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グリムグリモア」を以下のとおり復元します。
*グリムグリモア
【ぐりむぐりもあ】
|ジャンル|魔法ファンタジーRTS|&amazon(B000LA7FIE,image);|&amazon(B001AN7ZFY,image);|
|対応機種|プレイステーション2|~|~|
|発売元|日本一ソフトウェア|~|~|
|開発元|ヴァニラウェア|~|~|
|発売日|2007年4月12日|~|~|
|定価|6,800円(税別)|~|~|
|廉価版|PlayStation2 the Best&br;2008年8月7日/2,800円(税別)|~|~|
|配信|ゲームアーカイブス&br;2014年12月17日/1,111円(税別)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
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#contents
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**ストーリー
貧しい村生まれの少女、リレ・ブラウは魔法の才能を認められた少年少女だけが入学できる魔法学校へ招かれる。~
家族の為に立派な魔法使いになりたい…そう決心し、彼女は使いの飛竜の背に乗り込んだ。~
魔王をも滅ぼしたという大魔法使いであるガンメル・ドラスク校長は、学び舎であるかつての魔王の居城「銀の星体の塔」で彼女を歓迎する。~
はじめてグリモアに触れたリレはユニークな先輩、同級生たちに囲まれながら、にぎやかな学校生活に胸を高鳴らせていた…~

しかしなんとたったの5日後、恐るべき厄災によってリレ以外の学校中のすべての者が命を落としてしまう。~
そしてふと気づけば彼女は入学初日へ時を遡っていた…。~

**概要
クオリティの高いグラフィックが特徴的なゲームをリリースするヴァニラウェアによる、魔法をテーマにしたタワーディフェンス型リアルタイムストラテジーゲーム。~
主人公は魔導書(グリモア)の力を借り、設置した魔法陣から使い魔を召還し使役する事が出来る。~
使役できる使い魔は属性ごとに特色があり、妖精・精霊の類から悪魔、幽霊、ホムンクルスなど、まさに魔法学校の題材となりそうな使い魔ばかり。そしてその眷属は使い魔の中だけに留まらず、魔法学校の人間関係の中にも…~
ゲーム部分の難易度は選択可能で、シナリオ進行と共に使用できる魔導書が徐々に増えていくために初心者にも慣れやすい設計となっている。~

**基本システム
-ステージ選択画面からステージを選択、クリア、ステージ選択画面に戻る、といった流れとなっており、ややテンポとしては悪いものの、タイムチャートからいつでも自由に以前プレイしたシナリオ、ステージを遊べる仕組みになっている。
--ステージクリア後は特殊ルールステージなども選択する事も可能となる。
-難易度が選択可能で、ライトユーザーからハードなRTSが楽しみたい人まで楽しめる。


**戦闘システム
-魔法陣や使い魔を召還するためには「マナ」というポイントが必要になる。
--初期から所持しているマナステージごとに設定されているが、初期のマナだけで攻略するのは難しい為、マップ上のクリスタルからマナを採集し、それを元にして更に魔法陣の強化や使い魔の召喚を行っていく必要がある為、マナポイントの確保がまず初めに行う事となる。
-魔法陣の作成
--魔法陣は各ユニットを召還するのに必要で、敵味方共にすべての魔法陣が破壊されると負けとなってしまう、いわば拠点のようなもの。ステージごとに初期魔法陣が設定されている。
--使用できる魔法陣の種類はストーリー中「グリモア」と呼ばれる魔導書を手に入れる事で徐々に増えていく。
--魔法陣ごとに属性や召喚できるユニットが異なり、生成後に改めて魔法陣レベルを上げるごとに召喚できるユニットが解禁されたり、召喚ユニットに追加能力が追加される事もある。
-魔法陣から使い魔を召還
--魔法陣が用意出来たらマナを消費して使い魔を召喚となる。
--使い魔ごとに特性やコストが違い、中には召喚直後はただのタマゴで孵化するまで時間がかかってしまうユニットも。
-使い魔と相性
--使い魔には&bold(){4つ}の属性があり、それぞれに得意な相手と苦手な相手の相性も存在する。また4つの属性とは別に「サブスタンス(実体)」「アストラル(霊体)」というユニット特性も持っている。
---&bold(){精霊魔法}~
エルフやフェアリーなど、超自然の体現である精霊たちを使役する。~
攻撃力自体は控えめだが、消費コストが控えめで「アストラル(霊体)」への対抗手段も持つ。~
自然の摂理に反する交霊術に強いが、超自然すら解析してしまう錬金術に弱い。
---&bold(){交霊術}~
ゴーストやファントムなど、死者の魂を使役する。~
「アストラル(霊体)」タイプが多く、物理攻撃しか出来ない「サブスタンス(実体)」ユニットには有利に戦えるが、攻撃力やHPなどは控えめ。~
快楽や苦痛のある肉体を離れ、研ぎ澄まされた精神を持つ存在の為黒魔術には強いが、自然の摂理に反して召喚された彼らは精霊魔法に弱い。
---&bold(){黒魔術}~
デーモンやドラゴンなど、魔の眷属と契約する事で使役する。~
攻撃面に優れ、また睡眠魔法などの補助が出来たりと強力なユニットが揃っている。~
つけ入りやすい魂を持つ錬金術の眷属には強いが、肉体がない為に誘惑できない霊魂たちの多い交霊術に弱い。…という相性関係なものの、上位ユニットは「アストラル(霊体)」に対しても攻撃できる強力なユニットが多い。
---&bold(){錬金術}~
ホムンクルスやゴーレムなど、人工生命体を創り上げて使役する。~
全体的にクセの多いユニット揃いで、「サブスタンス(実態)」に偏りがちの為、スキルを使用した立ち回りをする必要もあり扱いが難しい。~
超自然すらも制御してしまう学問の為精霊魔法に強いが、生まれたての無垢な魂を持つ故に黒魔術に弱い。~
余談だが、錬金術の魔法陣は「召喚」ではなく魔法陣そのものが人工生物の生成装置という設定で、召喚不可の結界内でも使用できるという設定がある。

**評価点
-ハイクオリティなグラフィック
--厚塗り主体の鮮やかな色彩のグラフィックでお馴染みとなっているヴァニラウェアだが、本作でも立ち絵が呼吸しているようなアニメージョンや、コマとなる使い魔たちが箱庭のような戦闘ステージで闘い飛び交う姿は見ていて飽きさせない。
-丁寧な難易度設定と戦闘バランス
--ストーリークリア前はスイート、イージー、ノーマルの3種類から難易度を選択出来、難易度ごとに敵の攻めてくるタイミングが遅くなったりと、各難易度ごとに丁寧なバランス調整がされている。クリア後に追加されるハードモードでは敵の攻撃の波がより苛烈で歯ごたえのあるバランスとなり、頭を使いつつリソースをやりくりしないとクリアできない絶妙なバランスとなる。
-初心者にも無理なく覚えられる操作とユニットの特徴
--シナリオ進行と共に分かりやすく操作を覚えられ、各ユニットのグラフィックも特徴的である為、RTSをプレイした事のないユーザーにも優しいつくりである。
--操作部分のUIも良好。
-シナリオ
--兎に角先が気になるシナリオで、つい熱中して先へ先へとプレイしてしまう魅力がある。どの登場人物にも秘密が隠されており、味のあるキャラばかり。
--前半では過酷な運命に翻弄されるままの主人公リレだが、物語中で失敗を繰り返しながらも徐々に成長し、勇気やひらめきで切り抜けるシーンも思わず「こう来たか」と思わせるなかなかとんちの効いたもので、後半は爽快感が強くなる。さりげない伏線などもエンディングまでにしっかりと回収され、ヴァニラウェア作品を支える質の高いストーリーは本作でも健在である。
-BGM
--ベイシスケイプによるBGMが良質で本作の雰囲気にも非常にマッチしている

**難点
-属性間の力関係がやや弱い。
--交霊術に対して黒魔術は弱い等の相性関係があるが、どちらかといえばユニットごとの性能や物量差の方が大きく響く。それ故に相性を無視して強力なユニットばかり揃えた編成になってしまいがちになる。
-1ステージにかかる時間は30分~1時間程とかなりの長丁場となる。
-ほぼすべてのステージで背景部分は大きい変化はなく、ユニットには固有のものがない(特殊ボスなどはいない)為、やや単調に感じてしまいがち。
--他の登場人物と戦う、または協力して戦うというシナリオの流れでは第三勢力がマップ内にあらわれる事もあるのだが…。
-ストーリーは一本道で寄り道クエストもほぼない為、クリアしてしまうとやや味気ない。
--チャレンジクエストなどもあるが、クリアする事でイベントがあったりもせず、特に特典などもない。
--ストーリーでは順にクリアする事で使える魔法陣の種類が増える、強化されるなど徐々にシステムが解禁されていくのだが、ステージセレクト時にはどこまでが解禁されているのか分からないため、よほど記憶力の高いプレイヤーでなければ一度クリアした過去のステージを遡ってプレイしようとした際に「使おうと思っていた使い魔や強化がストーリー上まだ解禁されていなかった」といった状況がしばしば起きる。
-他のユーザーと対戦できるようなモードも欲しかったという声もある。
-一部声優陣の演技に難がある。
--「訛り」の表現とも取れるが、出番の多いキャラのためやや気になる。

**総評
日本におけるRTSというジャンルの認知度の低さゆえ埋もれてしまった感があるが、システム・ストーリーともに良く、完成度は良好。

**余談
-魔法学校に入学するというキーワードから、大ヒットした青少年向けの大作魔法学校ファンタジー(ハリー・ポッター シリーズ)等の影響かと騒がれたものの、実際プレイするとそうでもなかった、という声も聞かれた。
-本ゲームのグリマルキンという黒猫の使い魔とよく似た(素材が同一)黒猫が同じヴァニラウェア開発の作品『[[オーディンスフィア]]』にも登場する。
--ちなみにオーディンスフィアが発売されたのは本作発売の1ヶ月後であり、恐らく同時開発がされていたと思われる。
-日本一ソフトウェアとのコラボ企画で、SOUK CRADLE~世界を喰らう者~と共通の登場人物「ルジェ・ペジェ」が登場している。なおオマケキャラという立ち位置ではなく物語中の登場人物の一人として描写される。
-本作のサウンドトラックは初回限定版に付属しており、単体での販売はされていない。

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