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ファイナルファンタジー零式」を以下のとおり復元します。
*ファイナルファンタジー零式
【ふぁいなるふぁんたじーれいしき】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B001DUI3A0)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|メディア|UMD 2枚組orダウンロードソフト|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2011年10月27日|~|
|定価|UMD:7,700円&br()DL:6,480円(共に税抜)|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ:2012年12月6日/2,940円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『ファイナルファンタジーXIII(以下13)』と同じく「ファブラ ノヴァ クリスタリス」プロジェクトの一作。『[[クライシス コア ファイナルファンタジーVII]]』・『[[The 3rd Birthday>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/797.html]]』の制作スタッフが中心となって開発された。~
もともと『ファイナルファンタジー アギトXIII』として携帯電話用アプリ作品として発表されていたものだったが、後にPSPでの発売が決定、その後「FFの新シリーズ1作目」という意味合いを強めるために現在のタイトルに改名された。~
タイトルは変わったが『13』と同じ神話を共有した世界観であることに変わりはないので、一種のスピンオフ作品とも言える。~
なお本作の「零式」の正式な読みは「''ゼロしき''」ではなく「''れいしき''」である。現在配信中の体験版は「ゼロシキ」表記となっているため非常にややこしい事になっている。~

**特徴・評価点
''シナリオ''
-「''戦争と死''」をテーマにした重い雰囲気のシナリオ。戦場から撮影しているようなムービー、ナレーションで戦況が語られるなど、ドキュメンタリー的演出がなされており、従来のFFシリーズとは一線を画すシリアスさを持つ。
--戦時下という状況か学園パートのモブ生徒たちの会話にも生の重さや死の匂いを感じるテキストを随所に散りばめ、セリフの一つ一つを印象深いものにしている。
--「死んだ人間の記憶が失われる」という設定(有用なキーワードにもなっている)や、ドキュメンタリー方式ならではの死の描写の生々しさもあってシナリオの独自性を印象付ける点において成功したといえるだろう。
-ムービーや、世界観・キャラクターなどの解説はゲーム内の図書館や、タイトル画面の「朱の目録」から閲覧することが出来る。
--宇宙的恐怖を感じさせるクリーチャーデザインや地名設定など、クトゥルフ神話からの影響が強い。

''キャラクター''
-プレイヤーは0組(クラスゼロ)に属する14人のキャラクターを操作し、シナリオに合わせて様々な作戦を遂行していく。
-0組生徒は扱いにほとんど差がなく全員が主人公とも言えるので、この点は『ファイナルファンタジーVI』に近いといえる。
--中でも序盤に0組に編入されるマキナとレムの視点でシナリオが進むことが多いので、この2人が実質的な主人公とも考えられる((他にはマキナの兄とつながりが深いエースなども主人公格と言える。))。
-尚、基本的に0組の面々や他のキャラクターもほとんどが学生であり、学園ドラマ的なイベントがあったりする。
-曲者揃いの0組メンバーを筆頭にカルラ、ナギ、クオンといった他クラス生徒、クラサメやカズサなど魔導院教員、シド、カトル、ギルガメッシュら敵側勢と物語を彩るキャラクター勢は膨大な数ながら豪華声優陣の熱演もあってどれも個性豊かであり、前述した通りテキストの豊富さもあってモブ同然の脇役ですら強い印象を残すキャラが少なくない。
//わざわざ声優名をたくさんのせる意味は無いと思われます。

''バトルシステム''
-バトルはアクション形式で、『ファンタシースター』シリーズのバトルに近い。
-戦闘がとにかくスピーディで、キャラクターそれぞれのアクションも豊富に用意されている。
--14人とも武器などによって能力に明確な差別化がなされており、性能的に被っているキャラがいない。異常に強い彼女(後述)を除けばキャラごとにしっかり役割も分かれているので、ミッションに合わせて使い分けられるようになるとかなり進めやすくなる。
-ミッション中やダンジョン内は『ファンタシースター』シリーズのようなシームレスバトル、ワールドマップではシンボル/ランダムエンカウントとなっておりゲームのテンポが阻害されることもほとんどない。
--他にもワールドマップ上で拠点制圧を行うリアルタイムストラテジー的な要素を持つ「制圧戦」もあり、よりリアルな「戦争」が展開される。
-プレイヤーが操作するキャラ1人+CPUが操作するキャラ2人の3人でパーティーを組み、残りのキャラは「リザーブメンバー」として操作キャラが戦闘不能になった時などに呼び出す。なお、戦闘不能になったキャラはミッション中は使えなくなる。
-敵が強く難易度も全体的に高めだが、ロックオン時にサイトが黄色くなった瞬間に攻撃すると大ダメージを与えられる「ブレイクサイト」、サイトが赤くなった瞬間に攻撃すると''あらゆる敵を問答無用で倒せる''「キルサイト」とよばれるシステムがある。このときの攻撃はSEも派手で、敵も瞬殺できるため決まったときはとても爽快。敵の種類によって表示されるタイミングが違うため狙うにはある程度慣れが必要だが、スピーディな戦闘と爽快感を両立させる要素となっており、概ね好評である。
--PSPのスリープモードを使って未プレイ時でもキャラを育てられる・レベル補正の存在でレベルを上げれば一気に戦闘が楽になるなどライトユーザーへの配慮もしっかりなされている。
--制圧戦など一部を除いて一度クリアしているミッションならタイトルから選択できる「作戦」モードで好きなだけプレイ可能。ここで得たギルや経験値、アイテムは本編にも反映されるため、稼ぎながら納得の行くプレイリザルトを目指す事ができる。やりこみ派のための高難易度モード(敵レベル+30、敵レベル+50&使用キャラ1人のみ)も存在し、難しくするほどクリア時に貰えるギルやアイテムの水準は上昇する。
-ファントマというアイテムを専用の施設で使うことで魔法の強化が可能。
--強化できる項目は魔法の種類によりけりだが、とにかく威力をあげる、MP効率を上げて連発する、総合的なバランスを重視などプレイヤーの好みに応じて好きに強化できる。
--ファントマは属性に応じた魔法で敵にとどめを刺すことである程度狙って集めることができる。ストーリーが進めばやや割高だが直接買うことも可能。
-マルチプレイモードは他者のプレイに一定時間だけ「乱入」するという一風変わった仕様で、気兼ねなく参加でき手軽。乱入された際はCPUがリザーブメンバーに戻る。
--また、CPUが乱入するように設定することもできる。その場合は''スタッフや声優の名前を持ったキャラ''が乱入してくる。設定を調整することで乱入を拒否することもできる。
-召喚獣は「軍神」という形で登場し、条件を満たすことでプレイヤーキャラの代わりに操作できる。
--本作に登場する操作可能な軍神の種類はイフリート級、シヴァ級、ゴーレム級、ディアボロス級、バハムート級、オーディン級の6種と少なめだが、各級には何種類かの軍神が存在し、それぞれ能力や使える技、能力などが異なる。
--いずれも能力や技の性能は非常に高く、それが敵を次々と撃破していく様子は実に爽快。
--ただし、召喚するとそのときの操作キャラクターが死亡してしまう、14人と比べると全体的に操作が難しい、などと難点もいくつかある。
--だが、あるキャラクターは召喚時の死亡デメリットをカバーする技を持っているため…(詳しくは後述)。

''グラフィック''
-PSPのスペックの限界に迫る美麗なグラフィックはスクエニの面目躍如と言えよう。 [[FFX>ファイナルファンタジーX]]や[[FFXII>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/300.html]]などPS2のFF作品にも決して引けを取らない。
--ムービーもプリレンダ・実機ともに豊富に用意されており、サブイベントでもムービーが流れることが多い。
-FFシリーズとしては初めて直接的なバイオレンス描写が解禁されている。その美麗なグラフィック故に''血まみれで死んだ人もリアルに描写される''ので、スプラッタがダメな人は要注意。
--オープニングからしてそれである。シリーズのマスコットであるチョコボですら、機銃掃射を喰らい黄色い羽を真っ赤に染めて死んでいく。

''音楽''
-作曲は『DFF』『[[すばらしきこのせかい]]』を手掛けた石元丈晴氏。
--ロックサウンドを全面に押し出したボスのBGM「戦-白の兵器」ラスボス戦「朱雀の炎」など良曲揃い。
-エンディングテーマはBUMP OF CHICKENの「ゼロ」。
--この曲はエンディングとのマッチが半端なく、FFのエンディングの中でも屈指の名曲と言われている。またBUMP OF CHICKENのファンから最高傑作との声もあるほど曲単体での評価も高い。

''やりこみ要素''
-しばらくの間一本道を批判され続けていたFFシリーズだが、今作はこれでもかというほどやりこみ要素が詰まっている。
--UMD2枚組であるため、サブクエストやサブイベントも膨大な量を誇る。1周で全てのイベントを見ることは不可能で、本作を隅々まで楽しむなら周回プレイは必須。2周目以降限定のイベント、高難易度のミッションやボスなども多い。
--ただし隠しダンジョンは最初主人公たちの領地が敵に奪われている為、実質いけるのは後半からである。また隠しダンジョンのモンスターはとてもじゃないが1周目でいけるレベルではないため、2周目から行くことを推奨する。
-本筋に関わらないお遊び的イベントも多い。とある女性脇役キャラがからむ、お色気要素満載のイベントもグラフィックの美麗さもあって意味スタッフの本気を感じさせる。

**問題・賛否両論点
''バランスブレイカーの存在''
-実質的な本作ヒロインであるレム·トキミヤが''不治の病気持ちという設定であるにも関わらず0組トップクラスのバランスブレイカーとなっている''。プレイヤーからはアーケードゲーム『北斗の拳』のバランスブレイカーで、同じく病持ちのキャラ「トキ」にちなんで''女版トキ''などと呼ばれている。
--本作では魔法攻撃が非常に強力であり、各魔法攻撃の威力を決める魔力が全て0組トップなので攻撃性能が抜きん出て高い。
--それに加えて特定の通常攻撃からすかさず魔法に繋げられる「キャンセル魔法」というアビリティがあるのだが、レムは全キャラで最もバリエーションが豊富。特に「キャンセル魔法零型」は''通常攻撃1段目''にキャンセルがかけられ、「ガ系キャンセル魔法」と組み合わせることで、本来長い溜め時間が必要なガ系魔法をガンガン連発することが可能。これらのアビリティを習得するのも他キャラに比べて早く、容易である。
--そのうえ自前でMPを回復するアビリティ「コンバート」を持つため文字通り半永久機関となって戦い続けられる。魔法を受けた敵は''痛みを知らず安らかに散っていく''。
--リーチこそ短めだが、接近戦においてもそう悪くない性能を持つので、敵に近寄られてもさほど問題はない。さらに病気のわりには体力の成長も悪くないなど至れり尽くせり。''お前みたいな病人がいるか!!''
--さらにアビリティ「死なないで((パーティーキャラ全員に短時間リレイズ(死亡時に復活)付与。))」によって「召喚時に操作キャラクターを死亡させる」という軍神のデメリットを実質無効にし、無制限に召喚することさえも可能にしてしまう(ただし死亡回数は増えるためミッションクリア時の評価には影響する)。まさに''命は投げ捨てるもの''。
--ただしこの領域に達するには本作のシステムを理解した上でレムを育て、それなりに修練を積む必要があること、魔法永久機関化と軍神永久機関化はシステム上両立できないこと、序盤からラストダンジョンまで通しての使用は出来ず、魔法や軍神が使えない状況下では大幅に弱体化してしまうこと、2周目以降ではMP消費を0にするアクセサリが頻繁に手に入るためコンバートの有用性がなくなる、などの欠点があることも覚えておきたい。
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''シナリオ面''
-難解な単語・造語が説明も無しにポンポン出るので、ある程度予備知識がないと何を言ってるのか全くわからない。用語集があるとはいえ、いつでも見られるわけでもない。
//ただ、自由時間中にNPCなどに話しかけると造語や本作の世界について説明してくれたりするので、こまめにNPCの話に耳を傾けていると理解しやすい。
//思い当たる節がほとんど見当たらない。難しい用語なんてそう多くは無いと思うんだが。
//↑コクーン、ルシ、軍神、その他にたくさん出てきたろ。ただの魂ですら何かメンドクサイ言い方してくらいだし。
-「戦争と死」を扱ったシリアスでリアルなストーリーゆえに、人によっては鬱シナリオと見られる。その重いシナリオこそが本作の特徴でもあるので賛否両論だが。
-マキナのストーリー後半以降の行動についても大きく賛否が分かれている。

#region(ネタバレ注意)
-「自分の兄が0組に殺されたのではないか?」という疑念を抱き、0組のメンバーと衝突した挙句、朱雀を裏切ってルシ((今作の世界の各国に存在するクリスタルに選ばれて、不老となり超人的な力を獲得した者のこと。))となり敵国側に付いてしまう。かと思いきやあっさり戻ってくるも「レムは俺が守る」の一点張りで他のメンバーと衝突し、ミッションにも参加しなくなってしまう。最終決戦後も生き残って今作の世界「オリエンス」の指導者になったことも大きく賛否が分かれている。キャラ性能の微妙さもあって、付いた蔑称は「''末期''」「''マッキーナ''」。
--ただ、0組と衝突する原因を作ったのは0組の保護者で魔法局長のアレシアを疎ましく思う軍令局長の唆しだったり、同じくアレシアを信用していない朱雀上層部による諜報員としての利用であったりと一概に彼が悪いわけではない。また本作の世界設定では人が死ぬとクリスタルの力によってその死んだ者の記憶が消えてしまうという設定があるため、これが0組との衝突の原因にもなっているといえよう。
--ルシになる経緯も、魔導院でのレムと彼のサブイベントを消化しておかないと、どうしてもよく理解できないという事態に陥りがち。
-''終始イベントシーンではやられ役''・''ミッションをばっくれていても何故か授業には出席する(これには十分な理由がある)''・''キャラ性能も守る対象のはずのレムの方が圧倒的に強い''とネタ要素には事欠かないため、ネタキャラとしては愛されている。
--性能面で言うと確かに通常技は微妙だが、スキルは中々に強力なものもあり、特に「アサルトモード((通常攻撃などの攻撃スピードが非常に高速になり、体力も回復する))」を使えばもともと高い攻撃力を持つことも相まって非常に高い火力を得られる。また「ソードフィールド」という自分の周りに剣を出現させて触れた敵にダメージを与える技を持っており、これを装備したCPUマキナを連れていけば自動的に敵の近くに移動してダメージを与えてくれるためモンスターに対する''設置攻撃''として使える。あれ?でも結局これ''メインのサブキャr(ry''
#endregion

-最終章の展開があまりにも唐突で、突然プレイヤーの置かれた状況などが様変わりし、謎の勢力が現れ、重要キャラも死んだりするが詳しく説明されないまま先に進んでしまう。
--そういった説明は上記で述べたマキナの件も含め図書館の資料で開示される形となっており、悪い意味でFFXIIIと同じ悪癖が残っている。しかも今作だけでは数多い謎は解かれない((攻略本であるアルティマニアを見ても完全に解明されない。))ため続編などの補完を待つのみである。
---この最終章前までは、多少の問題はあれど無理のある展開は全くなかった上、この後のエンディングの演出なども非常に高い評価を得るほどのものだっただけに、こういった部分が非常に惜しまれている。

-そもそもストーリーの軸が不毛。
--これは公式で公表されている前情報(バックストーリー)なので、内容は伏せないで記載しておく。
--1、とある神が死後の世界に行こうとしている。2、人間が死ぬと扉が開き、魂は死後の世界に導かれる。
--3、扉はとても小さく、神は通る事ができない。4、大量の人間、あるいは特別な英雄が死ねば、通常よりも巨大な扉が開くのではないか?
--''5、神が死後の世界に行っても無駄''(そもそも神が死後の世界のことを勘違いしているという設定)
--身も蓋もない言い方をすると、ゲームを起動する前にストーリーの9割は意味の無いことだと宣言されているようなものである。
#region(ここからネタバレ)
---以上のことから、本作の黒幕(本作の黒幕≒神。もしくは神の代理人)が実行した計画は「1000年かけて人間を繁栄させ、皆殺しにする」「それに立ち向かわせる英雄を自分で育て、そして殺す」という狂気の計画だった。
---その黒幕は主人公達を大切に思っているように見せかけて実際には目的の達成に必要な手段としか考えておらず、その正体を知らない主人公たちはその黒幕を「マザー」と呼んで慕い、知らず知らずの内に実験動物のような扱いを受けて何度も死んでいる(永遠に死後の扉をくぐる事ができず、殺される→転生→育成→殺される→転生の無限ループ)
---そして、この黒幕とは戦うことができない。それどころか、最後まで真実に気がつかないまま主人公たちは死んでいく。黒幕が「慈悲で主人公たちを転生させなかった」という結末らしいのだが・・・・
---また、黒幕はこれまでにこの「実験」(繁栄と皆殺しで1セット)を何億回もくり返し続けてきたことを話しており、それを考えると「実験に見切りをつけたから主人公たちを転生させなかっただけ」という風にしか読み取れない。
---真の意味での黒幕を倒せず、結局、最後まで良いように利用されて捨てられる。戦争のテーマとは別の意味で救いようのないシナリオである。
#endregion
''UI関連''
-アイテムは一種類だけセレクトボタンにショートカットとして割り振れるが、それ以外はメニ

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