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BURNOUT」を以下のとおり復元します。
*BURNOUT
【ばーんあうと】
|ジャンル|レーシング|&image(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/d/dd/Burnout_%28video_game%29.jpg,height=180)|
|対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ&br()Xbox|~|
|発売元|Acclaim Entertainment|~|
|開発元|Criterion Games|~|
|発売日|【PS2】2001年11月1日&br()【GC/Xb】2002年4月30日|~|
|備考|日本未発売|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|据置版『[[スリルドライブ]]』&br()クラッシュ要素を取り入れたレースゲーム&br()開発元製のゲームエンジンを活かした演出&br()国内では諸事情により発売中止に|~|
|>|>|CENTER:&bold(){[[バーンアウトシリーズ]]}|
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#contents(fromhere)
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~
#center(){{
 &big(){''Drive Dangerously!''}
 }}
~
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**概要
知る人ぞ知る、破壊系レースゲームの代表作『バーンアウト』シリーズの第1作。~
これまでデベロッパーであるCriterionは『Redline Racer』(Win/DC)や『TrickStyle』(Win/DC)と言った作品での評価はそこそこあったものの~
その知名度は悪く言えば「マニアに近い人なら知っている」レベルのものだった。~
そんな中で出された本作はCriterion Gamesの名が広まるきっかけとなった作品でもある。~
なお、サクセスから発売されたPS SuperLite1500シリーズの『BURN OUT』とは無関係。~

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**特徴
-基本的には四台の車でレースを行い、チェックポイントを辿りながらコースを3週してゴールを目指すといったシンプルな内容。

-制限時間があり、チェックポイントを通過すればタイムが回復し、タイムがなくなるとレースが終了する。

-レースが終了するとリプレイを観ることができる。

-ランキングシステムがあり、各コースにそれぞれ1ラップのタイム、レースタイム、ベストドライバー(スコア)、ワーストドライバー(被害総額)のランキングが記録されている。

-本作(というよりシリーズ全作)には開発元のCriterion Gamesが開発したゲームエンジン「RenderWare」を使用しており、リアリティのあるグラフィックや物理演算が本作最大の特徴。

ゲームモードは以下の通り。
-Chanpionship
--グランプリ。レースを数回行う。全6種。
--後のシリーズとは違い順位によるポイントは存在せず、指定された順位以上でゴールすれば次のレースに進む仕様となっている。
--本作ではクレジットが存在し、時間切れになるか指定された順位以下でゴールするとクレジットを1つ消費してレースをやり直す。クレジットがなくなるとゲームオーバー。
--グランプリを制覇していくと、一部他のモードが出現するようになる。

-Single Race
--シンプルにレースを行う。

-Time Attck
--タイムアタック。ライバルは存在しないが、レースと同じく制限時間があり3週走るとゴールとなる。

-Face Off
--1対1のレース。全4種。ライバルとコースが指定されており、勝利するとライバルの車を獲得できる。

-Survival
--基本Time Attckと同じだが、一度でもクラッシュするとゲームオーバー。ドライビングテクニックのスキルが求められる。
-Free Run
--一般車が出現しないレース。このモードだけランキングに記録されない。

-様々なタイプの車両を使用できる。
--コンパクトカーからセダン、スポーツカー、果てはバス等の大型車まで使用できる。
--車にはそれぞれランク付けがされており、Easy、Midium、Hard、Specialの四種類で、それぞれ初心者~上級者用のクラスとなっている。
--一般車の方も軽車両からタンクローリーまで多彩な車が存在する。
--本作(及び『2』)ではATとMTを選択できる。
--因みに、大型車をレースとして使えるのはシリーズ中本作が最初で最後となる((『バーンアウト3』以降でも大型車は使用できたが、クラッシュイベントでしか使用できない。))。
---大型車がライバルとして登場するのは一部のFace Offだけで、大型車とのレースを楽しむ事ができるが、''無人のバスが後ろから猛スピードでプレイヤーにつっこんでいく姿はもはやホラー。''

-コースは16個存在し、アメリカとヨーロッパのコースに分けられている。
--アメリカではニューヨークや州間高速道路などをモチーフとしたコースが登場し、ヨーロッパではスペインやパリをモチーフとしたコースが登場。
--複数のコースを繋げたマラソンコースも存在する。その名の通り1周が非常に長いコースとなっている。

-本作ウリの要素が「ブースト」。
--対向車線を走ったり、一般車とのニアミスやドリフト等を行う事でゲージが溜まり、最大まで溜めるとブーストを使用する事ができる。
--対向車線は走る距離が長い程ゲージの増加量が上がっていく。
--ブーストを使用すると大幅な加速を得られ、最高速度を超えて走る事ができる。&s(){マフラーから火は噴かない。}
--ブーストはゲージがなくなるまで走りきればバーンアウトとなり、ブーストゲージが半分まで回復する。
--ブースト使用中はBGMが段々フェードアウトしていく。
--ブースト使用中、上述の危険運転を行い続けてゲージを使い切ればバーンアウトブーストチェーンとなり、ブーストを連続で使い続けられる。
--本作のみ、ブーストを途中で中断しても使用する事ができるが、ブーストを使いきってもゲージは回復せず一から溜め直しになる。

-そして本作最大の特徴が「''クラッシュ''」。
--車や壁に衝突するとクラッシュし、車が無残に破壊される様をリプレイで流すシーンに切り替わる。
--クラッシュすると被害額が表示され、事故した車の破損状態によって金額が変動する。
--「RenderWare」の特徴を最も活かしている部分でもあり、車の歪みは物理演算によって実際に歪ませている。そのためクラッシュのパターンは無限大にあるとも言える。
--ただし、レース上では単なるタイムロスに過ぎないので、できるだけクラッシュをしないように走行する必要がある。
--一定回数クラッシュするとBGMが変化する。変化までの回数はコースによって異なる。
--本作ではトラフィックの数が多いためか、[[ライバルがよくクラッシュする>バーンアウト パラダイス]]。トラフィックだけでなくライバルのクラッシュに巻き込まれないように警戒する必要がある。

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**評価点
-レースゲームとしての完成度は高い。
--ルール自体は至ってシンプルだし、操作性も悪くなく、特別な操作も必要ないので、初心者でも簡単にとっつきやすい。
--それぞれの車には性能の差がしっかりと設定されているため、車によってプレイスタイルが変わってくる。
--ブーストを使えば最高速度を超えて加速する為、疾走感を味わえる。

-幅広いプレイスタイルが可能。
--レースゲームとしては普通にプレイできる為、オーソドックスなプレイはもちろんの事、クラッシュ、被害総額というシステムを生かし無事故プレイといったプレイも可能。
--本作ではまだ「テイクダウン」は存在しないが、ライバルを押してトラフィックにぶつけてクラッシュさせる、所謂「疑似テイクダウン」が可能。
--これらの他にも、工夫次第で様々なプレイができる為、プレイする自由度が高いのも評価点。

-グラフィックは当時としては高水準。

-常時60fpsで動作するので非常に快適。その上処理落ちは皆無。

-RenderWareを上手く生かした演出。
--グラフィックや物理的な挙動、クラッシュ要素で肝心な部分である車の損傷も見事に表現できている。

-クラッシュのリプレイを観る事ができる。
--カメラや再生速度を変える事ができ、様々な角度でクラッシュを観察できる。
--リプレイのセーブも可能で、メニュー画面から自由に閲覧できる。

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**問題点
-アーケードを意識しているのか、ボリュームは薄め。
--メインのチャンピオンシップの数が6つしかなく、それだけをクリアするだけなら1~2時間程度で達成できる。
--操作できる車は隠し含めて全9台と少ない。
--コースは全16種あるが、コースが逆走だったり、''名前が違うだけのコース''((CliffhangerとCountry Chaos))があったりと水増ししており、実質なコース数は7つしかない。

-ゲーム内容の種類が少なくバリエーションに欠ける。
--本作でできる事はレースかタイムアタックかの実質二種類しかない。
--後のシリーズ特有であるロードレイジやクラッシュイベントもまだ存在していない。
--プレイの工夫次第で様々な楽しみ方こそは可能だが、それはユーザー次第である。

-ブーストが使いにくい。
--ブーストゲージがとにかく溜め辛い。判定が厳しい上に上昇量も少ない。
---コースによっては序盤から溜めきれるのもあるが、1周かけないと溜まらない所もある。
---ブーストを溜めきった状態でクラッシュしてしまうとゲージが半分になってしまい、また溜め直しになる。
--ブーストチェーンも難しく、チェーンをするには対向車線を長く走り続けた上でニアミスを重ねていく必要がある。

-レースが長い。
--全てのコースは3周走る必要がある。
--1周するのに2~3分もかかるコースが多く、ゴールするのに少なくとも5分以上はかかってしまう。1周1分程度で済むコースもあるが。
--特にマラソンコースが非常に長く、一周するだけでも5~7分もかかってしまう。つまり''ゴールするのに最低15分以上はかかる''ため、非常にめんどくさい。

-クラッシュのリプレイはセーブできるが、レースのリプレイはセーブできない。

-大型車は当然ながらレースとしては使い物にならない。
--大型車はハンドリングが非常に重く、加速も最低レベルなのでレースとしては全く向いていない((一応最高速度だけなら平均的だが。))。ランクが「''Special''」なのも納得がいくだろう。
--カーブが多いコースではトップでゴールするのはともかく、そもそも完走すら困難だったりする。
--また残念な事に[[一般車をゴミのように蹴散らしながら走行する>バーンアウト リベンジ]]事もできない((クラッシュはするが高速で小型車に衝突すればかなり吹き飛ばせる。))。狭い場所でトラフィックが出てくるとかなり邪魔。横から飛び出してくると確実にクラッシュする。

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**総評
元々アーケード専用だった『スリルドライブ』を家庭用として上手くアレンジして発売できた(海外のみだが)功績は大きいといえる。~
純粋なレースゲームとしての完成度も高く、プレイスタイルの幅が広く、更には事故によるスリル感も抜群に体験できる点などが海外ゲーマーからは高く評価された。~
シンプルで粗な部分もあるが、次回作からは大きく改善されていく事になる。~
シリーズとしても、レースゲームとしても「クライテリオン」(基準)級な完成度である。

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**余談
-開発初期のタイトルは『Driving Hero』だった。

-本作は1998年にアーケードで稼働したコナミの『[[スリルドライブ]]』に影響を受けて制作されたと言われている。
--理由としてはやはりゲームシステムが酷似している為。
--あちらとは違い、本作には人間そのものは存在しない((発売前のトレイラー映像では『バイオハザード』のタイトル画面のように人の目が写りこんでいた。))。
--因みにYouTubeでは本作と『スリルドライブ』をコラボさせた動画がいくつか投稿されている。

-本作はセガから『''グランドヒート''』という名称として国内で発売される予定があったのが中止となってしまった。
--本作は東京ゲームショウ2002にて展示されており、某ゲームメディアサイトでは当時の様子が映し出されていた。
--なお、『グランドヒート』のジャンルは「''スリルドライビングアクション''」であり、セガ側もあちらの存在は少なくとも把握していた事は窺える。
--しかしコナミ側も参加していた為、『スリルドライブ』を知る関係者が本作を目にし後にセガ側にクレームをつけて中止にさせたのではないかと考察されている。
--ただし発売中止になった理由としてはセガからは一切追及されていない為、現在でも謎のままである。
--次回作の『[[バーンアウト2>BURNOUT 2: POINT OF IMPACT]]』の日本版はサミーから無事発売された((海外は本作同様アクレイムがパブリッシャー。))。

-没データとして日本コース(と思われるもの)が存在する。
--日本コースのBGMは二種類とも完成されており、ゲームファイル内に存在している((BGM名は「J RockとMental Oriental」となっている。))。
--日本コースのアートワークが存在しており、「''魔風''」とデカデカと大きく書かれた緑の標識が描かれていた。
--『[[リベンジ>バーンアウト リベンジ]]』や『[[ドミネーター>バーンアウト ドミネーター]]』では日本人から見ても違和感がほとんどない程完成度が高かった日本コースが登場していたが、この時点ではちゃんとした知識があったのかどうかは不明。
--因みに『スリルドライブ』のコースもアメリカ、ヨーロッパ、日本だった。

-最初からスタッフロールを見ることができ、スタッフの集合写真を見るとこができる。

-『[[バーンアウト パラダイス]]』では本作のBGMの大半が収録されている。
--収録されたBGMは全てアレンジされており、BGM名も変更されている。
--その中には前述の日本コースのBGMまでが含まれており((J RockはTokyo Nightsという名称で収録されているが、Mental Orientalは未収録。))、過去作を知らないプレイヤーからは「初代から日本コースが存在していた」と勘違いしていたという((これは本作が国内未発売であったため、仕方のない事だが。))。

-RenderWareは他社へのライセンス貸与も行われており、同エンジンで作られたゲームも多く存在する。本作以前は他社採用例も希少だったが、本作と同年に発売された作品から採用例が大幅に増えている。

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