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シャドウハーツII」を以下のとおり復元します。
「シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド」について「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。
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*シャドウハーツII
【しゃどうはーつ つー】
|ジャンル|純正統派超大作RPG(ウル曰く)|&amazon(B0001IML9O)&br()&amazon(B00015BG2K)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 2枚組|~|
|発売元|アルゼ|~|
|開発元|ノーチラス|~|
|発売日|2004年2月19日|~|
|定価|通常版:7,140円&br()限定DXパック:10,290円(共に税込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|58KB以上の空きが必要|~|
|周辺機器|PlayStation BB Unit対応(HDDインストールのみ)|~|
|レーティング|CERO:15歳以上対象|~|
|コンテンツアイコン|なし|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:[[シャドウハーツ]] - ''シャドウハーツII'' - [[フロム・ザ・ニューワールド>シャドウハーツII#id_22e1c437]]|
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#contents()
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**あらすじ
1915年、第一次世界大戦が始まって半年。~
フランスに進出したドイツ帝国軍は、魔物が棲むと恐れられるフランス北部の小さな寒村・ドンレミを制圧できずにいた。~

ドンレミに派遣されたドイツ帝国陸軍少尉、カレン・ケーニッヒの小隊は村の古い教会へ突入する。~
そこで小隊の隊員たちが見たものは、硬質の黒い翼を持つ[悪魔]の姿だった。~
カレンを除く全員は[悪魔]に倒され、薄れゆく意識の中でカレンが最後に見たのは、人の姿へ戻る[悪魔]の後ろ姿だった。
//(解説書より)

//敗退したカレンだったが、バチカンのエクソシスト、ニコラス・コンラド(通称、ニコル)を連れ、もう一度ドンレミに攻め込むことを命じられる。~
//バチカンにて悪魔祓いに使うアイテムを手に入れた二人は兵を連れ、ドンレミ村に再侵攻。再び現れた悪魔は変身を解く。~
//それはかつて天より飛来した神を殺した『神殺し』と呼ばれる男、ウルムナフ・ボルテ・ヒューガであった。
//↑この部分はプレイ可能であり、それのネタバレになるので伏せておきます。

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**概要
ホラーな雰囲気とジャンジメントリングシステムが特徴的だった『[[シャドウハーツ]]』の2作目。&br()世界観は共通しており、前作終了から半年後が舞台となっている。&br()シナリオは前作と同じく前半・後半で別れ、欧州編・日本編の2つに分かれている。

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**特徴
-基本システム(ジャッジメントリング・SPなど)はそのままに、グラフィック・戦闘システムが大幅にパワーアップした。

''グラフィック''
-今作では日本も舞台となるが、大正時代の帝都の町並みは非常に作りこまれている。
-前作で好評だったグロテスクなデザインのモンスターは妖怪・怪物・悪魔など様々な種類が登場する。&br()日本軍の機動兵器やコミカルな敵もおり、グロテスク以外のモンスターも登場するようになった。
-前作と比べてキャラクターのグラフィックのクオリティが飛躍的にアップしている。
--特にフェイシャルモーション技術の使用により、キャラクターが表情豊かになったのが大きい。
--ただしグラフィックの向上を優先したためか、前作よりもFPS(Frame Per Second)は低くなった。
-ムービーが大幅に増え、前作ではあまり聞けなかったキャラクターの声も多く聞けるようになった。
--演技も安定しており、特に主人公ウルは雰囲気のメリハリがしっかりとついている。

''サウンド''
-前作から引き続きメインコンポーザーとして参加している弘田佳孝氏、『クロノ』シリーズ等でお馴染みの光田康典氏、『サガ』シリーズ等の伊藤賢治氏による音楽も評価が高い。

''戦闘システム''
-『連携』『紋章魔法』などの要素が追加された。
-『リングカスタム』
--前作ではアクセサリーや武器の改造によってヒットエリア幅の調整や特殊効果をつけていたが、今作ではジャッジメントリングに直接手を加えることができるようになった。
--リングの難易度や攻撃威力の調整の他、「リングアイテム」を付けることで通常攻撃の回数やエリアの幅を増やしたり、追加効果を加えたりできる。
---通常攻撃に状態異常の追加効果を持たせられるので、魔法主体の非力なキャラでも通常攻撃が無意味になりにくくなった。
--前作はどのキャラも、通常攻撃は計3ヒット攻撃で固定だったが、今作ではキャラによって通常攻撃の合計ヒット数が1ヒット~3ヒットの範囲で異なるように差別化された。またリングカスタムで、ヒット数を+2ヒットまで増やすこともできる。
-前作では敵味方の立ち位置は固定されていたが、今作では攻撃によって相手を吹っ飛ばしたり吹っ飛ばされたりして、敵味方の立ち位置が入り乱れるような形式になっている。
--『[[クロノトリガー]]』のように、各攻撃には攻撃範囲の概念が追加された。また味方同士や敵同士が隣接することで、後述の連携を狙うことができる。その他、壁際に追い込まれると若干不利になったりする。
-『連続ヒット』
--敵にダメージを与えた後、その敵がのけぞりや吹っ飛びから復帰する前に連続でダメージを与えると、格闘ゲームのように連続ヒット数がカウントされていき、ヒット数に比例してダメージがより大きくなっていくというボーナスが得られるようになった。
--通常はそのキャラの攻撃ターンが終了した時点で敵は必ず復帰するので、キャラ一名の攻撃だけではあまり意味のないシステムだが、この連続ヒットを狙うためにも、後述の『連携』システムが重要になってくる。
-『連携』
--戦闘時、味方に隣接すると連携状態となり、『コンボ』を試みることが出来る。この時仲間の行動順番を引き上げることができ、連続で攻撃することが可能に。
---連携では敵が復帰する暇を与えずに連続攻撃ができるので、ヒット数を多く稼げる。
---味方への隣接は「連携」コマンドを実行することで容易に行える。その他、敵に吹っ飛ばされたりして偶然位置が隣り合うこともある。
---隣接した後、敵の攻撃を「耐える」コマンドで防御することで、SP減少と引き換えにその場に踏みとどまって立ち位置を保持することもできる。が、味方同士が一か所にまとまるため、範囲攻撃を食らうリスクも存在する。
--連携状態を組んだキャラクターの内の1人がジャッジメントリングに成功して敵を攻撃すると、直後に○・×・△・□のいずれかが描かれた『コンボリング』が一定時間出現し、その間に対応するボタンを押せばコンボが成立し攻撃する。
--本作では「攻撃範囲の高さ(高度)やベクトル(吹っ飛ばす方向)」、「敵の高度(浮きの高さ)」といった概念が存在し、攻撃の種類や順番を誤ると、攻撃を外してコンボミスとなり、連携がその時点で終了してしまう。
---とはいえそこまで複雑ではなく、適当にやっても割と何とかなる。
--上手く四人以上の連携に成功すると、四人目以降は強力な「連携魔法」が使用できる。
--キャラには『アフィニティ』と呼ばれる各キャラごとの相性値が設定されており、これが高いと戦闘時、『コンボ』によるダメージが上昇、『コンボリング』の入力受付時間が延びる。
---アフィニティは同じに戦闘に参加、連携を行う、コンボ時の行動をショートカットボタンで指定するなどで値が上昇する。減少することはない。
--敵の中にも、連携を狙ってくるものが存在する。
-『紋章魔法』
--紋章と呼ばれるアイテムを装備することで誰でも魔法が使用可能になるシステム。
--これによりキャラが使用する魔法のカスタマイズが可能になった。攻撃・補助・回復など様々な魔法が使用できる。
--ウルと蔵人はフュージョンがあるため、使用できない。

''その他、前作に存在した要素も健在。''
--メニュー画面にて、全ての敵味方やアイテムの解説文やグラフィックを閲覧できる。~
解説文は一つ一つ詳細に書かれており、なかには本編で語られていない深い設定が記されている場合もある(『チルドチューナ』など)。~
前作から引き続き登場するアイテムも、全ての解説文やイラストが一新されている。
--豊富なサブイベントや隠しダンジョン、福引会員や隠しショップなども前作以上に増えており、作りこみの高さが伺える。
--前作では欧州編(後編)に突入すると亜細亜編(前編)の場所にはもう行けなかったが、今作ではDisk2(日本編)に突入しても、最終的には日本と欧州をいつでも自由に行き来できるようになっている。
---前作に比べて期間限定イベントが大幅に減った。殆どの要素を後から回収できる。
 
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**ストーリー・キャラクター
-なんと今作では前作のヒロイン・アリスが死亡しているところから話が始まる。''つまり、前作のBADENDの続きである''。
-前作はグロテスクな魔物やホラーなグラフィックで全体的に暗い雰囲気が特徴的だったが、今作ではそういった部分はなりを潜めコメディ・パロディといった部分が大幅に増えている。
--これだけだと前作を汚したゲームに聞こえるが、ストーリーではしっかりとメリハリがつけられており、ギャグでは笑い、シリアスでは泣けるRPGとなっている。
---後述するが、ギャグシーンとシリアスシーン、それぞれの『量』の差は流石に見過ごせないものになってしまっているが。
-サブイベントでも妙なものは多く、ネタに走っているものがほとんどである。
-仲間はどれもキャラが立っており、主人公も含めて非常に個性的。
--というかあまりにキャラが立ちすぎ、''個性的を通り越して変人・変態しかいない''というとんでもない状態になっている。

#region(ウルと愉快な仲間たち)
-ウルムナフ・ボルテ・ヒュウガ
--通称、ウル。ガラの悪い主人公として前作から続投。日本人の父、日向甚八郎(ひゅうが じんぱちろう)とロシア人の母、アンヌの間に生まれたハーフ。
--恋人アリスを失ったあと彼女の母の墓所があるスイスのチューリッヒに彼女を埋葬し、その後はアリスの親類であるゼペットと旅をしたのち、ドンレミ村で落ち着いていた。今作ではニコルに受けた『ヤドリギの呪い』を解除するため、再び旅に出る事になる。
--前作の衣装である父親譲りのコートは、アリスの遺体とともに埋葬している。
--『シャドウハーツ』では暗い雰囲気のゲームの中、一人コミカルな言動を繰り返してボケの全てを担っていたが、今作でも会話の最中に相棒のブランカと遊んだり、リングの魂イベントでフランクな応対をしてリングの魂をキレさせたりと相変わらずのボケっぷりを誇る。
--また''「その座布団どこに売ってんの?」「キモーイ」''などの多くの迷言・珍言を残している。
--が、前作と比べて変な仲間が多くなった(特にヨアヒム)ため、ツッコミにまわる事も多くなった。また、恋人・アリスを失っているため雰囲気にもやや影が差している。
--悪魔に変身するフュージョン能力も健在だが、今作では呪いのために全ての変身を制限されてしまう事になる。
--今作では絵も披露する。ゼペットに渡したアリスの似顔絵を見るに、前作の回想およびセーブアイコンの可愛い絵は彼のものである。
--ダルそうな雰囲気にギャグも多いが、シリアスな場面ではキッチリと決めるカッコイイ男。人気も非常に高い。''…バカだけど。''
---その為、次回作の主人公が色々な意味で割を食っているのも否めないのだが。

-カレン・ケーニッヒ
--今作のヒロイン。貴重なツッコミ役。ニコルに裏切られたあと、ウル達と共に旅をする事になるが、その道中で徐々にウルに惹かれていく。
--貴族の末裔だが、家は没落しかかっており貧乏が身に染みている。ちなみに酒が入るとはじける。
--彼女の服は小さくサイズが合っていない。原因はウルが下記のコーネリアの服を見立てたためである。
--実は前作にも登場しており、その正体はEDで明らかになるが、多くのプレイヤーの度肝を抜いた。

-ブランカ
--ドンレミ村の少女ジャンヌに飼われていた白狼。ニコル達の襲撃で飼い主を失い、ウルに同行し相棒となる。
--狼だが二本足で立ってステルスミッションを行ったり、冷静沈着だったりと色々動物離れしている。
--キャラとしては魔法戦士タイプで、メンバーの中で最もINT((INTELLIGENCE。インテリジェンス、つまり知能。))が高い。つまりメンバーの知能は狼以下という事になる。
--特技習得イベント『ウルフバウト』は、世界一の狼を決める戦いに参加するというイベントなのだが、この時のみボイス付きで喋る。~
''CVはなんと池田秀一''。よって狼にもかかわらずシャアのパロセリフを喋りまくっている。
--更に彼の最強技は''『レッドコメット』''である。
--ちなみにやたら幼女に懐き、EDでも旅で出会った幼女の元に現れているため、ファンからはロリコン狼と呼ばれている(理由は言うまでもない)。

-ゼペット
--アリスの母方の義理の伯父。老齢の人形使いであり、亡き娘に似せた人形『コーネリア』を持ち歩き、戦闘は彼女と一緒に行う。
--『コーネリア』の服を着せ替えることにより、特技が変化。様々属性攻撃を操ることができる(ちなみに最強の服はウルがデザインしたアリスの服)。
--コーネリアの服を着せ替えると、やたらうっとりしている彼のコメントを聞く事ができる。なんというか非常に怪しい。
--さらに『美しき愚者』という服を装備させると、''コーネリアは裸になる''(愚者には見えない服のため)。~
素っ裸の子供を抱いて戦闘する姿は、もはやただの変態である。
--そんな彼だが娘の影を求めて訪れる『人形の館』でのイベントは、このゲーム屈指の恐怖イベントであり感動イベントである。

-ヨアヒム・ヴァレンティーナ
--前作の仲間キースの兄にして、吸血鬼一族・ヴァレンティーナ家の長男。
--筋肉。''齢400歳を超える吸血鬼で、「~だっち!」「~だら!」と静岡弁で喋る、筋肉モリモリマッチョマンのプロレスラー''。
--吸血鬼だがプロレスラーのためプロレス技で戦う。また『ヨアヒズム』という体の周期があり、戦闘するたびに調子が変化して蝙蝠や透明人間の姿になる。
--更にこれが絶好調になると蝶のアイマスクを装着し、どう見てもヤバイ人にしか見えない格好の正義のヒーロー''『グラン・パピヨン』''に変身する。~
ちなみに変身時のテーマは伊藤賢治氏が担当している。道理で某RPGのBGMっぽい訳だ。
--彼の武器は鈍器なのだが、基本的にイベントでそこらへんに落ちているものを勝手に拾って武器にする。おかげで武器に金が掛からない。~
その武器も最初の角材から、郵便ポスト、土管、冷凍マグロ、最終的には宇宙戦艦と、訳の分からないモノになっていく。
--彼の最強の防具は''『ローズボンテージ』''…もはや何も言うまい。
--姿こそ変態だが非常に強い。さらにイベントをこなし最終形態になると、ウルをも超える攻撃力を手にする。
--''本作最高のボケキャラ''である。実際シャドウハーツIIの笑いはほとんど彼が担っている。
--また本作屈指の爆笑イベント''『漢祭り(おとこまつり)』''も彼が発端である。~
カレー臭いリングの塔で繰り広げられる、師匠・グランガマとの互いの(※自主規制)を掛けた熱い一騎打ちは、多くのプレイヤーの脳裏に焼き付く事となった。
---このイベントをこなすことで、前述のヨアヒズムが絶好調になると変身する姿が蝶のアイマスクの『グラン・パピヨン』ではなく、''漢臭さが染みついた『?』の記号のアイマスク''を付けた''『グラン・はてな?』(クエスチョンマークまでが正式名称)''に変化する。~
パピヨンになると攻撃力が1.5倍になる効果を得られるのだが、''はてな?になると何と攻撃力2倍に''。

-ルチア
--イタリア王国・フィレンツェ出身の美人占い師。ウル達とは紆余曲折を経たのち姉弟子のベロニカ・ベラを止めるために同行する事になる。
--が、物語中盤でベロニカとは決着が着いてしまうため、以降は特にイベントもなく影が薄くなってしまう。~
そのためディレクターズカット版では彼女に関するイベントがいくつか追加された。
--性格はおっとりお姉さんタイプであり、特別に調合したアロマやタロットカードを使い様々な特殊効果を発生させる。
--なお敵に捕まった際の拷問イベントでは、&del(){喘ぎ声を聞くために}ベロニカとの因縁のために大抵彼女が選ばれる。

-アナスタシア
--ロシア帝国の第四皇女。乗っ取られようとしている王室を救うために孤軍奮闘するが、逆に命を狙われたところをウル達に助けられる。
--特技はスナップ。敵の写真を撮って情報を収集し、また一部の敵は写真から召喚して技を使うことができる。
--14歳という年相応のおてんば姫であり、常識人且つ非常識人。貴重なツッコミ役その2。ロシア王家の威光を使ってパーティを尻に敷いている。
--下記の犬神蔵人に一目惚れしており、彼の前では態度ががらりと変わる。
--ヨアヒムとはボケとツッコミの素晴らしい関係を築いている。また『漢祭り』では彼と師匠の試練を熱心に見つめていた。

-犬神蔵人(いぬがみ くらんど)
--ウルたちが日本で出会った帝都の青年。ウルと同じくフュージョン能力を持ち、変身する事ができる。
--容姿といい、CV下野紘といい、変身後の姿といい、某ロボットアニメの主人公にそっくりである。
--物腰穏やかな人物だが、ヨアヒムに故郷の宝を武器にされたり、アナのアプローチにたじろいたりといじられキャラの地位を確立している。
--本作屈指の常識人なのだが、他が濃すぎるせいで''ルチア以上に影が薄い''。強いんだけどなぁ。
#endregion

-表面こそコミカルに描かれているが、ストーリーそのものは前作と同じく暗い。
-呪いにより記憶と心が崩壊していくウルや、第一次世界大戦の混乱にある世界など本筋では重い話が展開される。
--秘密結社・日本軍など様々な組織・人間の思惑が入り乱れており、愛憎がぶつかり合っている。
--再生の秘術によるアリスとの一瞬の再会や、ラストのカレンとの会話などは本作屈指の泣けるシーンである。
-またEDが非常に衝撃的。

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**問題点
-バグでセーブデータが破損してしまう可能性がある。詳しくは[[こちら>http://www.shadowhearts.net/sh2/caution.html]]を参照。ディレクターズカット版で修正された。

-前作とあまりにも違う雰囲気
--本筋では前作以上にシリアスなストーリーとなっているのだが、IIのコメディ・パロディのノリに期待を裏切られたとの声もある。
--前作でもパロディやギャグイベントが無かった訳ではなく、むしろシリアスシーンとギャグシーンのバランスが絶妙だったが、今作はシリアスシーンに比べ、異常にギャグシーンの割合が多くなってしまっているため、''「ギャグゲーをやりたかったんじゃない」''・「ギャグシーンばっかり見せられてうんざりする」と言った批判意見が前作のファンからは見られる。
--また前述の『漢祭り』にしても、途中のイベント描写・オチともに良くも悪くもかなり強烈なモノになっており、人によっては嫌悪感を催してもおかしくないモノになってしまっているため、爆笑イベントとして好評な意見も勿論あるが、「ふざけすぎ」「不快」「キモイ」と言った意見も少なからずある。
---戦闘に入る直前で''何度も画面を埋め尽くすほどのドアップの男の尻を拝まされる''と言うだけでも色々な意味で辛い人が出てくるというのに、オチが更に凄まじいことに…。
---しかもこのイベントのクリアがヨアヒムの強化に繋がるため、やらざるを得ないのが始末悪い所。
--キャラクターの特徴付けをパロディネタに丸投げ(例:ブランカのシ○アネタ全般)しているとしても言いすぎでない点があるのも、一つのタイトルとして見た場合は褒められたモノではない面があるのも事実で、批判意見がある。
--モンスターのデザインにしても1に比べると良くも悪くも癖が無くなってしまっているために、シャドウハーツらしさが無くなったとする意見もある。

-ストーリーが前作のヒロイン・アリスの死亡ありき(バッドエンドの続き)になっている事。
--前作の彼女とウルを含めた周りの描写が秀逸であったために感情移入の度合いが高くなりやすかったのが災いして、この時点で否定するファンもいる。
--たいていの場合、続編物では前作のグッドエンドを引き継ぐか、全く違う世界観にしてしまうことが多いため、この手法は結構珍しい。しかし当然、「せっかく前作でアリスが生き残るグッドエンドにしたのに、あんまりだ」という意見も出る。
--ただし、前作のグッドエンドを否定するようなストーリーではないのでその点は安心していい。~
むしろEDも含め前作との繋がりを高く評価するファンも少なくない。

-難易度があまり高くない
--ジャッジメントリングの改善や、連携などの追加により難易度は前作より低下している。
--終盤ではサブイベントでの強化・アイテムの充実により負けることはほぼない。
--ウル、ヨアヒム、蔵人といったアタッカーを中心とし、後は適当な補助要員でメンバーを組んで、火力で押せば大体何とかなると言われる。
---逆に言えば、あまり性能の高くないキャラでも何とかなるため活躍の機会がある、とも言える。
--『アイテム「永遠の鍵」+システム「ギャンブルリング」』というバランスブレイカーな小技も存在する。
---前者は「目押しに失敗するまで、または敵が死ぬまでジャッジメントリングが加速しながら永遠に回り続ける」というアイテムで、~
後者は「リングの成功判定領域が極めて狭くなる代わりに、目押しの必要量が1つだけになる。またその1つさえ成功すれば通常は複数個ある成功判定の全てに成功した事になる」というジャッジメントリングの一種。~
つまりこの二つを組み合わせると「1回だけ難しい目押しに成功すれば敵が死ぬまで自動的に殴り続ける」事になる。ボス戦だと成功した瞬間勝ち確定。
---ただし「永遠の鍵」はシナリオ通して1、2個程度しか入手できないレアアイテムなので多用は出来ない。また初心者救済と捉えることも出来る。もっとも、そこまで難しいゲームバランスではないが。

-前作をやっている程、違和感が強くなる設定(描写)
--半年という期間であまりにも大物になりすぎの加藤の他にも、アルバートやアリスの描写も前作をプレイしている者によっては違和感を強く感じさせるものになっている。
--また、エンディングで明かされる設定も「超展開過ぎる、無理がありすぎる」と言った否定的な意見がこれまた見られる。
---と言うか大筋の良さで誤魔化しが効いているものの、全体的に前作からの後付け設定、ご都合主義が多い。アルバートの件などは良く突っ込みの対象となる。

-前作に比べてジャッジメントリングがやや小さくなった。

-紋章魔法のシステムは、どの紋章でどの魔法を使えるようになるのかが分かりにくい。複数のキャラにいくつもの紋章を組み合わせて同時に装備させるので、どの紋章(どの魔法)がまだ残っていて装備できるのか把握しにくい。

-スコアのジャッジメントリング成功率で好成績を収めないと入手できないアイテムがある。
--アイテムをコンプしたい人には大きな壁となる可能性がある。
--リングカスタムによりリングの難易度を大幅に下げることも可能なので、前作ほどハードルは高くない。
--取り返しの付かない要素というわけではなく、終盤の時点でもリングをとにかく回しまくって沢山成功させればアイテムを入手できる。

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*シャドウハーツII ディレクターズカット
【しゃどうはーつ つー でぃれくたーずかっと】
|発売日|2005年3月10日|#amazon(B0007LKV7O)|
|定価|3,129円(税込)|~|
|備考|オリジナル版のセーブデータをコンバート可能|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
※共通項目は省略

本作では追加要素が入った''ディレクターズカットがBest版''として発売されている。但し流通量の問題で中古でも入手するのは困難。

以下追加・変更点
-セーブデータ破損バグの修正
-BGM、モンスター、サブイベント、隠しダンジョンの追加
--ラスボス以上の強さを誇る追加ボス『七福神』は、本編の難易度調整からはとても連想出来ない鬼畜な強さ。
--追加イベントでは一時的に敵の三幹部が使用可能に。
-一部イベントのCGムービー化
-ジャッジメントリングが大きく見やすくなった。
-次回作『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニュー・ワールド』のPVが封入

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**総評
 一つのタイトルとして見た場合は十分に良作以上の域にあると言っても良いのだが、過去作とのリンクを強固に打ち出しているタイトルとしては粗が少なくないのも事実。~
 ギャグゲーか何かと勘違いしてもおかしくないほどに異常に増殖してしまったギャグイベントや、前作の持っていたダークな世界観がほとんど無くなってしまっていること、そして前作を経験しているからこそ余計に違和感が強くなってしまう後付け設定、描写などが目立つ点は続き物のタイトルとして見た時に前作、『1』からのファンが不満を募らせることもまた致し方ない点であると言える。~
 だが、それでも他のゲームでは持ち得ない独特な(もはや異質なレベル)雰囲気は確かにあり、ゲームそのものの作り込みも(明後日向きすぎなモノもあるが)かなりのモノで、制作陣の気合いを十分に感じることの出来る上質な仕上がりであることは間違いない。


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*シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド
【しゃどうはーつ ふろむ ざ にゅーわーるど】
|ジャンル~開発元|同じため略|#amazon(B0009MZ1W6)|
|発売日|通常版/プレミアムBOX:2005年7月28日&br()スターターパック:2006年1月19日|~|
|定価|通常版:7,329円&br()プレミアムBOX:12,390円&br()スターターパック:6,090円|~|
|レーティング|CERO:12歳以上|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:[[シャドウハーツ]] - [[シャドウハーツII]] - ''フロム・ザ・ニューワールド''|

**解説(FTNW)
-主人公と舞台を一新した新作。略称:F、FTNW、フロム等。
--一応完全新作であり、『2』とは別物なのだが、グラフィックなどの外見的要素の質はほぼ2と同等で、共通するシステムなども多く、問題点・評価点も共に『2』と通ずるものがあり、解説に都合が良いため、本項でまとめて補足する。
--決して、適当な出来なのでこんなおまけのように載せられている、というわけではない。
-タイトルが示す通り、ストーリーや登場人物は前二作から大幅に一新されている。
--舞台は前作から14年後、1929年のアメリカ大陸。アメリカ合衆国および中南米の各地を冒険する。
---前作でマリス(悪意のエネルギー)が世界中に解き放たれてしまったことが、ストーリーに大きく関わっている。
--主人公はウルではなく、ニューヨークで私立探偵を営む少年ジョニー・ガーランド。
---素直な性格の少年。常識人であり、パーティ内では基本的にツッコミ役。ウルのように戦闘に秀でているわけでもなく特別な能力は何も持っていないが、序盤でマリスの刃「マリスブレード」を形成する謎の能力に目覚める。
--ヒロインはシリーズお馴染みのフュージョン能力を持つ、ネイティブアメリカンの女性シャナイア。
---故郷の村を壊滅させた女レディへの復讐のために行動しており、ほぼ全編通してシリアス一辺倒のヒロイン。
---今作のフュージョンは各地の精霊の力を借りて変身するというもので、変身後の姿も怪物というよりシャナイアの女体を色濃く残している。各地の精霊と契約して新たなフュージョン能力を得ることが冒険の目的の一つになっているが、前作までに比べるとストーリーに大きく関わる設定ではない。


**評価点(FTNW)
-システム面はシリーズで最も完成度が高い。
-戦闘システム
--『2』の戦闘システムを改善し、コンボや連携と言ったシステムの面白みや戦略性が増している。
--敵味方に個別に存在する「ストックゲージ」を一定量消費することで、「ダブル(複数のコマンドを連続で実行)」や「コンボ(前作の連携)」、「ダブルコンボ」といった強力な連続行動を行える形式になった。
---ダブルが追加されたことで一人でも連続攻撃が可能になり、上手く連続ヒットを繋げることがより重要になった。
--『2』ではぬるすぎて不評も多かった難易度についても改善。今度は逆に、雑魚戦でも油断するとストックゲージを使われたりして死ぬ可能性があり、単体のボス戦でもダブルがあるのでピンチに陥りやすくなったが、対策と戦略を練っていけば大丈夫な難易度になっている。
--連携を行うために味方同士で密集するという準備行動が不要になり、戦闘テンポがより向上した。また連携(コンボ)などの連続行動は、一回のジャッジメントリングだけで一括して判定を済ませることもできる(その分リングが複雑かつ高難度になる)ようになった。
--今作の魔法システム「ステラチャート(ステラマジック)」は、前作の紋章魔法に比べて分かりやすく、またカスタマイズ性も高い。
-グランドキャニオンやマチュピチュなどの、大陸各地の名所が登場する。
-音楽については相変わらず評判は良い。
-異様に凝ったデータベースも相変わらず。

**問題点・賛否両論点(FTNW)
-シナリオやキャラクターはシリーズで最も評価が低い。
-シナリオ
--メインライターは、これまで『クーデルカ』からシリーズに携わり『1』~『2』でディレクションとシナリオを担当した町田松三(板倉 松三)氏ではなく、新たに鈴木俊之氏が担当している。町田氏はストーリーコンセプトの提供のみに留まっている。
--『2』の時点でかなり多かった後付け設定やご都合主義が『F』でも遺憾なく発揮されており、疑問点も多い。
--ストーリーのおおまかな展開は北米と南米の各地を巡りながらレディの行方を追うというもので、対立する敵も終始一貫しており前二作ほどの捻りは無い。
---従来のように、ゲーム中盤を過ぎた辺りから新たな舞台である南米に行けるようになるが、今作は『1』の亜細亜編→欧州編や『2』の欧州編→日本編のように明確に前後編に分かれてはおらず、シナリオの大きな転換点も終盤に集中している。それまでのシナリオ展開は中だるみしやすい。
-キャラクター
--登場キャラは個性的な面々ではあるものの、主要の数人以外は基本的に空気と、いまいち練りきれておらず、全体的なキャラクターの魅力は前作には劣る。
--ジョニーとシャナイア以外のパーティメンバーはストーリー的には割とどうでもいい存在で、ほとんどのメンバーは旅に同行する理由付けも弱い。
--主人公達よりもむしろ、敵であるレディやキラーの方に好感を持ったという感想も少なくない。敵側が魅力的なのは一概に悪いことではないのだが、それは主人公側の魅力が物足りないことの裏返しでもある。
---ただし敵キャラも過去の掘り下げなどはなく、いまいちキャラクターの描写が足りない。
//---キラーはありとあらゆる犯罪に手を染めた極悪人という設定だが、作中では詳しい過去は明かされず、極悪人というほどの描写は乏しい。むしろ「ガラの悪い男だが、レディを守るために行動する」という、前作までのウルと似た部分がある。
//---レディはマリスの力を操る、無感情・無言の美女。スタイルの良さやエロさはヒロインのシャナイアに負けていない。
//---キラーとレディという奇妙な取り合わせの男女の旅は、悪役ながらどことなくシャドウハーツ的でもあり、この二人が主人公とヒロインのようにも思えてしまう。
--アメリカが舞台ということで、『1』に登場したハリー(ひいてはその両親である『クーデルカ』の主役2名)が登場するのではないかという期待の声もあったが、結局作中には一切登場せず、存在を示唆する描写も皆無だった。
//--ストーリーの途中から南米に行けるようになるが、『1』の亜細亜→欧州や『2』の欧州→日本といった舞台の大きな変更に比べると、そこまで新鮮味のある変化ではなく、ゲーム的にもシナリオ展開的にもインパクトが弱い。
//主観的な部分のCO
-サブイベントも『2』の焼き直しが多い。
--武器拾いイベントや漢寿司(2で言う漢祭り)など、「『2』でウケたからそれにちょっと手を加えて使い回してしまえ」と言った感が見え見え。
-パーティメンバーの性能差は『2』以上に激しく、パーティキャラが固定されがちなのが難点。

**総評(FTNW)
-評判は「シナリオは△、システムは○」と言った感じ。
-総評としては、まあ良くも悪くも『2』の続編と言ったところである。
--シナリオの微妙さが足を引っ張りがちだが、戦闘に関しては極めて順当に洗練されており、システム面は高く評せられて然るべきだろう。

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*その後の展開
-シリーズ全体で見ても元々それほど多くはなかった売り上げが『フロム・ザ・ニューワールド』でさらに伸び悩んだためか、シャドウハーツシリーズはこの作品を最後にストップ。開発元であるノーチラス社も解散となってしまう。
--スタッフの何名かはその後『ロストオデッセイ』のフィールプラス社などに勤めているとの事らしい。

-2006年9月21日、シャドウハーツシリーズのキャラクターも登場するシミュレーションRPG『[[カオスウォーズ]]』が、アイディアファクトリーより発売されている。出来は…あまりよくない意味でのIFクオリティ。

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