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テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー」を以下のとおり復元します。
*テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー
【ているず おぶ ざ わーるど れでぃあんと まいそろじー】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:君のためのRPG)|&amazon(B000GJ7CYW)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|メディア|UMD 1枚|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|アルファ・システム|~|
|発売日|2006年12月21日|~|
|定価|5,200円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|廉価版|PSP the Best:2007年11月8日/2,800円|~|
|配信|【PSP/PSV】2013年11月28日/1,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|異なる問題を抱えるオリキャラ達&br()チェスターを筆頭に一部キャラ崩壊あり|~|
|>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク>テイルズ オブ シリーズ]]''|
//「何もかも中途半端」→抽象的すぎて何が問題なのかを伝えたいのかが分からない
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#contents(fromhere)
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**概要
-『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターが共演する作品。略称は『マイソロ』。自分で作成した主人公(=プレイヤーの分身)が、歴代シリーズのキャラと冒険するRPGで、ギルドを拠点としてクエストをこなしながらストーリーを進行させていく。
--キャラメイキングにより主人公の顔つきや色、声などを選べ、装備によって主人公のグラフィックも変化する。ダンジョンと戦闘シーンは『[[テイルズ オブ ジ アビス]]』のような3D表示。

-主人公は世界樹が危機に陥ったときに生み出される守護者「ディセンダー」であり、異世界のディセンダーである「モルモ」に導かれ、世界を食らう魔物の侵攻から世界樹を守るべく戦う、というストーリー。

-シリーズのキャラクターが共演する『なりきりダンジョン』シリーズによく似たコンセプトということで、スペック、ソフト容量共に圧倒的上回るPSPだからこその出来栄えを期待されていたのだが…

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**評価点
-戦闘システム自体は当時発売されていた3Dテイルズ作品の『シンフォニア』と『アビス』のいいとこどりをしたようなシステムになっている((シンフォニアの「秘技」の概念や「ユニゾンアタック」に似たシステムの「連携奥義」、アビスの「フリーラン」や任意発動可能な「オーバーリミッツ」など。))。
--『なりきりダンジョン』シリーズでは再現できていなかった特技→奥義などの連携ができたり、中級以上の術が発動しても画面が停止しないなど当時のシリーズ作品に近い戦闘を携帯機で楽しめる。

-やはり別作品のキャラの共演には夢があり、意外な組み合わせでのスキットにニヤリとさせられることは多い。

-本筋のストーリー自体はそれなりに評価を受けている。一部の悪役の生い立ち、中盤で明かされるカノンノの正体、そしてそれらを通して、作品のヒーローであるはずの「ディセンダー」の存在意義・世界を守る理由などに切り込んだ点など。

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**賛否両論点
-主人公は固定メンバーとしてパーティから外せず、シリーズキャラだけのパーティを組むことができない。この点は続編でも同じ仕様になっている。ジャンル名にもなっている「''君のためのRPG''」というのがマイソロシリーズの前提と考えるならば、致し方ないのかもしれないが。
--ただし、歴代テイルズキャラの共演を楽しみにしているユーザーが多いのもまた事実であるので、不満に思うユーザーがいても仕方ないかもしれない。

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**問題点
***オリジナルキャラにおける問題点
//続編に関する話題を「その後」項へ移動
-本作オリジナルキャラ・「カノンノ」は堂々とパッケージを飾っておきながら、''なんと仲間にならない''。初見でこのことに気付けた人はどれだけいるのだろうか。
-カノンノの声優は当時女優だった工藤晴香女史が担当している。声の仕事が本業ではない人物を起用するのはシリーズとしては珍しい。
--案の定というか演技力は芳しくなく、カノンノの核心に迫る重要なシーンでも彼女のボイスのせいで興醒めしてしまうプレイヤーが多い。

-本作におけるマスコットキャラ「モルモ」が「異常にうざい」と不評。
--モルモは移動中常に主人公の回りを飛び回っている小動物。『アビス』のミュウポジションのキャラかと思いきや、''戦闘に参加したり何らかの役に立ってくれる場面はない''。~
おまけに「ちょくちょく出しゃばる癖に何もしないし、何も出来ない」という有様で、酷いものだと「ケンカを吹っ掛けておきながら戦闘になるとプレイヤー一行に丸投げ」という展開もあり、プレイヤーにとってかなりのストレス源になっている。

***歴代キャラにおける問題点
-登場するシリーズキャラは''たったの19人''であり、『なりきりダンジョン2(26人)』より少ない。各作品のパーティキャラやサブキャラが多く登場することを期待していたファンは出鼻をくじかれる事となった。
--しかも登場キャラのうち5人は''戦闘には参加しない''。『デスティニー2』からはナナリーとハロルドが参加しているのだが、この2人が戦闘不参加なため、''『D2』のキャラと共に戦うことはできない''。
--店頭POPには『ファンタジア』の主人公であるクレスの参戦も書かれていたのだが、実際は参戦しなかった。

-本作には3つの街があり、シリーズキャラはそれぞれ別の街に住んでいる。
--そのせいで一緒に冒険(ミッション)に行く際に、そのキャラを誘うために街を移動しなくてはならない上、ロードも入るのでテンポが悪い。加えて、好感度が低いとパーティインしてくれない。
--更にミッションを一個終える度にパーティが解散してしまうので、ミッションの度にお気に入りキャラを求めて街移動を繰り返すハメになる。めんどくさい事この上ない。

-一部のキャラクターが原作とは異なった性格になっていたり、特徴をやたら誇張されていたりする。
--分かりやすいのが『ファンタジア』のチェスター。原作において唯一の肉親である妹を亡くしており、本作でもその設定が使用されているのだが、それを拡大解釈された結果、ただの危ないロリコン(あるいはシスコン)と化しており、批判を生んでいる。
---原作において妹関連で異様な執着を見せる事はあっても、それはあくまで「''妹思いの優しい兄貴''」だからこそだったが、今作はそれの度があまりにも過ぎているため、一部ファンからは「''チョスター''」なるまったくの別人として扱われている始末。
--『エターニア』の主人公、リッドも性格改変が酷い方向に向いている。
---本作では''食べる事しか頭にないバカ''という表現が決して誇張ではない有様である。原作での彼はシリーズの中でもかなりの常識人で、かつ切れ者な一面もたびたび見せていたが、今作でその名残が全く無くなってしまっていることから、ファンから非難されている。
---ただし、ルーティが『アビス』のティアを持ち上げるために性格が改変されている。無償でルーティとナナリーを手伝っているカノンノと比べて「(ティアは)カノンノよりスタイル良くてカノンノより大人っぽくて~即戦力よ!」と持ち上げているが、原作のルーティなら口が裂けてもしない発言であり((原作では感情の起伏こそ豊かだが基本的にシビアかつ自他共に認める捻くれ者であり、親しい間柄であろうと素直に褒めちぎる事は滅多に無い。))、何より参戦キャラでしかないティアが今作のヒロインであるカノンノを踏み台にしている点が批判されている。
--『シンフォニア』のロイドも時折話題に上がる。
---何かと''本編シナリオや依頼において主人公一行に襲いかかってくる''(それも原因が''単なる早とちり''など)上に、対決クエスト中に頻繁に聞かされることになる「''さっさと倒れろよ!''」というセリフはロイドの言い方も相まってひたすら神経を逆撫でされるプレイヤーが多い。

-シリーズキャラは武器や防具などを装備することができない。
--一応何も装備してない主人公よりはステータスが高めに設定されているのだが、装備品によるスキルの恩恵を受けられず、最終的には埋めることができないほどのステータスの差がでてしまう。

***戦闘や演出における問題点
-戦闘でのモーションがやたらとモッサリしており、術のエフェクトもやや地味である。完成度の高いPS2のテイルズシリーズと携帯機の本作を比べるのは酷だとしても、全体的に作り込み不足感は拭えない。
--特に秘奥義はエフェクトや演出が通常技とあまり変わらないため、とても地味に見える。カットインも存在しない。

-戦闘システムは上記の通り『アビス』基準。「フリーランで敵の攻撃を容易に回避可能」といった点もそのままである。
--とはいえ『アビス』よりフリーランでは避けられない術が多くなっているので、フリーラン一辺倒の戦いにはなりにくい。

-術技の消費TPが多すぎる。初期習得の特技や初級術でさえTPが10以上必要であり、高レベルで習得する奥義や上級術にいたっては50以上消費する。
--海外版では調整が入り、少しだけ消費TPが少なくなっている。

-攻撃を連続で繰り出す際、軸補正が無いせいかコンボの途中で徐々に攻撃がズレていき、当たらなくなることがよくある。

-戦闘BGMも異様に質が悪い。
--戦闘BGMはPSPの内蔵音源を利用しているためと言われているが、それを差し引いても出来が微妙なのは否めない。
--ボス戦などは原作の曲と比べるとかなり軽く聞こえる。
--戦闘中のSEに関してもやたら軽く、爽快感を得る以前に行動をした実感がしづらい。

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**総評
クソゲーと断ずる程遊べない内容ではないものの、登場キャラの少なさや演出の違和感が多く、マイソロシリーズの第一弾としてはいまひとつなスタートとなってしまった。~
キャラゲーとしても、近年シリーズ内で問題になっている原作キャラの歪な性格改変がこの時点から現れており、ファン向け作品としても評価は芳しくない。

それでもマイソロシリーズの基礎となるシステムは一通り完成されており、クエスト物のRPGとしてはよくできている。そして次回作以降は更なる発展や改善を遂げていくこととなる。

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**その後
-2009年に続編『[[テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2]]』が発売された。
--「シリーズキャラが1つの拠点に集まる」など本作での不満点が概ね解消され、参加キャラも激増している。ただし、人選に偏りがあったり、特定のキャラにだけイベントが多い等の贔屓が見られたり、戦闘バランスがより微妙になったりなど新たな問題も発生した。
--マスコットのパニールはモルモの反省を踏まえたのか、「母性溢れる優しいお母さん」という言葉がぴったりの万人受けするキャラクターとなっている。

-2011年2月発売の『[[テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3]]』で本作のカノンノが仲間キャラとして参戦している。モルモも闘技場の受付という形で登場している。
--本作でカノンノ役を担当した工藤女史が続投しているが、本作以降声優業を主体に活動するようになったため、演技力は向上している。

-『マイソロ2』『マイソロ3』では本作とは別人のカノンノが登場し、それぞれ専業の声優が担当している。

**余談
-性格改変とは話が少しずれるが、『デスティニー』からのキャラクターは開発時期の問題もあったのか、戦闘スタイルはPS2版、性格はPS版のものとなっている。
--PS2版をプレイした者が本作をプレイすると違和感を覚える事もあるが、それ故にPS2版の改変を受け入れられないPS版『デスティニー』のファンには比較的好意的に受け止められている。

-この作品は基本的に周回プレイを前提としているため、クリアした際はシナリオが始めからになる以外の全ての要素を引き継ぐことになる。~
そして、このゲームのラスボスは敵を撃破した際にHPが若干回復する装飾品「''ヒールバングル''」か同じ条件でTPが回復する装飾品「''メンタルバングル''」のいずれかを超低確率でドロップする。~
この2つのアイテムは''ラスボスが落とす以外の入手手段がない''上、クリア時の引き継ぎの中には所持していたアイテムも含まれるため、結果として''ラスボスがいずれかの装飾品を落とすまで何度もリセットしては倒す''という繰り返しの珍事が繰り広げられることに。~
アイテムコレクターのみならず、「メンタルバングル」の方は本作の術技の消費TPが軒並み異様に高くなっていることもあり、コレクションとしてではなく、実用性の面でもかなり有用な装備品となっていることが拍車を掛けている面がある。~
ラスボス以外のボスやサブイベントのボスならまだしも、流石に''ラスボスがレアアイテムのために何度も倒される''RPGはそうそうお目に掛かれないだろう。
--因みにこのラスボス、ネタバレ防止で名前は伏せるが、とあるゼリー飲料の当時の商品名に非常に名前が近いせいか、一部では「''ゼリー''」の愛称で親しまれている。
//あまり元ネタを詳しく説明しすぎるとネタバレを伏せている意味が無い

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