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*ベルセルク 千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章
【べるせるく みれにあむふぁるこんへん せいませんきのしょう】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0002TB698)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売・開発元|サミー|~|
|発売日|2004年10月7日|~|
|定価|6,980円(税抜)|~|
|レーティング|CERO:18歳以上対象(当時)|~|
|ポイント|ガッツの辛さを味わうゲーム&br()''凄まじい原作再現度''|~|
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20)''本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。''}
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**概要
月刊ヤングアニマルにて不定期連載中の三浦建太郎の漫画、『ベルセルク』を原作とする家庭用ゲーム第二弾。~
原作ありきのゲームとしてはかなり異例の''CERO:Z指定''作である((現在のレーティング制度における区分。当時は18歳以上対象。))。~
シナリオはタイトル通り原作の千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇前半部を元にしている(大体黄金期編の終わりからシールケが仲間に加わり共に旅立つ辺りまで、22巻~27巻)だが、オリジナルの登場人物も出てきたり、本来はないグリフィスやゾッドとの対峙もあるややパラレルなストーリー。

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**システム
-基本的には『無双シリーズ』辺りをイメージしてもらえればそう間違ってはいない。主人公ガッツを操り、むらがる魔物を大剣「ドラゴンころし((原作未読者の方に説明しておくと「ドラゴン殺し」の誤記ではない。平仮名が正式名称。))」でなぎ倒してステージごとに決められた目的を達成するのを繰り返していく。
--特殊攻撃は、ガッツが全身に仕込んだ武装(投げナイフ、炸裂弾、義手大砲、ボウガン)と仲間キャラのサポートであるパートナーアサルト(回復のパック、攻撃のイシドロ、敵の動きを止めるセルピコ、防御力を上げるシールケ)を使い分ける。一度使った特殊能力は、各能力ごとに定められたクーリングタイムが経過するまで使えなくなる。なお、仲間キャラのサポートはシナリオでその仲間が加わるまでは使えない。
--時折、体力ゲージに「烙印」が表示されることがあり、この瞬間に△ボタンを押すと、敵を一撃で倒せる「ガッツアクション」が発動する。
--また、他にもバーサクゲージというゲージを消費して、一定時間攻撃速度を大幅に向上させる「バーサクモード」というシステムもある。

-成長システムは経験値制だがやや特殊で、獲得した経験値を任意のパラメーターに割り振ることで、パラメーターごとに成長させる方式になっている。原作の関係上ガッツ以外の操作キャラがいないので、プレイヤーごとに個性を出すためにこのようなシステムにしたと思われる。
--パラメーターは、耐久力、バーサク(バーサクの持続時間延長)、剣速、剣技(コンボの種類が増える)、溜め斬り(溜め斬りの威力上昇)、各種兵器及びサポートキャラのレベルアップ。攻撃力は上昇することはない。
---兵器やサポートキャラのレベルを上げると、クーリングタイムが短くなったり性能が向上したりする。
--経験値は敵を倒したときの他コンボをうまく繋げることでも稼げる。
--また各地に点在する隠しキャラ「スプリガン」を集めることで経験値が手に入ったり、追加要素が入手できる。

-セーブは各ステージクリア時か、ステージ途中に設置されたセーブポイントで行う。この際経験値の振り分けも行う。

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**評価点
-原作の重厚でグロテスクな世界観は良く再現されている。
--グラフィックレベルはPS2全体で見てもかなり上質。全体的なグラフィックの方向性は、暗い雰囲気で固められており原作の世界観を壊していない。青空が見えるシーンすらほとんどなく、大抵吹雪だったり曇天だったり大雨だったり。まぁこれは原作からしてそうなのだが…。
--本作にまともな安全地帯はほとんどない。基本的にセーブポイントだろうが容赦なく敵は襲ってくる。原作でも''ほとんど眠る暇が無い''レベルでガッツは敵に襲われているのでこれも原作再現。
--OPのクオリティが異常にいいことで知られる。

#region( (`Д´)ワージッ! )

#nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm151158)
-テーマソングには、テレビアニメ版や「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」と同じく平沢進氏を起用。
--上質なグラフィックで送られるムービーと、テーマソングの「Sign」が良くマッチしており、ベルセルクの世界観の再現度が高い。
--なお、歌詞の意味について度々議論されるが、特に意味はないとのこと。またネタ的に「(`Д´)ワージッ!」と書いているがここの正しい歌詞は「プラーマシップ」である。
#endregion()


---これに限らず、ムービーの質はかなり良く原作の名場面を良く再現している。序盤の「蝕」のシーンなどほぼトラウマもの。「狂戦士の甲冑」使用のシーンは効果音も非常にエグイ。元々この辺りはアニメ化されていないので、映像化は初となるのもインパクトを強めている。
--原作付きのゲームとしては珍しい「CERO:Z」指定だがそれにふさわしくグロ描写に関して遠慮は一切ない。
---通常攻撃でも血飛沫は当たり前で、ガッツアクションを使用すると胴体切断、脳天から一突き、剣で地面に押し倒して踏みにじるなど、魔物ごとに固有のアクションで思いっきり殺し尽くす。原作でもガッツの戦い方は大体こんな感じなので、「原作再現にこだわったら自然とCERO:Zになってしまった」のかもしれない。

-アクションゲームとして見るとやや動作がモッサリしており、攻撃速度も遅めだが、むしろガッツの攻撃の重量感を再現する上ではこの演出は上々だと言える。
--バーサクモード発動で大幅な高速化は可能。ただし、終了時に若干隙がありコンボが途切れてしまうのが難点。
--大砲発射からの反動斬りなども使えるなど、アクションゲームとしても原作再現を重視している。
--ボスキャラクターに対するカウンターアクションはショートムービー仕立てになっており、演出としてカッコイイだけでなく、成功させると大ダメージを与えられる。
---しかもアクション・モーションは原作再現の嵐である。例えば原作「生誕祭の章」でモズグスにトドメを刺したアクションが、本作では別の敵へという形で取り入れられている。
--操作はやや複雑だが、冒頭にチュートリアルがあり、ロード画面で応用アクションの解説もされるなど配慮されている。
--最低難易度のEASYならゲームに慣れていなくてもサクサク進める程度の難易度になっている。

-シナリオは多少の変更・修正はあれど、基本的に原作に忠実。先述したアクションも含めて原作再現度は非常に高い。
--声優もテレビアニメ版や「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」と同じ神奈延年氏や渕崎ゆり子女史を起用。そちらからベルセルクに入った人でも違和感なくプレイできる。
--ゲームオリジナルの使徒が登場するが、世界観は壊さずキチンとキャラが立っており、ガッツの過去を掘り下げる内容になっているため問題視されていない。
---追加されたシーンは、ガッツのトラウマをえぐるかのような精神的にえげつないものが多い。それだけにとある原作の名台詞がより引き立つという効果もある。
--なお、クライマックスはグルンベルド→ゾッドの連戦となっている。原作が(未だに)連載中なので、「原作を踏まえたオリジナルの展開」という形にされたのだろう。

-設定集なども存在し、よりベルセルクの世界観に迫れるようになっている。未読の方も安心・・・というにはショッキングなシーンが多すぎるが。

-クリア後にはボス敵などを制限時間や装備に制限が加えられた上で倒す「100-animal murder」というモードが追加。クリアすることで追加武器が手に入る。
--追加される武器は傭兵時代のガッツの剣、サラマンデルの短剣、エンジョイ&エキサイティングな気分になれる棍棒、ゾッドの剣などの原作再現武器からなぜか世界観完全無視のエレキギターまで様々。
---ただし、武器を変えても変化するのはリーチだけでモーションや攻撃力に違いは出ない。そのため一番強いのは結局初期装備のドラゴンころしである。まぁドラゴンころしよりエレキギターが強かったら色々台無しなのである意味仕方がないが・・・。

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**問題点
-アクションとしてはあまり出来は良くない。
--ガッツのモーションに重量感があるのはいいのだが、移動速度が遅い割にマップがやたら広い。ステージクリア条件を達成するためにマップ中を駆け回る必要があることもあるので、かなり面倒。
---クリア済みのマップでは、魔物を倒していくことで「魔物残存率」を減らしていくというやりこみ要素があるのだが、この移動速度の遅さがかなり足を引っ張る。達成特典も(ネタ的にはおいしいが)苦労に見合うとは言えない物。
--ロード時間が長めな上、頻度も多い。これもテンポを悪化させている。前述のように応用アクションの説明が入るとは言え、さほど種類があるわけでもないので全てのパターンを確認した後はロード時間は我慢するだけである。

-ボリュームが薄め。
--全6章8ステージ。原作ありきなので、仕方がない側面もあるが。一応一つ一つのステージは長めだが、前述の通り移動速度の遅さでむしろダレやすい。

-パートナーアサルトは使用する度にスキップ不可のムービーを見せられテンポが悪い。
--レベルアップする度に演出が変わるなど凝ってはいるが、2回目以降は流石に鬱陶しい。ゲーム攻略の上で必須アクションなので何度も使う必要がある。
--また、仲間キャラはサポートではなく、ガッツと共に戦ってくれた方が良かったとの意見もある。セルピコやイシドロを操作できるシーンもない。
---一応同行している仲間は時々台詞をしゃべるのだがパターンが少なく何度も同じことをしゃべるので、これも鬱陶しい。

-難易度を変えてゲームをクリアしても特に特典が無い。自己満足だけ。
--ガッツの成長を違う難易度に引き継ぐことは出来ず、ゲーム開始時に設定した難易度で固定されてしまう。このため最高難易度のEXPERTだろうがごまかし一切なしに自分の腕だけで戦う必要がある。ある意味これも原作らしいと言えなくもないが…。

-バグがいくらか報告されている。
--ステージをクリアできなくなるなどかなりタチの悪いバグが多い。

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**総評
ゲーム性を切り崩してでも原作再現を重視したある意味キャラゲーの鑑。~
遠慮無くゴア表現を盛り込み、一見さんお断りの雰囲気を前面に押し出したパッケージなど威圧感は満点。~
アクションゲームとしての評価は微妙だが、ファンの間ではなかなか高い評価を得ている一本である。

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