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PC原人シリーズ PC電人」を以下のとおり復元します。
*PC原人シリーズ PC電人
【ぴーしーげんじんしりーず ぴーしーでんじん】

|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|4MbitHuカード|~|
|発売元|ハドソン|~|
|開発元|ナグザット|~|
|発売日|1992年11月20日|~|
|定価|6,500円|~|
|ポイント|シリーズ異色のシューティングゲーム&br()常に多重スクロール状態&br()インフレスコアのルーツ?|~|
|備考|バーチャルコンソール:2007年5月22日より配信/600Wiiポイント|~|
|>|>|CENTER:''[[PC原人シリーズリンク>PC原人シリーズ]]''|

**概要
-1992年にハドソンからリリースされた横スクロールシューティングであり、最後のハドソン製Huカードシューティングでもある。
-ゲームタイトルの通り、PCエンジンから始まった名物アクションである『PC原人シリーズ』の関連作の一作である。
--なお、サブタイトルは「PUNKIC CYBORGS」であり、ほのぼの路線だった原人とは真逆のハードコアでファンキーな雰囲気を持っている。
-本作の主要スタッフは、本作の約1年前にナグザット(現・加賀テック)からリリースされた『[[コリューン]]』とほぼ同一であり、画面レイアウトなどに似通った共通点が多く見受けられる。
-一人プレイ専用。全5ステージ構成。四段階からの難易度調整が可能(うち1つは裏技扱い)。

**ストーリー
西暦2999年、悪の科学者であるキングタマーゴ・サンドロビッチ伯爵によってPC電人に改造されてしまったゲンヘッド。~
研究所を脱走した彼は、途中で出会った10人の仲間と共に、伯爵の悪の野望を打ち砕く戦いに挑む。

**主なルール
-ゲームの前準備について。
--ゲームを始める前に難易度などの設定を行う。
---「あまくち」「からくち」「げきから」から、難易度が選べる(後者側ほど難しくなる)。とあるコマンドを入力すると、隠しとして「超げきから」という難易度が強制決定される。
--次に仲間選択方式を3タイプから選べる。以下その詳細。
---「じどう」…各ステージ毎にランダムで仲間が決定する。一度連れていった仲間が、それ以降のステージに再出撃する事はない。
---「しゅどう」…各ステージ開始前に任意で仲間を選択する。このタイプのみ、ステージをクリアする度に仲間選択画面に移行する。
---「ひとりでいく」…一切の仲間を連れていかずに、電人単体でステージに挑む。このタイプ限定で、専用の補助オプションアイテムが出現する。

-操作系統。
--主な操作方法は、十字キーにて電人(自機)の八方向移動操作、ボタンは各自、ショットボタンと溜め攻撃切り替えボタンに使用する。SELECTボタンも使用対象に含まれる。
---ショットボタン押しっぱなしにてオート連射のメインショットを放つ。
---溜め攻撃ボタンを押しっぱなしにすると電人が溜めのモーションをし、光った状態でボタンを離すと「溜めショット」が放てる。溜め中ではメインショットが放てず隙を伴ってしまう。&br()溜めショットは電人が取得しているアイテムのショットによって性能に相違がある。
---電人が光った状態でもなお溜め攻撃ボタンを押しっぱなしにすると、自動的に溜めの最強段階である「ウンチボム」が放てる。&br()ウンチボムは画面のほぼ全域を攻撃できるボンバー的存在であり、溜めが長引く分その性能も高いものとなっている。アイテムのショットによる性能差は一切ない。
---難易度「げきから」「超げきから」でのプレイ限定でSELECTボタンを押すと、電人後方にバックファイヤー(後ろ攻撃)が放てる。&br()難易度「あまくち」「からくち」でのプレイでは、敵が電人後方に近づいただけで自動的にバックファイヤーを放ってくれる(任意による攻撃は不可)。

-仲間について。
--仲間選択方式の「じどう」「しゅどう」でのプレイにおいては、1体の「仲間」が電人のサポート(援護攻撃)をしてくれる。
---ステージ開始時では電人単体での出撃となるが、アイテムの「サングラス・スマイル」を取得すれば仲間が駆けつけてくれる。
---仲間がサポート中にてさらにサングラス・スマイルを取得すれば仲間と合体し、一定時間の無敵化、及び合体前よりも強化なショットを放つ事が可能となる。
---合体前の仲間はどれも同じ性能の援護攻撃だが、合体後は仲間によって性能の違う特色のあるショットが放てる。なお、合体後は一切の溜めショットとウンチボムは出せない制限が付く。
---合体後に下記のショットアイテム系を取得しても、電人のショット性能の変更はできない(合体後のショットは必ず固定性能となる為)。
---合体後にダメージをもらうと、合体解除となり仲間が消えてしまうが電人はミスせずに済む。

-アイテム・ショット性能について。
--専用の敵を倒すと様々なアイテムを落とす。
---ショットアイテム系を取得すれば、電人のショット性能を変更できる。なお、本作には重ねパワーアップという概念はなく、アイテムを取得した時点で最強性能である。
---「取得しているショットアイテム系と同じものを取得」「仲間合体時にショットアイテム系を取得」の場合は、スコアボーナスが入る。
---「チビ電人」以外のショットアイテム系を取得している状態でダメージをもらっても、初期段階に戻るだけでミスせずに済む。
--アイテムの種類は以下の通り。アイテムではないが、初期段階の電人性能も表記する。

--ショットアイテム係。
---(初期段階)…アイテムを取らない状態でのショット。前方一直線にショットを放つ。溜め攻撃は前方に一発の巨大ショットを出し、それが敵に触れると分裂する。ダメージをもらうと即ミスとなる。
---「デン・ミサイル」…ホーミングミサイルを一度に三発づつ放つ。溜め撃ちはミサイルを一度に大量発射させる。
---「デン・ビーム」…射程距離は短いが、攻撃判定が強力なビームを放つ。溜め撃ちは前方に大量のリング型ビームを放つ。
---「デン・パンチ」…ブーメラン状に発射されるミサイルパンチを放つ。溜め撃ちはゆっくりと前方に進む巨大パンチを放つ。
---「デン・キック」…射程距離はかなり短いが、電人の前後左右斜め周りを攻撃してくれる電撃キックを放つ。溜め撃ちは画面端にぶつかると反射するロケットキックを前方斜め二方向に放つ。
---「デン・ガレッカー」…貫通性能を持ち、少しらせん状に揺れる感じで進む噛み付きを放つ。溜め撃ちは射程距離が限られるが、攻撃力が強力な噛み付きを放つ。
---「デン・トランプ」…前方五方向にトランプを放つ。溜め撃ちは電人を中心に時計周り360度方向にて連続トランプを放つ。
---「デン・カッター」…一定距離まで前方に進み、途中で後方に方向転換する性質のカッターを放つ。溜め撃ちは前方三方向に貫通能力のあるカッターを放つ。
---「チビ電人」…電人が縮小化する(やられ判定も小さくなる)。初期段階ショットとマルチサイトショットを同時に放てる。溜めショットとウンチボムが一切出せず、ダメージをもらうと即ミスとなる。
--スマイルマーク係。
---「スマイルマーク」…スコアUPの効果。仲間選択方式を「じどう」「しゅどう」にしている場合は、これを一定数を取得する度に下記の「サングラス・スマイル」が出現する。
---「サングラス・スマイル」…仲間選択方式を「じどう、しゅどう」にしている場合限定で登場。1回取得すれば仲間を出現させ、2回目は仲間と合体できる効果。
--補助オプション係。
---「デン・タンク」「デン・ターボ」「デン・コプター」…仲間選択方式を「ひとりでいく」にしている場合限定で登場。。1台のみ付ける事が可能で電人と共に援護攻撃してくれる。一定ダメージで消滅。

-ミス条件などについて。
--敵・敵弾・地形に触れる事による一撃ミス(アイテム効力・仲間合体時は除く)の残機制。ミス後は途中復活となっている。
---ミスすると取得していたアイテム効力をすべて失い、サポート中の仲間も消えてしまう。
--ステージクリアすると、取得していたアイテム効力、及び仲間がすべてリセットされた状態で次ステージに進む事になる。

-他詳しいルールは[[バーチャルコンソールオフィシャルサイト>http://vc-pce.com/jpn/j/title/pcdenjin.html]]にて確認されたし。

**評価点
-本体の電源をONにした時点からすでに熱い。なんと、''ゲームタイトル表示からオープニングまでカラオケバージョンである''。ノリのいい楽曲に乗せて歌詞が表示され、曲の最後には電人誕生までの経緯の説明までされる演出の細かさである。
--さらには、ゲームオーバー後のコンティニューまでが、何故か陽気なノリのカラオケである。ちなみに曲が終わるとゲーム終了である。
-流石にHuカード熟練期のソフトだけあってグラフィックは素晴らしく、キャラクターの書き込みもしっかりしており、電人を初めとする登場キャラの魅力は十分に描かれている。
--さらにはステージ中の多重スクロールが恐ろしく繊細で、やたらとなまめかしく動くのも特徴である。この時期のPCEシューティングで多重スクロールするソフトはさほど珍しくないのだが、本作はボス戦以外の場面はほぼ全部多重スクロールで構造されており、奥行感がとんでもない事になっているのだ。
-BGMも外れが全く無いと言わしめる程の神曲ぞろいで、聴いていてテンションがやたらと上がってくるものばかり。ゲームのサブタイトルである「PUNKIC CYBORGS」の名の通り、パンク系の曲が多い。実機では裏技でサウンドテストが可能。
-原人プレイヤーのファンサービスもぬかりはなく、敵キャラは原人時代を未来風にアレンジした容姿のものが多い。また、最終ステージの一場面では原人風の背景をバックに原人敵が電人に襲い掛かり、途中で機械むき出しの外観に変わるという演出まである。
--最終ステージにて、伯爵が作り上げた電人そっくりの配下二人と戦う対決が待っている。また、ラスボスの伯爵が操る巨大ロボットは、電人の主要ショットと同性能の攻撃ほぼ全部を駆使して攻めてくる。まさに生みの親との因縁の対決をうかがわせる。
-仲間選択のタイプによって少し結末が変化する、マルチエンディング方式である。但し、「じどう、しゅどう」は全く同じエンディングで、結末は2種類しかない。
-当然ながら、ゲームそのものも普通に遊べる出来であり、外観だけ力を入れて中身がスッカスカだなんて事は断じてない。

**問題点
-やはりハードスペック的に無理があるのか、処理落ちやちらつきが発生する場合がある。特にボス戦にてウンチボムを放つとかなりの確立で画面内がグジャグジャ化する。
--電人や敵のサイズなどが原人基準な影響で、キャラの大きさが同期のPCEシューティングと比べて大きめであるのが原因だと思われる。本作は大小問わずに大量に敵が現れ、電人の攻撃が画面を覆いつくす程の派手なものが多い(特にウンチボム)ので、処理が追いつかない場面があるようだ。
-キャラサイズの大きさ故に、若干敵の攻撃が避けにくい場合も少なくない。この辺はコリューン譲りの問題である。
-ショットの種類が多い割にはショットアイテム出現率が少し控えめで、好みのショットに切り替えにくい。ちなみに、何故かチビ電人アイテムだけは出現率が他のショットアイテムより高い。
-1ステージに引き連れられる仲間は一人のみ、すなわち、全5ステージ×一人なので、1プレイにおいて残り5人は絶対に活躍させる事はできない。また、最終ステージ途中は仲間が強制的に去り、電人のみのタイマンバトルになってしまう。ちなみに補助オプションはダメージで沈まない限りは最後まで去る事はない。
-バーチャルコンソール版限定の問題として、裏技入力を受け付けないという仕様がある(これは公式サイトでも表記されている)。よって、VC版では難易度「超げきから」やサウンドテストは削除されてしまった。VCでプレイしようと思っている方は、この辺を承知の上でダウンロードしよう。

**賛否が分かれそうな点
-原人シリーズである必要性。過去の原人シリーズはまったりとゆるいノリで進む、和み系アクションとしての趣旨が強かったが、本作はひたすらにファンキーで原人ライクな雰囲気はあまり残っていない。よって、原人と同じようなノリを期待するとガッカリ化する可能性は高い。
--但し、キャラデザインは原人を彷彿とさせるものであり、伯爵撃破後の「おぼえてろよ~」(原人のラスボスと同じセリフ)は健在である。よって原人らしさが完全に殺されている訳でもない。
-仲間の存在意義。作中にて特に電人と仲間が絡むような描写は皆無(せいぜいデモ画面で全員集合な程度)であり、どうも''仲間と一緒に戦っている感が薄い''のは否めないところ。ステージ中でもただ攻撃サポートして合体する位の存在でしかなく、所詮はただのオプション扱いでしかない。
--また、電人自体が高性能なショットを大量に持っている上に、合体仲間によっては電人単体よりもショットが使いにくい事すらもある。極端な話''仲間がいなくてもクリアにさほど影響はせず、別に電人の単独劇でも差し支えない内容である''。
-ルールでも述べた通り、電人のショット種類がやけに豊富。初期状態を含め9種類、さらには仲間合体専用ショットが10種類も用意されており、総合的なショットは19種類(溜め攻撃は8種類+ウンチボム)もある。もちろん多いのは嬉しいのだろうが、これだけ多いと統一感に欠けるという批判もないこともない。
-本作の最大スコアはなんと''最大1000兆単位まで''カウントされる、スコアのインフレ具合が激しいものとなっている。とはいってもスコア表示は「○○○○兆○○○○億てん」であり、実質上は1000万点範囲に留まっている。また、当時のPCEシューティングとしては珍しく、敵の撃ち込みでもスコアが入る。
--ちなみにラスボスを倒すと、''9000兆てん''ものスコアが入る。すなわち、''ラスボスを倒すだけでスコアカンストの9割が稼げてしまう''のである。いくらなんでも奮発しすぎやろなんて気にしたら負け。
-ステージ数が全5ステージとやや少なめ。但し、ステージ5は複数のエリアに分かれており、総合的なプレイ時間は同期のPCEシューティングの中では平均的である。

**総評
-シューティングとしては若干バランスが大味で、派手さ重視している分繊細さが不足している印象はあるものの、賑やかな敵キャラを相手にガンガンと多種多彩な攻撃を駆使して戦う面白さが堪能できる佳作といえる存在かと。
-原人シリーズに新たなる一風を投じた作品だが、かなり原人とは別系統のゲームと化しているので、その辺は素直に受け入れる者と馴染めない者の二者に別れやすい存在であろう。
-本作の一年後にて電人としての続編『CD電人 ロカビリー天国』がリリースされる事になる。メディアをスーパーCD-ROMに移し、パワーアップした演出も見受けられるものの、開発メーカーが変わった影響かかなり作風が変更される事となる。

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