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注意:このページでは、『Grand Theft Auto: Liberty City Stories(原語版)』と、同日本語版について紹介する。 また、シリーズの各作品を以下のように略する。 -[[Grand Theft Auto III]]…III -[[Grand Theft Auto: Vice City]]…VC -[[Grand Theft Auto: San Andreas]]…SA ---- #contents() ---- *Grand Theft Auto: Liberty City Stories 【ぐらんど せふと おーと りばてぃーしてぃすとーりーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000F0GX8I)&amazon(B0007TS24U)| |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|Rockstar Games|~| |開発元|Rockstar Leeds&br()Rockstar North|~| |発売日|2005年10月24日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|携帯機でリバティーシティを再現&br;『III』へと繋がる「Stories」&br;本家に劣らぬ完成度&br;いつもより激しいグロ描写あり|~| |>|>|CENTER:''[[Grand Theft Autoシリーズリンク>Grand Theft Autoシリーズ]]''| //----- //#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作はESRBからM指定を受けている17歳以上のみ対象のゲームです。''}} ---- **概要 世界中で大ヒットしているアクションゲームの金字塔『Grand Theft Autoシリーズ』の第6弾。PSPハード初のGTAである。 舞台は『III』の3年前である1998年のリバティーシティ。主人公は『III』に登場したトニー・シプリアーニ。『III』にてミッションを提供するレオーネファミリーの幹部として登場していた人物で、本作は彼を主人公として抜擢した『III』のスピンオフでもある。 本作は『VC』を元にして製作されている為、『SA』で追加された要素はほとんど存在しない。本作と次回作『Vice City Stories』はPC版が発売されておらず、他のタイトルより売上や知名度が低い。 **ストーリー リバティーシティに根を張るマフィア「レオーネファミリー」。その一員であるトニー・シプリアーニは、とある「大物」を殺してからリバティーシティを離れ、ほどぼりが冷めた頃に再び戻ってきた。 「大物」を始末した功績で幹部になれると期待していたが、いざボスのサルバトーレに会ってみると、幹部どころか下っ端からのやりなおしを言い渡された。トニーは数々の仕事をこなし、徐々にサルバトーレの信頼を得て、組織内での地位を確立していく…。 **特徴・評価点 -『III』と同じ舞台を改善されたシステムで遊べる。 --基本的なUIは『SA』を、ゲームシステム面では『VC』がベースとなっている。これにより全体的な難易度は『III』よりは抑えられている。 --マップは『III』と同じとはいえ、3年前が舞台なので若干の違いがある。 ---例えば海底トンネルは未だ工事中であったり、ポートランドとストートン島を結ぶ橋が建設途中であったりなど。 -バイクの実装。 --3年後の『III』ではバイク自体が存在しないため、「A.R.S.E.(米交通安全推進法人)が原付二輪車の事故の危険性を訴えたため、バイクに乗ること自体が法律で禁止された」という後付け設定が付けられた。 --『III』では叶わなかった「小回りの利くバイクで車や街の隙間を縫う」という行動が可能になった。渋滞を避けるのはもちろん、追手から逃げるのにも大きなアドバンテージとなる。 -分かりやすいストーリー --本作では主人公・トニーが一貫して同一の組織に所属し、どん底の再スタートから、また幹部まで上り詰めるというストーリーを描いている。~ 『III』の主人公が、自分の目的のため裏切りと脱退を繰り返すキャラクターであったのとは対照的。 --常に同一組織に所属するため、ストーリー展開が非常に分かりやすくなっている。 -重火器を持ちながらダッシュできるになった。 --従来はアサルトライフルやロケットランチャーなど、両手持ちの武器を装備しているとダッシュができなかったが、本作では全ての武器を持ちながらダッシュができるようになった。 --ロケットランチャー等はジャンプすらできなかった。 -全ての銃器が手動照準に切り替え可能。 --ハンドガンやショットガンでも可能となった。 --ただし、主観視点射撃中は移動する事が出来ない。 -豊富なコスチューム。 --普段着やレオーネファミリーの制服から、ブルース・リーそのまんまなトラックスーツ、ニワトリのぬいぐるみを着たコックスの着ぐるみ等のネタコスチュームもある。 --特にコックスの着ぐるみを着たままイベントシーンに入るとシュールな光景になる。 --ただし、着せ替えの幅は『VC』相当で、『SA』のようにトップスとボトムスを別々に変える事はできない。 -消防車で暴れるミッション。 --中盤で消防車に乗って暴れてポイントを稼ぐミッションがあり、爽快感や中毒性がある。 --車やバイクを吹き飛ばしたり、通行人を轢殺したりすると得点が入る。さらに車を連続でクラッシュさせたりするとボーナスが入る。 --ミッションクリア後は特定の消防車に乗る事でミッション中でなければいつでも挑戦できる。 -物価の見直し。 --通貨価値が大幅に切り上げられ、全体的な物価が『III』の10分の1程度と大幅にデフレしている(『SA』に近い水準)。ミッション報酬もそれに合わせ大幅に下がっている。 --『III』では最初のミスティを送り届けるミッションの時点で1500ドル(2001年当時に合わせて1ドル=120円で計算すると18万円)もの報酬が手に入り、流石にリアリティに欠けるとの判断があったものとみられる。 --ちなみに時間軸的には『III』が後なので世界観的には3年の間に凄まじくインフレしたと言ったほうが正しい。バイクと違いこちらは特に公式には言及されていないが、気になるところではある。 -やり込み要素 --自動車のセールスマン、ラーメンの配達、自警団としてギャングを退治する(処刑ミッションとは別枠)など、サブミッションが大幅増加。『III』よりも充実しており、さらにリバティーシティを遊び倒せる。 -PSP版ではマルチプレイで対戦が可能。 --また、PSP版では公式サイトで配布しているアプリケーションを利用する事で、カーラジオのカスタマイズが可能。好きな曲を流しながらリバティーシティを走り回れる。 **問題点 -主人公が泳げない。 --『III』と『VC』に続き、海や川に落ちるとその時点で死亡が確定してしまう。 -ヘリが自由に乗れない。 --とあるミッションで強引に奪えるが、これ以外では乗る機会が用意されてない。 --前作に登場した攻撃ヘリコプターはチートツール(つまり不正改造されたPSP)でしか出ない。せめて100%クリア特典ならマシだった。 //「チートコマンド」とあったのですが、それだと「GTA恒例のチート」と解釈しかねないので… -前作にあった物件が登場せず、セーブポイントは最大で3つまでしか無い。 --『SA』ほどではないにしろ本作のマップは広い。なのに3カ所でしかセーブできないのはとても不便。 -『III』『VC』同様に島を移動する度にロードが入る。 **総評 『III』と同じ舞台でありながら、『VC』のシステムを活かした外伝作品。~ 本作にしかない独自の要素も数多く追加されており、GTAシリーズに恥じない完成度を持ち、総じてGTA初プレイに向いている作品である。~ シナリオも『III』と繋がるものであり、合わせてプレイしてみるのも良いだろう。~ **余談 -本作と『III』に登場する「ドナルド・ラブ」は第45代アメリカ大統領である「ドナルド・トランプ」氏がモデルとなっている。 -海外版を使用する事によってPSPのダウングレードが可能。 -主人公が所属するレオーネファミリーのボスであるサルバトーレ・レオーネは本作のクレジットで、主人公であるトニーを差し置いてキャストのトップを飾っている。 --これは『III』と同様であり、同作のオマージュと推察される((ただし、『III』では当のサルバトーレは劇中で死亡している。ちなみに、同作では主人公のキャストが非公開であり、その他のメインキャラクターでは最序盤に登場するキャラ故に先頭に配置された模様。))。 -次回作『Vice City Stories』では、移動時のロード以外の問題点が軒並み解消されている。 --泳げない……時間制限付きで泳げる。とあるサブミッションをクリアすれば時間制限も解除される。 --ヘリが使えない……『VC』同様に多くのヘリが実装されている。 --セーブポイント……新要素「エンパイアビルディング」により大量に点在する。 ---このほか、水上バイクの追加や車両の購入といった追加要素がある。 &br ---- *グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ (日本語版) |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B001UHNPKO)&amazon(B000R8RRMO)| |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|カプコン&br()Rockstar Games(PSPダウンロード版)|~| |開発元|Rockstar Leeds&br()Rockstar North|~| |発売日|【PS2】2007年9月6日&br()【PSP】2007年7月26日|~| |定価|【PS2】4,179円(税込)&br;【PSP】5,229円(税込)|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~| |ポイント|ホットコーヒー被害者第二号&br;SAと比べ悪影響は少なめ|~| |>|>|CENTER:''[[Grand Theft Autoシリーズリンク>Grand Theft Autoシリーズ]]''| ----- **概要(日本語版) [[HotCoffee問題>Grand Theft Auto: San Andreas#id_fe033135]]と[[有害図書指定>Grand Theft Auto III]]を受けた結果、『SA』と同じく遅れて発売された日本語版は規制を施された状態で発売されている。PSPゲームで初めてCERO:Zが付けられたゲームでもある。 なお、これは日本語版にかぎらず、ドイツ語版も同様の修正が施されているとのことである。 **問題点(日本語版) -一般市民に対し武器を使用するだけで手配される。 --警察が近くにいない場所でも使うと問答無用で手配されてしまい、手配を消しても攻撃する度に一々手配されてしまうのでストレスになる。 -倒れている人へ追い討ちすることが出来ない。 --坂道や銃器による追い打ちは可能。 -人を殺しても金を落とさなくなった。 -消防車で暴れまくるミッションでは歩行者が得点対象ではなくなった。 -とあるミッションで殺害するターゲットは人間ではなくクリーチャーという設定になっている。 -残酷描写表現の削除。また血の表現も若干規制されている。 --一部のイベントシーンで頭部欠損表現があったため、それが削除されている。 -殺戮ミッションの数が減少。 --一般人を対象としたミッションが削除されている。 **評価点?(日本語版) -『日本語版SA』で規制されるような所は一部規制されていない所だろうか。そのためイベントシーンが意味不明になったりする心配はない。 --閲覧注意→&color(white){撮るべきある人物の恥ずかしい瞬間、抹殺対象をオーバーキルに惨殺、人肉を食べるイベントシーン}等は規制されていない。 --先述の消防車ミッションも、『日本語版SA』だったら抹消されていた事は想像に容易く、上述の『程度』で済んだと言えるだろう。 -比較的、ゲームバランスと世界観の崩壊が目立たない。 --先述の規制緩和、性能の低いPSPに合わせてか警察の能力が低く抑えられている((バリケードを張らない、タイヤを破壊するトラップを仕掛けないなど))のもそうだが、この場合、規制を食らう、規制の弊害を受ける要素が元々多くなかったところが大きい。 --結果的に、手配こそされやすいがゲームバランス的に難易度が不当に上昇することは避けられている。 -本作から地名が日本語で表示されるようになった。 --なお、原語版の時点で地名や車種の表示が従来の独特なGTAフォントのものではなく、汎用フォントでの表示になっていた。 **総評(日本語版) 『日本語版SA』と同様、ホットコーヒーと有害図書の巻き添えを喰らい、武器を使用するだけで手配される、人を殺しても金を落とさないなどの規制点がかかってしまった。~ ただ『SA』のときとは異なり、イベントシーンが支離滅裂になったり、難易度が不当に高くなったりしていることはない。 細部の規制にこだわらず、かつ我慢できれば、十分とは言えずとも遊べるだろう。 **余談 -iOSとAndroidに移植された。いくつか変更点がある。 --グラフィックの改善、死亡したり逮捕されても武器を失わない、プレイリストから好きな音楽を流せる、規制がないなど。 --ただし、ミッション失敗時のリトライが出来なくなっている。