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トゥルーラブストーリー2」を以下のとおり復元します。
*トゥルーラブストーリー2
【とぅるーらぶすとーりーつー】
|ジャンル|恋愛シミュレーション|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/619R3GCI7nL.SL160.jpg)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 3枚組|~|
|発売元|アスキー|~|
|開発元|ビッツラボラトリー|~|
|発売日|1999年1月21日|~|
|定価|6,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[エンターブレイン恋愛シミュレーションシリーズ]]''|

**概要
-1996年に第一作が発売された、『[[トゥルー・ラブストーリー]](以下TLS)』シリーズの第二作。当時としては斬新な試みが施され、ダークホース的な人気を受けた前作。その評価を受けて、TLSは本作から正式にシリーズ化された。通称『TLS2』。
--ちなみに、本作から題名の中黒「・」が無くなっている。
-良作ながらも荒削りであった前作を、コンセプトはそのままに、全体的な内容強化が図られた。シリーズ全体の基礎は本作で完成され、TLSシリーズの最高傑作に挙げられることも多い。

**内容
-本作も前作と同様、転校を目前に控えた主人公が、残りの一ヶ月間で恋人を作ろうと奔走するお話。ただし、前作とは舞台、人物等共通点は全く無い。

-本作は四季毎ではなく学期毎で物語が分かれ、DISC1~3が、それぞれ1~3学期に対応する。また、前作では季節が違っていてもイベントはほぼ共通だったが、今作では学期毎に対応するイベントが発生するようになっており、特に、各学期の三週目に発生する夏祭り、文化祭、体育祭のイベントにヒロインを誘うことが、一つの目標となる。
--ディスクはそれぞれ単体で動くようになっており、一つの学期だけなら一枚だけでEDまでプレイ出来る。地味ながら良い点である。
--なお、微々たる違いではあるものの、OPムービーもディスク毎に異なり、確かな拘りが散見される。

-攻略対象はメインヒロイン四人、学期限定キャラ二人×3で全十人。実際のところ、前作と比較して一人しか増えていないが、前作ではチョイ役程度だった友人、妹、先生等の出番がグッと増え、ゲームが全体的に賑やかに。
--ちなみに、特に理由の無い非攻略ヒロイン、隠しキャラクターは、本作から登場している。

-ゲームの進行、下校会話、攻略方法については、前作と大差無いが、それぞれ細かいながらも劇的な改良がされている
--マーカーの採用。これは移動場所を選択する際、条件を満たしていれば、移動場所に!や?、☆のマーカーが付く。それぞれ、条件を満たしたキャラクターのイベントが起きることを示しており((特に☆マーカーは、後述のチェーンイベントの為の重要イベントである。))、イベントの取りこぼしが少なくなった。
---前作では、どこで何が起きるかはカンに頼るしかなかったので、かなり大きな改良点である。&br()もっとも、誰のイベントかは伏せられているので、そこは考えるしか無いのだが。
--下校会話の選択肢に、「寄り道をする」が追加。好感度が一定以上であれば、寄り道イベントが発生する。全三回まで発生し、後になればなるほど難易度は高い。
---前作では、下校会話の使用先が「デートに誘う」のみに限られていたので、プレイに慣れると、後半は持て余してしまうこともあった((それでも『TLSR』では、オマケながら全三回デートに誘えるようになったので、持て余さずに済むようになった。))。今作では寄り道に加え、上記の学期毎のイベントに誘うことも出来るので、最後まで緊張感ある下校会話を楽しめる。
--チェーンイベントの採用。ヒロインの数人には、いわゆる「ルート」があり、幾つかのイベントを連続して発生させてフラグを回収して攻略する。

**評価点
-前作の面白さはそのままに、ディスク三枚組の大容量によって、大幅な内容アップを実現できている。特に、上に挙げた、&br()1.学期イベント、寄り道追加&br()2.マーカーの採用&br()は、まさに正統進化に相応しい追加要素である。

-その他の点に目を向けると、
--全体的なキャラクター性の強化。
---前作では、「普通」という要素を全面に押し出し、リアルなキャラクタ像を確立して話題であったが、同時に印象が薄いことが難点であった。今作では、キャラクター同士の横の繋がり((前作では、妹とヒロインの一人ぐらいが精々だった。))、イベントでの内面等描写を多くすることで、安易な属性付加に頼らず((全くいない訳ではない。))に、一見ごく普通に見える人物でも、キャラクター性を発揮することに成功している。
--キャラクターデザインの変化。
---前作ではまだ粗かった松田浩二氏のタッチが、一般的に人気の高い、丸みを帯びた温かみのあるタッチに変化した。
--今から見ても当時で見ても、非常に豪華な声優陣。
---一番乗りに乗っていた時期のせいか、シリーズ中でも特に声優が豪華。ヒロインだけを覗いても、永野愛、川上とも子、永沢美樹、今井由香、皆口裕子、岩男潤子、田村ゆかりらを始め、サブキャラにも、南央美、関智一、阪口大助と、全く抜かりの無い顔ぶれが揃っている。

**賛否両論点
-自由度の低下。
--上記のチェーンイベント、いわゆる「ルート」を採用したことで、前作の特徴だった自由度が大幅に下がってしまっている。前作では、例えイベントを集められなかったとしても、好感度さえ条件を満たしていれば、(一部人物を除いて)クリアが可能であり、今作でも一応踏襲されているのだが、一部キャラには、多少シビアなフラグ管理が求められる((もっとも、上記のマーカーの採用によって、難易度はそこまで高くはない。))。これによって、読むものになってしまったという批判がある。
--また、第三週目に学期固定のイベントが設定されたことで、周回プレイの内容が似通ってしまうという弊害も。
--一応、なかよし傾向かあこがれ傾向かによってイベントの差異はあり、フラグ管理が必要なのは一部のキャラに留まっているため、プレイの幅が狭まった訳ではない((この点でいえば、むしろシリーズ中でもまだ自由度は高い方。))。イベントを増やした結果であると考えると、中々悩ましい問題である。
---これに関しては、同年発売の『[[ときめきメモリアル2]]』でも同様の批判がされている。いずれも、どのようにして既存のシステムにストーリー性を盛り込むか、という試行錯誤の結果である。

-一応、キャラクター性の強化は図られているが、それでも後の作品に比べると、『濃さ』という点では少々物足りない。この辺りを「らしさ」として捉えるかどうかだろう。

**問題点
-UI自体に進化は見られない。つまり、相変わらずあまり快適ではないということ。必要最低限度は整っているのでダメという訳ではないが。

-相変わらず、傾向を決定するイベントが分かり辛い。前作でも分かり辛かったが、傾向変化によるイベントに大きな違いはなく((キャラによっては、むしろ本来の傾向から外れることにより、起きないイベントの方が多くなる。))、一種のおまけ要素なので問題は無かった。が、チェーンイベントのある今作のキャラは、傾向の決定によってルートが決まり、全く違う物語が進行するので、条件が分からないと同じルートを繰り返したり、クリアに影響したりと、少々不親切な仕様になっている。

**総評
まさに前作の正統進化。TLSシリーズのシステムは本作で完成したと言ってもよく、後のエンターブレイン恋愛シミュレーションシリーズは、ほとんど本作をベースにしている。~
もちろん、システムだけではない。内容もかなりの充実が図られ、イベント、キャラ等、シリーズ中でも最高クラスの水準である。初めての人はもちろん、後継作品から入った人も、「TLS1(orR)はちょっと古臭くて……」と思ったなら、こちらをとってみると良いかもしれない。

**余談
-本作のパッケージのみ、ヒロインが描かれていない。また、シリーズで唯一メインヒロインがOP・EDを歌っていない作品でもある((三作目『3』はOPのみメインヒロイン役のたかはし智秋が担当。四作目『TLSS』はそもそも楽曲が使われていないが、OVAではメインヒロイン役の桑谷夏子がOP・ED共に歌っている。))。
--ちなみに本作のOP・EDを歌っているのは、前作のメインヒロインを演じた菊池志穂。
-舞台になった『青葉台高校』は、グラフィック担当の高山箕犀氏((後のキャラクターデザイン。))の母校、茨城高等学校がモデルとなっており、EDでは取材協力としてクレジットされている。

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