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ムーンクレスタ - (2012/11/29 (木) 16:43:22) の編集履歴(バックアップ)
ムーンクレスタ
【むーんくれすた】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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日本物産
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稼動開始日
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1980年
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ポイント
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クレスタシリーズのルーツ 敵の攻撃は体当たりのみ
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備考
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バーチャルコンソールアーケード:2010年3月9日/800Wiiポイント
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概要
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1980年にて日本物産がアーケードにリリースした、インベーダータイプの縦画面シューティング。
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後に同社から1985年にてリリースされヒットを飛ばす事となる『テラクレスタ』の設定上の前作にあたりが、システム周りはほとんど別物である。
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ついでに言えば、それまで日本物産がリリースしていたインベーダーのコピーゲーム『ムーンエイリアン』の系譜を踏んだムーンシリーズの最終作でもある。
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『ムーンエイリアン』はインベーダーコピーではあるものの、独自のシステムを得て差別化を図っている。
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一人~二人交互プレイ可能、全10ステージ構成(但し、敵を全滅させてもステージクリア表示はされない)、周回ループ制。
操作体系
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レバー+1ボタンを使用。レバーにて自機の左右移動(前後移動不可)、ボタンにてショットを放つ。
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ショットは当時のインベーダー系の例に漏れず、一画面につき一発しか発射できない。
ドッキングについて
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このゲームはあらかじめ「一号機」「二号機」「三号機」の3体の自機が存在し、ステージ始めはそのうちの一号機を操作する事となる。一号機がミスすると、待機していた二号機が出撃し、それもミスすれば三号機が出撃といった具合となる。
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ステージ4と8のクリア後は「ドッキング」という特殊行動となる。この行動は今操作している自機と後方に待機している自機を合体させる事が目的であり、敵は一切出現しない。
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ドッキング中の自機操作はレバーにて左右移動調整、ボタンは逆噴射となる。自機は強制的に待機中の自機側へと後方移動する性質があり、さらには左右移動中には通常にはない独特の慣性が働く為、それを踏まえた操作行う必要がある。また、逆噴射にてある程度は操作自機を前方に押し上げる事は可能。
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制限時間以内に操作自機と後方自機をぴったりと接続させる事ができれば合体の恩威(下記)とスコアボーナスが得られる。
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逆に、自機同士をあらぬ位置に接続させてしまうと操作自機側がミスとなってしまう(後方自機側はミスにはならない)。但し、一号機、二号機が合体した状態で三号機のドッキング(2回目)を行った際にミスすれば一~二号機のすべてが同時ミスとなり、三号機しか残らないという大きなペナルティがある。
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制限時間以内に一切の接続ができなかった場合は、合体とスコアボーナスは得られないもののミスにはならない(そのままの自機の状態を維持)。
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ドッキングを終えると、その成否に関わらず次のステージへ進む。
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一~三号機がすべて生き残っていると一周あたりのドッキングは2回発生するが、生存機が2体だけだとドッキングは1しか発生せず、1体しか生存していない場合はその周回では一切ドッキングは発生しない。
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一~三号機には性能差があり、使用している機体によっては使い勝手が若干変化する。以下その詳細。
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「一号機」…自機前方に一方向のショットを放て、やられ判定が3機中最も小さい。攻撃範囲の面では乏しいが敵が避けやすいというメリットを持つ。
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「二号機」…自機前方に二方向のショットを放て、やられ判定が一号機よりは若干大きい程度。高性能な攻撃範囲を持ち、最も使いやすい機体とされる。
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「三号機」…自機前方に二方向のショットを放てるが二号機よりはショットの幅が大きく、やられ判定が全機体中最も大きい。攻撃範囲は広いものの弾の隙間も広く、それでいてやられ判定の大きさ故にミスしやすく使い辛い機体とされる。
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「ドッキング形態」…「一号機+二号機」「二号機+三号機」「一号機+三号機」「3機全部合体」の4パターンがあり、攻撃判定の広さや弾の発射速度の速さといった高性能を持つ機体。但し、合体に三号機が絡む場合もある故にやられ判定も大きくなる弱点もある。
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そのステージをすべてクリアするとドッキング形態は解除され、再び単発の機体に戻った状態で次の周回スタートとなる。
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出現すると敵を殲滅させればそのステージはクリアとなる。但し、ステージによっては敵を逃してもクリアできる場合もある(隕石地帯)。
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このゲームの敵は一切の弾を放ってこないという特徴があり、敵の攻撃手段は自機に対する体当たりが主となる。その代わり、敵の動きはやけに変則的で行動が読み辛いというものがほとんどで、適当にショットを撃っていれば簡単に全滅できるような甘いバランスではない点に注意。
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残機制でステージ中にミスすれば倒した敵を除く敵すべての再戦状態での復活となる。すべての残機がなくなればゲームオーバーとなる。
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ミス条件は「自機が敵の体当たりに触れる」「ドッキング中に後方側の自機と誤接触してしまう」のいずれか。なお、ドッキング形態時でミスすると、先頭の機体が消滅する。
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特定のスコアを稼ぐとスコアエクシデンドとなり、3機一括でストックが増えるボーナスがある。このエクシデンドを得ると、最初に所持していた自機が全滅した後に、入れ替わりで3機が復活する形となり、いわば実質の強制コンティニューのクレジット増加と同じ効果がある。
特徴
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何といっても本作の最大の特徴は合体システムにあるといっても過言ではないだろう。このシステムは仕様を変えて後の関連作に受け継がれる事となる。
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ドッキング中は画面上にて、独特のフォントで「ドッキングせよ」の表示がされる演出がある。今見ると何とも滑稽な外観だが、当時としては十分に臨場感を醸し出していたのだ。
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ドッキングの難易度は慣れてしまえばさほど難しくはなく安定した合体が望めるが、最初のうちは操作が少々特殊なので思わぬミスをしてしまうかもしれない。
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ゲーム自体の難易度は、とにかく敵の動きが凄まじいまでのトリッキーさであるが故に、序盤から苦戦する要因を持っている。他のインベーダー系統のゲームと同じ感覚でプレイすると、即撃沈になる可能性も否定できない程に…。
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とはいえ、所詮は規定パターンでちょこまか動いているだけに過ぎないので、そこさえわかってしまえば大して理不尽な難しさではない。性能の高い二号機やドッキング状態は攻撃範囲が広いので、ある程度の火力任せな攻略は通用する。最も、周回を重ねると敵のスピードがとんでもない事態になるので、万年安定という訳にはいかないが…。
その他
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当時としは珍しく、自機出撃時やドッキング成功時などに専用のBGMが付いていた。前者は後のテラクレスタにてアレンジされて再収録される事となる。
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ハイスコアにてネームエントリーを入力できるのだが、これのデフォルト(ゲーム起動開始時)の文字が「日本物産株式会社」とゲーム内にて丸々と漢字で表示されている。しかも、ステージ中はハイスコアネームが常時表示される為、まだハイスコアが叩き出されていない状態でプレイするとニチブツネームを表示されたままのプレイを余儀なくされる。
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ちなみに本作は新日本企画(後のSNK)や米国のセガ・グレムリンのライセンス生産版もリリースされており、それらもメーカーの名前が初期ハイスコアとして表記されている。
総評
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どうもテラクレスタより知名度は低く、それ以前に前作である事自体があまり知られていない作品だが、他のインベーダー作品との差別化を図った試みは一部で評価されている模様。
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家庭用移植は割と多くされており、プレイする機会には恵まれている部類に入る。今はゲームアーカイブス版やバーチャルコンソール版が最も手に入れやすい環境となっている様だ。
家庭用移植
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オレたちゲーセン族 ムーンクレスタ?(プレイステーション2、2005年7月21日、ハムスター)
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家庭用としては唯一の単体移殖。開発元が良質メーカーなのが効して、地雷が多いこのシリーズにしては良移殖な部類に入る。
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オムニバスソフト