着ており、KH独自の世界観の形成に一役買っている。
---また、ソラ・ドナルド・グーフィーの三人は、一部のワールドではその世界に合った姿へと変身する。
--敵であるハートレスも丸みのあるデザインでコミカルな動きをし、各ワールドにマッチした姿をしておりディズニーとの親和性が高い。
--本作オリジナルのワールドは従来のディズニー作品とは一風変わった雰囲気を持ちつつも、ディズニーに準じたデフォルメがなされているため上手く馴染んでいる。
--主人公の武器であるキーブレードも、剣でありながら鍵というディズニーの世界観にマッチした武器となっている。キーブレードはキーチェーンを変えることで大きく姿を変え、性能以外にヒット音やエフェクトが種類ごとに違うなど非常に凝っている。
--各ディズニーキャラのバックグラウンドも、全く違和感無く全部まとまりきっていることも評価が高い。

-良質な主題歌やBGM。
--宇多田ヒカル氏の歌う主題歌「光」は作品とマッチしており非常に人気が高い。後の作品でも使われるシリーズの代表曲となった。 
--下村陽子氏によるBGMも軽快な曲からシリアスな曲、一部ボス戦では展開に合わせて編曲が足されたりなど作品を盛り上げており高評価。そのBGMの素晴らしさを存分に生かしている巧みな演出もストーリーを引き立てている。
--「Mickey Mouse Club March」や「Under the Sea」、「This is Halloween」などの原作のディズニー作品で使用された名曲も一部、本作用にアレンジされBGMとして使用されている。

-豊富なギミック。
--敵や人以外でロックオンできるものは調べたり武器で叩いたり魔法を使ったりすることで何かしら反応を見せてくれる。他にも主観にすることでわかるようなギミックが存在していたりする。
--こうした豊富なギミックがディズニーの世界を冒険しているという没入感を生み出すことに一役買っている。

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**賛否両論点
-迷いやすいマップ。
--起伏にとんだ地形が多くて探索する楽しさがあるのだが、エリア間の繋がりも複雑なのでとても迷いやすい。((特にワンダーランド、ディープジャングル、アトランティカなどが迷いやすい))
--3Dアクションによくあるような画面端に表示されるレーダーマップが本作には存在せず、次に向かう場所へのヒントも後の作品ほど存在しないので少々不便である。この仕様が後述する本作の問題点に繋がっている。
--ギミックを解いたり共有アビリティを使用すれば思わぬ所まで行けたり、空中で攻撃アクションを駆使するとショートカットができるようになっている場所も存在するなど、作り自体は結構凝っている。

-パーティキャラの調整。
--ドナルドやグーフィー等の仲間が大活躍してくれるほどに強力な調整がされている。~
彼らが戦闘不能になっても少し経てば自動で復活することやボス敵は基本的に主人公を追尾する仕様の影響もあり、主人公が本当に逃げ回るだけのチキンプレイをしていても、大抵のボスのHPを1まで(主人公がトドメを刺さないと倒せない)減らしてくれる。

上記2点は続編ではほぼ真逆と言っていいような調整がなされたが、どちらが好みであるか人によって評価が分かれている。

-一部のキャラの扱い。
--ディズニーの顔である某キャラクターがエンディングにしか登場しない。しかも後ろ姿だけで名前すら出てこない。
---とはいえ、姿も名前も出てこないものの、関連キャラクターの言動からキーパーソンであることは序盤からわかるようになっている。
---開発側によると契約で「1シーンでしか出してはならない」という物があったとの事。てっきりディズニー側は遠くでそのキャラクターが手を振っている程度の出演と予想していたようだが、あまりに効果的な出演の仕方をした為に後のシリーズでは本筋に深く絡むようになった。
//ネタバレになってしまうので名前は伏せた方が良いかと
--FFキャラはシナリオに絡みはするがパーティへの加入や共闘する場面などはなく、FFキャラ目当てでプレイした人達にとっては少し物足りない扱いとなった。
---続編ではFFキャラと共闘する場面やパーティに加入するFFキャラが存在するようになった。
---また、VI・IXのキャラが登場したりと積極的にFFキャラの出演を増やしたものの、無理にゲスト出演させたような形となり、あまりいい結果は生まなかった。

//-本シリーズオリジナルの世界観や設定が非常に複雑でややこしい事。
//--本筋を追うだけであればさほど難しくはないが、様々な伏線や設定をすべて理解しようとするとかなり苦労する。
//--あくまで本作の時点では設定はそこまで複雑化していない。1作目ということもあり、本作のシナリオだけを追うのであれば抑えるべきポイントは多くない。
//--設定の複雑化が本格化するのは続編以降である。しかし、本作開発時点では続編の構想が固まっていなかったようで、本作の描写が後付けの設定と矛盾したり、特例扱いとされることも多い。
//--外伝作品が多く、様々な方面に展開しているのも原因の一つ。多機種にわたって発売されているためすべてを追うのは困難が伴う。
//--現在はPS3の『1.5』『2.5』もしくはPS4の『1.5+2.5』、そしてPS4の『2.8』があれば現行の作品はほぼすべてを遊ぶことができる。
//『3D』『III』あたりで記載している賛否点だし、初代の問題点ではないのでCO

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**問題点
-カメラワークが悪く3D酔いが起きやすい。相当に激しく人によってはプレイが困難になることも。
--カメラがキャラクターに寄っているのでその世界観に没入し易い利点はあるのだが、視界が狭いので「突如画面の外から高速で現れた複数の雑魚敵のヒットアンドアウェイで袋叩きにされてゲームオーバー」ということも起こり易い。
--一部カメラが勝手に動いたり、カメラを自分で操作できない場所もあり視点変更にイライラするところもある。
--物や敵を常に捕らえ続けるロックオンも存在するが、ロックオン中はカメラの操作ができなくなるため使いづらい。
--フィールドの壁の付近などでは、カメラの位置がソラに急接近して、視界の大部分がソラの姿で隠れてしまう場合がある。
---ただし、これは立ち回りをかなり改善した上級者であれば慣れてしまって問題無い範疇ではある。一部の場所以外はL2・R2ボタンを同時押しすればキャラの後ろに回り込む。この操作を使用すれば、ある程度3D酔いもしなくなるだろう。

-戦闘が単調になりやすい。
--キャラクターの機動力が高くないため、大型ボスなどのような怯まなかったり攻撃を弾いても隙を晒さない敵との戦闘は、少し突いてすぐ逃げるプレイに偏りがちになり、爽快感の点では微妙。
--魔法の使い勝手が悪い。打撃に対して攻撃力が明らかに低いものが多く、MPの上限の都合もあって、気付けば回復魔法以外使わなくなっていたケースも多い。
---MPを使用するアビリティ技には強力な物も多く、魔法よりもそちらを使用してしまう事も多い。
---敵の防御力が低い代わりにHPが高い調整になっているため、防御力無視の魔法の強みがほとんど発揮できないバランスになってしまっている。
---なお、ザコ戦においてのみだがサンダー(特にサンダガ)に関しては例外で、周囲の敵へ個別に雷を落とすため敵密集時にはかなり便利である。

-痒いところに手が届かないアイテムシステム。
--戦闘中に使えるアイテムは、非戦闘時に各キャラクターに装備させたもののみ。それ自体は問題ではないが、仲間のAIがあまりよろしくなく、思ったようにアイテムを使ってくれない。
---アイテムの使用頻度はカスタマイズで調整でき、「ピンチまで使わない」まで落とすことは可能。しかし、CPUとソラの区別をしないため、瀕死のCPUキャラの回復を優先して、HPが尽きるとゲームオーバーのソラのHP回復までできないことも多い。結局、雑魚戦で回復アイテムをCPUに持たせるのは無駄になりやすく、ボス戦ピンポイントで持たせるだけになりがち。回復アイテムの効果自体は、かなり強力に調整されているのだが。
--戦闘が終わったらバックヤードから自動補充してくれたりなどもなく、使うたびにメニューを開いて手動で補給しなければならないのも手間がかかる。
--非戦闘時にのみ使える「テント」や「コテージ」などの全体回復アイテムもあるが、セーブポイントがかなり頻繁に配置されているので、正直使い所に困る。

-隠し要素が少なめ。
--探索要素は多いのだが、戦闘面でのやり込み要素は隠しボスが1体と闘技大会のみ。1周すればお腹いっぱいになってしまうような感じもやりこみ派にはちょっときついものがある。

-アクションが得意な人には物足りない難易度。
--戦闘に関しては序盤こそ苦戦する場面はあるが、ある程度進むとほとんど苦戦しなくなる。
---主に難易度を下げる要因となるのは魔法の「ケアル」系とアビリティの「ラストリーヴ」~
前者はMPを消費して使用する回復魔法だが、MPは通常攻撃を当てていれば自然と回復するので気軽に連発が可能。~
後者はHPが2以上ある場合に致命的なダメージを受けてもHP1で耐えるというもの。そしてHPを回復すれば再度発動する。~
両者が組み合わさると今作では味方側に連続ヒットの概念がないこともあり((今作では被弾モーション中は無敵状態になる))、ちょっとやそっとではゲームオーバーにならなくなる。
---さらに被ダメージをMPに変換してくれる「ダメージアスピル」のアビリティ、被ダメージを一定時間半減してくれる「エアロ」系魔法、召喚時間が存在せずソラの生存率を高めてくれる((一定間隔でパーティキャラの誰かのHPを回復してくれる「リジェネ」と、ソラのHPが0になった時召喚が終了する代わりにソラを復活させてくれる「リレイズ」を行う))召喚魔法の「ティンク」などと組み合わせれば、ゲームオーバーになる可能性を大幅に減らすことができ、本編の敵に負けることはなくなるだろう。

-パーティが入れ替え制
--この仕様により、プレイヤーによっては一部を除いたワールドで一時加入する一人のゲストキャラクターを全く戦闘に加入させない状態でワールドをクリアする事が可能になってしまっている。
---この場合だとムービーやイベントでは仲間として登場するが、戦闘では全く加入しないという妙な事態に。逆にゲストキャラを入れるとドナルドかグーフィーのどちらをパーティから外すかを選択しなくてはならず、夢の共演と言う名目に水を差してしまっている。
---ゲームバランスや容量の都合もあるかもしれないが折角のコラボだというのであれば入れ替え制ではなく、自動的に一時加入する仕様の方がストーリー的に見ても自然であるし、盛り上がるのは言うまでもない。特に加入するメンバーが一人だけな為、余計にそう感じやすい。
--パーティの編成ができるのがセーブポイントのみと言うのも問題点。
---他のRPGのようにメニュー画面で自由にパーティの編成が出来れば良いのだが、パーティメンバーを入れ替えたい場合はわざわざセーブポイントまで赴かなくてはならず、マップが表示されない為、構造を覚えていないと攻略情報を頼らなくてはならない。
---また、トリニティを発見してもドナルドとグーフィーのどちらかをパーティから外している場合は、トリニティのアクションを全く発動できず、この際もセーブポイントまで一々走りに戻らなくてはならない。せめてマップ表示があればまだマシだったかもしれないが、上述したように表示されていない仕様が仇となってしまっている。

-やや歪な難易度バランス。
--最初のワールドであるトラヴァースタウンから出発した後、ワールドは3つに行ける状態だが、表示されているバトルレベルが一番低く、一見最初にクリアするよう誘導されている「ワンダーランド」の難易度がかなり高い。
---「不思議の国」の雰囲気を再現するためか、部屋同士の繋がりがグチャグチャであり、まずはそれぞれの行き来の仕方を把握するだけでも苦労する。さらに部屋の上下左右が入れ替わるようなギミックもあり、謎解きの難易度がかなり高い。
---雑魚自体は弱めだが、ボスである「トリックマスター」は、読めない動きに、高所にある弱点、高めの火力、謎解きをミスると弱点であるブリザドなしで挑まなければならないと、かなりの難敵。
--一方、「ディープジャングル」は、マップ間の行き来の手間が多く、フラグ立てのための移動の苦労こそあれど、謎解きはそこまで捻りはなく、ボスも割と正統派。ここをクリアすると「癒しの力(ケアル)」が手に入ることもあり、こちらを先にクリアした方が楽、という意見も多い。
--残るひとつの「オリンポスコロシアム」は、ひたすらバトルするだけなので、楽と言えば楽だが、ボスが強めで報酬にもあまり魅力がないので、ここを優先した方が良いという意見はあまりない。

-面白味の少ないグミシップ
--グミシップの設定や演出自体は面白いのだが、ゲーム的に見るとかなり単調で本編のアクションゲームと比べて面白味が少なく、他の要素に比べて後回しになりやすい。
---そもそも、アクションゲームとはかなり毛色の違うゲームとなっており、シューティングゲームとして見ても単調で、慣れていないと次のワールドに進むまでにかなりの時間を要してしまうストレス要素となっている。後述する完全版ではグミシップで行うミッションも追加されるが、ワープが登場して以降はそのルートを開拓するとストイックなゲーマーでもなければほぼワープ一択となる。
---因みに一度訪れたワールドではセーブポイントを発見していれば、そのセーブポイントからワールドに入れるが、一度降りてしまうと他のセーブポイントにファストトラベルすることはできず、回収したい要素がある時に再度訪れた際は若干行き来が不便である。この点は当時のゲームとしてはまだ主流の要素では無かった為、仕方ない点もあるのだが。
---また、序盤のワールド選択ではワープを使用できず、グミシップの改造なども中盤以降から登場する点もストレス要素となってしまう事に拍車をかけてしまっている。改造に関してもグミシップのゲーム自体が単調でストレスとなる要因で且つ、改造の操作があまりシンプルで直観的にできるものでは無い為、ほぼ手つかずになってしまう事も少なくない。

-一部ワールドの扱い。
--ネバーランドは、フック船長の海賊船と時計塔のみしか探索できず、ネバーランドそのものには一切行けない。原作映画のファンからすると、物足りないところだろう。
--ピノキオをテーマにしたワールドが巨大クジラの「モンストロ」ということになっている。確かに印象的なキャラではあるが、終始クジラの体内だけで終わるのも、ピノキオのストーリーからすると微妙なところではないだろうか。シナリオ的にはそこそこ重要なワールドではあるが、「鍵穴」もなく扱い的にかなり特殊。
---この二つの作品のワールドについては、後のシリーズで行ける範囲が広がっている。

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**総評
FFキャラとディズニーキャラが共演するという内容は発売前はとても想像もつかないような内容であったため、激しく賛否に分かれていた。~
しかしながら実際は爽快感満載でありながら奥の深いアクション、良質なBGMと主題歌、文句なしに豪華な声優陣、ディズニーらしさを生かしながらもディズニーという子供向けのイメージを離脱した奥の深いながらも分かりやすいストーリーも高く評価された。本作はシリーズ化され、現在でも人気のシリーズとなった。

キャラクターゲームとしては異例のヒット作であり、まさに今作は文句なしでディズニーゲーム最高峰と断言していい作品であろう。ディズニーファンには絶対にお勧めできる作品と推すファンも多く、同時にこれまでただのキャラゲーとしか見られていなかったディズニーゲームは新作が発表されるたびコアゲーマーにも注目されるようになった。
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**その後の展開
-完全版である『ファイナル ミックス』、リマスター版の『HD 1.5 リミックス』が発売(後述)。
-次作として『[[キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ]]』が発売。ナンバリング作品としてはシリーズ3作目である『[[キングダム ハーツII]]』が次作品となる。

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**余談
//COM関連はCOMの記事ができたのでそちらを参照。
-本作は権利に厳しいディズニーにとっても多くの例外が許された作品であり、その背景や苦心など詳しくは[[こちら>https://web.archive.org/web/20160914044423/http://www.qentertainment.com/utsumi/2012/04/10.html]]から当時ディズニー側のゲーム部門・アジア代表だった内海州史氏によって語られている。
--具体的には上記の記事にある通り、主に「アメリカ国外(日本)発となるコンテンツである」「ミッキーを3Dグラフィック化する」「複数のディズニー作品を(ディズニーランド以外の場で)同一コンテンツでまとめる」の3点。
--しかもそれを当時軽んじられていたゲームという媒体で行うのだから、関係者の努力は並大抵のものでは無かっただろう。

-権利に厳しいディズニーである為、本作を扱った同人誌は万が一のトラブルを避けるため印刷会社からはまず断られてしまう。KHオリジナルキャラもディズニーが権利を所有している。
--ただし、これらはあくまで印刷所側(及びトラブル回避を重視した二次創作作者)における自主規制であり、当のディズニー側から明確に禁止が言い渡されているわけではない。
---そもそもディズニーがファンの二次創作にすら厳しいというのは都市伝説レベルの風評であり、海外では普通にディズニー作品の二次創作作品は作られている。過度に会社に対して挑発的な態度を取るような真似をしない限り、ディズニーから訴えられるようなことはまずないといっていい。

-ディズニーのテーマパークであるディズニーランドでは長らく本作のオリジナルキャラクターを用いたイベントは開催されず、KHオリジナルキャラクターの仮装も原則禁止となっていた。
--しかし、2016年頃に本作の仮装がハロウィン限定で解禁された。流石にFFシリーズからゲスト参戦するキャラクターの仮装は禁止されている。
--2019年にはついに東京ディズニーリゾートのディズニーアンバサダーホテルにて、キーブレードで扉が開くなど『KH』をテーマにしたスペシャルルームが期間限定ながら登場。好評につき、その後も期間限定復刻が度々行われている。なお、KHオリジナルキャラクターのソラ達や純ディズニーキャラクターのミッキー等は描かれているが、こちらもFFキャラクターは流石に居ない。

-ミッキーマウスを主人公にしようと言うスクウェア陣営とドナルド・ダックを主人公にしようと言うディズニー陣営に対して、野村哲也が提案した主人公案は''チェーンソーを持つ男の子''だった。
--チェーンソーを鍵に変えた修正案が採用され、キーブレード「キングダムチェーン」を持つソラになった。

-天野シロ氏によるコミカライズ版の連載も第一作の頃から始まっている。この頃はまだスクウェアとエニックスが合併前という事もあり、ファミ通PS2での連載だった。
--『CoM』以降は月刊少年ガンガンでの連載が主となっている。

-長らく『[[大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』にて、国内外の多くのファンからソラの参戦を望まれていたのだが、上記のように権利関連の問題で難しいのではと噂されていた。
--のちに『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にてDLCファイターの最後の一人として遂に参戦。ディレクターの桜井政博氏も実際に権利に苦慮した発言を残しており、版権関連で大きな一歩を踏んだとも言える。
--なお、ディズニーもしっかりとクレジットに名を連ねているが、これはソラを始めとするKHシリーズのオリジナルキャラクターたちもディズニー側に権利がある事の証左とも言える。
--背景などでKHシリーズオリジナルキャラクターも一部顔見せしているが、流石にミッキーマウスを始めとするディズニーアニメのキャラは姿を見せておらず、キーブレードにミッキーエンブレムのチャームが付いている程度。詳しくは語られていないが、権利関係の問題の他、スマブラが「ゲーム出身キャラクター」限定という縛りがあることも関係しているのではないかと見られている。
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*キングダム ハーツ ファイナル ミックス
【きんぐだむ はーつ ふぁいなる みっくす】
|発売日|2002年12月26日|&amazon(B00006L42L)|
|定価|通常版:7,140円&br()プラチナリミテッド:9,240円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ&br()2005年9月8日/2,940円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

**概要(FM)
-日本国外で発売された欧米版物を再び日本語に戻した上で追加要素を加えた増補版。FFシリーズなどでいうインターナショナル版である。
--なお、追加要素は海外版の時点で追加されていたものと、日本でのFM版発売にあたって更に付け加えられたものがそれぞれ存在している。
-追加要素の一部は次作となるKH2へ関係するものとなっている。
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**主な追加要素・変更点
-音声が英語になった。
--英語音声は本場のディズニー映画でキャスティングされた俳優を起用しており、非常に豪華となっている。ソラなど本作オリジナルキャラも有名な俳優を起用しており、洋画ファンにとっては驚きの俳優陣であろう。
--日本語字幕は基本的にオリジナル版と同じだが、ユフィ初登場時のユフィの台詞、ハデスカップのハデス戦でのハデスの台詞が変更されている。
--主題歌も「光」の英語版である「Simple and clean」になった。「光」とは編曲が若干違う。

-難易度設定の追加。
--ゲーム開始時に難易度を選べるようになった。難易度はビギナー、ファイナルミックス、プラウドの3つから選べる。
---プラウドモードに限り、ゲームクリア時にバトルレポートが表示される。

-新たな装備品やアイテムやアビリティ、アンセムレポートの追加。
--ソラ・ドナルド・グーフィー用の武器が2つずつ追加された。片方は攻撃力またはクリティカル補正が最も高く、もう片方はMPの上昇値が最も高い。
--追加されたアビリティは、「たたかう」コマンドによる攻撃を変化させるものが多く((遠くの敵に一気に近づいて攻撃できる「スライドダッシュ」や複数の敵を巻き込みやすいコンボフィニッシュ攻撃の「リップルドライヴ」など))、「たたかう」による攻撃だけでもより多彩な技を繰り出せるようになった。
--合成素材および合成屋で作成できる装備品やアイテムも追加された。
--アンセムレポートは本作の裏設定に関する情報をある主要人物の目線で記載したレポート。やりこみに応じて解禁されていく。

-戦える敵の追加。
--アトランティカ以外の各ワールドに新たなレアハートレスが出現するようになった。
---レアハートレスからは特別な合成素材をドロップすることができるが、特殊な条件に沿った戦い方をしなければならないという特徴を持っている。~
オリジナル版からほとんどの合成レシピの素材が変更されたため、合成リスト埋めにはレアハートレスの攻略が必須となっている。
--隠しボスとして「カート・ジーサ」「アイスタイタン」「セフィロス」「謎の男」の4体が追加された。
---追加ボスの多くは上記の「ケアル」+「ラストリーヴ」などによる回復戦法が通用しなくなる攻撃を持っており一筋縄では勝つことができないようになっている。

-ゲームバランスの調整。
--敵のHPが全体的に引き下げられた代わりに防御力が大幅に上昇し、物理攻撃で与えるダメージが大幅に低下した。半端なレベル・装備では敵の防御力を上回れないことも。~
一方で全体的に魔法の威力が上昇している(ただしファイア系は消費MPも増加)。またほとんどのボスのサンダー耐性が大幅に低下している。~
これらの調整により、オリジナル版で指摘されていた物理・魔法の格差が大幅に是正され、消費コストがある魔法のほうが強力な場面が大幅に増加している。
--ちなみにケアル系は回復量が減少しているが、ケアルを発動している間無敵になる「リーフベール」のアビリティが追加されているので使いやすさに関しては向上している。

-イベントスキップの追加。
--ボス戦などでのコンティニュー時にかぎり、直前のムービーをスキップ出来るようになった。

-追加シーンおよびシークレットムービーの追加。
--追加シーンはリク側の描写や行動を補足するものが多い。
--シークレットムービーは難易度が高いほど見るための条件が緩和される。

-グミシップミッションの追加
--ミッションの条件をクリアするとアイテムがもらえる。また、右上にスコアが表示されるようになった。

-一部ハートレスのカラーリングが変更された。
--ただし、一部を除くと全体的に派手派手しいカートゥーンチックなカラーリングであり、無印版のシックな不気味さが薄れているため、やや賛否両論。ディズニー側に寄せて行った感はある。
---トリックマスターに至ってはカラーリングの変更で「カジノのルーレット」というデザインモチーフの意味合いが薄れてしまっている。
---色合いが派手になったため、暗い場所での視認性は良くなった。ソルジャーなど暗くなったハートレスもいるが…。
--オリンポスコロシアムに出現する再戦版ボスハートレスの一部が特殊なカラーリングと固有名を与えられた別種となっている。ただし、ファイナルミックス版に合わせたステータス調整以外に無印版の個体と特に使用技などの違いはない。
---レッドアーマーは元個体のガードアーマーとは連携技を使ってこない、本体だけ先に倒せるなど、相違点が多いが、これは無印版からしてオリンポスコロシアムのガードアーマーがパーツを寄せ集めた「偽ガードアーマー」であったためである。

**評価点(FM)
-大幅なシステムの調整・追加要素により、遊び応えは大幅に向上した。
--特に隠しボスの存在はやりこみ要素として申し分なく、好評を博した。
--全体的に難易度が高くなるよう調整されたため、追加要素も相まって通常版経験者でも新鮮な気持ちで遊ぶことができる。
---特に難易度プラウドは、シリーズでも珍しくプレイヤーが有利になるような調整が存在しない。最初から最後まで気の抜けないゲームプレイが楽しめる。

-UIの向上
--ジミニーメモでコンプリートした項目にはミッキーマークが表示されるようになった。
--キャラがカメラに近寄りすぎていると透過処理されるようになった。
---これによりフィールドの視認性は向上したが、ソラ以外のキャラや敵の飛び道具なども消えてしまうため、カメラの問題を完全には解消できていない。

-バグおよび不具合の修正。
--無印であったオリンポスコロシアムのタイムカウント停止バグが修正された他、ハロウィンタウンの赤トリニティの場所が変更されて取り逃してもコンプリートが可能になった。
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**賛否両論点(FM)
-本作で追加された隠しボスであるFFVIIのセフィロスとの戦闘後に、同作のクラウドとセフィロスが一騎打ちするイベントが若干流れる。&br()これに対しては「物語・主人公とも全く絡まずに、勝手に二人だけで盛り上がっている」と当時一部では批判もあった。
--ただし、本作の時点ではこの演出を高く評価する声が多かったことを注記しておく。
---まず、本作はPS2画質のクラウドの初登場作ながらも、本編での活躍が少ないどころか全く無く、ファンは活躍を望んでいた。&br()そして何より本作発売時点では、高い評価を得たFFVIIの続編映像作品「ADVENT CHILDREN」が発表される前だったため、ファンとしては夢の対決が実現したという新鮮さがあった。
--隠しボスに相応しい強さやクラウドとの剣戟の格好良さから批判意見は左程多くはなかった。少なくともこの時点では、物語と絡まず尺も僅かだったこともプラスに働いたと推測出来る。&br()
しかし、クラウドやセフィロス以外のキャラが蚊帳の外である以上はただの内輪ノリである点は否めず、その点を問題視する意見も次作で強まってくる本シリーズでのFFキャラクターの表現に対する批判の兆候と受け取れる。
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**問題点(FM)
-デフォルトのムービースキップ機能は通常版同様未実装
--最低1回はムービーを最初から最後まで観なくてはならないため、通常版経験者には悩ましいところ。一応追加ムービーはあるし、音声も英語なので全てが同じというわけではないが…

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**総評(FM)
多数のやりこみ要素の追加により、アクションゲームとしての遊びごたえがアップした完全版である。~
英語音声に抵抗がなければ、FM版をプレイするのがよいだろう。~

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//要強化依頼の期限満了につき、判定欄なし→判定「良作」へと変更し記事復帰。19/4/28
*キングダム ハーツ HD 1.5 リミックス
【きんぐだむ はーつ えいちでぃー わんぽいんとふぁいぶ りみっくす】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B00AQCKH96)&br()&amazon(B01M72H6WZ)|
|対応機種|PlayStation3&br()PlayStation4&br()Xbox One&br()Windows(Epic Games)&br()Nintendo Switch|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|【PS3】2013年3月14日&br()【PS4】2017年3月9日&br()【One】2020年2月18日&br()【Epic】2021年3月30日&br()【Switch】2022年2月10日|~|
|価格(税込)|【PS3】6,648円&br()【PS4/One/Epic】7,480円&br()【Switch】5,280円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|


**概要(HD)
-ファイナルミックスをベースにしたHDリマスター移植版。『Re:COM』『Days』と同時収録している。『Days』は映像のみ。
-PlayStation4以降の移植作品は、『1.5』と『2.5』の内容がワンパッケージとなった『キングダムハーツ HD 1.5+2.5 リミックス』として発売されている。Switch版はクラウド上で動作する『Cloud Version』としての提供。
-初回特典として『キングダム ハーツ χ』で使用可能なシリアルコードが付属していた。ゲームをクリアするとPS3用のカスタムテーマが手に入る。
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**特徴(HD)
-追加アビリティに「EXPゼロ」と「コンボマスター」が追加。
--「コンボマスター」はレベルアップで習得する。
--「EXPゼロ」はプラウドモードのみゲーム開始時から所持している。
---KHIはほとんどのアビリティをレベルアップで習得する形式だが、各アビリティの習得条件は全く変更されていないためほとんどのアビリティが習得できず、なんと''ライブラやリフレクトガードなしで攻略しなければならない''。
---元々のシステム的にノーダメージが非常に難しいためか、このアビリティの装備によって被ダメに補正がかかる仕様になっている。HPが最大の場合は被ダメージが''全て割合ダメージになるため、一撃死が無い''。
---また、最後に与えた物理ダメージの倍率がその後の魔法攻撃の倍率として適用される仕様らしく、コンボフィニッシュ後に多段ヒットする魔法やしょうかんの攻撃をすると''凄まじい勢いで敵のHPをみるみる削っていく''。その凄まじさはラスボスさえ数秒で葬るほど。

-全体的に操作性が『KHII』寄りになった。
--四段目の「?コマンド」が削除された代わりに?コマンドで出来た事が△ボタン一個でできるようなった。
--四段目のコマンド欄には、これまで「まほう」のコマンドから選択していた「しょうかん」が独立して表示されるようになった。
--カメラ操作がL2R2移動から右スティック移動になった。
---R3ボタンでカメラが操作キャラクターの真後ろに回る。

-音声は日本語。
--チュートリアル後のあくびやゲームオーバー時のボイス、「セフィロス」の戦闘ボイス、「謎の男」イベントのソラの台詞が新録されている。

-実績/トロフィー機能も追加。
--プラウドモードクリア、グミシップ全入手、装備変更なしでクリア、ノーコンテニュー、15時間以内にラスボス撃破などのある程度のプレイヤースキルがないと達成できないものも存在する。

-その他、細かい変更点
--最初からすべてのイベントでイベントスキップが出来るようになった。
--HDDへのインストールと、『FFX-2』のムービーは削除されている。
--社名が変わった為OPの「SQUARE」ロゴの各文字が斬撃音と共に手前へ来る演出は無くなり、シンプルに社名が表示されるのみになった。
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**評価点(HD)
-ゲームシステムは様々な点で近年のKHシリーズの仕様に改良されている。
--ムービースキップのデフォルト実装により、プレイ時のテンポは飛躍的に改善された。
--次回作以降と比べると、全体的に攻撃速度が緩慢な本作において、「コンボマスター」のアビリティは戦闘時の隙を低減することができるため大変有用。

-グラフィック、音楽面の向上
--主要キャラクターのCGをフルリメイクしグラフィックが向上。一部のポリゴンモデルは『KH3D』のものへ差し替えられている((KH3Dのゲーム内で使用されているモデルその物ではなく、リマスターも見据えて制作時に用意されていた非圧縮のモデルである))。1080p出力に対応。
--サウンドが5.1chサラウンドに対応。音楽をほぼ全曲生楽器に差し換えて再録している。

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**問題点(HD)
-△でアビリティ技が発動できるのは遊びやすくなったが、攻撃指示も同時に行われてしまう。
--通常の戦闘では問題はないが、「ピンクアガリクス」においては攻撃指示により横槍が入ってしまい、本来できていた攻略法のいくつかが本作では出来なくなった。
---一応、攻略自体は可能だが方法は狭まってしまっている。

-「EXPゼロ」のアビリティを使用した上で行える「Lv1プレイ」は、元々のゲームがそれを前提とした作りになっていないため、あまりバランスが良いとは言えない。
--与ダメ補正の関係上、効率的な火力を求めるとなるとどうしても召喚攻撃をメインに据えた戦い方が要求されてしまうため、立ち回りや装備が固まりがちになる。
--一方で召喚が封印される戦闘では、火力不足によりジリ貧な展開になりやすい。
--『KHIIFM』以降と比べると本作は「Lv1プレイ」専用の立ち回りが要求される局面が多く、同じような感覚で遊ぼうとすると違和感を感じやすい。システムが根本的に異なる以上、仕方のないことではあるが。
//--なお成長速度の都合上、グーフィだけはどうやってもレベル2の状態で加入するため、真の意味での「Lv1プレイ」はできない。同様に、ソラの成長速度を早熟型にするとチュートリアル戦闘でレベルが上がってしまうため注意が必要。

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**総評(HD)
FM版を『II』の操作感に寄せてリマスターしたため、更に快適なプレイができるようになっている。~
グラフィックや音楽もパワーアップしており、HD機でのプレイにそん色のない出来となっている。~
その他特に劣化したような部分もないため、良質な移植作品である。~

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