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サンダーフォースIV」を以下のとおり復元します。
*サンダーフォースIV
【さんだーふぉーすふぉー】
|ジャンル|横シューティング|CENTER:&image(TF_IV-front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4673&file=TF_IV-front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4673&file=TF_IV-back.jpg]]|
|対応機種|メガドライブ|~|
|発売・開発元|テクノソフト|~|
|発売日|1992年7月24日|~|
|定価|8,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:[[''サンダーフォースシリーズリンク''>サンダーフォースシリーズ]]|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
銀河連邦の開発した高機動戦闘機「STYX」がオーン帝国皇帝「カウ・ス」を打ち倒してから2年後の、銀河暦892年。メインコンピュータである皇帝を失った筈のオーン帝国であったが、その活動は依然として衰えていなかった。~
その原因がカウ・スの腹心とも言えるサブシステム「ヴィオス」の存在にある、という情報を入手した銀河連邦は、ヴィオスの破壊を試みる。しかし、自己増殖を続けるヴィオスの力は既にカウ・スを凌ぐまでに成長しており、オーン帝国の生み出す強力な新兵器群の前に、銀河連邦の作戦はことごとく失敗に終わった。一刻の猶予も無い銀河連邦は、開発中であった次期主力超高性能小型戦闘機「FIRE LEO-04 "RYNEX"」の導入を決定。かくして、RYNEXに緊急出撃命令が下された。

**概要
-『サンダーフォース』シリーズ第4作目。テクノソフトがメガドライブで発売した最後のソフトでもある。
--当時『II』『[[III>サンダーフォースIII]]』を制作したスタッフの殆どが退社していた為、開発は入社二年目程の若手が中心となって行われた。
-システムは基本前作の発展系。
--全10ステージ。内、前半4ステージは攻略順を任意に選択可能となっている。
--難易度はEASY、NORMAL、HARD、MANIACの4段階。本作から難易度に関係無く、ミスの際のペナルティが「今装備している武器とクローを没収」となった。
--自機スピードをより細かく調整出来る様になった。スピード変更ボタンを1回押すと25%ずつ(25%→50%→75%→100%→25%…)、押しっぱなしにすると1%ずつ上昇する。
--前作ではショットのフルオート連射の有無が設定出来たが、本作からショットはフルオート連射で固定となった。
--新要素として、溜め撃ち攻撃の「サンダーソード」が登場。これにより強力な攻撃が可能となっている。

***装備
-武器は以下の5(+2)種類。武器アイテムを取得する毎に装備が増え、武器切り替えボタンで切り替え可能。
--''TWIN SHOT(ツインショット)''  : 標準装備。前方への2連ショット。
---''BLADE(ブレイド)'' : アイテムを取るとこちらにパワーアップ。前方へ大型の刃状弾を発射。当たり判定が大きく、着弾すると爆風で追加ダメージ。
--''BACK SHOT(バックショット)'' : 標準装備。前方と後方へショットを撃つ。地味に名称が変わった(前作までは「BACK FIRE」)。
---''RAIL GUN(レールガン)'' : アイテムを取るとこちらにパワーアップ。前方へショット、後方へ強力な2連レーザー(前作のセーバー)を発射する。
--''SNAKE(スネーク)'' : 前方へ単発ショット、上下へ対地機雷を発射。機雷が地形に当たると、地形に沿って進む爆炎が発生する。
--''FREE WAY(フリーウェイ)'' : 移動方向へ単発ショット、その逆方向へ5WAYミサイルを発射する。使いこなせれば全方位をカバーできる。
--''HUNTER(ハンター)'' : 地形を貫通する高速追尾弾を発射。前作と比べて威力が向上している。
-その他の装備
--''CLAW(クロー)'' : 自機の周囲を回転しながら補助攻撃を行い、かつ敵弾を防ぐ攻防一体の補助装備。補助攻撃はメインの武器によって変わる。補助攻撃は威力は低いがメイン武器の欠点を補完する格好が多く、戦いやすくなる(前方集中のツインショット・ブレイドなら前方斜めに追加攻撃など)。
---ステージ6からは''THUNDER CLAW(サンダークロー)''にパワーアップする。弾消し判定が大きくなり防御力が向上、サンダーソードも使用可能になる。
--''THUNDER SWORD(サンダーソード)'' : サンダークロー装備中に使用可能な新武装。クローを装備した状態で攻撃ボタンを押さずにいるとエネルギーをチャージし、攻撃ボタンを押すと前方へエネルギーを放出。チャージ時間に応じて射程が変動する。
--''SHIELD(シールド)'' : 敵の攻撃を三回まで防いでくれる。通常は青く、耐久力が残り1になると赤くなる。1発食らうとしばらく無敵なので、あっと言う間に消えたりなどはしない。地形に対しても防御や無敵は発動するので、一部で地形すり抜けが可能。

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**評価点
-グラフィック、演出、サウンドともにメガドライブの限界を超えたとも言えるクオリティ。
--グラフィックは当時のアーケードゲームと比べても遜色ないほど綺麗になった。特に背景の書き込みは職人芸というより他ないレベル。
--演出面も大幅にパワーアップ。潜伏している巨大戦艦を追うステージ1、謎の新勢力の介入・RYNEXの新装備の登場といったイベント盛り沢山のステージ5など、ストーリー色が強くなっている。
---前半5ステージではオーン帝国残党との戦い、後半5ステージでは新勢力「ファウスト」との戦い、という二部構成が取られており、敵やステージの雰囲気もガラリと変わってくる。
--BGMはFM音源の限界に迫るギターサウンドを駆使しハードロック、へヴィメタル、プログレッシブ・ロックなど様々なロックの様式を取り揃えた曲が揃っている。
---電源を入れた後、激しいギターサウンドが鳴る中をRYNEXが回転しながら現れるオープニングデモを目の当たりにし、度肝を抜かれたプレイヤーは多かった。
#region(参考動画)
#youtube(http://www.youtube.com/watch?v=AXkExAAk2bI)
#endregion
---ステージBGMが前半と後半で別々に用意されていたり、難易度によってエンディングのBGMが変化したりと、曲数も非常に多い。更に本編未使用のBGMがオマケとして10曲もサウンドテストに収録されている等、BGMへのこだわりを強く感じる事が出来る。

-ステージマップが拡がり、上下への任意スクロールの導入やそれを利用したステージ中でのルート分岐など、ステージギミックが多彩に。
--ステージ数は多いものの、敵艦隊の照準を掻い潜りながら進んだり、中ボスクラスの敵と連戦したりと、各ステージに特色があり飽きさせない作りとなっている。
--ステージによっては画面の上下でトラップが違ったり、敵の出現数にも違いがあるので、自分なりの攻略ルートを組む事が可能。

-前作のボスキャラは攻撃パターンが比較的シンプルだった為、一旦パターンを覚えてしまえば対処が楽だったが、本作では攻撃パターンが豊富になっており、歯ごたえのあるボス戦が楽しめる様になった。
--ダメージを与えることでボスは姿も攻撃方法も大きく変化。特に後半のボス戦では丸っきりパターンが変わるものも。

-新装備「サンダーソード」の登場により、爽快感が増した。敵の隙をついてエネルギーをチャージし、強力な一撃を叩き込むのが実に気持ちいい。

**賛否両論点
-ステージ数の増加に伴い、クリアまでには大体40分から一時間近く掛かる。どうしても長丁場になる為、集中力が途切れがち。
--コンティニュー制限も当然あるため、リトライがかなり辛い。

**問題点
-前作までは殆ど見られなかった処理落ちが頻発。ゲーム自体の長さと合わせ、テンポを大きく削ぐ一因となってしまっている。
--ただ、この処理落ちのおかげで敵の激しい攻撃が避けやすくなるというメリットもある。というより、
--MDのハード処理能力限界を超えるスプライトを使用した結果と言われているが、一方で「テクノソフトがバランス調整の為に、ウェイトコントロールを掛けて意図的に処理落ちを発生させている」との話もある。明らかにそれを前提としたような局面があるが、実際の所はどちらが正しいのかは不明。

-背景が激しくスクロールする場所では敵の攻撃が見づらく、いつの間にかミスしているといった状況が頻発する。

-アドリブが効く場面が増えているものの、基本はやはり前作同様、どころかそれ以上の「死んで覚えろ」を地でいく覚えゲー。
--例としては、発生してからではほぼ回避不可能のステージ8ボスの一部攻撃、ステージ9中盤のレーザートラップなど。ステージ10中ボスにいたっては弱点(本体)があまりに意外であり、気付かなければほぼ倒す事の出来ない完全な初見殺し仕様。
---ただしステージ10中ボスに関しては、ショット着弾時の色で判別ができなくもない。
--加えて敵の攻撃も激しくなり、それなりの反射神経やアドリブ避けのスキルも求められてくる。ただ覚えさえすれば後は楽、とは行かないのが本作の難しい所である。
--また、マップが上下に広くなった弊害として「画面を下にスクロールさせたら突然出てきた敵や敵弾に当たった」といった事態が起こりやすくなっている。

-ヒットエフェクトがやや小さめになり背景の描き込みも加わった結果、前作に比べ攻撃が効いているのかが判り難くなった。
--更に一部武器はヒットエフェクトの色が固定されており、ますます判別が困難になった。

-前作と比べて武器のバランスがあまり良くない。
--ブレイドは当たり判定がかなり大きく、そのせいで一部のボス戦では他のパーツに弾が引っかかって弱点に当たらない、という事が起こってしまう。また威力は着弾後の爆風にも依存するため、敵の動きが早かったりスクロールしながらの戦闘だと、敵や弱点に着弾させても爆風がズレて低威力になってしまう。「レールガンを前に撃たせるか前作のセイバーを使わせてくれ」と思ったプレイヤーは数多い。
--フリーウェイは『[[V>サンダーフォースV]]』のフリーレンジ程ではないにしろ、かなりの万能兵器。武器の使いこなしと敵攻撃パターンを覚える必要はあるが、拡散による広範囲攻撃、接射による高威力攻撃、撃ち分けで全方向に攻撃可能と、ザコ戦・ボス戦ともにかなり万能に活躍でき、距離を取って一点集中する必要がなければブレイドやレールガンすら食ってしまう。逆に地形追従だけが取り柄のスネークは殆ど出番が無い。
--ハンターは前作と比べて威力が底上げされており、使い勝手が大幅に向上。本作唯一の地形貫通武器という事もあり、初心者に優しく上級者にも便利な武器。アドリブに強いのもかなり楽。結果として道中は殆どこの武器に頼ることになる。やや低威力のため撃ちこみは不利だが、そこはフリーウェイで済む。

-中盤以降はサンダーソードがある事を前提にバランスを取っている為か、一旦クローを失ってしまうと難易度が急激に上がってしまう。特にボス戦はごり押しが通用しない物が多く、初心者はほぼ詰みである。
--一応、装備を失った時点で内部ランクが減少し難易度は落ちているのだが、それ以上にデフォルト装備の火力が無さすぎてどうしようもない場面が多い。
---過去作と違って、全難易度で死亡時装備していなかった装備は残る仕様になったが、強い装備が偏っているため「死亡時に使える装備を失ってしまい、リスタート時には使えないのしかない」状態になりがち。

-BGMがどぎついギターサウンドばかりなので、人によっては耳障りに思われてしまう。
--SEもノイズをふんだんに使っている。良くも悪くもメガドライブ、ひいてはFM音源の特徴をよく表していると言える。

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**総評
前作と比べるとゲームバランス面ではやや粗くなった感もあるが、グラフィックやサウンド、ボリュームの面では大幅なパワーアップを遂げており、やり応えは十分。~
開発スタッフがほぼ一新された事を感じさせない高い完成度となっており、むしろ前作とは似ても似つかない派手な演出が却ってそれを良い方向に運んでいる。~
ファンの間でも「シリーズ最高傑作」として名前を挙げられる事が多く、またそう評されるだけのポテンシャルを十分に備えた名作と言えるだろう。

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**余談
-前作のヒットを受けて大量に生産されたものの、すでにSTGが衰退し格闘ゲームが台頭してきた時代だった事もあり、ワゴンの主になってしまった。
--しかしゲームそのものの質の良さや移植の少なさがあってか、現在ではメガドライブソフトの中でも相場は高めの部類に入る。
-日本・欧州ではサンダーフォースIVのタイトルで発売されたが、北米ではなぜか「Lightening Force: Quest for the Darkstar」のタイトルで発売されている。
-当時の開発者インタビューでは本作のAC移植版を開発中という発言もあったが、結局実現しなかった模様。
-本作のエンディングでRYNEXは敵の爆発に巻き込まれ大破。その残骸は続編『V』にて意外な形で登場する事になる。

**移植
-1996年にセガサターンで発売された『[[サンダーフォース ゴールドパック2>サンダーフォース ゴールドパック1/2#id_c2baa897]]』に、『[[サンダーフォースAC>サンダーフォースAC/サンダースピリッツ#id_846a0a96]]』と共に収録されている。
--処理落ちの解消、『III』の自機「STYX」でプレイ出来るモードの追加等が行われている。ただ、音周りの再現度はあまり高くない。
--またこちらも原作同様に中古相場が高騰している。

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