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サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY」を以下のとおり復元します。
*サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY
【さがつーひほうでんせつ ごっです おぶ ですてぃにー】
|ジャンル|RPG|&amazon(B001QCY0MU)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|ラクジン&br()スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2009年9月17日|~|
|定価|5,980円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1人(通常時)&br;1~4人(「亡者の闘技場」のみ)|~|
|セーブデータ|4個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[サガシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-1990年に発売されたサガシリーズ2作目、GB『[[Sa・Ga2 秘宝伝説]]』のリメイク。通称『サガ2GOD』
--サガシリーズでは『[[ロマンシング サガ -ミンストレルソング-]]』(ミンサガ) に続き過去作のリメイクだが、今作もミンサガ同様に新作と言っていいほどに多くの追加要素が盛り込まれている。
--ただし、新要素の多くは強制ではなく発生(利用)はプレイヤーの任意なので、これらの要素を発生させずGB版に近いプレイ感覚で遊ぶこともできる。
-GB版の制作に携わった田中弘道氏がプロデューサーを務めた。 
-その他、基本的な部分はGB版の項を参照。

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**新要素
-ミンサガの要素を応用したり、サガ2の世界観に合わせて導入したものが多い。

***種族
-人間・エスパー・メカ・モンスターの4種族と、その成長システムも基本的にGB版と同じだが、さらに種族ごとの特徴を際立てた追加要素がある。
--人間
---武器熟練度を追加。例えば斧を使い続けると斧の熟練度が上がり、斧で攻撃したときの攻撃力と命中率が増す。
---これにより、武器の扱いが得意というポジションを明確に確立するものとなっており、GB版にあった「特殊能力の扱えないエスパー」のような状況にはならない。熟練度は武器を振った回数にのみ依存し、終盤の育成においても成長率という不確定要素に頼る必要はない。
--エスパー
---エスパークラスを追加。戦闘で使用した能力の傾向により、エスパークラスが「攻撃」「防御」「補助」の三軸の間で変動し、能力の効果が上がったり、覚えやすい能力が変化する。
---装備システムが人間に近い種族でありつつも、特殊能力を前面に押し出したシステム。特殊能力でしかできない(あるいは困難)であるスキルは少なくない。
--メカ
---専用パーツを多数追加。装備すると魔力を上げたり、敵から狙われにくくなったりするものがあり、GB版とは一味違った装備バリエーションが楽しめる。
---最大の弱点であった「魔法攻撃に弱い」という弱点を克服する装備品の組み合わせが登場するため、戦術を大きく広げた。
--モンスター
---変異種が追加された。ある条件を満たしているときに肉を食べると、通常より強い変異種のモンスターに変身できるようになった。~
それとは別に、変身前に持っていた魔法や耐性から一つを引き継ぐ場合がある。
---能力値が優秀なのに耐性がない・魔力が高いのに魔法があまり扱えないといったジレンマを解決する手段になっている。モンスター種族は特殊能力自体に上位のバージョンが存在し、変異種になることで通常のバージョンを代替する。
-各種族の外見のバリエーション
--モンスター以外の種族
---それぞれ「4種類の外見×4パターンのカラー」が用意されている。
---単純に外見の選択の幅が広がっただけでなく、例えば「パーティ全員が人間男」といった極端なパーティにしても、全員違う外見に設定できるという親切さも生まれている。
--モンスター
---GB版ではハード性能からか、同系統のモンスターはランクに関係なく同じグラフィックだったが、今作DS版ではランクごとにグラフィックが異なる。
---このため、モンスターの外見がGB版以上にプレイヤーにとって重視される要素となった。妖精系などは非常にかわいらしいグラフィックである。
-キャラクターごと(モンスターならその時の種族ごと)に、セリフ中の一人称・二人称・語尾などの言い回しが異なるように新たに設定されている。
--『[[ロマンシング サ・ガ2]]』に見られた程度のささやかなセリフの変化であるが、色々なキャラの個性が表れるようになった。
---モンスターの口調は種族によって変化するため、さっきまで男の子口調だったモンスターが、種族変化で急に女の子口調になるというシュールな光景を見ることも。人によっては「口調がコロコロ変わって感情移入しにくい」と感じるかもしれない。

***運命の糸と連携
-『[[サガ フロンティア]]』から恒例の「連携システム」は今回も健在だが、扱いが従来とは大きく変わっている。
-今回は、連携を発動可能なときに「運命の糸」というアイテムを任意で使用することで連携を発動する、という形式になっている。
-「運命の糸」は、どこかにいる「運命の三女神」から「ミューズポイント(MP)」というお金のようなものと交換することで入手できる。
-「運命の糸」には使用回数があるため、連携が使える回数には制限があるが、発動さえすれば本来の敵味方の行動順を無視して味方の攻撃をつなげられる。
-連携の2人目以降の攻撃は、武器(能力)を通常通り使用するのではなく、強力な「技」を発動するようになっている。技はシリーズでおなじみのものが多数ある。
--一定確率で「連携昇華」が発生し、より強力な技で攻撃することもある。
---連携が長くなるほど、後発のキャラが連携昇華しやすくなる。
---これはミンサガの「無足・加撃」の要素と似たようなもの。
---あくまでも武器の通常攻撃をベースにした調整になっており、武器本来の持ち味が失われるような技が発動することはない。
--連携時には、連携のダメージ倍率(連携率)や合計ダメージも表示される。
-運命の糸にはいくつか種類がある。
--どの糸を使用するかによって、後述のシナリオ・シンクロ・システムなどに影響を及ぼす。
--連携の際にどの糸を使用するかは、所持している糸の中から一定確率で決定される。糸はメニュー画面から並び替えができ、上部にあるものが選択されやすい。
---連携を発動可能なときには、使用する糸の名前が画面に表示されるので、それを確認した上で連携するか否かを判断するという選択性がある。

***ミューズシステム
-ゲーム中に様々な場所で出会える「ミューズ」と呼ばれる下級女神達と知り合うと、以後主人公たちの助けとなる。
-戦闘勝利時に、戦い方によって特定のミューズが戦闘内容を評価してくれる。評価が高いほど「ミューズポイント(MP)」が多く貰える。
--ミューズポイントは運命の糸を買うためのお金の役割がある。
-戦闘中にときどきミューズが登場して、敵を攻撃したり味方を回復するなどの助力をしてくれることもある。
--ミンサガの「信仰、恩寵」の要素をサガ2の世界観にあわせて導入したものと言える。

***シナリオ・シンクロ・システム
-戦闘の内容がサブイベントに影響を与えるシステム。
-戦闘中に運命の糸を使って連携を行うと、使用した糸の種類や連携を行ったメンバーの組み合わせによって、パーティメンバー同士の関係およびチーム称号が変化する。
--チーム称号によって特定のサブイベントを発生可能になったり、サブイベント中の会話内容が変化する。
---チーム称号は、デフォルト以外は大きく分けてポジティブ称号とネガティブ称号の2つに分類される。サブイベントに発生条件がある場合は、発生時期限定と、称号がポジティブ系かネガティブ系のどちらかというもの。またポジティブ・ネガティブがそれぞれ4種類の計8系統に分類され、連携強化に関わる「光玉」に対応している。((さらに細かく見ればキャラ同士の関係から強い2種までの組み合わせで全36種+デフォルト状態1種だが、本編プレイではそこまで関係ない。))
-サブイベントは、寄り道的なもの、ストーリーを膨らませるもの、アイテム入手に関するものがある。

***シンボルエンカウントとチェーンエンカウント
-エンカウント方式
--GB版のランダムエンカウントから、『ロマンシング サ・ガ』以降同様のシンボルエンカウント式になった。
--敵シンボルは通常の移動で十分振り切ることが可能で、回避は容易。中盤以降は「高速移動」や敵に探知されない「ステルス」といったアビリティが使えるようになり、よりシンボル回避は楽になる。
--敵の背後を取るだけで先制攻撃を取れることがあるため、特殊能力「不意打ち」に頼る必要がなくなった(覚えていれば先手を取れるケースは増えるので有用性があることに変わりはない)。
-チェーンエンカウント(以下「CE」)
--戦闘のリスク・リターンの度合いに影響するシステム。
--敵シンボルと接触した際、付近に別の敵シンボルがいた場合は、それらの敵シンボルに含まれる敵もまとめて一斉に戦うことになる。これをCEという。
---場合によっては、一度の戦闘で最高50体もの膨大な物量のモンスターと戦闘になることも。
--CEに勝つと獲得ケロ(お金)にボーナスがついたり、キャラクターが成長しやすい見返りがあるために、あえて狙う価値はある。
--これはミンサガで採用されていた、付近の敵シンボルとまとめて連戦を行う「チェーンバトル(以下「CB」)」を応用したシステム。
---ミンサガのCBは、付近の敵シンボルの数だけ連続して戦闘が発生するというものだった。
--敵の表現
---3Dグラフィックとして表示されるモンスターは一度に最大3体まで(その敵グループの中から3体が代表として表示される)であり、下画面には2Dのチビキャラで全てのモンスターが表示されている。これにより、DSで3Dグラフィックの戦闘でありながら、数十体もの敵との同時戦闘を実現している(元々GB版でも、少ない敵グラフィック表示で多数の敵との戦闘を実現していた)。
---過去に発売されたFF3やFF4のDSリメイク版では、3Dグラフィックになった弊害からか、一度に出る敵の数がオリジナル版から低下したことが問題となった。本作の多数の敵との戦闘は、その問題を克服したものとも言える。
---また、状態異常を仕掛ける際も、GB版では1グループ単位で成否を決める大味な部分があったのだが、この点が改善され、敵個別に対してそれぞれ判定がなされるようになった。状態異常は2Dグラフィックの輪郭の色で判別可能。

***やりこみ要素
-戦闘スポット「亡者の闘技場」「魂の暗域」の追加。
--「亡者の闘技場」は序盤を終えたあたりで行けるようになり、撃破したボスの強化版と戦える。
武器や運命の糸など、あらゆる消費が戦闘終了後にリセットされ全滅してもペナルティは全くないが、成長などもしない。~
チーム称号も一旦デフォルト扱いになり、連携を使用することで変化した称号と戦ったボスの種類によって勝利時にアイテムを入手できる。(称号も戦闘終了後に元に戻る)
---マルチプレイ対応で、その場合は各自がキャラを出して戦闘参加できる。
--「魂の暗域」は終盤に行けるようになる、強敵ぞろい+連戦のチャレンジ。
強敵相手なのでキャラ育成にも使えるが、消耗もするし全滅すればゲームオーバーである。
クリアしたコースごとにランダムでアイテムを入手できる。最難コース限定のアイテムを集めるのは至難。
-クリア後、一度エンディングを見たデータから一部の要素を引き継いで最初から遊べるNewGame+が可能となる。
--引き継げるのは後述する運命の糸のレベル、プレイヤーノート(こなしたサブイベントや連携技などの記録)など。
--密売人スライムに売ったアイテムは、次回以降の周回でも買い戻せる。強力なアイテムほど高額なので、一般的なアイテム引き継ぎのように最初から楽ができるわけではない。
-またアイテムを預かるファットスライムや先述の密売人スライムなど、収集に関連する追加要素も多い。
-味方が変身したモンスターが記録されていく「肉食い図鑑」が追加された。
--この「肉食い図鑑」は''普通のセーブデータとは別枠扱い''で記録されており、全セーブデータで共有されている。この仕様により、「本編用のセーブデータとは別に、図鑑埋め用のセーブデータを作成してそちらで埋めていく」といったことが可能。

***その他
-2Dから完全3Dに進化され、さらに戦闘画面にも味方パーティーが表示され、アニメーションも追加された。
-移動中は小さなジオラマではなく、スケールの大きなマップを移動する(街や建物はシンボルではあるが)。主人公とほぼ同じ高さのカメラアングルでカメラ操作も可能。3Dフィールドを歩き回る楽しさもある。DSの中でも高クオリティのグラフィック。
-一度に出現するモンスターの数が膨大ではあるが、戦闘中に随時戦闘アニメをON・OFF可能で、好きなときに戦闘アニメを楽しんだり、戦闘を短縮できる点は親切。
-ボタン配置、表示設定など、細かく設定できる部分も多い。地味な部分だが、めずらしく輪郭線の有無まで設定できる。
-CERO Aであり、全体的に表現はマイルドに抑えられている。
--原作でアヘンの密輸が扱われているが、麻薬の描写はCERO C(15歳以上推奨)に相当するため、&bold(){「アヘン」は全て「ご禁制の品」に置き換えられている。}「ご禁制の品」が何かに触れなければ問題ないらしい。
--著作権的に問題のあるネーミングも別の名前に差し替えられた。
-世界観はオリジナルであるGB版準基であるが、天の柱のみ樹のようなもので支えられていたGB版から、サイバー的な空間と軌道エレベーターに大きく変えられている。

-ゲームバランス
--全体的にGB版を踏襲しているが、調整し直されている部分も多い。連携などの新要素によりGB版とはまた違ったバランス感覚で遊べる。
--一回の戦闘で複数のパラメータが上がるようになった。これによりGB版で成長が遅く使いづらかった人間・エスパーの使い勝手が大幅に改善されている。
--GB版よりも、寄り道して強力なアイテムを集められる余裕は広がった。
--通常戦闘ではほぼ確実に逃げられるようになった。ただし逃げると少量のお金をよく落とす。(落とさない場合もある)

-ストーリー
--GB版で展開がやや唐突だったり疑問の残る箇所には、なんらかのフォローが入れられている部分もある。

-BGM 
--オリジナルで植松伸夫氏と共作した伊藤賢治氏がアレンジを担当している。また新曲もいくつか追加されている。

-「珊瑚の剣」や秘宝の設定ミスは修正された。
--また「火炎放射器」が炎弱点の敵に有効になり、「悪のそろばん」に◯武器と単体物理攻撃回避率70%の効果が付いてGB版攻略本の説明通りの効果になった。攻撃力は据え置き。

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**評価点
***GB版における不便な点の改良に踏み切っている
-宿屋に泊まると石化を含む全ての状態異常が回復する。
--石化は特に厄介な症状であるため、町=回復可能であることが確約されるのは大きい。
-GB版における大きな問題点であった「人間・エスパーのHP以外の成長率が極端に低い」ことが改善された。
--GB版では成長率がいいとされる人間の力などでも、シリーズ他作でいう最低ランクの成長率しかなく、成長率が悪いものはほぼ成長しないため、育成の方針が自然に限定されていた。ここが改善されたことで多彩な種族を扱いやすくなり、サガ2としての持ち味を活用しやすくなった。エスパーガールの力を伸ばしたり、人間の魔力を伸ばしたりする育成も、やろうとすれば視野に入れられる。
--また、単純に成長率が改善されただけでなく、肉とアイテムドロップを両方狙えたりするなど、勝利時の見返り全般に対する細やかな改善点が目立つ。
-モンスター種族における特殊能力の調整不足の改善。
--通常種についてはできるだけ原作に沿ったバランスにしてあるため、主に変異種において施された改良になっているのだが、例えば「◯ぶき」「◯へんか」の2種類の耐性を持っているモンスターがいる場合、実は「◯へんか」は「◯ぶき」を内包しているため装備欄の無駄遣いになっていたものを、「◯へんか」のみに絞り、代わりに新たな能力を獲得している。
--レベル11モンスターにおけるテレポート能力も、秘宝によるアビリティで使用できるため同様にオミットされている。
-金策が比較的容易になったこと。敷居をかなり下げている要因。
--GB版においてはバグの影響で一部の敵が所持金を落とさないケースが多々あり、まとまった金稼ぎは無策では難しかったのだが、本作ではそのバグが解消されたことで入手金額がかなり増加している。
--チェーンエンカウントを活用することで、少ない攻撃回数でより多くの所持金稼ぎも可能。アイテムの値段に変更は基本ないため、GBではあまり推奨されなかった「型落ちの装備での稼ぎに迫られることなく、現地で売られているスペックの装備品を使う」ことが容易になっている。
-モンスターの変身システムにおけるリスクの低減。
--GB版では、変身後の系統において同レベルの個体がいない場合、1つランクの低い個体へ変身するようになっていたが、場合によっては1ランク下の個体がレベルを大幅に落としてしまうケースがままあり、変身によって大きく弱体化することがあったのだが、本作では変身後に「2レベル以上下がる場合は変身しない」ようになっている。
---サガ2においては「モンスター種族は原則的に、高レベルの肉を食べないと絶対に高レベルの個体に変身できない((系統最下種が高レベルであった場合を除く。))」という、『魔界塔士』『サガ3』『サガ3SoL』に見られない仕様があるため、レベルが下がるリスクが低減されている意義は大きい。
--また、変身済の組み合わせに再度変身する場合、食肉前に確認可能となったので、変身をキャンセルする判断がしやすくなった。
-モンスター種族の能力継承システム。
--魔法能力や耐性に限り、変身時に1つだけ引き継げることがあるこのシステムは、「攻撃は強いが耐性がない」とか「魔力は高いが魔法が扱えない」というモンスターの個体についてのジレンマをある程度解決に持っていく方向となった。
-レベル11モンスターへの変身回数の制限撤廃。
--GBではバグ抜きだとレベル11モンスターへの変身回数は2回までしかなかったのだが、本作では無制限になっている。
---あらたな戦闘スポット「魂の暗域」の一部ボスがレベル12の肉を落とすため((レベル12に変身できる個体はないため、1つ下のレベル11が変身対象となる。))。このスポットでの戦闘は、基本的にやり込み要素となっているのだが、レベル12の肉が手に入る難易度はGB版準拠のプレイでも対応できる範囲。
-多数の敵とも渡り合えるようにした調整。
--シンボルエンカウントであるうえ、敵シンボルへの対処は易しめであることから、敵の背後を取って先制攻撃を取るテクニックが新たに使えるようになった。
---特殊能力として「不意打ち」を持っていなくても問題ない。
--リミットドライブという新システムも登場(後述)。
***既存システムへの変更点について
-マップ画面の移動。
--3D画面が苦手なプレイヤーでも、マップを進むだけであれば2D画面だけを見て操作すればマップを問題なく歩くことができる。これは2Dグラフィックの見易さが可能にさせている点である。
--一方、3D画面も視点を自由に変更できるうえ、同じマップ内で勝手に視点が切り替わるようなことはないため、3Dフィールドに抵抗がなければ余分なカメラワークがない分だけ状況把握しやすく、3D酔いしにくい構造になっている。
-移動中に使用できる秘宝アビリティの改善。
--移動中においては、GB版では秘宝を直接使用することで秘宝のアビリティが発動したのだが、本作では秘宝を手にした瞬間にパーティ自身がアビリティを会得する。
---とあるイベントで秘宝を失った際も、移動中に使用するものについては、秘宝に付随するアビリティを失うことがない。
---新しいアビリティが追加され、特殊能力の使用回数が回復できるなど、稼ぎに主眼を置いた状況への後押しになっている。
-ボス系耐性をパーティメンバーが獲得可能。
--従来では敵専用だったボス系独自の耐性についても、通常の属性システムで管理されるようになり、これに伴い特定の装備品を身につけるなどでプレイヤーサイドがボス系の耐性を会得できる。
---チェーンソーなどの「通常の即死耐性では防げない即死」、特に自爆などの「使われたら最後確実に死ぬ」ような攻撃もガードできるようになった。
***新システムについて
-連携システムで化ける攻撃の数々。
--たとえばモンスターの特殊能力は、魔法系はともかく、物理系は終盤になるにしたがって攻撃力不足が目立っていたが、本作では「連携によって発動する技のスペックが高い」という要素をつぎ込んだことで、評価が一変する攻撃が多数登場した。
---例えば「触手8」は、非常に弱い攻撃を8ヒット叩き込む攻撃であるため、終盤の相手には「いくらあたっても1発1発が痛くないので無意味」だったのが、連携によって「その1発1発が大幅強化」され、GB版から反則的な性能を持っていた七支刀をも上回るポテンシャルまで破壊力を引き上げられる。
---従来から便利であったHP吸収も、連携によって大きなダメージを与えつつ、こちらのHPへ大きく還元させたり、特定種族に逆吸収される技も連携なら普通に吸収可能となるなど、攻撃の本質を活用できる事例が飛躍的に増加しており、連携は「弱い攻撃の強化」だけに留まっていない。
---連携発動率がそれぞれの攻撃に設定されており、威力の上昇のみならず「連携しやすい」ことがメリットになった攻撃もある。また、装備品に比べて性能の低いモンスター種族の特殊能力は、おおむねこの連携しやすいというメリットを享受している。
---単体攻撃は武器も特殊能力も連携率が比較的高いため、連携発生率の低い範囲攻撃はザコ散らしに使い、連携発生率の高い単体攻撃は連携を駆使してボス相手に叩き込むという使い分けができる。モンスター種族に関しては、これが物理型と魔法型の個性にもなっている。
//---敵が持つ「◯武器」の耐性も連携なら突破できるため、中盤以降のボスに対して武器そのものが不向きという問題点の解決にも繋がっており、範囲攻撃の魔法がボス戦で単体攻撃の存在感を喰うようなことがほとんどない。
//どうも耐性無視は割と条件が限定されるようなのでCO
---また、威力が完全に固定の銃・重火器の類も、GB版では『魔界塔士Sa・Ga』が最終武器として使えたのに比べてインフレについていけない問題を抱えていたが、これも連携技によって解決され、終盤まで実用的な銃や重火器の運用が可能に。連携技に伴う''力依存の台頭および兵器の復権''がなされたのである。
-本作独自の連携システムに必要なポイントの蓄積が容易であること。
--運命の糸の購入に必要なミューズポイントの蓄積は良好。ポイントを稼ぎたいならば、カリオペ・ポリニアを狙い、先制攻撃やオーバーキルを用いることで稼ぎ放題となる。
---この点のみならず全般的に、サガシリーズにおける携帯機ならではの難易度的な手心と言える。
--連携に関して1人攻撃するために必要な糸1つには30ポイントが必要。(正確には90ポイントで同一の糸3本セットを入手)。戦闘1回で最大50ポイント溜まるため、連携を使用せずザコ戦を戦っていれば、乱用しない限り黒字になりやすくできている。
---ザコ戦の敵スペックはGB版とほぼ変化無いため、全体攻撃があればGB版と同じく大量の敵を片付けることができるため、連携を普段意識する必要はない。
-リミットドライブという、多数を相手に戦う「火事場の馬鹿力」のようなシステムがある。
--多数の敵から攻撃を受けた際にランダムで発動し、「必中の攻撃を回避する」「防御力無視の攻撃を軽減する」という、不可能を可能にさせる性能を発揮する。
--防御面でもこの通り大きな期待が持てるのだが、真価を発揮するのは連携時。
---連携の起点ではない(連携参加2人目以降である)場合、攻撃に参加しても自分の行動順が終了しない。つまり、誰かが起こした連携に途中参加しただけなら、それとは別に自分自身の行動を起こすことができる。GB系作品において1人が数回行動できるシステムは本作のみである。
-宝箱の罠システムの変更がありつつも、対処できる操作システムを実装。
--本作では宝箱から敵が出てくるだけでなく、爆発するタイプの罠が登場。HPにダメージを与え、中身も破壊される凶悪なもの。
---「罠」なので初見殺しもある一方、序盤に登場する爆発宝箱の中身は失っても大したことのないアイテム。
---中盤に罠解除のアビリティを獲得すれば、宝箱に近づいた際のガイドが異なっており、判別しやすくなっている。罠があればYボタンの指示が出る一方、罠がなければAボタンで開封するよう指示が出る。
---つまり、罠解除を得た後は、1つ1つの宝箱に対して罠がかかっているかどうかを疑いながら神経をすり減らすことがない。
---GBでは罠解除の手段がなかったため、罠解除が登場した本作では全ての宝箱を安全に開封する手段が登場したことになる。
-周回プレイに対する姿勢。
--もともとGB作品系は、その気になればプレイ時間を大きく縮められるため、周回プレイには相性のいい設計であった。
---本作では、そこに「周回プレイにアイテムを持ち越せるシステム」「運命の糸のLvアップ」のシステムをいれ、短い時間の周回でも強化のハードルを下げている。
---8つまでのアイテム持越しが可能な「密売人」の存在により、耐性装備の持ち越しで戦力を磐石なものにしたり、ドアの持ち越しによってテレポートが手に入るより前の段階でも移動を迅速にしてクリア時間を短縮できたりと、やりこみ要素に手を伸ばそうとするプレイヤーにはテーマに合った使い方ができる。
---運命の糸のLvアップは、連携の破壊力が上がるだけでなく、相手が持つダメージ系の耐性に対して耐性貫通でダメージを与えられるボーナスがつくなど、強化前ではありえなかった戦術も展開可能になる。
---食肉だけで強化するモンスター種族は、変化のプロセスさえ覚えてしまえば育成する手間が掛からないため、言い換えれば従来なら必然的にモンスター種族としては戦力を伸ばす手段が限られていたのが、運命の糸のLv強化と強力な連携技を見つけ出すという新たな要素が広がった。

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**問題点
***人間とエスパーの成長
-GB版から成長率が大きく上方修正され、一度に複数のステータスが上がる等大きく改善された。しかしGB版と同じ問題として''上げる条件がわからなければどうしようもない''という点は変わっていない。
--説明書でもゲーム内でも「行動で変わる」といっただけの記述で、具体的な内容は書かれていない。GB版とほぼ同じで、素早さが上がってないと終盤に差し掛かったビーナス辺りでまったく攻撃が当たらなくなり、詰む。
-人間の武器の熟練度による攻撃力と命中率の補正もやや問題。これによってせっかく新しい強い武器を入手しても、熟練度を上げてないと敵にまったく当たらない。武器の選択制を狭めてしまったとの声も。

***連携に必要な糸の入手に関する問題
-運命の糸が終盤まで自由に入手できない。
--糸の入手場所である運命の城に連れて行ってくれる天使スライムが、終盤を除き、1箇所につき一度しか利用できない。
--このため、1回の利用で糸を必要分入手しておく必要があり、加えてボス戦を控えた道中などでは無闇に使用できない。
--一応終盤にはミューズの園からいつでも運命の城へいけるようになるし、ちゃんと気を付けていれば途中で糸が切れることは少ないが、初見殺しの仕様としか言えない。
--このためにいちいち称号を変えるのが面倒という声がある。
-ミューズにプレゼントを渡すとMPが得られるのだが、そのことが一切説明されない。
--MPが増えたことがメッセージで表示されることもないので、気付かない人はなかなか気付かない。
--プレゼントを積極的に渡してMPを稼いだかどうかで、運命の糸の入手度合いも大きく変わってくる。

***運命の糸に関わるシナリオシンクロシステムもやや面倒
-サブイベントは大抵が「ポジティブ称号でしか発生しないもの」と「ネガティブ称号でしか発生しないもの」ばかり((ポジティブとネガティブが入り混じった称号の場合は、2つのうち最初に書かれているほうを基準とする。))。
-上記に加えて期間限定のサブイベントもあるため、一通りのサブイベントを発生させようとすると頻繁に称号を変える必要があるのだが…。
--1つの糸を長期的に使っているとその糸の関係が濃くなり、他の糸を1回や2回使ったぐらいでは関係を上書きできない。
--連携の強化に関わる光玉は種類ごとに入手できる称号の系統が決まっており、優先度こそ設定できるものの連携時にどの糸が使われるか手動で決められないことも、この問題に拍車をかけている。
--そんなときのために称号を初期状態にリセットする女神がいる…のだが困ったことにこの女神様、''序盤は寝ている''。序盤の糸の管理は特に気を付けないといけない。
--ちなみに、上記の光玉を入手するためのサブイベントは''特定のボスとの対峙前後にしか発生しない''。
--サブイベントは会話の途中に割り込む形で発生するため、一度通常会話を見終えてから再び話し掛けて発生させたいたいという人もいるだろう。しかしボス関連の光玉は一度きりしか発生のチャンスが無い。このため、イベントの発生を逃したらリセットしてやり直すか、その周回では諦めて先に進むしかない。また、光玉のコンプリートには最低でも2周する必要がある。
--もう少し称号に伴うイベントが多ければ、という声も多く、ちょっと惜しい作りである。

***一部のミューズの評価が甘すぎる
-カリオペ
--彼女の評価は、1ターンキル等をして戦闘を速く終わらせることで行われる。先制攻撃→1ターンキルだとなお良し。&br育成したいキャラの行動→雑魚撃退用のキャラの攻撃という行動で戦闘を1ターンで済ませたり、&br金稼ぎのために1ターンで倒せる雑魚を大量に狩りまくっている人の場合は、大抵彼女に評価される。
-ポリニア
--彼女の評価は、敵の最大HPをどれだけオーバーキルさせたかによって行われる。&br金稼ぎのために、簡単に倒せる弱い雑魚を大量に狩りまくっている人の場合は、大抵彼女に評価される。&brただし、即死攻撃で倒した場合は全く評価されない。
-エウテル
--彼女の評価は、1回の戦闘中に様々な行動をしていると行われる。&br人間やエスパーの育成のために、1回の戦闘でいろんなアイテムを使っている人の場合は、大抵彼女に評価される。
-これらのどこが問題なのかというと、2周目以降、最初に現れるはずのミューズが前のプレイで最も高い評価をしてくれたミューズと登場順が入れ替わる仕様があるため。
--例えば、ミューズの中で唯一仲間として行動してくれるウラニアを序盤から連れて冒険したいと思った際にこれらの3人(もとい、柱)の存在が大きな障害と化す、というわけである。特に、エウテルの評価は回避が難しい。
---さらに、カリオペ・ポリニア・エウテルの存在を抜きにしてもウラニアの評価を最も高くするのはとても難しい。というのも彼女の評価基準は『どれだけたくさん連携したか』のため。無論、運命の糸にはミューズポイントが必要なので他のミューズの評価がいる。回避方法は、ウラニアにひたすら贈り物を貢いで、運命の糸調達用のミューズポイントも彼女から貰うようにすることだが、非常に手間が掛かる。
--なお、ミューズに何か贈り物をした場合でも評価されるため、ミューズポイントを貰うためにひたすら貢ぐという方法もある。基本的に安物は評価されない(ただし、ボロクソに貶されているようでも1ミューズポイントは確実に手に入り、没収されることはない)のでひどくお金がかかるが…((費用対効果でいえば、50ケロで買えるポーションやパンチを貢ぐのがもっとも安上がりだが、はっきり言って暇人である。現実的には17000ケロの魔術の杖が100ミューズポイントになるので、このあたりのアイテムを買いあさることになる。また、モンスターの戦利品でも高評価が貰えるアイテムがあるため、ひたすらモンスター狩りに励む方法もある。(機械系の敵を倒すと落とす事があるメカ専用装備等は評価がそこそこ高い)))。
---こちらはこちらで手間が掛かるものの、「亡者の闘技場」を利用して少し貴重なアイテムを入手してミューズにプレゼントすれば、金を一切使用せずにミューズポイントを稼ぐことが可能。

***ラスボスに関するいくつか
#region(ラスボスについて)
-「連携」を作中で一度でも使っているとラスボスである「最終防衛システム」の難易度が上昇する。連携未使用であれば原作同様に第3段階を倒した時点で終了だが、もし使用していた場合、第3段階戦の途中でもう一機((二機存在し、もう片方は同行していた女神が戦っていた。))と入れ替わりをするようになり、最後は二機が「究極合体」し、第4形態となって襲い掛かってくる。これが妙に難易度を高くしている。
--ちなみにもう一方の最終防衛システムと戦っていた女神は、原作および連携未使用時は何ら問題無くシステムを破壊するのだが、この展開ではヘマをしてシステムに取り込まれ、結果的に敵をパワーアップさせてしまう…と、プレイヤーの足を引っ張ってしまうため、「だめがみ」呼ばわりされるようになってしまった。
-このボスは基本的に攻撃力が高い。途中の形態でも「メガスマッシュ」は数百単位のダメージを叩き出し、「(W)スターバスター」はメガスマッシュ以上の威力に加えて防御無視全体攻撃である。特にスターバスターはGB版でもその威力は脅威だったが、今作はラスボスが長期戦なので理不尽さがより高まっている。
--本作ではHP0の気絶状態からの回復方法が限られており((終盤で入手できる貴重品に気絶も含めた完全回復アイテムがあるが、ラスボス戦の少し前のイベントで失われてしまう。別の回復手段もあるにはあるが、相当にやりこまないと入手できない。))、この攻撃力の高さは脅威である。
-素早さも高く、こちらが90台でも安定して先制できないため、回復が間に合わず全体攻撃連発を受けて理不尽に全滅というケースが多い。そのため、素早さを上げていないメンバーを用意し、毎ターン最後に回復する役に充てるという対処が必要とされる。
--ただし、素早さを上げきってしまった場合でも、防御力もかなり高めに育てておかないといけないが、比較的攻撃力が低めの第1形態の間に店売りのアイテム『加速装置』を使用し、素早さを限界近くまで上げておくことで、第3形態移行直後のスターバスター((原作(GB版)に合わせているのか、第3形態移行直後のスターバスターのみはこちらが加速装置で素早さを限界まで上げていても確実に先制して攻撃してくる。))以外は確実に先攻回復が可能になる。また、パーティーメンバーにメカが1体でもいる場合には、装備品を変えてあえて素早さを遅くして、行動順指定でメカの後に回復するorメカ自身を回復専用にすることで対処可能。
-この強さゆえ、アイテムが使えず、装備での能力補正もできないモンスター中心のパーティだとほぼ運ゲー。
-「連携」は本リメイクでの売りのシステムであり、普通に攻略する際も使うので、発生条件の緩さが惜しまれる。
--周回プレイ前提の糸のレベルなどを条件にしたほうが良かったのかもしれない。
--ミンサガでも一周目からイベントの特定条件でラスボスが強化される要素はあったが微少で、本格的に強化されるのは二周目以降であった。また、強化はほぼプレイヤーの任意であった。
//-ちなみにGB版では準ラスボスのほうが強いだけでなく、実際にストーリー上における黒幕でもあった。更にはこのラスボスについては最終決戦まで影も形も出てこない上に「二機存在するが、一機は女神に倒してもらえる((このもう一機については原作では女神を同行者から外す口実のような存在でしかなかった為、ちゃんとした役割を持たせようとした結果の演出とも考えられる))ので主人公は片方と戦えば良い」と言う展開で、いまいちラスボスらしさに欠けたため「準ラスボスが実質的なラスボスであり、このボスはエンディングの一部」と言われていた。
//--河津氏も「ストーリー上のラスボスは準ラスボス」であり、この最終防衛システムについては「ラストバトルだけどラスボスじゃない」と語っている。今回はラスボス風味を増す為に暴走させたらしく、その結果、ここまで強くなったようである。
//-しかし総合的に見ると、最終防衛システムに関しての批判点は難易度よりもデザインに集中している。第1段階の時点でGBの頃とは大きく異なるデザインで、第3段階に至っては原作にはなかった''人型変形''を行う。最終段階の「究極合体」については無骨なロボットと言う感じのデザインで、カッコ悪いと言う意見も少なくない。
//--この点を受け入れられない人には「人型でいる意味がない」という批判をする人もいる…が、そんなことを言ってしまっては「やまのかみ」等の人型ロボット系の敵の立つ瀬がない。
//--一方で受け入れた人、気に入った人の中には、デザインの評判が悪いことを残念がっている人もいる。
//--原作では段階が移行してもBGMが変わるだけで見た目に変化が無かったので、リメイクに際して演出を追加すること自体は自然な流れである。結局この点はリメイク作に付き物の「原作ファンの強い思い入れから来る、変更への不満」が大きく、一概に問題点と言う訳でも無い。
//ラスボスに関する記述があまりにも長すぎるため重要でないところはカットしました。
-第1形態の4台の砲台をグループ攻撃もしくは全体攻撃のみで一気に破壊すると、第2形態に移行しなくなるバグが存在する。
#endregion

***セーブデータに関する点
-セーブデータを完全に初期化するコマンドが搭載されていない。この仕様により、''「肉食い図鑑」の初期化が不可能''。
--一方で普通のセーブデータを消したい場合に関しては、新たに最初から始めたデータで普通に上書きすれば済むのでそこまで問題はない。

***その他(問題点)
-マップアビリティの切り替えが面倒
--使用するマップアビリティを変更するとき、いちいちメニューを開いてマップアビリティを選択し直さなければならない。
---特に「発掘」「テレポート」「高速移動」などのアビリティは使える機会が度々あるのだが、その都度メニューを開いてアビリティを切り替えなければいけないのは煩わしい。
--GB版では特定の秘宝はメニュー上で使用する形式だったが、本作では秘宝を使用するためには「メニュー上でマップアビリティをセット→メニューを閉じて通常画面でマップアビリティを使用」といった手順を踏まねばならず、GB版より面倒になっている部分もある。
--テレポートの代用として使えるアイテムや能力が存在し、これらはメニュー上で使用する形式となっているので、これらが使用できれば、問題をある程度緩和できる。
---発掘や破壊等は特定の場所やオブジェクトに接触している状態でのみ使用可能なので、そのときに対応したアビリティが自動で使用される形で問題無かったと思われる。そしてテレポートはGB版同様にメニュー画面で使用出来れば、これらの煩わしさは改善出来たであろうに、やや残念である。
-BGMのアレンジ
--「燃える血潮」という人気曲に、コミカルなイントロが加わっていることが原作ファンからやや不評を買った。
-キャラのステータスの情報不足
--人間の武器熟練度やエスパーのクラスをメニュー画面などで確認することはできない。
-敵の弱点を突いたかどうかが分かりにくい。
--GB版では敵の弱点を突いてダメージを与えたときは「(敵名)は ~によわい ○○ダメージ」などと表示されるので、敵の弱点を突いたことが分かりやすかったが、本作では敵の弱点を突いても演出・表示の類は通常時と何も変わらない。一応そこそこの確率で「クリティカル」が出るので分からないこともないのだが。
---全体攻撃魔法使用時などに「ダメージ数値→クリティカル!」などと連続的に表示されるため、「じゃくてん!→ダメージ表示orクリティカル!」などといった表示もできたはずである。
---同様に「触手8」などの複数回攻撃のヒット数も表示されないためわかりにくい。「〇HIT!」などの表示がほしかったところ。
-戦闘中の演出スキップのON/OFF設定を切り替えられるのは敵味方の行動中だけであり、コマンド選択時には切り替えられない。
--そのため、次のターンの最初に行動するキャラの演出スキップのON/OFFは直前で変更することができず、微妙に不便。
-GB版同様、移動時のキャラのグラフィックは先頭キャラ固定であり、自由に変更することはできない。
--先頭は敵に狙われやすくなるため、打たれ弱いエスパーや妖精系モンスターなどは相応のリスクが伴ってしまう。
--メカの専用パーツには、自分を狙う確率を上げる、というものがあるので、それを利用すれば多少はマシになる。
-戦闘中の演出スキップと連携の問題。
--演出をスキップする設定にしていると、連携を発動可能なときに、連携するべきか否かを判断する時間も短くなってしまう。
--連携率や合計ダメージの数値が増加するときは、数値が一気に増えるのではなく漸増していくという表示形式なのだが、演出をスキップする設定にしていると、数値の漸増中に演出が終わってしまい、正確な連携率や合計ダメージが分からないことがある。
--「連携発動時の演出」の最中に演出スキップの設定を切り替えても、その直後の「技の演出」にはスキップの設定変更が反映されない。設定変更が反映されるのは、技が終わったあとから。
---そのため、連携時の技の演出だけスキップせずに見たいときなどは、先の行動を見越した上で早めに設定を切り替えておかなければならない。うっかりしていると、せっかくの技の演出までスキップしてしまうことになる。
--GB版では特定の操作により戦闘の進行を一時停止することもできたが、本作にはそのような機能はない。
-チェーンエンカウントや特定の戦闘にて、敵の大群に一方的に攻撃され続けることが起こり得る。
--演出をスキップしてもなお数十秒待たされることもあり、ダレやすい。GB版よりも敵の最大数は増えているので、GB版よりも辛い。
--敵に行動させる前に速攻で敵を一掃するなどの対策は立てられる。
--敵に不意打ちされると、それだけで一方的に攻撃され続けてしまう。パーティ編成によっては、不意打ちを防ぐ手段がない。運悪く不意打ちされたらリセットを迫られることも。
--チェーンエンカウントは必ずしも任意で発生させるものではなく、偶然発生してしまうこともある。
--本編より強力な敵が登場する「魂の暗域」では敵の集団と戦う局面も多い。こちらの素早さが99でも、いくつかの敵にはときどき先手を取られることがある。
-キャラクターの表情がイベントシーンでも変化しない。
--どんな場面でもキャラクターは微笑を浮かべたままなので、怒ったり悲しんでいる場面で笑顔のキャラクターが映されると非常に違和感があり、ストーリーへの没入を阻んでしまっている。
-キャラクターデザインはGB版のオリジナルデザインを準えつつも現代風にアレンジしたものだが、イメージが大きく変わってしまっているキャラクターもいる。
-モンスターがいないのに意味もなく肉が出る、一度覚えたエスパーの特殊能力は消せない等、オリジナルから改善して欲しかった点も残っている。

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**総評
元々が独自の魅力を持ったゲームだけに、原作要素を残しながら、新たに追加要素を加えた良リメイクといえる。~
人間・エスパーの成長が遅い、力系武器の使い勝手が悪く魔力偏重になりがちといった原作の問題点も解消され、より完成度の高い一品となっている。~
新要素により、原作を楽しんだ人にもやりこみなどの遊びの幅が広がるように工夫されている(その分原作のシンプルさは失われているが)。~
ただし新要素は限定的であったりランダム要素が強いなど色々と問題点も多く、新たな不満を呼ぶ要因ともなってしまっている。

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**その後
-今作のエンジンを使い、続編『[[時空の覇者 Sa・Ga3 完結編]]』も『[[サガ3時空の覇者 Shadow or Light]]』としてリメイクされることになった。
-「その他」項目にある問題点は全てサガ3リメイク版で改善されている。

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**余談
-前評判は3D化とキャラクターデザイン担当が小林元氏に変更、直前に発表されたBGMのアレンジの悪さでネガティブな意見が多かった。
--これらは原作ファンを始めとする一部ユーザーからは結局不評ではある。しかし、それをカバーできるだけの要素が多い。
--キャラクターデザインの変更は、当時の担当者の藤岡勝利氏がもう一線を離れているので仕方のない話ではある。また、イラストの画風も現在ではさすがに古いと言わざるを得ないため、ある意味当然の流れだと思われる。

-本作が発売されるにあたって、ユーザーの間では新たな世界が追加されるのではないか、といった様々な憶測が飛び交っていた。
--GB版にて没になったとされる「風車が立ち並ぶ世界(通称 風車の世界)」が本作で登場するのではないか、とも言われていたが、結局登場することはなかった。

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