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トム・クランシーシリーズ スプリンターセル」を以下のとおり復元します。
*トム・クランシーシリーズ スプリンターセル
【とむ・くらんしーしりーず すぷりんたーせる】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00007B8RX)|&amazon(B00008SM5F)|
|対応機種|Windows 98~XP&br()プレイステーション2&br()Xbox|~|~|
|発売・開発元|ユービーアイソフト|~|~|
|発売日|【Win】2003年2月22日(日本語マニュアル版) / 5月30日(完全日本語版)&br()【PS2/Xb】2003年11月27日|~|~|
|定価|【Win】7,140円(日本語マニュアル版) / 10,290円(完全日本語版)&br()【PS2/Xb】7,140円|~|~|
|廉価版|【PS2】ユービーアイソフトベスト:2005年7月7日/2,940円|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アメリカの作家故トム・クランシー氏が監修を務めたステルスアクションゲームシリーズの第一作目。~
ステルスアクションの名作『メタルギアソリッド』シリーズとは似て非なるゲーム性やグラフィックの美しさが高く評価され様々な賞を獲得、シリーズ化が行われた。~
同じトム・クランシー原作・監修の『レインボーシックス』『ゴーストリコン』などと世界観を共有している。
Xbox,WinとPS2,GCで内容が少し異なっている。

**システム
-ゲームは三人称自由視点による3Dアクションを基本としており、カメラは自由に動かすことが可能。
-サムは様々なアクションが可能で、その中でも特徴的なのが股割りことスプリットジャンプである。
--これは、左右が狭い通路などで使用できるアクションで、一方の壁に向かってジャンプした後、再度ジャンプボタンを長押しすると両足を突っ張って壁の上で静止する事が出来る。&br()この状態から、敵が下を通った時に飛び降りれば敵を気絶させられ、両手が開いているのでそのまま銃を使う事も出来るようになっている。
--他にもしゃがむ事で足音を消したり、壁蹴りで高所に移動するといった事が可能。スティック操作の出来ないWin版ではマウスホイールで移動速度の微調整も可能となっている。
-サムは様々なガジェットを使う事が出来る。
--銃もあるが、基本的に隠れて進むのがメインとなる本作では''ライトを破壊して明かりを消す''といった目的で使用される事が多い。
--基本装備としてナイトヴィジョン・ゴーグル、サーマルヴィジョン・ゴーグルがある。後述のように暗闇を利用する本作では必須の装備となる。
-画面右下には現在地の明るさを視覚化したステルスメーターがあり、このメーターが右寄りになるほど明るく見つかりやすくなる。
--暗がりでじっとしていればすぐ近くを通っても気づかれる事はない。暗がりがない場合、前述のように銃でライトを破壊するといった手段を取る必要がある。
--気づかれずに背後に忍び寄れば敵を拘束可能。拘束した敵からはドアロックのパスワードを聞きだしたり、網膜センサーに押し付けて扉を開くといった事が出来る。倒した敵を放置すると怪しまれるため、倒した敵を隠す事も必要となる。

**ストーリー
2003年、NSA((アメリカ国家安全保障局。実在する組織。))は情報漏洩や国際テロに対抗するための諜報組織サードエシュロンを極秘裏に設立した。

2004年、旧ソ連グルジア共和国にて突如消息を絶ったCIAのエージェント2人の捜索任務がサードエシュロンに下される。~
CIAはこの程、グルジアに独裁体制を敷くニコラーゼ大統領の内偵を行っており、さらにグルジアの軍部は活発な動きを見せているという。~
サードエシュロンは優秀なエージェントであるサム・フィッシャーにこの任務を任せるが……。

**評価点
''リアルさを追求したステルスゲーム''
-潜入するために必要な様々な要素が拘って作られているため潜入作戦の雰囲気は抜群。
--ドアの鍵をピッキング、敵を拘束して網膜スキャンを突破、暗証番号を自分で入力、カメラやライトを破壊して死角を作り出す、超小型カメラを使って扉の向こうの様子を探るなど非常に現実的。
--敵の反応もリアルで、音に反応するのはもちろんサムの影を見つけると警戒したり、逆に無警戒の時は口笛を吹いたりと様々な行動を取ってくれる。&br()作業に熱中していると手元しか見えず後ろを通っても気づかれなかったりと視覚も現実的。また、警戒する敵を周囲のオブジェクトを投げて誘導する事も出来る。
--敵をすべて殲滅するもよし、その気になれば本当に一切敵に見つからずに行動出来る攻略の幅もある。
--また、非常に難易度が高いが、ゲームを通して1人以外はノーキルでクリアすることができる。
---参考:http://www.ne.jp/asahi/hzk/kommander/scelltop.html
-多数のアクションとステルスシステムから難しいイメージがあるが、ゲーム開始直後のトレーニングで丁寧なチュートリアルが行われるのですんなりゲームに入っていけるのも良い点だろう。
-メニュー画面にあたるOPSATでは現在の目標、入手した暗証番号などをまとめているため、入手したパスワードを忘れる事はない。

''美麗なグラフィック''
-グラフィックで賞を獲得したことからも分かる通り、当時としては美麗なグラフィックが話題を呼んだ。
-特に最大の特徴である光と闇の対比には力を入れており、序盤から大型のファンから差し込む光の束など印象的な画作りをしている。
--光と影が直接ゲームに関わってくるため、グラフィックとゲーム性が両立している。
-家庭用版ではXbox版を基準として開発されており、こちらも美しいグラフィックが評価された。
--ただし、その分PS2版は若干劣る。

''緻密に練り上げられたストーリー''
-小説家トム・クランシー監修のゲームであり緻密に考証を重ねた世界観、ストーリーの評価が高い。
-ストーリー途中にはニュース番組の形式で情勢の変化がリアルに描かれるようになっている。
-各キャラクターもサムをはじめ皆個性的。真面目でシリアスな場面でも所々ジョークを挟むことで重くなりすぎずに緊張感を持たせている。このあたりはハリウッド映画のノリに近いと言えよう。
--本編ではちょっとした会話で済まされた内容も、OPSAT内に情報が蓄積される事で詳細を知ることが出来、重厚な世界観を窺う事が出来る。

''ベテラン声優陣による主要登場人物の日本語吹き替え''
-本編は日本語吹き替えで、キャストは主人公のサム・フィッシャー役に玄田哲章、アーヴィング・ランバート役に池田勝、アンナ・グリムスドッティア役に田中敦子など洋画の日本語吹き替えでおなじみのベテラン声優陣を配している。

**問題点
''攻略ルートが完全な一本道''
-分かれ道などもなく、一度通ったチェックポイントを戻る必要もないため、やらされている感がある。
--ただし、これは意図したものであり、ステージで迷子になって快適なゲームプレイを阻害しないよう配慮された結果である。後のシリーズでは攻略法の選択肢が増えた。
--マップ画面は存在するが、かなり簡素なためどこがどうなっているのか把握するのが困難。
---前述のようにOPSAT内に情報が蓄積されていくが、作戦前のブリーフィングはないので、まずOPSATを開いて情報を把握する作業が必要となる。
--難易度は高めだが、難易度設定ごとの差はあまりない(敵の警戒の仕方が変化する……といった事はない)ため2周目でもプレイ感覚は変わらない。

''即ゲームオーバなチェックポイントの存在''
--ある地点を通るとチェックポイントとなりセーブする形式で、また、ロードしても状況がリセットさせる仕様ではないため、即ゲームオーバーなチェックポイントが存在する。ミッションをはじめからやり直すしかない。
---例1)トラックの後を追いゲートを通る道の途中にチェックポイントがあるため、追いつけない状態のままセーブしてしまうとリカバーできない。&br()例2)警報回数に制限があり、通る警報が鳴る金属探知機を、必ず通らないとならないミッションで警報回数が上限に達していると詰む。

''アンバランスな音量''
--敵は他のステルスゲームに比べて異常なほどに足音に敏感である。プレイヤーが足音として感知できないほどの音で気づくため細心の注意が必要である。
---プレイヤーが足音として聞こえるように設定することはできない。効果音最大 BGM音量0にしてもBGMはなるし効果音もあまり大きくならない。
--このような設定にかかわらず、飛び降りる時の音は非常に大きく、それなのに敵は気づかないなど音量バランスが悪い。

''日本語版にまつわる問題''
-このゲームは日本語吹き替えであるが、元の英語版に比べてモブ敵の音声は担当が少ないようだ。日本Ubiの方でバリエーションをつけようと思ったのか''ピッチダウンしたゾンビの様な低い声が多く使われる''。しかし、その敵の別のセリフは普通の声ということが非常に多く整合性が取れない。
--敵は顔に何も身につけてないため、フルフェイスヘルメットのこもった声の表現というわけではない。
-すべての音声の吹き替えがされているわけではなく、モブ敵の一部のセリフが英語のまま。
--なお、サムの回復アイテムを使用した時の声も英語のままで、「Oh yeah」や「Woooo...」(下痢で唸るような音)など吹き替えの渋いの声とは似ても似つかない。
-全体的に録音品質が悪いのかエフェクトをかけてない部分でも音質はあまり良くない。


''その他''
-背後からの気絶、盾にするなどの有効距離が非常に狭く、敵の頭に息を吹きかけるほどに近づかなければならない。前述した通り、敵は他のステルスゲームに比べて異常なほどに足音に敏感である。敵が立ち止るまでは動作は難しい。
---ダッシュで気絶させることもできるが他の敵に気づかれやすい

-あるステージでは頻繁に数十秒のムービーが挟まれるが、スキップできないためゲームオーバーするたびに何回も見せられる羽目になる。

-暗闇に潜むシステムは重要ではある一方、ステルスメーターが左寄りなら画面では丸見えでも見つからないため違和感がある。
--といっても索敵状態になると足音を察知し真っ暗闇だろうと正確に銃を撃ってくる。
--他にもサムが装備しているゴーグルや背中の機械が常に緑色に光っているため、バレバレにしか見えない点もよく指摘される。
---これも意図されたものであり、発光がないとプレイヤーが主人公を視認することが困難になってしまうため。

-壁張り付きのアクションがあるが、カメラアングルはあまり考慮されていないため見づらく、慣れるまでは難しい。
--カメラが一周することはできず、サムの正面にカメラを回すことができない。

-銃はレティクルが徐々に狭まっていって命中精度が上がるシステムだが、最大の状態でも当たり難い。確実に当てるにはかなり近づいて撃たないとならない。
--特に蛍光灯などを撃つ場合の当たり判定が狭い上に、発光エフェクトも白いのでスナイパーモードでも判断がしにくい。
-ステルスへの比重が大きく、正面からの銃撃戦に向かないシステムであるにも関わらず、一度に複数を相手に銃撃戦を強いられる場面がある。

-垂直なパイプや天井のパイプに登れることになっているが、天井や壁面共に登れないパイプが複数存在する。

**総評
『メタルギアソリッド』シリーズと似ているようで全く別物のゲーム性や、光と闇を強調したグラフィックが高い評価を得た良作アクション。~
難易度が高いため何度もやり直して突破口を探していくゲームであるが、それだけにクリア出来た時の爽快感は満点。~
現在でも色褪せない面白さを持つタイトルである。

**シリーズ一覧
-''スプリンターセル カオスセオリー''
--2005年発売。グラフィック、ゲーム性の強化が行われ高い評価を得た。Xbox版は初期シリーズ唯一のゲーム オン デマンド配信タイトル。

-''スプリンターセル パンドラトゥモロー''
--2005年発売。Windows対応のシリーズでは唯一ダウンロード販売が行われていない。

-''Splinter Cell: Essentials''
--2006年発売。PSP。日本未発売。

-''スプリンターセル 二重スパイ''
--2007年発売。マルチエンディングの採用など、新機軸を打ち出した。
---PS3・XBOX360・PC用とそれ以前のハードでゲーム内容がかなり異なる((次世代機向けの開発がUBI上海、旧世代機向けの開発がUBIモントリオールだったため、次世代機向けは処理落ちが激しく日本版は吹き替えがない上字幕も非常に見づらかったので評判はあまり良くない))

-''スプリンターセル コンヴィクション''
--2010年発売。ゲームシステムの変更やストーリーの展開からシリーズの転換点となり高い評価を獲得した。((ローカライズも吹き替えに戻ったため、再び尋問等の台詞を把握しやすくなった))

-''スプリンターセル3D''
--2011年発売。3DS。『カオスセオリー』の移植。

-''Tom Clancy's Splinter Cell Classic Trilogy''
--2011年発売。PS3。『カオスセオリー』までの初期3作のHDリマスターセット。日本未発売。

-''スプリンターセル ブラックリスト''
--2013年発売。現最新作。

**余談
-海外ではGC版、GBA版も発売。GBA版は横スクロールアクションになっている。

-暗闇を利用するゲームシステムはアイドスが製作した『Thiefシリーズ』と共通している。
--『Thief』は剣や弓矢を使う盗賊が宝を手に入れる事を目的とするFPSのため、似通ってはいるものの雰囲気やプレイ感覚はかなり異なる。

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