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*htoL#NiQ-ホタルノニッキ-
【ほたるのにっき】
|ジャンル|光と影のアクション|&amazon(B00IZR1KNG)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|
|メディア|初回生産限定プレミアムボックス:PlayStation Vitaカード&br()通常版:ダウンロード専売ソフト|~|
|発売・開発元|日本一ソフトウェア|~|
|発売日|2014年6月19日|~|
|定価|初回生産限定プレミアムボックス:6,264円&br()通常版:3,086円(共に税込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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**概要
9999年12月31日、鉄くずの雨~
暗い瓦礫だらけの部屋で目覚めた少女、ミオン。~
目覚めた場所がどこなのかも、何故自分はここにいるのか何もわからずに怯える彼女の前に輝く何かが現れる。~
その存在に懐かしいものを感じたミオンはそのホタルのような光の示す先へ、~
影の中にあらわれたカゲホタルにも支えられながら、影の蠢く危険な廃墟の中を歩き始める。~

&bold(){廃墟と少女、そして廻る死―}

**特徴
-見た目に反した高難易度
--ミオンは小柄で非力な少女であり、恐怖におびえ逃げ惑う事しかできない。ひとたび危険にさらされれば直ぐに倒れてしまい、ミスとなってしまう。~
やり直しにデメリットはなく、あっさり死んであっさりやりなおせる、トライ&エラーを繰り返すタイプの死んで覚える高難易度な2Dアクションである。
-多くを語らない世界
--作中のギミックにはチュートリアルを除き説明がほとんどなく、この手のアクションパズルと同じく様々なギミックを試行錯誤していくゲームデザインである。~
ミオンやホタルたちは基本的に直接徘徊する敵を倒す手段を持たない為、ギミックを駆使しながらミオンを導く必要がある。
-ホタルを操り、少女を導く
--プレイヤーは「ホタル」と「カゲホタル」という存在を操り、少女「ミオン」を導く。
--記憶を失い廃墟で目覚めた少女「ミオン」~
推定思春期にも入っていない様な小柄な少女。彼女は危険から身を守る手段を持っておらず、足も遅い。傘を持つと強風に浮いてしまうほど華奢である。~
道中はせいぜい小さな箱を移動させたり、悪意の塊のような敵の前に右往左往し、恐怖に怯える事しか出来ない。~
基本的には目覚めとともに現れた輝く存在「ホタル」の光について行き、「ホタル」たちの指示に従う。((…が、時に奇妙なキノコで混乱状態になり、嫌光性的な挙動をすることも。))~
やや癖のあるロングヘアにトナカイのツノのような不思議な突起物を生やしており、この独特のシルエットがカゲホタルの進む影の道を繋げる事もある。
--行動を指示し、ミオンが進む道を照らす「ホタル」~
ホタルはデフォルトの操作モードAではタッチパッドで操作する。ミオンを誘導したい位置にホタルを移動させれば、ミオンはそこに近づくように移動する。~
各ギミックポイントをタッチする事でミオンはギミックを操作してくれ、またミオンを直接タッチすればその場でしゃがんで待機させることが出来る。~
待機中はホタルの動きに追随しない為、ホタルを危険な地点で作業させたい場合などに有効。また画面から遠い地点もホタルを先行させて先の道を確認する事も可能。~
基本的にはミオンへの指示操作が中心となるが、一部ではホタルの光に反応する植物などのギミックや、ホタル単体で挑む迷路(イライラ棒)ギミックもある。
--影の中を進み、不思議な力で少しだけ物を動かしたり、ツタを切ったりすることが出来る「カゲホタル」~
カゲホタルはデフォルトの操作モードAでは背面タッチパッドで操作し、ミオンの影をスタート地点として廃墟に落ちた影の中を自由に進むことが出来る。~
操作中は時間の流れが一時停止するが、カゲホタルの操作モードは連続して入ることが出来ず、2,3秒のクールタイムが生じる。~
そのためカゲホタルモードに入るタイミングは慎重に計る必要がある。


**評価点
-絵本のような世界
--グラフィックは手書き風で、用途不明のパイプや鉄骨の剥き出しなコンクリートばかりの無機質な舞台ながらもどこかノスタルジックな雰囲気となっており、~
その中に淡く輝くホタルたちと、奇妙なツノのようなものを生やした少女がたどたどしく歩を進める姿が幻想的である。
-世界観と演出に合ったBGM
--ステージ中のBGMは環境音やアンビエント風なBGMで、廃墟の物悲しい雰囲気を引き立てている。
--一転して過去に関わるシーンでは不安をあおるようなビープ音交じりの曲や、後半のイベントでは明るめのメロディラインの曲も使用され、使用されるタイミングもあって印象に残る。
-記憶のカケラ探しとその表現
--イベント・ボスステージを除く各ステージに1つずつ配置されている、ピンク色の双葉のようなオブジェクト。~
一見気づかないような位置にあるものや、複雑なパズルを行わなければならないものまであり一筋縄ではいかず、ただクリアするだけでなく追加の謎解き要素のような感覚で楽しめる。~
これに触れると一瞬だけバグを起こしたような演出の後に今までの横スクロール画面から一転、クォータービューのドット絵表現で「かつてのミオンの記憶」が映し出される。~
いかにも「ドット絵らしい表現」で一見コミカルだが、記憶のカケラ内で映し出される風景はミオンの過去や世界観に関わる重要な内容となっており、大変印象深いものばかりである。~
全ての記憶のカケラを入手する事が、このゲームの真のエンディングへ到達するための一つの条件となっている。
-徐々に解明していく物語
--操作方法アナウンス以外に説明は殆ど入らず、道中入手する記憶のカケラでも台詞らしい台詞がないため、~
物語はミオンの目にした風景やオブジェクトと、ミオンの記憶で見たままの世界だけで演出される。~
その為、説明のない曖昧な箇所をプレイヤーに考察をさせるタイプの物語となっている。
--結果として謎も残る部分があるが、公式サイトにあるプロローグや公式配信された動画「朗読ムービー」等で補完される。

**好みの別れる点
-ホラー演出・暗鬱な展開
--特に記憶のカケラやゲーム後半に進み、真実が明らかになっていくと増えてくる。
--唐突に画面がバグを起こしたかのような演出はやや心臓に悪い。
--直接的な激しいスプラッタ描写は少ないが、何の説明もなく画面上にとんでもない物が描かれている場合もあり、後で気づいてぞっとするタイプの演出もある。~
好きな人にはたまらない展開だが、かわいいキャラに惹かれて購入した人にはミオンを取り巻く世界に慄くことになるだろう。少なくともほんわかとした冒険物語ではない。
-操作の難しさ、シビアなアクションを要求される高難易度ステージ
--ギミックに初見殺し的なものも多く、俗に言う「死んで覚える」ゲームではあるのだが、~
操作する「ホタル」の動きが慣性のついたふわふわとした挙動であり、カメラの移動に合わせてもタッチ位置も変化していく為慣れるまでは非常に苦労する。~
ミオンをシビアなタイミングで誘導しなくてはいけない箇所も多く、クリア方法が分かっていても操作がついて行かずになかなかクリアできない事態に陥りやすい。
--タッチパネルでの操作は、人によっては&bold(){自分の指が邪魔で画面が見えない}という如何ともしがたい問題に頭を抱える場合もあり、アップデートで追加されたスティック移動は微細な操作が難しいと、どの操作方法も一長一短である。
--操作性の難しさで良く言われるのが通称「イライラ棒」と呼ばれる、2面、4面のホタルのみが高圧電流の流れる迷路内を移動するというギミック。~
「記憶のカケラ」集めはおろか通常クリアにも苦戦する声が多く挙がる。~
トロフィーは更に理不尽気味な難易度の物も多々存在。トロフィーコンプリートは至難の業である。
--アクション、操作性とは関係なく動体視力を要求されるボスもいる。人によっては「タイム連打」や別撮りしたムービーで確認しないと難しいという声も聞かれる。
-やや少なめのステージ、短いシナリオ
--トライ&エラー、トロフィー集めを考慮しない場合のプレイ時間はさほど長くない。
--通常版がDL販売のみという小規模展開なゲームで、設定価格自体も低めであるという事情を考慮すれば相応の物とも取れる範囲ではある。

**問題点
-バグ
--3面ボスの撃破に必要な挙動中、ボスの妨害を受けるとシステムエラーを起こして強制終了してしまう箇所がある。~
また箱を崖から落下させると稀に壁に引っかかって落ち切らない、ミオンが複数のオブジェクトに隣接すると挟まれ判定が発生して死亡する事があるなど、少々不自然な挙動をする事もある。~
ただし、リトライは容易な作りの為、通常プレイの範疇では進行不能に陥る箇所は(難易度が高すぎて突破できない場合を除いて)ほぼ無いと言える。
--4面のイライラ棒地帯の一部に侵入しなくても抜けられるという、ある意味で救済とも言えるバグ(裏ワザの範疇だが)もある。

**総評
手ごろな値段にかわいいキャラクターという見た目からは想像が難しい、ハードな難易度の死んで覚えるゲームである。~
アクションパズルとしての難易度もさながら、操作には慣れが必要なゲームであるので、手軽に楽しめる・爽快感のあるといえるゲームではないが、~
試行錯誤が好き、乗り越えたときの喜びもひとしおと思えるプレイヤーには十分に楽しめる作品。~
雰囲気に惹かれた人にも、「荒廃した廃墟を進む無力な少女と、時折入る不気味な演出」や、~
「少女の失われた記憶に眠る陰惨な過去」等のキーワードにピンと来たならば、その期待を裏切らない内容と感じられるだろう。~
ハードなパズルアクションが楽しみたい人、廃墟に迷う少女の物語を楽しみたい人は、闇に怯える彼女を導き、彼女を取り巻く世界の秘密に触れてみてはいかがだろうか。

**余談
-公式ページのTOPがこのゲームの1ステージ目の再現で、体験版のようなつくりとなっており、どういったゲームなのかが分かりやすい。世界観の一端に触れる意味でもアクセスしてみると良いだろう。

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