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カサブランカに愛を」を以下のとおり復元します。
*カサブランカに愛を ~殺人者は時空を超えて~
【かさぶらんかにあいを さつじんしゃはじくうをこえて】
|ジャンル|ADV|
|対応機種|PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MSX2、X68000、&br()3DO、Windows|
|発売・開発元|シンキングラビット|
|発売日|1986年9月12日|
|定価|7,200円|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|

**概要
-タイムトラベルをテーマとした、当時のADVとしては珍しい作品((他には『タイムゾーン』(1982)などがある。))。シナリオの完成度も高い。
-システムはオーソドックスで、当時としてもやや古臭い。
-タイトルのカサブランカは、映画『カサブランカ』(1942)の事。

**ストーリー
1945年6月。シカゴの新聞社デイリー・カサブランカに務める女性記者、ジェリー・ランドルフにある日記が届く。それは行方不明になっていた親友、メイ・エルガーのものだった。そこには彼女の父、エルガー博士の研究を軍が狙っている事、その魔の手が彼女自身にも伸びている事が書かれていた。さっそくジェリーは同僚のロイ・スティーブンスと共に、メイの実家へ向う。二人は、メイの実家、エルガー博士の研究所を訪れた。1945年6月15日の事だった。

**特徴とシステム
-コマンド入力式のサスペンスADV。ローマ字入力。時空をテーマとしたADVとしては、最初期の作品。主人公たちは、偶然出くわした殺人事件を追い、時空を巡る。
-画像は全て白黒。もちろん当時の一般的なADVはカラーだったが、あえて白黒を選んでいる。
-BGMはない。

**評価点
-タイムトラベルをテーマにしたADVというだけで、当時としては斬新だった。もちろんこの点は、シナリオにふんだんに生かされている。時間を移動する度に、それまでの時代の伏線が回収されていく様は爽快なもの。また、時代は変わっても舞台となる場所は変わらないため、時代の変化を感じられる。話のスタイルとしてはサスペンスなのだが、心情ドラマでもある。タイムトラベルを題材に、良く練られた愛と信念のストーリー。
--ボリュームそのものは多くない。ただコマンド入力式のため、時間的にはすぐに終わるようなものでもない。
--ちなみに映画『カサブランカ』は、ちょっとした味付け程度の存在。
-画像は白黒で色はない。むしろそれが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。絵も写実的で、これも本作を味わいのあるものにする。
-コマンド入力式にしては、攻略のために必要な用語は少なく、いじわるな言葉探しもない。比較的スムーズに進む。
--そうは言っても、総当たりのようにプレイしていけば、大丈夫という訳ではない。トラップ、行き詰る展開、そして当然ながらゲームオーバーもある。

**問題点
-サスペンスとしての推理要素は限られ、総当たりのような攻略をせざるを得ない面もある。
-同時期、すでにコマンド選択式のADVがかなり出ており、コマンド入力式のシステムは少々古い。
-全くの無音。常時BGMがあるADVはなかったが。要所にBGM、SEがあるADVは出始めていた。この点もやや古い。
//-セーブ、ロードがない。
//--ただセーブ、ロードがあるADVは結構前からあるにも拘らず、同時期でもないものが少なくなかった。そもそもボリュームが、そう多くないという面もある。
//↑セーブ、ロードはあったようです
//説明書の写真載せてる人がいたので参照
//ttp://ch.nicovideo.jp/ademokdemo/blomaga/ar166074
-パッケージの絵、タイトルに出て来る画像は、映画『カサブランカ』の有名なポスターそのまま。著作権的に少々問題がある。
--3DO/Win版の移植では、画像が差し替えられている。

**総評
タイムトラベルは、古くから創作物の題材ともなっている。だが、ADVのテーマとして扱われたものは、当時ほとんどなかった。それはプレイヤーに新鮮なものを感じさせた。さらに時間を移動する事を巧みに使った、ストーリー作り。そして単なるサスペンスで終わらせず、心情要素を織り交ぜたドラマ性。さらにノスタルジックを深める画面作り。システムは当時の基準からしても古臭いものだが、そう難しくもないので大きなマイナス点でもない。SF的なテーマでありながら、どこか古く懐かしい雰囲気を醸し出す良作ADV。

**余談
#region(ラストに関して(ネタバレあり))
-最後の鍵を握る人物は、2013年の未来から来た。その人物によると、2013年は争いのない素晴らしい時代という事になっているが…。
#endregion()

**移植版
-X68000版
--画像は書き直されカラーとなった。さらにBGMもついた。ただしシステムは、同じくコマンド入力式。X68k版が発売された頃では、コマンド入力式のADVはほぼなくなっていたので、あえて選んだと思われる。
-3DO/Windows版
--『時を超えた手紙』とタイトルを変更してアレンジ移植されている。こちらは移植に伴いコマンド選択式に変更されている。こちらも画像はカラー。

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