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ファイナルファンタジーX-2」を以下のとおり復元します。
『X-2 HDリマスター』は「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~
依頼内容はスタイル修正です。
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#contents
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*ファイナルファンタジーX-2
【ふぁいなるふぁんたじーてんつー】
|ジャンル|RPG|&amazon(B0000794JI)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|2003年3月13日|~|
|価格|8,190円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ:2005年9月8日/2,940円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|描写があざとすぎ&br()キャラの改変が受け入れられない人多数&br()シナリオ・BGM・戦闘システムは良好|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ]]''|
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**概要
『[[ファイナルファンタジーX]]』の続編であり、エニックスと合併する前のスクウェア最後の作品。~
販売本数は約200万本。ナンバリングタイトルのシリーズとしては初の「続編作品」となる。

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**ストーリー・世界観
前作から2年後の世界が舞台であり、『FFX インターナショナル』版に付属されたDVD「永遠のナギ節」から続く物語となっている。

-世界の脅威だったシンが前作にて完全に滅ぼされたことや、世界各地に浸透していた宗教組織「エボン寺院」の崩壊などにより、世界を取り巻く状況は前作から大きく変化している。
--時代の変わり目の中で、世界各地に新たな派閥の対立や裏で暗躍する存在、各々の抱えている悩みといった新たな問題が浮上しており、飛空艇で世界中を飛び回るユウナ達一行とそれらとの関わりが描かれる。

-主人公は前作のヒロイン・ユウナと前作のパーティーメンバーのリュックに加え、本作から登場したクールな女性キャラ「パイン」の3人。
--パーティの追加や入れ替わりはなく、基本的にこの女性キャラ3人で進行する。

-続編ではあるが、雰囲気や構成、システムなど、ゲーム全体にまるで前作の真逆を行くかのように対照的な変更を行った部分が多い。
--これには上述のように世界設定が大きく変わったことでの対比を行いたかったのと、前作で受けた批判に対するアンチテーゼのような思惑があるのだろう。

-BGM担当も一新され、前作のメンバー(植松伸夫氏・浜渦正志氏・仲野順也氏の3名)は一切参加していない。
--本作のBGMは、『レーシングラグーン』などのスクウェア作品の作曲を手掛けた松枝賀子氏と江口貴勅氏が担当している。

-当時それほどまで有名ではなかった、歌手の倖田來未氏がOP・EDを歌っており、重要人物の声優としても参加した。

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**ゲームシステム
-飛空艇/イベント選択
--本作では最初からシリーズ恒例の移動手段である飛空艇を所有しており、世界の様々な場所を自由に訪れることができる。
--地域によって様々なイベントが発生する。行き先で何らかのイベントが発生する場合、行き先が「アクティブリンク」として強調表示されるのでイベントを探しやすい。
--本作のストーリー進行は「ストーリーレベル」という数字によって表される段階制になっており、ストーリーレベルが進むと、全ての地域で発生するイベントも変化する((それぞれの地域でのストーリーが次の段階に進んでいく。))。
---ストーリーレベルは、そのレベル内でゲーム進行に必須のイベントを一通りクリアすると、重要イベントが発生してワンランク上がる。
--ゲーム進行に必須ではないサブイベントの数は多い。
--各イベントを達成する度に、コンプリート率という数値が加算されていく。
---エンディングの時点でコンプリート率が100%以上に達している場合は、真のエンディングを見ることができる。

-ドレスフィア/リザルトプレート
--従来の「ジョブシステム」に似たシステムである。
--各パーティメンバーは常に何らかのドレス(ジョブ)を用いている。ドレスごとにキャラの外見や能力、習得可能なアビリティが異なる。
---過去のジョブシステムでは「すっぴん」「見習い剣士」といった個性の薄い基本ジョブが存在したが、本作にそういった役割のドレスはない。
---各キャラクターは、それぞれ「ガンナー」「シーフ」「戦士」のドレスを初期装備している。
--初期段階では各ドレスのアビリティは一部しか使えず、行動毎に獲得できるアビリティポイント(AP)を貯めることで新しいアビリティを覚える。
---APは戦闘後ではなく、戦闘中に行動が終了した時点で即座に付与され、アビリティも戦闘中に習得して即座に使うことができる。
--ドレスを使用するためには、戦闘前に「リザルトプレート」と呼ばれる石版に空いた2~6ヶ所の穴に、ドレスフィアを装着しておく必要がある。
---このリザルトプレートを装備し、更にセットされたドレスフィアの内の1つを初期ドレスとして設定することで、そのドレスの能力を得ることができる。
---リザルトプレートは多数の種類が存在しており、装備時にはそれぞれ固有の付加効果も得られる。
--リザルトプレートには穴と穴を繋ぐ「ライン」が記されており、戦闘中はこのラインで繋がれた別のドレスに「着がえる」ことができる。
---過去作品の「ジョブチェンジ」を戦闘内に持ち込んだものと言える。着替えの際はキャラクターの衣装が変わるモーションが流れる(スキップ可)。
---さらに、リザルトプレートのライン上には最大4色の「ゲート」が存在する。ゲートを通過することで、その戦闘中のみ各ゲートに対応する付加効果が得られる。
--スペシャルドレス
---各キャラクター固有の特殊な大型ドレス。単一バトル内でリザルトプレート上の全てのドレスに着替えると使用できるようになる。
---このドレスに着替えると他の2人の仲間は一時的に離脱し、代わりに専用の支援ユニット2体が操作可能になる。
---スペシャルドレスには、状態異常を完全無効化する「リボン」や、HPやダメージ量が10000を超える「限界突破」系のアビリティが付いている。

-戦闘システム
--バトルシステムは前作とは違い、リアルタイム性の高いATBになっている。
--敵味方は一度に一キャラしか行動できないのではなく、行動タイミングが重なれば複数のキャラが同時に入り乱れて行動する。
--多くの行動には、グランディアシリーズのように行動開始までの準備時間が存在する。準備時間の長さは行動によって異なる。
---魔法によって詠唱までの時間が異なるという要素は『IV』にも存在した。
--敵味方の立ち位置は一定ではなく、各種行動によって位置取りが様々に変化する。
--キャラ位置の変化などの本作のバトルシステムの一部は、スタッフが被っている『XIII』にも採用された。

-キャラクターカスタマイズ
--前作の大きな特徴であった「スフィア盤」システムはなくなり、経験値を貯めてレベルアップするという一般的な成長方法になった。
--ステータス防御や追加効果などのアビリティがドレスに統合されたため、アクセサリー以外の装備品(武器防具)は撤廃された。

-マップの特定地点にて、ワンボタンでジャンプしたり高所をよじのぼるといったアクションが行える。

-ミニゲーム
--多種多様なミニゲームが存在する。いずれもやり込もうと思えば長時間やり込める。
---どこからどこまでをミニゲームと呼ぶかにもよるが、総数は15~20近くにのぼる。
--前作にも登場したスポーツゲーム『ブリッツボール』も登場するが、今作では大きくシステムが変更されている。
---今作では選手を操作するのではなく、監督として試合準備や指示のみを行い試合自体はオートで行われるのが最大の違い。
---他にもチーム編成や育成方法、試合ルールなどに多くの変更点がある。

-強くてニューゲーム
--過去に『クロノ・トリガー』などで用いられた「強くてニューゲーム」がFFシリーズでは初めて採用された。
--ストーリーの進行状況と、各キャラクターのレベル以外はほぼ全て次の周回に引き継がれる。

-イベントスキップ機能を標準搭載。多くのイベントシーンがスキップ可能。
--ただし、スキップできないイベントもある。

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**評価点
-脚本は前作と同じ野島氏が担当しており、全体的な雰囲気・演出等は前作と大幅に異なるが、ストーリー自体は割としっかりとしている。
--序盤~中盤の軽いノリで進むパートが目につきやすいため勘違いされやすいが、今作は『永遠のナギ節』によって1000年間信じられてきた常識が覆った後の、統治組織すら不十分な激動の時代が舞台である。
---前作で「シン」が生まれるきっかけとなった機械戦争の末路など、根底のストーリー自体も相当にシリアスなものである。
--周回を前提とした作りのためストーリー自体は前作と比べてやや短めだが、物語自体は起承転結がハッキリしており前作に引けを取らない完成度。アクティブリンクを追うだけでも十分楽しめる。
---特に条件を満たすことで見ることができるグッドエンドは多くの『X』ファンが涙したといわれるほどである。
--前作と比べて明らかにギャグ担当になったキャラもいるが、サブイベントで語られる脇役たちのストーリーもなかなかの出来である。

-音楽
--前作と大きく違い過ぎる雰囲気ゆえ白眼視されやすいが、単品で見れば十分に質は高く、タイトルBGM「久遠」など高く評価されている曲も多い。
//--と言うか批判されがちなのは「前作までと雰囲気が違いすぎる」ためであって単品で見れば悪い部分は無い。

-戦闘システム
--スペシャルドレス及びリザルトプレートの要素以外は、従来のATBの正統進化形と言えるものになっている。
--ドレスフィアの導入も、キャラの役割が固定されていた前作から一転し、『III』・『V』のジョブシステムを昇華させたものと評価できる。
---まず補助用ジョブで固めた後、シーフに切り替えてアイテムを盗み、攻撃用ジョブに切り替えて攻撃を仕掛ける…などといった柔軟な対応が戦闘中に可能。とても画期的なシステムである。
---ドレスフィアを着替える際にはキャラごとに長めの演出が入るが、コンフィグでこれらの演出をオフにできるようになっているため、戦闘テンポが悪くなることはない。
--前作の戦闘システムと比較した場合、方向性が全く異なるので好みによるところが大きいが、「こっちが従来のFFらしい」という声もある。
---従来のATBシステム採用作では、作を重ねるにつれ「技や魔法などのエフェクトが長すぎてリアルタイム的な要素が損なわれている」という問題点が深刻化していたが、今作では上記の演出オフの設定も含め、エフェクトも最低限に抑えられており戦闘テンポを阻害しないような配慮がされている。
--攻撃範囲が設定されている技もあり、敵味方の立ち位置が臨機応変に変化するので、臨場感のある混戦を楽しめる。

-終盤のダメージバランスが大幅に改善されている。
--前作では一部サブイベントの戦闘に必須級だったHP限界突破やダメージ限界突破は今作でもあるが、今作ではダメージバランスの見直しによりあった方が便利程度の程々の価値に落ち着いた。
---特定ドレスでは有り余るほどの強力な攻撃性能を生かすために付ける価値があるが、他にも限界突破と同じぐらい有用なアビリティがある上、敵のHPも相応に抑えられているので無くても極端な長期戦になるようなことは無い。
//シナリオクリアだけならHP限界突破やダメージ限界突破は必須級ではない

-序盤からほぼ世界の全範囲を行動でき、自由度は高い。
--これには、前作の造りが「一本道」と批判されたことの反動もあるのだろう。もちろん、自由度が高いことが一概に優れているという訳ではないが。
--前作と比べての変化を感じたり、多彩なミニゲームを楽しんだりということを序盤から行える。
--ジャンプやよじのぼりといったアクションにより、3D空間を動き回る楽しさや行動の幅広さは前作以上。

-真エンディングの要素も含めとても多くの隠し要素があり、やりこみプレイヤーには好評だった。
--「強くてニューゲーム」に代表される2周目要素の導入により、自由度の高さとやり込み要素がうまく両立されている。
---進め方次第では何通りもの結果に分岐するサブイベント、本編中では2つの派閥のどちらにつくかという選択など、周回プレイでも新たな気持ちで楽しめる工夫がされている。
--前作でも鬼畜クラスの隠しボスがいたが、今作でもそれは変わっていない。

-イベントスキップ機能により、周回プレイやボスに再挑戦する際などに、快適にプレイできる。

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**賛否両論点
//箇条書きが縦長で読みづらいんで、一部小見出しにして内容ごとに分けました。
''前作との雰囲気の違い''~
-良く言えばコミカル、悪く言えばふざけたような描写が散見される。
--特に顕著なのが物語冒頭。主人公チームの「ユ・リ・パ((ユウナ・リュック・パイン3人の頭文字を取った公式の略称。ゲーム冒頭、開口一発目の「ユ・リ・パ・レディ ミッション スタート!」というセリフは、本作のノリの軽い部分を端的に表している。))」3人を中心にドタバタ騒ぎを繰り広げる様子は、「主人公のいた街が破壊されて大量に人が死ぬ」という展開から始まった前作と比べ、否応なしに激しいギャップを感じさせる。製作スタッフが作品を私物化しているという批判も多い。
--特に、意志の強さはあるが清楚で穢れのない性格だったユウナが、今作ではギャル語を使ったりするなど、一見すると妙に俗っぽくはじけて見えるのが象徴的である。
---基本的な口調自体は変わっておらず「ニギヤカ担当」キャラのリュックに比べれば恥じらいも多いものの、吹っ切れたかのような言動もしばしば取る。
---「〇〇ッスね」など、前作の主人公であったティーダの影響が見られ、全体的に「ティーダ+リュック+ユウナ」÷3と言えるような振る舞いとなっている。
--また、脇役にもギャグ要素の強いキャラが増えており、前作キャラにも性格がややデフォルメされているキャラがいる。
--主人公3人が所属するチーム「カモメ団」もにぎやかとも言えるが、見方を変えれば色物キャラの多い集団であり、賛否は分かれる。
---特に挙げられるキャラクターがシド・アニキ・イサール。アニキは前作からコメディキャラではあったが、メインキャラに昇格したことで一層磨きのかかったその暑苦しさには好みが分かれる。
-ただし、こういった描写が目立つのは序盤に偏っており、ストーリーが進むにつれ徐々に「無理して明るく振舞っているだけで、その本質は前作とまるで変っていない」という事が明かされていく。
--結局のところ多くのキャラクターは、『シン』とその動乱による大きすぎる心の傷、大きく変わりゆく社会の混乱を受けてなお、必死にどうにか前を向いて生きていこうと足掻いているだけであり、それらを示す演出としてはむしろ成功しているとも言える。
---他作品で理由なく性格が改変されたキャラクターが多く見られる中、本作のケースは過程やバックグラウンドがかなりしっかりしている部類でもある。
---後半になってストーリーがシリアスになるにつれ、コミカルな要素もなりを潜めていく。
--とはいえ、やはり序盤の印象は色濃く残りやすく、理屈抜きにギャップについていけない…とするプレイヤーも珍しくはなかった。
---前作における深刻なスピラの実情、そしてユウナのキャラクター性が非常に丁寧に描かれていただけに、それらの雰囲気が台無しにされてしまった(かのように見える)ゲーム冒頭の描写は、悪い意味でもインパクトが強い物だったと言える。

-女性キャラの露出やあざとい描写が増えており、ドレスチェンジの度に挿入される魔法少女物アニメのような変身シーン等、「ギャルゲー」と揶揄されることも。
--主人公3人の内、一番露出の少ないパインでも肩から胸までざっくり空いている。前作の時点で既に露出が高めだった''リュック''も[[露出度の高い恰好に>https://livedoor.blogimg.jp/evidevi-gazou/imgs/7/a/7a249323.jpg]]。
---味方を眺めまわすだけの目的の追加アビリティ((「みやぶる」という、元々は敵のステータスやグラフィックを確認するためのアビリティがあるのだが、それを「グラフィックを縦回転できる」「味方にも使用できる」ようにするだけのアビリティがある。))や、温泉やマッサージなど露骨なサービスシーンもある。

-マップやキャラクター、モンスターに関し前作からの使いまわしがやや多い。
--もっとも、前作から直接地続きの続編であるため、そこまでおかしいことではない。新マップや新キャラもそれなりの数登場しているため、そこまで非難されるべきものとは言い難いところがある。

-前作の時点で続編を含めた構想があった訳ではないので仕方ないが、シナリオの後付け感を感じさせられる部分が多い。
--前作で出てきた組織や場所に「こんな奴がいた」「こんな場所があった」という展開が多く、前作で語られていなかった部分を描写しているというよりは、「つじつま合わせのために世界を意図的に広げて新しいエピソードを作った」という印象を受けやすい。
---そこまで無理のあるレベルではないが、前作では影も形もなかったようなキャラが「一部で有名だった」という設定で出て来るといったケースも散見される。
--前作のキャラも(前作で生き残ったキャラは)ほぼ全員登場するものの、本作では結局大半がサブイベント用の脇役キャラとなっており、シナリオの本筋にまともに絡むのは大部分が本作からの新キャラである。
--とは言え、変に前作のキャラを絡めようとして矛盾が出てしまうと、前作の評価に影響を及ぼす可能性もある。「新しい時代を迎えた世界が舞台」という設定というわけで、新しいキャラクターがシナリオに絡んでくること自体もおかしいことではない。
---これに関しては何が正解とは言い難いところもある。先に述べた通り、シナリオの内容自体は決して悪くない部類である。

 
上記の要素、特にキャラクター周りの描写・演出面の賛否分かれる内容により、『X』ファンの多くから猛反発を受けることとなってしまった。続編であることが最大の賛否となってしまったと言える。
//キャラのノリ、演出を抑えていれば(シナリオの本筋自体は悪くないだけに)よかった」という声もある。

''シビアな現状のスピラという舞台設定''~
-『1000年間にわたり、世界の歴史・人々の生活を根底から支えてきた常識が崩れ去ったことで世界が激動と混迷の時代を迎える』という舞台設定だが、現実的に考えれば自然な流れ(特に根底にあるのが『宗教』なので尚の事)でありし、時間的にも前作から2年しかたっていないのだから、そうした情勢を舞台背背景にすることもなんら不自然なことではない。
--ただ、前作できっちりと決着をつけ、悲しみを伴いながらも希望を感じさせるラストで締めくくっていただけに、生々しい現実を見せられる形となることについては、プレイヤー側からすれば少々複雑なところではある。

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**問題点
-倖田來未の歌、声優としての技量
--倖田氏が演じる女性キャラ「レン」とユウナはそっくりという設定なのだが、倖田氏とユウナの声優である青木麻由子氏の声は全然似ていないので違和感が拭えないとの声が多数ある。
//---プレイヤーからツッコミが入ったのはもちろん、倖田氏自身も家族から似ていないとツッコまれたらしい。
---そもそも氏の声はかなりハスキーであるため、「清楚な歌姫」寄りの描かれ方をしているレンの声としてはミスキャストと捉えられた。
--レンの声は主に楽曲シーンでの歌であり、会話の台詞は僅かなのだが、そちらについても評価は厳しい。
---素人なりに演技した感はあるものの、「最終決戦後の重要なシーンで、涙声の相手に対しての台詞」という素人には荷が重い役も含まれており、上記の不似合いな声質も合わせてどうにも雰囲気が乱されがちに思われてしまった。
--念のため擁護すると、倖田氏の歌自体についてはOP・EDともに曲として評価はされている。しかし、やはりユウナ(レン)の歌という設定で見ると違和感は残るとの見方が強い。
//--余談だが、倖田氏側もスクエニ側も彼女がFFに関わったことは双方黒歴史としているのか触れられていない((とは言え、他のケースと比較して不自然に感じるほどという程でもないので実際のところは不明である。))。
//それこそ推測レベル、実際は不明なのでCO

-音楽
--評価点で述べたように曲の質そのものは十分高いのだが、意図的に雰囲気の大幅な変更がなされたこともあり前作のイメージが一変してしまっている。
---特に、植松氏の不参加により「プレリュード」や「(勝利の)ファンファーレ」などお馴染みのメロディーが一気に廃されたため、同氏のファンから猛反発を受ける事に。
--曲自体はPS2の内蔵音源を最大限に活用しかなりの完成度に仕上がっているのだが、極めて癖の強い曲(特に何回も聞くことになる通常戦闘曲)が多く、純粋に拒否反応を示す声も聞かれた。
//--倖田氏とのタイアップのためかサントラの発売元がデジキューブでなく''avex''であり、CDの仕様が同社が当時推し進めていた''CCCD''((コピーコントロールCDの略称。音声データ複製防止のため、データ読み取時にエラーを意図的に発生させるというもので、再生機器に多大な負荷をかけやすく、プレイヤーの故障を引き起こしかねないという致命的な欠点がある。))であった点も不評。
//CCCDの仕組みについて誤りがあるので修正。
//CCCDでリリースされたこと自体はゲーム自体に纏わる問題点でないのでCO。

-メインシナリオ(アクティブリンク)の戦闘難易度が非常に低く、FFシリーズ史上で最も簡単とも言われる。
--「戦う」と「回復」だけでも切り抜けられるバランスである上に、各ストーリーLv帯で発生するサブイベントをこなすだけでレベルの上がり過ぎになり易い。
---また再序盤のイベントに手に入る「キューソネコカミ」という装備品は「装備キャラが瀕死時、全ての与ダメージと回復量が9999(本作の実質的なカンスト値)になる」という物で、複数ヒットする攻撃技と組み合わせればほとんどの強敵を瞬殺可能。当然ながらとんでもないバランスブレイカーである。
--ラストバトルは連戦になっているものの、前座はたまに強めの全体攻撃をしてくる程度の単調なパターンしか行わない。
---また、会話の最中に敵の行動が止まったり、本戦は「行動パターンが決まっている」「全体攻撃が一つしかない(加えて威力もショボイ)」「対象ランダムの攻撃も一発一発が弱い上に回数少ない」「最強技もHP3000ほどあれば耐えられる(しかも単体攻撃)」…などの理由で、シリーズ最弱説まで有力視されている。
---前座含めて一定ターンの経過で強制的にバッドエンドになるが、わざと放置でもしない限りなかなか見られない。FF初のバッドエンドなのに非常にもったいない。
---一応、本戦は敵の攻撃スピードが高い為、アクティブリンクを巡るだけの急ぎプレイだとややてこずる可能性もある。逆に言うとそういうプレイでもしない限り本当に弱い。
---本作は比較的オートレベルアップがしやすいためさらに弱く感じられる。
--一方、サブイベントには厄介でクセのある敵も登場し、中には相当やりこんだ上で戦術構築までしないと達成困難なものもある為、本編たるアクティブリンクとの落差が余計際立っている。
---特に裏ダンジョンである「聖ベベル廟」は非常に広大かつ、とんでもなく強力なモンスター達がそこかしこにひしめいており、お手軽な攻略手段に頼るだけではまず攻略不能な、シリーズ屈指の高難度ダンジョンとなっている。
---むしろこれらのやり込み要素に手を付けない限り、せっかくの凝った戦闘システムが全く活きないままゲームをクリア出来てしまう。独自性と完成度をきちんと両立させているシステムが作れているのに、難易度のせいで死んでいると感じやすい。
---この問題は次作の『XII』で最高潮に達し、『XIII』でようやく沈静化の方向に向かった。
//--これについては本編とサブイベントとのバランス取りも関係してくる。
//---自由度を拡げ、なおかつ桁違いに強い裏ボスを無闇に設ければサブイベントと本編の乖離も著しくなる。本編が寄り道無しを前提にしたバランスなら、本編がヌル過ぎるという批判が頻発することになる。
//何が言いたいのか良く分からないのでCO。もうちょっと文章を洗練して欲しい。

-戦闘システムの粗
--スペシャルドレスがどれも微妙な性能で、何度もドレスチェンジをするという面倒くさい条件に釣り合っていない。
---リザルトプレート内のドレスフィアを増やす(必要なドレスチェンジを増やす)ことで強化は可能だが、手間が増えるため準備の面倒さに見合っていないことに変わりはない。
--ハード性能による限界のためか、ほとんどの技や魔法などのアビリティは、複数キャラの同時行動ができない。先発のキャラのアビリティが終了するまで、後発のキャラは何もできない順番待ち状態になる。
---この仕様により本作の戦闘システムの特徴である「各キャラが入り乱れて行動する」というリアルタイム性が多少失われている。「ATBバーが溜まっていても順番待ちにより行動できない」という、従来作品のATBと変わらない戦闘になる部分がある。
---順番待ちが発生しない行動(「戦う」や「クイックトリガー」など)がシステム的に優遇されている。必ずしも強力な行動とは限らないが、本作は低レベルプレイでもしない限り、大半の雑魚敵は「戦う」連発だけでも何とかなったりする。この点についても後発の『XII』では完全な解決には至らず、上位ハードに変えた『XIII』でようやく解決を見ることになる。

-メニューのレスポンスが悪い。
--メニューを開いたり各種画面を切り替える際、項目のリストアップなどのアニメーション演出が完全に終了するまではメニューの操作を受け付けないため、いちいち待たされる。

-前作に比べて各種ロード時間が少し長くなっている。
--前作と違い、「PlayStation BB Unit」にも対応していない。

-イベントスキップを行うと、その箇所のコンプリート率が加算されない。
--100%コンプリートを目指そうとすれば、全てのムービーは最低一度は飛ばさずに見なければならない。

-イベントスキップの仕様には改善の余地が多い。
--一部スキップ不可のイベントがあることは上記の通りであるが、それらはわざわざ丸ごとスキップせずとも会話スキップ用の○ボタンを連打すればすぐ終わるようになっている。しかしスキップ機能では一番重要と思われる''各種プリレンダムービーのスキップができない。''
---OPやEDはともかく、物語の節々で数多く見ることになるスフィア映像もムービーの一種であるため、これらがスキップ出来ない仕様は地味に効いてくる。
--スキップ機能自体あると無いとでは快適性が大違いなのは言うまでもないが、初搭載であるためかどうにも歯がゆい仕様である。後続作品では機能に改良が重ねられている。

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**総評
システム面は高い評価を得ているものの、シナリオ・世界観・雰囲気の変化した音楽・全体的なノリなど、ゲーム全体に渡り、前作と比較して非常に癖が強い仕上がりとなっている。~
根底の物語はそれなりにシリアスなものの、第一印象が強すぎて拒否反応を示すプレイヤーが続出してしまい、結果的に酷評を受けやすい作品となってしまった。
2大RPGと呼ばれている『ファイナルファンタジー』ナンバリングの続編としては万人向けと言い難かった事は否めないだろう。~

逆に言えば、本作のノリが許容できる人にとっては良作たり得る作品であるとは言える。いけるクチならば十分満足できるだろう。
//中古価格に言及する必要性がないので削除。
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**余談
-本作の新キャラ「パイン」は当初は登場する予定は無く、前作でも仲間になったルールーが3人目の仲間になる予定であった。
--しかしワッカとの結婚、妊娠などのイベントを加えるために結局没になり、新キャラであるパインが3人目になった。

-本作の後日談小説『FINAL FANTASY X-2.5 ~永遠の代償~』が発売されている。作者は野島一成。
--本作及び前作の内容を否定するかのような内容となっているため評判は非常に悪い。
--2022年のワッカ動画から発するブームに応じてこの小説もにわかに脚光を浴びるようになっており、更なる%%犠牲者%%読者が増え続けている。

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*ファイナルファンタジーX-2 インターナショナル + ラストミッション
【ふぁいなるふぁんたじーてんつー いんたーなしょなる ぷらす らすとみっしょん】
|ジャンル|RPG|&amazon(B0000DG189)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|
|発売日|2004年2月19日|~|
|価格|7,140円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ&br;2007年1月25日/2,940円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作に続いての英語版逆輸入での完全版&br()キャラの改変が受け入れられない人多数&br()BGM、シナリオ、戦闘システムは良好|~|
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**概要(インターナショナル)
前作『FF10』でも同じ「インターナショナル」版として発売されていた英語版の逆輸入作品であり、いわゆる完全版。~
本作では追加要素込みの本編だけでなく、更なるシナリオ『ラストミッション』が追加された。

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**変更点
-音声が英語(日本語字幕)になった。
--前作『FF10』同様、日本語字幕についても日本語版の字幕そのままではなく、一部に手が入れられている。
--前作で見られた「ワッカの言葉を北海道訛りにする」などの人を選ぶ変更はなく、大きくニュアンスが変わるようなものも無い。

-モンスターを捕獲して戦わせる「クリーチャークリエイト」の追加。
--モンスターを捕獲するには「ポッド」が必要になる。世界各地のリストから設置したい場所を選択して「ポッド」を消費すると、その地域のモンスターを捕獲して戦闘メンバーに入れることができる。
--モンスターだけでなく、キャラクターも捕獲が可能。バラライやルブランといった本作で敵対するメインキャラ、ワッカやルール―といった前作の仲間キャラ、果てにはエルマやルチルといった今までゲームシステム上の戦闘には参加していなかったキャラ、アーロンやシーモアといった本作では既に異界に送られたはずの人物も戦闘メンバーに加えられる。
--捕獲したモンスターは普通に本編の戦闘でも使えるほか、下記の「魔物コロシアム」にも参戦させられる。
---捕獲したモンスターは行動を選択できず、自動で行動する。捕獲した当初や新しい技を覚えたばかりの頃は、回復魔法をHP満タンのキャラに使ったりと無駄な行動を取ってしまうが、次第に学習して最適な行動を取りやすくなっていく。
--捕獲したモンスターは連れ回して経験値を与えるほかに、アイテムやアクセサリを与えて消費することでも成長する。この場合、与えたアイテムやアクセサリに応じたアビリティを習得することもある。
---一部のモンスターは固有の技(本編で敵として使ったもの)を持っており、レベルをある程度上げた上で特定の技を受けると習得できる。
--それぞれのモンスターには「魔物人生」と呼ばれる固有のイベントがあり、レベルを上げたりコロシアムで優勝させると、そのモンスターからのコメントが増えていく。魔物人生が最後のレベルまで達するとそのモンスターを「解放」して仲間から外せるようになり、これを行うと、それぞれのモンスター固有の最終イベントがムービーで見られる。
---メインキャラやサブキャラなどの人間キャラは、ストーリー上の整合性を無視して仲間にしていることなどもあり、「魔物人生」のイベントは存在しない。
--捕獲して戦闘メンバーに入れられる関係上、一部のモンスターは戦闘中の名前表示欄に収めるために名称が変更された。
--1度に捕獲しておけるモンスターやキャラは合計8体まで。

-「魔物コロシアム」の追加。
--他のチームとトーナメント方式で戦っていくモードで、「カモメ団」として各種トーナメントに参加する。
--トーナメントの参加者はモンスターだったり上記の捕獲できる人間キャラだったりして、チームを組んで参加している。
--「魔物コロシアム」とあるが、作中のキャラであるシンラ君が魔物をコロシアムに参加させているのでこの名前となっているだけで、プレイヤーは必ずしも捕獲したモンスターで戦わせる必要は無く、ユウナ達本来のパーティキャラのみで参加することも可能。
--クリーチャークリエイトの進行に応じて新たなトーナメントが追加され、最終的には日本語版での裏ボスをも超える、最強の敵と戦うことができる。

-新たなドレスフィア「サイキッカー」と「お祭り士」が追加。いずれもかなり序盤で入手できる。
--どちらについても過去のファイナルファンタジーシリーズ作品での「ジョブ」には全くなかったもので、新規性は高い。
--「サイキッカー」は顔にバイザーを付けた衣装が特徴で、超能力で戦うドレス。瞬間移動や特定の属性攻撃、物理攻撃(魔法攻撃)を防御するアビリティなど、回避・防御系のアビリティも多く覚える。
--「お祭り士」は祭りの法被を着て、花火や金魚、ゲタなどの祭りに関連した要素で戦うという奇抜なドレス。ユウナ、リュック、パインそれぞれで使える技が異なる。
---こちらは、今作の公式攻略本『ファイナルファンタジーX-2 アルティマニア』上で開催されたデザイン企画で大賞を取った小学生の作品が採用された案である。

-新シナリオ「ラストミッション」は本編の後日談であり、『X』シリーズの最終章となる物語。
--本編とは打って変わって、ターン制のダンジョンRPG形式のシステムとなっている。また、この部分は新規収録の日本語音声である。
--ゲーム概略をわかりやすく表現すると『[[トルネコの大冒険>トルネコの大冒険 不思議のダンジョン]]』『[[風来のシレン>不思議のダンジョン2 風来のシレン]]』のようなローグライク系のゲーム。
--地上80階の「ヤドノキの塔」を登っていく。
--基本的には「ユ・リ・パ」の内の一人のみを選んでプレイするが、アビリティを使ってメンバーチェンジする事は可能。
--「ユ・リ・パ」それぞれのすっぴん(標準ドレス 例:ユウナならガンナー)状態に加え、本編にも登場した「ドレスフィア」を1つ「ベースドレス」として装着。「重ね着」としてドレスフィアを4つ、合計5つまで装備する事が可能。重ね着によりそのドレスが持つアビリティを使えるようになり、HPも加算される。
--『10-2』本編から3ヶ月後の設定であり、10階進むごとに操作キャラ達が近況を振り返るイベントが挟まれる。
---シリアス寄りではあるが、本編のような壮大な展開はここには無く、各キャラが抱える等身大の悩みを振り切っていく過程が描かれている。
---オリジナル版及びインターナショナル版の本編クリアデータをロードして始めると、それらの内容が反映され台詞が一部変わる。
--エンディングでは、前作、本作の本編の主な場面を振り返るオリジナルのムービーが見られる。

-バランス調整も行われている。
--特に、無印版でバランスブレイカーとして猛威を振るったアクセサリー「キューソネコカミ((瀕死時に、全ダメージと回復量の下限が9999になる。))」はスロウとバーサクのペナルティが付くようになった。

-それ以外にも細かいレベルで多数の変更点が加えられている。
--公式攻略本『アルティマニア』では50項目に渡って変更点が記載される程で、「イベントの音声タイミングがほんの僅かに異なる」「キャラクターの立ち位置が異なる」「セーブアイコンの色が異なる」などのかなり細かい点についても述べられている。
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**評価点(インターナショナル)
-クリーチャークリエイトは単にモンスターを仲間にできるというだけでなく、かなり力が入っている。
--特に「魔物人生」のイベントは、ほぼ全てのモンスターに固有のムービー付きイベントがあることからも分かるように中々のもの。本作の魔物は、異界に送られておらず成仏できていない人間の魂が宿った幻光虫であるという設定が活かされている。
---モンスターからの視点という形で、前作含む人間キャラクターの掘り下げを行っているシナリオもある。ジェクトやシーモアなどのメインキャラからベルゲミーネやリンなどのサブキャラまで、多数のキャラについて本編とは異なる一面が見られ、かなり興味深い。
---特定のキャラクターが絡まないものでも、本編のイベントを補完するようなものや、単純に良い話が見られるものといった感動路線のものが多く見られる。
---かと思えば、完全にネタに走った、最初から最後までツッコミ所しかないようなシナリオもそこそこある。
--育成に関しても、うまく育てればユウナ達メインメンバーを食ってしまうほどの強さにすることも可能でやり甲斐はある。

-ラストミッションについては、後述の通りシナリオ・システム共に評判はあまり良くないが、最後にユウナ役の青木真由子氏が歌う曲のムービーが流れ、『FF10』シリーズの集大成という達成感は感じられる。

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**賛否両論点(インターナショナル)
-これまでのインターナショナル版同様、英語音声である点。
--「ユウナ、マイリマス」など、片言の日本語が戦闘中に聞ける。なぜそれを収録したのかは謎。

-クリーチャークリエイトのバランス調整は微妙。
--少し理解すると、さほど苦もなくユウナ達本来のメンバーを食ってしまうほどの強さになれてしまう。
--もっとも、メインメンバーに比肩できるほどの強さになれなければシステム上の意味がないため、この辺りの調整は難しいところではある。

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**問題点(インターナショナル)
-ラストミッションの結界開放がノーヒント。
--5階ごとに、次のフロアに進むエレベータに結界が張られており、解除しなければ先へ進めないのだが、これを解除する条件が作中では一切提示されない。
--最初の5階のうちは「敵を3体倒す」と分かりやすくほぼ問題はないのだが、そのうち「アイテムを置く」「アイテムを投げる」「攻撃を空振りする」などのものが登場し始める。知っていれば難しくはないのだが、攻略情報なしだとこのような単純な条件でも一向に満たせず、詰まってしまう可能性すら十分にある。
--最終階の80階には通常の1階ずつ降りる方法では行けない。77階のみ、長期間滞在のペナルティが「塔の外に飛ばされてゲーム終了となる」から「80階に飛ばされる」に代わっているので、この方法で行くことになる。
---76階以降(77階を除く)の長期滞在ペナルティも「77階に飛ばされる」に変わっていることもヒントとなってはいるが、やはりかなり分かりづらい。

-ラストミッションのストーリーはやや否定意見が多め。
--序盤は久しぶりに再会した彼女たちの明るく近況報告し合う姿が見られるのだが、中盤以降はユウナとリュックのスタンスの違いから軋轢が起き、かなり険悪な空気になる。
--最終的にはもちろん和解するし、彼女たちの年代の悩みの行く末として定番と言えば定番の流れではあるのだが、今になって彼女たちの喧嘩イベントを見るのはちょっと…という声も多い。

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**総評(インターナショナル)
これまでのインターナショナル版と比較して追加要素が特に豊富となった作品。~
特に、キャラクタークリエイトの育成要素や豊富なイベントは見どころである。~
「ラストミッション」については、ややローグライク系システムのゲームとしては微妙なところでシナリオもやや否寄りの意見が多いが、『FF10』シリーズの集大成として一定の評価はできる。~
既存要素の調整も複数行われており、ゲーム内容だけに限れば通常版の上位互換作品である。~

だが、他のインターナショナル版と同様、やはり音声が英語なのが賛否分かれるところで、通常版と比べて手放しに勧められるかと言うと怪しくなってしまう。~
現在は後述の日本語版リマスターに追加要素が全て含まれているため、本作はほぼ役割を失っている。~

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*ファイナルファンタジーX-2 HDリマスター
【ふぁいなるふぁんたじーてんつーえいちでぃーりますたー】
|対応機種|プレイステーション3&br()プレイステーション・ヴィータ&br()プレイステーション4&br()Windows Vista~(Steam)&br()Xbox One&br()Nintendo Switch|CENTER:&amazon(B00ENA6G1U)&amazon(B00U78SOTY)|&amazon(B07MJQPMZG)|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|~|
|開発元|Virtuos|~|~|
|発売日|【PS3/PSV】2013年12月26日&br()【PS4】2015年5月14日&br()【Win】2016年5月13日&br()【Switch/One】2019年4月11日|~|~|
|価格|【PS3/PSV/PS4】&br() パッケージ:6,800円&br() ダウンロード:6,095円&br()【PSV単品版】&br() パッケージ:3,800円&br() ダウンロード:3,429円&br()【Win】3,400円&br()【Switch/One】&br() パッケージ:6,800円&br() ダウンロード:6,080円|~|~|
|判定|なし|~|~|
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**概要(リマスター版)
インターナショナル版をベースにしたHDリマスター移植版。インターナショナル版の「ラストミッション」も同時収録。~
PS3/PS4/Win版は『X HDリマスター』との同時収録。PSV版は単品だが、『X HDリマスター』とのツインパックでも販売されている。~
HD化を担当したのは上海のVirtuos社。初回特典として『[[ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII]]』で使用可能なユウナの衣装のダウンロードコードが付属していた。

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**特徴(リマスター版)
-ゲームシステムはインターナショナル版と同様。

-音声は全て日本語。用語や台詞もオリジナル版に準拠している。
--クリーチャークリエイトのアニキの戦闘ボイスなど、インターナショナル版で追加された英語音声の箇所は無言になってしまっている。
--Steam版は英語ボイスも選べるのだが、英語等の字幕のときにしか適用されず、日本語字幕/英語音声という組み合わせは不可。

-グラフィックの向上。PS3/PS4版は1080p出力に対応。

-『X-2』から1年後を描いた、新エピソード(ボイスドラマ)の収録。

-トロフィー機能、全機種でセーブデータを共有できるクロスセーブデータに対応。

-「ラストミッション」は、全てのイベントシーンが観られるようになり、PS2版にあった本編クリアデータの読み込みが削除されている。

-『X』とは違い、BGMの新規アレンジはない。
--ただし、ハードスペックの関係でPS2内蔵音源に落とし込んだ原作のバージョンと異なり、こちらではサウンドトラックに収録された本来の音源に全て差し替えられている。

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**評価点(リマスター版)
-問題点の1つだったロード時間が短縮されている。

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**問題点(リマスター版)
-グラフィックのHD化と日本語音声化が行われた以外は、インターナショナル版のほぼ移植である。つまり、それ以外の元からあった問題点はほぼ据え置き。

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**総評(リマスター版)
グラフィック面と音声以外ではインターナショナル版と特に代わり映えしない純粋な移植版。~
今から『FFX-2』をプレイしてみたいという場合は十二分にオススメできる作品である。

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