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スーパー桃太郎電鉄II」を以下のとおり復元します。
*スーパー桃太郎電鉄II
【すーぱーももたろうでんてつ つー】
|ジャンル|ボードゲーム|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/41yL3roAjBL.SL160.jpg)|CENTER:&amazon(B000068I1I,image);&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61TG2D5TWPL.SL160.jpg)|
|対応機種|PCエンジン&br;スーパーファミコン&br;ゲームボーイ|~|~|
|メディア|【PCE】6MbitHuカード&br;【SFC】8MbitROMカートリッジ&br;【GB】2MbitROMカートリッジ|~|~|
|発売元|ハドソン|~|~|
|開発元|【PCE/SFC】ハドソン&br;【GB】メイクソフトウェア|~|~|
|発売日|【PCE】1991年12月20日&br;【SFC】1992年8月7日&br;【GB】1994年2月18日|~|~|
|定価|【PCE】6,800円&br;【SFC】8,800円&br;【GB】4,500円(全て税別)|~|~|
|周辺機器|同時対戦時:マルチタップ対応|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[桃太郎シリーズリンク>桃太郎シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ハドソン謹製のRPG『[[桃太郎伝説]]』のスピンオフ作品としてシリーズ化されたすごろく型のボードゲームの第3作目。~
おおまかな流れはプレイヤー自身は電鉄会社の社長となり、目的地を目指しながら日本各地を行脚しつつ物件を買い、その物件の利益や目的地に着いたときの援助金を元に資産を増やしていくというのが目的となる。

**ゲームシステム
-最初にプレイする人数を決め、その後COMP(対戦相手となるコンピュータ)を決めた後、ゲーム内の年数を決めてゲームスタートとなる。

-ゲームスタート直後、ルーレットで目的地を決めて、その後サイコロの出目の分のマスを進みながら、目的地を目指していく。目的地についた時は援助金がもらえ、そして再びルーレットで目的地を選んで目指す。

-一番ビリになった(目的地までの残りマスが一番多い)人には貧乏神が取り付き、色々な不幸が起こる。貧乏神はプレイヤー同士がすれ違う時に擦り付けることができる。
--貧乏神は本作からミニボンビー、キングボンビーに変身するようになった。ミニボンビーは微々たるお金を貰って行くだけの存在だが、キングボンビーは様々な悪行を起こし、取り付いたプレイヤーをどん底に陥れる。

-途中の各地には色々なマスがある。
--都市駅:大きな赤い駅舎が描かれたルーレットで目的地になる可能性のある物件駅。目的地になっていない所で止まると普通の物件駅と同じ扱いになる。
--物件駅:紫の四角形に「駅」とかかれたマス。物件が売られていて、買ったり増資することができる。
--プラス駅:青い四角形の駅。持ち金が増える。夏季は貰える額が増え、冬季は少なくなる。夏季にはできるだけ止まりたい。
--マイナス駅:赤い四角形の駅。持ち金が減らされてしまう。冬季は減る額が増えて、夏季は少ない。冬季には特に止まらないようにしたい。
--カード駅:黄色い四角形の駅。カードがランダム貰える駅。いいカードばかりが貰える訳ではなく、デビルカード系という月ごとにお金を減らされてしまうものも出るので油断できない。
--カード売り場駅:★マークが目印の駅。売り場によって売られているカードの種類が違う。「ちいきデータ」では駅名が書かれている。


-カードの効果も様々なものがある。大まかにまとめると以下の系統に分かれる・
--移動系:サイコロを増やして移動マスを増やす「とっきゅうカード」や、どこかに飛んでいく「ぶっとびカード」など
--妨害系:マス上に''うんち''を置いてルートを塞ぐ「うんちカード」や、使用者以外の誰かが数か月間毎月1マスしか移動できなくなる「ぎゅうほカード」など
--ピンチ回避系:持っていれば災害時に保険金がおりる「ほけんカード」や、阻害系効果を1回無効にできる「ブロックカード」など
--利益系:お金がもらえる「ふくびきカード」「ふくのかみカード」など
--物件系:物件が25%OFFで買える「イトーヨーカード」や物件1つを90%OFFで買える「ゴールドカード」などの割引系カードや、物件の代金を決算時に払う形にする「あおいカード(まとめばらいカード)」など
--損害系:持っているだけで一定期間お金が減らされる「デビルカード」「キングデビルカード」など

-マス目も一直線ではなく、いろんなルート同士で引かれているので遠回りやループもできる。

-3月に決算となり、物件の利益や資産で順位が決められる。

**評価点
-貧乏神&キングボンビー((その容赦のなさは当時の集英社の名物編集者・鳥嶋和彦から来ている。))の登場。カード制度やイベント導入といった、様々な要素。
--誰よりも早く目的地に着いたり、お金を増やして物件を買い漁ったりするのはゲームの攻略の要だが、道のりは一本道では無く、様々な出来事が起こる。貧乏神の擦り付け合いや、目的地直前でカードで妨害といったことや、突如現れるスリの銀次によって金が減ってしまったり、キングボンビーが来て人生転落したり、「ぱろぷんてかーど」で予期せぬ事が起きたり、ドジラやモモスラの卵が出現した時に他のプレイヤーから助けてもらったりすることも。中には妨害した!と思ったら、逆に手助けになってしまったことも。

-ゲーム中の設定変更。
--人数こそは途中で変えることは出来ないものの、ゲームのCOMP人数や、移動の速さ、メッセージの速さ、役職、プレイ年数などをゲーム開始後の途中から変更できる。移動やメッセージの速さを「ほんき」にすることでテンポ良くストレスの無い速さでゲームを進行することができる。更にCOMPに至っては''全員COMP''にすることも可能で、年数を飛ばして中盤から始めたいときに利用したりCOMP同士の対戦などといった遊び方をすることもできる。COMPの強さは8段階ある。
---さらに、COMPはレベル毎に「農林系物件にこだわる“うまオニ”」「妨害系カードを多用する“さるかわ”」「貧乏神のなすりつけに執念を燃やす“やしゃひめ”((III以降は夜叉姫は解説役、かぐや姫がこの思考のキャラになる。))」などの強い個性付けがなされている。

-各地を基にした地域色溢れるステージ。
--存在する駅はほとんど実在する上に((本作発売時には既に廃止されているJR天北線とおぼしき路線が存在したり、完全に同じではない。))地域毎に売られている物件はひとつひとつ違いがあり、なおかつ現実の日本の地域産業を元にしている。
---札幌では「ラーメンや」や「ジンギスカンや」、「ビール工場」といった北海道ならではの特産品がある。
---青森、弘前の「リンゴ園」や松山、徳島、和歌山の「ミカン畑」、新潟の「すいでん」と言った農業産業。
---伊勢の「ふくふくもちや」は「赤福餅」のパロディ((さくまあきら氏いわく「権利等の関係で、そのままの名称を使う事が出来ないのでこうなりました」(『ジャンプ放送局』単行本より)。))である。
---東京、横浜、名古屋、大阪、広島、博多ではそれぞれの球団を意識((ただし大阪は阪神タイガースがモデルになっているが、阪神の本拠は甲子園(兵庫県西宮市)である。西宮は駅としては登場しない。))したような「プロやきゅうだん」という物件がある。前作同様、持っていると日本シリーズイベントが発生し、勝てば高額の臨時収益がもらえる((大阪の球団物件のみ収益率がマイナスに設定され、優勝時の臨時収益が他球団より多い。))
---また、横浜は社長名を「べいすた」にすると勝率が上がるのは作者のさくまあきら氏が横浜ファンであるためのお遊びだが、球団名決定法則の関係上唯一史実通りの球団名にできるのも理由と思われる。((球団名は都市名+社長の名前+ーズ(ももたろ社長で東京を買ったなら東京モモタローズ)になっているから横浜+べいすたで横浜ベイスターズができるというカラクリ。))
---浜松ではヤマハやカワイなどを意識した「がっき工場」、ホンダ、スズキをモチーフとした「バイク工場」といったものもある。
--架空とはいえ、全て実在する地域産業である。
--駅周辺では視覚的にキャラが動く((ゲームボーイ版では動かない。))。青森ではリンゴ、山形ではサクランボ、新潟ではおにぎり、下関の海ではふぐ、襟裳には馬と産業にゆかりあるものが配置されており、判りやすい。
---子供の頃にこのゲームを遊んだことで、''社会科の授業で習うべき地名や地域産業を覚えていった''という者も少なくない。このゲームのおかげで社会科が得意だった人もいるだろう。言い換えれば、''遊びながら学べる社会科''とも言える。開発チームが実際に製作の度に日本全国を旅して、各地の名産品などをチェックしているため実在の産業をここまでリアルに描き出せるのである((そして、シリーズが進むと同じ地域でもその時代の地場産業の変遷を反映するかのように物件が変わっていくこともあり、ご当地グルメも数多く登場するようになる。))。
--物件には収益率が設定されており、安価だが収益率が高い物件、高額だが収益率が低い物件、貸しビルのように収益率はいいがメンテナンス費用による出費が痛い物件、さらにはカニ漁船団のように毎年決算まで収益率がわからず時にはマイナスの時もあるもの、極めつけは収益率マイナスで毎年多額の赤字を垂れ流すが((最終結果などに関わる「物件の資産価値」は正である。))、低確率で大金が得られるイベントのある金山や炭鉱、と様々である。

**賛否両論点
-キングボンビーの凶悪ぶり
--本作から貧乏神が変身するようになるが、キングボンビーになると手の施しようが無い((PCエンジン版では変身した月に悪事を始めるので為す術がなかったが、スーパーファミコン版以降では来月まで悪事は働かないので1回だけなすりつけの猶予が与えられるようになった。もちろん、他の社長はその間に必死に逃げることになる。))。変身が解かれるまでの間彼の暴れっぷりに億単位の借金を背負い、地を這うプレイヤーも……
---''10個''のサイコロの出目に応じてお金を捨てられる。プレイ年数が重なると数百億単位も当たり前。
---持っているカードをすべて捨てられる。
---サイコロを2個振って出目の数だけ物件を売却する。
---未購入の物件をローンで買ってくる。しかも物件自体は他のプレイヤーにプレゼントしてしまい、プレイヤーに残るのはローンだけ。ただし、買ってくる物件は最高でも2億のため、長丁場ではさして脅威ではなくなる。
---独占した駅の物件を全て半額で売却する。
--収益が多いほど物件が買え、物件を買うほど収益が増える……と言うシステムゆえ通常は逆転が起こり難いゲーム性であるため、逆転の余地を生みゲームを活性化させるのが目的のキャラであるとはいえ、本作はちょっと凶悪にすぎた。キングボンビーにしばらく暴れられると、多くの場合立ち直りが難しい。
---そのゲームでは貧乏くじを引いたと思って勝ちを諦め、むしろ「キングボンビーにどこまで落とされるか」をプレイヤー全員で楽しむのがキングボンビーとの正しい向き合い方なのかもしれない。後の作品では、キングボンビーの悪事がパワーアップする((本作では長期間プレイでのチューニングが十分ではなく、99年やそれに近い年数になると、上位プレイヤーには数百億捨てられてもさして痛手ではなくなる問題も生じている。次回作以降は、年数によってサイコロが増やされたり、物件を捨てる(売却費用が貰えない)といった感じでさらに凶悪になっている。))一方、対抗手段も用意されたり、立ち直りが容易になったりしている。
---当時の攻略本でも言われていたが、わざと貧乏神を付けっぱなしにして有効なカードを集めさせて足がかりにするのが実は効果的。莫大な借金など、徳政令カード1枚でどうにでもなる。そしてこういう時に重要なのが農林物件。収益は総じて低いが、売却できない((キングボンビーは容赦なく売ってしまう。))ため、建て直しのときの資金源として文字通りの礎になる。

**問題点
-一定数の物件を所有すると、それ以上は物件が買えなくなってしまう。プログラム上の限界が理由。次回策以降は改善された。

-長期間の年数でのプレイだと、目的地到達の意義が薄れてしまう。
--序盤は物価が低く、目的地到達&物件購入で資産や資金を増やしていくのだが、長い年数でプレイすると物価かどんどん上がっていく上に、購入した物件も軒並み揃ってくるので目的地到達の援助金の金額より、決算時の収入金額の方がはるか上回るので、到達の意義が薄れていく。
---だからといって油断していると他のプレイヤーに到達され貧乏神に取り付かれてしまうこともある。目的地到達による資金確保より貧乏神の擦り付け合いが焦点となっていく。

-ドジラ・モモスラの卵の発生率
--これも長期間の年数で起こることだが、各地の物件を買えば買うほどドジラやモモスラの卵の発生率が上がる。卵自体は一つしか発生せず卵が孵るまでの期間がある(ただし道はふさがれる)ため「きんたろうカード」を使えば取り除け、ドジラは誰かが「モモトラマンカード」を持っていれば撃退できるのだが、取り除いたり撃退したとしても数ヵ月後にまた発生することも多く、カードの所持数も6つと限られているのでいちいちカードを手に入れるのも面倒。さらにドジライベントに至っては発生した時点でどこかの都市を攻撃するので「モモトラマンカード」を買いに行ける猶予がなく物件が守れないといった問題もあった。非所有状態になることを覚悟し、再度購入すればいいと割り切ってプレイする方が良い。後の作品ではカードやイベントの統合、事前使用しておく専用システムなどの改善が為されている。

-ゲームボーイ版では容量の都合で、一部のイベントが削除されている(選挙とF1レース)。

**総評
妨害から協力といった色んな駆け引きの要素を取り入れて前作や前々作よりゲーム性を高め、単なる双六だけに終わらない多人数でも楽しめる作りとなった。~
今後の桃鉄シリーズの雛型となった作品でもある。

**余談
CMは当時放映されたばかりの「ごっつええ感じ」や「ガキの使いやあらへんで!!」で売り出し中だった若かりし頃のダウンタウンが刑事に扮して登場している((そしてダウンタウンに取り調べを受けているのが貧乏神のモデル、『えのん』こと榎本一夫。))。同時期に『桃太郎伝説外伝』や『高橋名人の大冒険島』のCMにも出演していた。~
SFCとGBに移植された。SFC版では目的地決定画面が追加されたが、5人対戦は不可。~
「プロやきゅうだん」では買占めまたは1プレイヤーのみの購入となると自動的に札幌の球団(球団名は「札幌ヒュービーズ」で固定。ハドソンの『パワーリーグ』シリーズに登場した架空球団「ヒュービーズ」がモデル。次回作からは「札幌ドサンコーズ」((名前が似ているがハドソン自体はJリーグのチームである「コンサドーレ札幌」のオフィシャル・サポーターだった頃がある。チーム名もドサンコの逆さ読みである。)))との試合となる。発売当時札幌にはプロ野球のチームは存在しておらず、ハドソン本社が札幌にあったための設定(([桃鉄研究所再開第5回目!>http://sakumania.com/momo/momoken-3/08.26.html] - さくまあきら))だが、その12年後に日本ハムが拠点を札幌に移したのを考えると予言とも言える……かもしれない。

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