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「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 *CHANGE AIR BLADE 【ちぇんじえあぶれーど】 |ジャンル|シューティング| |対応機種|アーケード(SYSTEM SSV)| |発売・開発元|サミー| |稼動開始日|1999年12月| |判定|なし| |ポイント|対戦シューティング、再び| **概要 -従来より食い合わせが悪いとされて来た2Dシューティングと対戦の組み合わせを実行した縦シューティングゲーム。次期戦闘機採用を巡るドッグファイト形式の企業間競争がこのゲームのストーリー。 -対戦とシューティングの組み合わせは『[[ティンクルスタースプライツ]]』(SNK/ADK)、更に古いと『ガンファイト』(タイトー)まで遡る事ができる。 --元々シューティングゲームがクレー射撃やガンマンの決闘からガンシューティングになり派生したと考えれば、シューティングと対戦は相性が悪いはずが無い。 -本作の特色は1Pと2Pでゲームルールが非対称な点にあり、他に対戦型シューティングと呼ばれる[[ティンクルスタースプライツ]]や[[旋光の輪舞]]などは、お互い同じルールの下に試合が行われるが、本作では前衛・後衛という双方のルールが大きく異なる状況で行われる。 --大まかに言えば、前衛は従来のシューティングにおける敵ボスで、後衛は同プレイヤー機と言う役割となり、ゲームのルールも前後でそれに準じたものになる。 **システム -前衛・後衛に分かれて対戦を開始する。前衛は画面上部、後衛は画面下部に位置する。 --前衛と後衛の入れ替えはランダムで出現する「インタラプト」アイテムを取得する事で行う(取得すると即発動でストックは出来ない)。~ これは前衛・後衛どちらが取っても効果を発揮し、また試合展開が一変するため、このアイテムの取得とその妨害を巡る駆け引きが非常に重要な意味を持つ。 ---前衛後衛共に画面中ほどを越えて移動出来ないので、前後移動での陣地替えは不可能(ラウンド切り替え時の陣地替えを除き、インタラプト取得以外での陣地替えは出来ない)。 --前衛は当り判定が大きく動きも遅いが、体力ゲージがあり味方機を呼び出して攻撃する事もできる。 ---更にウェポンゲージをMAXまで貯め、ボタンを押す事で巨大支援機と合体。巨大ボスとなって更なる破壊力・弾幕を駆使して後衛を攻撃できる。 --後衛は当り判定が小さいが即死制。一応3発まで攻撃に耐える事ができる。 ---特定のアイテムを入手する事でボンバーが使用可能。バリアを張りつつ強力な攻撃ができる。更に前衛後衛を入れ替える事も可能。 -自機選択システム搭載。4社8開発室8機の機体から選択する。CPU戦ではティンクルスタースプライツ同様の残機制が採用され、自機以外全てを撃破することでゲームクリアとなる。 --自機はそれぞれメインショットやボンバー。前衛時の味方機や支援機が異なる。 --8機それぞれが4種類のカラーリングと性能パターンの違いを選択可能。 ---「ノーマル」「パワー強化型」「スピード強化型」「ハンデ戦用?」の4種類の性能パターンがある。 -スタッフの中に『[[バトルガレッガ]]』(エイティング/ライジング)の愛好家が数名いたゲームということもあり、随所で同作のオマージュが見られる。アイテム取得直後に一瞬無敵になるという小ネタも。 **短所 -ガチ対戦でやろうとすると、基本的に後衛超有利。ボスになって弾幕をはろうが、味方機との連携攻撃を挑もうが、後衛のショットを含めた範囲攻撃差は覆す事が出来ない。 --そもそも前衛に「回避」の文字はほぼ無い。そのため、「やられる前に倒す」しかないのだが、前衛時の攻撃には穴があるものが多く、熟練したシューターならひょいひょい避けられてしまう。いかに1発当たればゲージ1本奪えるとはいえ、「当たらなければ、どうということはない」わけで…。この時点でこのゲームの根本がおかしい事がわかるだろう。 --ただし、そこまで行き着けるのはシューティング(及び本作)を相当やりこんでいる上級者だけである。慣れない内は「前衛強すぎる!」と思ってしまうだろう。 --また、後衛での回避は実際にプレイすると見た目ほど簡単ではなく、CPU相手とは違い思わぬタイミングやパターンの攻撃が飛んでくるので、上級者と言えども「こんなのに当たるの?」という不意のミスが頻発する。 -機体性能の差が結構激しく、上位と下位では大きな違いがある。 --特に後衛時も並以上の性能を持つ上、前衛時のボス攻撃にボンバーがないとほぼかわせない撃ち方がある「アルファブレード」は極悪強機体。 --逆に、後衛時のショットパワー・防御力が弱くて泣ける「オメガアロー」「ストーンゴーレム」は苦しい。どちらも前衛時なら強いのだが、上にもあるように究極的には「後衛ガン有利」のゲームなので…。 --他には後衛時こそ強いものの、前衛になるといきなり弱くなる「猛御雷」も苦しい。…と思われていたのだが、パワー強化タイプにした場合の上段攻撃が高性能で、前衛時もかなり立ち回れることがガチ勢のやり込みで判明。近年の評価では「異常な防御力もお得だし、最強機体の一角」との事(上級者同士の対戦動画を見ると使用率と勝率共に高い)。 -仕様上、一部の操作に非常に癖があり出しづらいこと。 --このゲームはどういうわけか、''3つボタン同時押しの「ボス強制退却」コマンドは受けつけてくれるのに、2つボタン同時押しを受け付けてくれない。''このため、「後衛時、ショットを連射しながらボムを咄嗟に撃とうとしたら出なかった」「前衛の攻撃でボタンずらし押しの2パターン攻撃を仕掛けようとしたら出なかった」などの事態が、慣れないと多発する。相当やりこんでいる人でも、うっかり同時押ししてしまうことは在り得るレベル。バグだと思われるが、はっきりいってかなりイライラさせられる。 -前衛・後衛をチェンジするアイテムの出現法則が完全ランダムなので、前衛と後衛が入れ替わっての立ち回りを意図的にすることができない。ある程度自分で選べたなら、戦略性も生まれたと思うのだが。 --これらランダム要素によって試合展開が硬直化しにくくなるので、対戦ゲームとしては利点として捉えることもできる。 -CPUの後衛時のアルゴリズムが非常にお粗末(まともに組まれていないレベル)なため、こちらが前衛になってしまえばほぼ何もさせずに勝つ事が出来る。~ 開発陣もわかっていたのか、CPU戦時には自機は各面必ず後衛スタートで、インタラプトアイテムも滅多に出てこない(CPU戦を複数回クリアしても全く出ない事も多い程)。 -ダメージシステムのアンバランスさ --後衛は基本的に一撃死・前衛は高耐久というコンセプトなのだが、後衛はゲージを跨いでダメージを受ける事が無いのに対し、後衛時に当て方によっては前衛に一瞬で2ゲージ以上のダメージを叩き出せる機体もいるため、本来は耐久面で有利なはずの前衛が逆に不利となる場合がある。 ---後衛側もこれを狙うにはリスクを冒して接近する必要があり、そうそう成功するものではない。が、ミス後のリスタート時の無敵を利用すればリスクを大幅に軽減できるので、この点でも前衛はやや苦しい。 -プレイヤー同士での対戦環境が非常に限られている --恐らくこれが最大の短所。本作は「対戦型STG」なのだが、出回りが悪かったため設置店舗が少なく対戦環境が非常に限られていた。このため本作最大のウリである対戦の面白さが広まらず、殆ど評価される事もなく埋もれてしまった。現在であればネットワーク経由で対戦という作りも可能だろうが、本作発売時はそのような環境はほぼなかった。 ---しかし近年、一部のゲーセンによる対戦会が開かれ動画配信が行われたりと、以前に比べれば本作のプレイに触れる機会は増えた。実際にプレイするのが非常に難しいことは変わらないが、興味があれば動画で本作の空気を感じて欲しい。 **総評 対戦シューティングはシステムの構築やアイデア・バランス調整が難しく、多くの企業が同じような事を考えて頓挫して行った。まさに「お前が考えた事は既に誰かが考えて辞めた事だ」を体現するようなジャンルだったが、本作はそれを強行する形で世に出された。結果、後衛が有利過ぎて対戦のベースである「同一条件での競い合い」をすっかり忘れてしまった、本末転倒ゲームになっている。~ だが、前衛の「自機が突然支援機とドッキングして巨大ボスになる」アイデアは『[[旋光の輪舞]]』(グレフ)へと受け継がれた事を考えると、本作が世に出た事は決して無意味ではなかった。一応根本部分である「対戦」が不味いだけであって、本作は「対戦風縦シューティング」(CPU戦限定)と考えると極めて平凡なシューティングゲームに仕上がっている。そのため、別にクソゲーと言う訳ではない。むしろ、アイテムを駆使して敵を狙い撃つ・ショットが途中で息切れする・前衛になってボス気分を味わえる等、一般的なシューティングゲームに無い独特の操作性が、一部の人を魅了するだろう。