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ファイナルファンタジーX-2」を以下のとおり復元します。
*ファイナルファンタジーX-2
【ふぁいなるふぁんたじーてんつー】
|ジャンル|RPG|&amazon(B0000794JI)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|2003年3月13日|~|
|価格|8,190円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ:2005年9月8日/2,940円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|描写があざとすぎ&br()キャラの改変が受け入れられない人多数&br()BGM、シナリオ、戦闘システムは良好|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>ファイナルファンタジーシリーズ]]''|
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**概要
『[[ファイナルファンタジーX]]』の続編であり、エニックスと合併する前のスクウェア最後の作品。販売本数約200万本。~
本編シリーズにおける続編作品としては初となる。


**ストーリー・世界観
前作から2年後の世界が舞台であり、FFXインターナショナル版に付属されたDVD「永遠のナギ節」から続く物語。

-世界の脅威だったシンが前作にて完全に滅ぼされたことや、世界各地に浸透していた宗教組織「エボン寺院」の崩壊などにより、世界を取り巻く状況は前作から大きく変化している。
--時代の変わり目の中で、世界各地には新たな派閥の対立や裏で暗躍する存在、各々の抱えている悩みといったものがあり、飛空艇で世界中を飛び回るユウナ達一行とそれらとの関わりが描かれる。
--主人公は前作のヒロイン・ユウナと、前作のパーティーメンバーであるリュックに加え、本作から登場したクールな女性キャラ「パイン」の3人。パーティの追加や入れ替わりは(無印版時点で)なく、基本的にこの女性キャラ3人で進行する。

-続編ではあるが、雰囲気や構成、システムなど、ゲーム全体にまるで前作の真逆を行くかのように対照的な変更を行った部分が多い。
--これには上述のように世界設定が大きく変わったことでの対比を行いたかったのと、前作で受けた批判に対するアンチテーゼのような思惑があるのだろう。

-BGM担当も一新され、前作のメンバー(植松伸夫、浜渦正志、仲野順也)は一切参加していない。
--本作のBGMは、『レーシングラグーン』などのスクウェア作品の作曲を手掛けた松枝賀子氏と江口貴勅氏が担当している。

-当時それほどまで有名ではなかった、歌手の倖田來未がOP・EDを歌っており、重要人物の声優としても参加した。

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**ゲームシステム
-飛空艇/イベント選択
--本作では最初からシリーズ恒例の移動手段である飛空艇を所有しており、世界の様々な場所を自由に訪れることができる。
--地域によって様々なイベントが発生する。行き先で何らかのイベントが発生する場合、行き先が「アクティブリンク」として強調表示されるのでイベントを探しやすい。
--本作のストーリー進行は「ストーリーレベル」という数字によって表される段階制になっており、ストーリーレベルが進むと、全ての地域で発生するイベントも変化する(それぞれの地域でのストーリーが次の段階に進んでいく)。
---ストーリーレベルは、そのレベル内でゲーム進行に必須のイベントを一通りクリアすると、重要イベントが発生してワンランク上がる。
--ゲーム進行に必須ではないサブイベントの数は多い。
--各イベントを達成する度に、コンプリート率という数値が加算されていく。
---エンディングの時点でコンプリート率が100%以上に達している場合は、真のエンディングを見ることができる。

-ドレスフィア/リザルトプレート
--従来の「ジョブシステム」に似たシステムである。
--各パーティメンバーは常に何らかのドレス(ジョブ)を用いている。ドレスごとにキャラの外見や能力、習得可能なアビリティが異なる。
---過去のジョブシステムでは「すっぴん」「見習い剣士」といった個性の薄い基本ジョブが存在したが、本作にそういった役割のドレスはない。
---各キャラクターは、それぞれ「ガンナー」「シーフ」「戦士」のドレスを初期装備している。
--初期段階では各ドレスのアビリティは一部しか使えず、行動毎に獲得できるアビリティポイント(AP)を貯めることで新しいアビリティを覚える。
---APは戦闘後ではなく、戦闘中に行動が終了した時点で即座に付与され、アビリティも戦闘中に習得して即座に使うことができる。
--ドレスを使用するためには、戦闘前に「リザルトプレート」と呼ばれる石版に空いた2~6ヶ所の穴に、ドレスフィアを装着しておく必要がある。
---このリザルトプレートを装備し、更にセットされたドレスフィアの内の1つを初期ドレスとして設定することで、そのドレスの能力を得ることができる。
---リザルトプレートは多数の種類が存在しており、装備時にはそれぞれ固有の付加効果も得られる。
--リザルトプレートには穴と穴を繋ぐ「ライン」が記されており、戦闘中はこのラインで繋がれた別のドレスに「着がえる」ことができる。
---過去作品の「ジョブチェンジ」を戦闘内に持ち込んだものと言える。着替えの際はキャラクターの衣装が変わるモーションが流れる(スキップ可)。
---更に、リザルトプレートのライン上には最大4色の「ゲート」が存在する。ゲートを通過することで、その戦闘中のみ各ゲートに対応する付加効果が得られる。
--スペシャルドレス
---各キャラクター固有の特殊な大型ドレス。単一バトル内でリザルトプレート上の全てのドレスに着替えると使用できるようになる。
---このドレスに着替えると他の2人の仲間は一時的に離脱し、代わりに専用の支援ユニット2体が操作可能になる。
---スペシャルドレスには、状態異常を完全無効化する「リボン」や、HPやダメージ量が10000を超える「限界突破」系のアビリティが付いている。

-戦闘システム
--バトルシステムは前作とは違い、リアルタイム性の高いATBになっている。
--敵味方は一度に一キャラしか行動できないのではなく、行動タイミングが重なれば複数のキャラが同時に入り乱れて行動する。
--多くの行動には、グランディアシリーズのように行動開始までの準備時間が存在する。準備時間の長さは行動によって異なる。
---魔法によって詠唱までの時間が異なるという要素は『FFIV』にも存在した。
--敵味方の立ち位置は一定ではなく、各種行動によって位置取りが様々に変化する。
--キャラ位置の変化などの本作のバトルシステムの一部は、スタッフが被っている『FFXIII』にも採用された。

-キャラクターカスタマイズ
--前作の大きな特徴であった「スフィア盤」システムはなくなり、経験値を貯めてレベルアップするという一般的な成長方法になった。
--ステータス防御や追加効果などのアビリティがドレスに統合されたため、アクセサリー以外の装備品(武器防具)は撤廃された。

-マップの特定地点にて、ワンボタンでジャンプしたり高所をよじのぼるといったアクションが行える。

-ミニゲーム
--多種多様なミニゲームが存在する。いずれもやり込もうと思えば長時間やり込める。
---どこからどこまでをミニゲームと呼ぶかにもよるが、総数は15~20近くにのぼる。
--前作にも登場したスポーツゲーム『ブリッツボール』も登場するが、今作では大きくシステムが変更されている。
---今作では選手を操作するのではなく、監督として試合準備や指示のみを行い試合自体はオートで行われるのが最大の違い。
---他にもチーム編成や育成方法、試合ルールなどに多くの変更点がある。

-強くてニューゲーム
--過去に『クロノ・トリガー』などで用いられた「強くてニューゲーム」がFFシリーズでは初めて採用された。
--ストーリーの進行状況と、各キャラクターのレベル以外はほぼ全て次の周回に引き継がれる。

-イベントスキップ機能を標準搭載。多くのイベントシーンがスキップ可能。
--ただし、スキップできないイベントもある。

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**評価点
-脚本は前作と同じ野島氏が担当しており、全体的な雰囲気・演出等は前作と大幅に異なるが、ストーリー自体は割としっかりとしている。
--とてもノリが軽いため勘違いされやすいが、今作は『永遠のナギ節』によって1000年間信じられてきた常識が覆った後の、統治組織すら不十分な激動の時代が舞台である。
---前作で「シン」が生まれるきっかけとなった機械戦争の末路など、根底のストーリー自体も相当にシリアスなものである。
--周回を前提とした作りのためストーリー自体は前作と比べてやや短めだが、物語自体は起承転結がハッキリしており前作に引けを取らない完成度。アクティブリンクを追うだけでも十分楽しめる。
---特に条件を満たすことで見ることができるグッドエンドは多くの『FFX』ファンが涙したといわれるほどである。
--前作と比べて明らかにギャグ担当になったキャラもいるが、サブイベントで語られる脇役たちのストーリーもなかなかの出来である。

-音楽
--タイトルBGMである「久遠」など評価の高い曲もある。
--と言うか批判されがちなのは「前作までと雰囲気が違いすぎる」ためであって単品で見れば悪い部分は無い。

-戦闘システム
--スペシャルドレス及びリザルトプレートの要素以外は、従来のATBの正統進化形と言えるものになっている。
--ドレスフィアの導入も、キャラの役割が固定されていた前作から一転し、FFIII・FFVのジョブシステムを昇華させたものと評価できる。
---まず補助用ジョブで固めた後、シーフに切り替えてアイテムを盗み、攻撃用ジョブに切り替えて攻撃を仕掛ける・・・などといった柔軟な対応が戦闘中に可能。とても画期的なシステムである。
---ドレスフィアを着替える際にはキャラごとに長めの演出が入るが、コンフィグでこれらの演出をオフにできるようになっているため、戦闘テンポが悪くなることはない。
--前作の戦闘システムと比較した場合、方向性が全く異なるので好みによるところが大きいが、「こっちが従来のFFらしい」という声もある。
---従来のATBシステム採用作では、作を重ねるにつれ「技や魔法などのエフェクトが長すぎてリアルタイム的な要素が損なわれている」という問題点が深刻化していたが、今作では上記の演出オフの設定も含め、エフェクトも最低限に抑えられており戦闘テンポを阻害しないような配慮がされている。
--攻撃範囲が設定されている技もあり、敵味方の立ち位置が臨機応変に変化するので、臨場感のある混戦を楽しめる。

-終盤のダメージバランスが大幅に改善されている。
--前作では一部サブイベントの戦闘に必須級だったHP限界突破やダメージ限界突破は今作でもあるが、今作ではダメージバランスの見直しによりあった方が便利程度の程々の価値に落ち着いた。
---特定ドレスでは有り余るほどの強力な攻撃性能を生かすために付ける価値があるが、他にも限界突破と同じぐらい有用なアビリティがある上、敵のHPも相応に抑えられているので無くても極端な長期戦になるようなことは無い。
//シナリオクリアだけならHP限界突破やダメージ限界突破は必須級ではない

-序盤からほぼ世界の全範囲を行動でき、自由度は高い。
--これには、前作の造りが「一本道」と批判されたことの反動もあるのだろう。もちろん、自由度が高いことが一概に優れているという訳ではないが。
--前作と比べての変化を感じたり、多彩なミニゲームを楽しんだりということを序盤から行える。
--ジャンプやよじのぼりといったアクションにより、3D空間を動き回る楽しさや行動の幅広さは前作以上。

-真エンディングの要素も含めとても多くの隠し要素があり、やりこみプレイヤーには好評だった。
--「強くてニューゲーム」に代表される2周目要素の導入により、自由度の高さとやり込み要素がうまく両立されている。
---進め方次第では何通りもの結果に分岐するサブイベント、本編中では2つの派閥のどちらにつくかという選択など、周回プレイでも新たな気持ちで楽しめる工夫がされている。
--前作でも鬼畜クラスの隠しボスがいたが、今作でもそれは変わっていない。

-イベントスキップ機能により、周回プレイやボスに再挑戦する際などに、快適にプレイできる。

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**賛否両論点
-''前作との雰囲気の違い''。良く言えばコミカル、悪く言えばKYな描写が散見される。
--主人公のユ・リ・パ((ユウナ・リュック・パイン3人の頭文字を取った公式の略称。ゲーム冒頭、開口一発目の「ユ・リ・パ・レディ ミッション スタート!」というセリフは、本作のノリの軽い部分を端的に表している。))3人を始め、冒頭からあまりにはっちゃけたようなノリのストーリーなど、あまりに雰囲気が変わりすぎている。
---後半になってストーリーがシリアスになるにつれそのような要素はなりを潜めていくが、大半のプレイヤーには序盤の印象が色濃い。
//((エアプや動画評論家は特にここを批判される。ゲームを進めていけば序盤の真相がわかるため、エアプや動画評論家を判別しやすいという長所がある。
//↑そんなものは長所ではない。
//↑誰の発言かわからなくなるのでツッコみは横でなく下に
---前作は冒頭から「主人公のいた街が破壊されて大量に人が死ぬ」という描写だったので、余りにもギャップが激しい
--特に、意志の強さはあるが清楚で穢れのない性格だったユウナが、今作ではギャル語を使ったりするなど妙に俗っぽくはじけているのが象徴的である。
---基本的な口調自体は変わっておらず「ニギヤカ担当」キャラのリュックに比べれば恥じらいも多いものの、吹っ切れたかのような言動をしばしば取るのが印象に残る。
---リュックの影響や本人の心境の変化といった理由は説明されており、本人のモノローグなどで「本質は変わっていない」というフォローは作中でも複数ある。他作品で理由なく性格が改変されたキャラクターが多く見られる中、ユウナのケースは過程やバックグラウンドがかなりしっかりしている類である。
---ただ、理由付け云々以前に、やはり現実問題として理屈抜きにギャップについていけないプレイヤーが多かった。それほど前作のユウナのキャラ設定というのは多くのプレーヤーに支持されたのである。
//---もっとも「どこか清楚で穢れのない性格のメインヒロインの女性キャラ」というのは、FF7から前作に渡って足掛け4作品連続で登場していて、ある意味出尽くした感がある。そもそもそのような女性キャラクターというのは20世紀の日本において持て囃されたようなキャラクターであり、さすがに21世紀にもなってそのような前時代的な女性キャラクター像に固執するのも問題がありと考えたかもしれない。この二点を考慮して新たな女性キャラクターを構築したという点においては評価してもいいかもしれない。
//「もっとももっとも」といちいちの擁護が見苦しいのでCO
--また、脇役にもギャグ要素の強いキャラが増えており、前作キャラにも性格がややデフォルメされているキャラがいる。
---主人公3人が所属するチーム「カモメ団」もにぎやかとも言えるが、見方を変えれば色物キャラの多い集団であり、ここで抵抗を感じる人も多い。
---特に挙げられるキャラクターがシド、アニキ、イサール。アニキは前作からコメディキャラではあったが、メインキャラに昇格したことで一層磨きのかかったその暑苦しさには好みが分かれる。
--女性キャラの露出やあざとい描写が増えており、これに関してはよく叩かれる。「ギャルゲー」と揶揄されることも少なくは無い。
---主人公3人のうち、一番露出の少ないパインでも肩から胸までがざっくり空いている。前作でも露出の多かったリュックは今作ではビキニ衣装。
---ドレスチェンジの度に挿入される魔法少女物アニメのような変身シーンも、いかにも狙った感じである。
---味方を眺めまわすだけの目的の追加アビリティ((「みやぶる」という、元々は敵のステータスやグラフィックを確認するためのアビリティがあるのだが、それを「グラフィックを縦回転できる」「味方にも使用できる」ようにするだけのアビリティがある。))の存在や、温泉シーンやマッサージシーンといった露骨なサービスシーンもある。

-マップやキャラクター、モンスターに関しては、前作からの使い回しのものも比較的多い。
--もっとも、前作から直接地続きの続編であるため、ある程度は当然の部分もある。
--新マップや新キャラもそれなりの数登場しているため、そこまで非難されるべきものとは言い難いところがある。
-前作の時点で構想があった訳ではないのである程度当然ではあるが、シナリオの後付け感はしばしば感じられる。
--前作で出てきた組織や場所に「こんな奴がいた」「こんな場所があった」という展開が多く、前作で語られていなかった部分を描写しているというよりは世界を意図的に広げて物語を描いたという印象になりやすい。そこまで無理のあるレベルではないが、前作では影も形もなかったようなキャラが「一部で有名だった」という設定で出て来るといったケースも散見される。
--前作のキャラも(前作で生き残ったキャラは)ほぼ全員登場するものの、本作では結局大半がサブイベント用の脇役キャラとなっており、シナリオの本筋にまともに絡むのは大部分が本作からの新キャラである。前作キャラの「その後」が見られるというのはファンには嬉しいとは言え、この辺りのキャラの使い方も後付け感を加速させる一因だろう。
--とは言え、変に前作のキャラを絡めすぎて矛盾を出し、前作の評価までも貶めてしまうような可能性もあり得るし、これに関しては何が正解とは言い難いところもある。先に述べた通り、シナリオの内容自体は決して悪くない部類。

-これらの要素から、FFXファンの多くから猛反発を受けることとなってしまった。本当に、続編であることが最大の問題点となってしまった作品である。
--「キャラのノリ、演出を抑えていれば(シナリオの本筋自体は悪くないだけに)よかった」という声もある。

//-シビアな現実である今回のスピラ
-上記の評価点に書いてある『1000年間信じられてきた常識が覆った後の、統治組織すら不十分な激動の時代が舞台である。』という舞台設定であるが、前作をプレイしたユーザーにしてみれば、「あれだけユウナ達が多大な犠牲を払ったのに、そのことで逆に世界が混乱するなんて…。ユウナ達がしてきたことって何だったの?」というある種のシビアな現実を見せられた気がしてガックリするかもしれない。
//--前作であれほど頑張ってプレイして、あの感動的なラストシーンを見たユーザーにしてみれば、「あの悲しくも感動的なラストに永遠に浸りたかった。なんか今作で厳しい現実見せられてあの感動的な気分が台無しになった」と思った人もいるかもしれない。
//---もっとも現実の世界でも、「冷戦後の世界は逆に大国の統制が緩んで各地で紛争や内戦が相次ぐ」ということが起こっているので、そういった「巨悪を倒してもまた別の問題が出てくる」というハードボイルドな世界観を提供という意味では、大人向けのコンテンツとなりつつあったFFシリーズにおいては大人向け要素という点で評価できるかもしれない。
//それに前作からそれほどまで期間が開いていないんだから舞台設定がシビアなのはむしろ当然。大人向け要素だなんだってのも的外れな意見。

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**問題点
-倖田來未の歌、声優としての台詞
--倖田演じる女性キャラ「レン」とユウナはそっくりという設定なのだが、倖田とユウナの声優である青木麻由子の声は全然似ていないので違和感が拭えない。
---プレイヤーからツッコミが入ったのはもちろん、倖田自身も家族から似ていないとツッコまれたらしい。
---そもそも倖田の声はかなりハスキーであるため、「清楚な歌姫」寄りの描かれ方をしているレンの声としてはそもそも配役ミス感も色濃い。
--レンの声は主に楽曲シーンでの歌であり、会話の台詞は僅かなのだが、そちらについても評価は厳しい。
---素人なりに演技した感はあるものの、「最終決戦後の重要なシーンで、涙声の相手に対しての台詞」という素人には荷が重い役も含まれており、上記の不似合いな声質も合わせてどうにも雰囲気が乱されている。
--倖田の歌自体についてはOP・EDともに曲として評価はされているが、やはりユウナ(レン)の歌という設定で見ると違和感は残る。
--余談だが、倖田側もスクエニ側も倖田がFFに関わったことは双方黒歴史としているのか触れられていない((とは言え、他のケースと比較して不自然に感じるほどという程でもないので実際のところは不明である。))。

-音楽
--音楽面でも意図的に雰囲気を大幅に変更したため、前作の面影が殆ど見られない。
---特に、植松氏の不参加により「プレリュード」や「(勝利の)ファンファーレ」などお馴染みのメロディーが一気に廃されたため、同氏のファンから猛反発を受ける事に。
--曲自体はPS2の内臓音源を最大限に活用したかなりの完成度に仕上がっているのだが、極めて癖の強い曲(特に何回も聞くことになる通常戦闘曲)が多く、純粋に拒否反応を示すプレイヤーもいた。
--倖田とのタイアップのためかサントラの発売元がデジキューブでなく''avex''であり、CDの仕様が同社が当時推し進めていた''CCCD''((コピーコントロールCDの略称。CDの音の補完をCDプレイヤーにさせる仕組みを持っているのだが、再生するCDプレイヤーが古いなどした場合、CCCDを入れて再生した際にプレイヤーが故障してしまうという致命的な欠点がある。))であった点も不評。

-戦闘システム・ゲームバランス
--スペシャルドレスがどれも微妙な性能で、何度もドレスチェンジをするという面倒くさい条件に釣り合っていない。
---リザルトプレート内のドレスフィアを増やす(必要なドレスチェンジを増やす)ことで強化は可能だが、手間が増えるため準備の面倒さに見合っていないことに変わりはない。
--アクティブリンク(主要イベント)の戦闘難易度が非常に低く、FFシリーズ史上で最も簡単とも言われる。
---「戦う」と「回復」だけでも切り抜けられるバランスである上に、各ストーリーLv帯で発生するサブイベントをこなすだけでレベルの上がり過ぎになり易い。
---一方でサブイベントには厄介でクセのある敵も登場してあり、中には相当やりこんだ上で戦術構築までしないと達成困難なものもある為本編たるアクティブリンクとの落差が余計際立っている。
--ラストバトルは連戦になっているものの、前座はたまに強めの全体攻撃をしてくる程度の単調パターンで会話の最中に敵の行動が止まる、本戦は「行動がほとんどパターン」「全体攻撃が一つしかない(加えて威力もショボイ)」「対象ランダムの攻撃も一発一発が弱い上に回数少ない」「最強技もHP3000ほどあれば耐えられる(しかも単体攻撃)」…などの理由で最弱説まで有力視されている。
---前座含めて一定ターンの経過で強制的にバッドエンドになるが、わざと放置でもしない限りなかなか見られない。FF初のバッドエンドなのに非常にもったいない。
---本戦は敵の攻撃スピードが高い為アクティブリンクを巡るだけの急ぎプレイだとやや梃子摺る可能性もある。逆に言うとそういうプレイでもしないと本当に弱い。
---本作は比較的オートレベルアップがしやすいためさらに弱く感じられる。
--これについては本編とサブイベントとのバランス取りも関係してくる。自由度を拡げ、なおかつ桁違いに強い裏ボスを無闇に設ければサブイベントと本編の乖離も著しくなる。それで本編が寄り道無しを前提にしたバランスなら、本編がヌル過ぎるという批判が頻発することになる。この問題は次作の[[FFXII>ファイナルファンタジーXII]]で最高潮に達し、[[FFXIII>ファイナルファンタジーXIII]]でようやく沈静化の方向に向かうことになる。
--ハード性能による限界のためか、ほとんどの技や魔法などのアビリティは、複数キャラの同時行動ができない。先発のキャラのアビリティが終了するまで、後発のキャラは何もできない順番待ち状態になる。
---この仕様により本作の戦闘システムの特徴である「各キャラが入り乱れて行動する」というリアルタイム性が多少失われている。「ATBバーが溜まっていても順番待ちにより行動できない」という、従来作品のATBと変わらない戦闘になる部分がある。
---順番待ちが発生しない行動(「戦う」や「クイックトリガー」など)がシステム的に優遇されている。必ずしも強力な行動とは限らないが、本作は低レベルプレイでもしない限り、大半の雑魚敵は「戦う」連発だけでも何とかなったりする。この点についても後発のFFXIIでは完全な解決には至らず、上位ハードに変えたFFXIIIでようやく解決を見ることになる。

-メニューのレスポンスが悪い。
--メニューを開いたり各種画面を切り替える際、項目のリストアップなどのアニメーション演出が完全に終了するまではメニューの操作を受け付けないため、いちいち待たされる。
-前作に比べて各種ロード時間が少し長くなっている。
--前作と違い、「PlayStation BB Unit」にも対応していない。
-イベントスキップを行うと、その箇所のコンプリート率が加算されない。
--100%コンプリートを目指そうとすれば、全てのムービーは最低一度は飛ばさずに見なければならない。
-イベントスキップの仕様には改善の余地が多い。
--一部スキップ不可のイベントがあることは上記の通りであるが、それらはわざわざ丸ごとスキップせずとも会話スキップ用の○ボタンを連打すればすぐ終わるようになっている。しかしスキップ機能では一番重要と思われる''各種ブリレンダムービーのスキップができない。''
---OPやEDはともかく、物語の節々で数多く見ることになるスフィア映像もムービーの一種であるため、これらがスキップ出来ない仕様は地味に効いてくる。
--スキップ機能自体あると無いとでは快適性が大違いなのは言うまでもないが、初搭載であるためかどうにも歯がゆい仕様である。後続作品では機能に改良が重ねられている。

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**総評
システム面は高い評価を得ているが、シナリオ・世界観・全体的なノリなどは前作と比較して非常に癖が強く、酷評されやすい。~
根底の物語はそれなりにシリアスだが、第一印象が強すぎて拒否反応を示すプレイヤーが続出してしまった。2大RPGと呼ばれているファイナルファンタジーのナンバリングの続編としては万人向けと言い難かった事は否めない。~
逆に言えば、本作のノリが許容できる人にとっては良作たり得る作品であるとは言える。中古価格も大抵3桁になっている為、いけるクチならば十分満足できるだろう。

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**余談
-本作の新キャラ「パイン」は当初は登場する予定は無く、前作でも仲間になったルールーが三人目の仲間になる予定であった。
--しかしワッカとの結婚、妊娠などのイベントを加えるために結局没になり、新キャラであるパインが三人目になった。

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*ファイナルファンタジーX-2 インターナショナル+ラストミッション
【ふぁいなるふぁんたじーてんつー いんたーなしょなる ぷらす らすとみっしょん】
|ジャンル|RPG|&amazon(B0000DG189)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2004年2月19日|~|
|価格|7,140円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ:2007年1月25日/2,940円|~|
|判定|なし|~|

**概要
所謂インターナショナル版。以下の変更点がある。
-音声が英語(日本語字幕)になり、モンスターを捕獲して戦わせる「クリーチャークリエイト」、ドレスフィアや新シナリオ等を追加。
--「ユウナ、マイリマス」など、片言の日本語が戦闘中に聞ける。なぜそれを収録したのかは謎。
--新シナリオ「ラストミッション」は本編の後日談であり、FFXシリーズの最終章となる物語。
---本編とは打って変わって、ターン制のダンジョンRPG形式のシステムとなっている。また、この部分は新規収録の日本語音声である。
--新たなドレスフィア「サイキッカー」と「お祭り士」が追加。いずれもかなり序盤で入手する事が出来る。
---「お祭り士」は、今作の公式攻略本『ファイナルファンタジーX-2 アルティマニア』上で開催されたデザイン企画で大賞を取った小学生の作品が採用された案である。
-細かなバランス調整もされている。
--特に、無印版でバランスブレイカーとして猛威を振るったアクセサリー「キューソネコカミ((瀕死時に、全ダメージと回復量の下限が9999になる。))」はスロウとバーサクのペナルティが付くようになった。
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*ファイナルファンタジーX-2 HDリマスター
【ふぁいなるふぁんたじーてんつーえいちでぃーりますたー】
|対応機種|プレイステーション3&br()プレイステーション・ヴィータ&br()プレイステーション4&br()Windows Vista~(Steam)|&amazon(B00ENA6G1U)|&amazon(B00FPH9M4I)|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|~|
|開発元|Virtuos|~|~|
|発売日|【PS3/PSV】2013年12月26日&br()【PS4】2015年5月14日&br()【Win】2016年5月13日|~|~|
|価格(税抜)|【PS3/PSV(ツインパック)/PS4】&br()パッケージ:6,800円&br()ダウンロード:6,095円&br()【PSV(単品)】&br()パッケージ:3,800円&br()ダウンロード:3,429円&br()【Win】3,400円|~|~|
|判定|なし|~|~|

**概要(HD)
-インターナショナル版をベースにしたHDリマスター移植版。
-インターナショナル版の「ラストミッション」も同時収録。
-PS3/PS4/Win版は『X HDリマスター』との同時収録。Vita版は単品だが、『X HDリマスター』とのツインパックでも販売されている。
-HD化を担当したのは上海のVirtuos社。
-初回特典として『[[ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII]]』で使用可能なユウナの衣装のダウンロードコードが付属していた。

**特徴(HD)
-ゲームシステムはインターナショナル版と同様。
-音声は全て日本語。用語や台詞もオリジナル版に準拠している。
--クリーチャークリエイトのアニキの戦闘ボイスなど、インターナショナル版で追加された英語音声の箇所は無言になってしまっている。
--Steam版は英語ボイスも選べるのだが、英語等の字幕のときにしか適用されず、日本語字幕/英語音声という組み合わせは不可。
-グラフィックの向上。PS3、PS4版は1080p出力に対応。
-問題点の一つだったロード時間が短縮されている。
-『X-2』から1年後を描いた、新エピソード(ボイスドラマ)の収録。
-トロフィー機能、全機種でセーブデータを共有できるクロスセーブデータに対応。
-「ラストミッション」は、全てのイベントシーンが観られるようになり、PS2版にあった本編クリアデータの読み込みが削除されている。
-『X』とは違い、BGMの新規アレンジはない。
--ただし、ハードスペックの関係でPS2内臓音源に落とし込んだ原作のバージョンと異なり、こちらではサウンドトラックに収録された本来の音源に全て差し替えられている。
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復元してよろしいですか?