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Cardinal Syn - (2015/06/26 (金) 18:42:48) の編集履歴(バックアップ)


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Cardinal Syn

【かーでぃなる しん】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 プレイステーション(海外)
発売元 Sony Computer Entertainment America
開発元 989 Studios
発売日 1998年6月30日
備考 日本未発売
判定 なし

概要

  • クリティコム、Dark Rift(日本語版:スペーツダイナマイツ)に続く、クロノスデジタルエンタテインメントの3D武器格闘ゲーム。
  • ソウルキャリバー』の影響を色濃く受けている。全キャラクターが武器を持ち、斜め見下ろし視点で、360度自由に動き回る事ができる。
    • ステージにアイテムが落ちていたり、罠がしかけられていたりと言った要素もある。

ストーリー

様々な種族が住むブラッドランド。彼らは絶えず争いを繰り広げてきたが、ある時謎の人物が姿を現し、知識の書を読んで平和の大切さを説いた。全種族は初めて武器を持たずに集まり、平和のシンボルとしてアミュレットを掲げ、争いの日々に終止符を打った。それからどれだけの日々がたっただろう。謎の人物は「役目が来た」と言葉を残し、知識の書を巻物にして各種族に配った。謎の人物が姿を消すと、誓いは破られ再び争いの日々が訪れる。そんなさなか、アミュレットを掲げて一人の女が知識の書を収集した。女の名前はSyn。種族は再び平和な日々が訪れると信じていたが、彼女は知識の書を三本の剣に変え、その内容を剣に刻んだ。「全種族から最高の戦士を選出しろ。優勝者はブラッドランドを統治し、知識の書の秘密を知ることができるだろう。」 Synの言葉で各種族はそれぞれの最高の闘士を選抜し、再び争いを繰り広げた。このトーナメントによって7人の闘士が戦死し、1人の闘士が生き残った。が、彼もまたSynの魔力によって滅ぼされてしまう。 未だ種族同士の殺戮、Synのトーナメントは続いている。知識の剣を手に入れるため、各種族は再び最高の闘士を捧げた。

システム

  • 斜め見下ろし視点の360度3D格闘ゲーム。
    • 全体的に「ソウルエッジ」を劣化させたような内容だが、大きく異なるのは体力でキャラクターに付く血痕の量が変化したり、後述する即死コンボがあったりと「モータルコンバット」のような残虐要素があること、ステージ上にアイテムや罠などギミックがあること。
  • 使用可能キャラクターは8人の標準キャラクターと、それぞれのキャラに中ボス的なコンパチキャラ、ラスボス2種類を加えて16人。
    • コンパチキャラは基本的に元キャラクターの技コマンドを少し入れ替えたような程度だが、必殺技については差別化がなされている。
  • ステージに応じてトラップやアイテムが出現。接触する事でダメージを受けたり、特別な効果を発揮したりする。
    • ステージ上にランダムに配置される宝箱にアイテムが入っている。後述するマジックアタックのストックが増える「青ポーション」、体力を回復する「黄ポーション」、一時的に攻撃力が1.5倍になる「マジックソード」があるが、ダメージを食らう爆弾が入っていることもあるので注意。
  • タイミングよく入力することでコンボを弾くスタンブロック、攻撃を受け流すスタンスローなど従来の格闘ゲームに見られるようなシステムもある。
    • ガードをしすぎるとクラッシュするという、これまたよくあるシステムも導入されており、タイミングよくスタンブロック(スロー)を決めていく戦略となる。
  • 各キャラクターに即死コンボが用意されている。
    • 永久コンボと言う意味ではなく、最終ラウンドで特定のコンボルートの最後の一撃が当たると相手を即死させる技が発生する。この際、相手の首を飛ばしたり四肢をバラバラにしたりといった残虐演出があり、決めた瞬間に試合が終了する。
    • 最終ラウンド以外でも決めることで大ダメージを与えられる強力なコンボだが、いかんせんスキが大きくコンボルートも固定されているため見切られやすいという欠点もある。
    • チートを使用することで最終ラウンド以外でも即死させることができる。その場合次ラウンドで死んだキャラが復活している。

評価点

  • ストーリーやキャラ設定など、中世の雰囲気が色濃く出ている。
    • とくにオーケストラ調の壮大なBGMは優秀で、本作を象徴する要素と言っても過言ではない。
    • キャラクターには人間タイプの正統派もいれば妖精や狂人ピエロ、2人の男女が継ぎ接ぎされた人間や骨だけで出来た怪物など個性的。知識の書を平和のために手に入れようとするキャラもいれば自身の欲のためにトーナメントに参加するキャラもいたり、特定の種族同士の争いに決着をつけるために戦うキャラもいる。
    • 本作の持つ残虐要素も相まって、全体的にダークファンタジーのような世界観をかもしだしている。
  • ラスボス、Kronのインパクト
    • Synが進化したドラゴンのようなキャラクターだが、他のキャラよりも遥かに巨大であり、火を吐いたり空を飛んでステージ上を飛び回ったりなどラスボスとしてのインパクトが非常に高い。
    • 見晴らしのいいステージとBGMの完成度がマッチして、最終決戦にふさわしい内容になっている。
    • 巨大で強力ながら、隠しキャラでプレイヤーとして使用可能。操作に制約もなく、即死コンボもお手軽なので対人戦ではチート級の強さを誇る。
  • 北米産ながら、PS1用格闘ゲームとしての体裁は丁寧。
    • 鉄拳2のプラクティスモードにある10連コンボ練習そのまんまのコンボ練習が備わったトレーニングモード、バリエーションとしてチームバトルやサバイバルなどを搭載し、家庭用オリジナルながらコンシューマ格闘ゲームとして最低限のモードを備えている。隠し要素もあり、オートセーブやオートロードも搭載している。
      • これらは当時の日本のPS1格闘ゲームでは当たり前のことだが、北米産のPS1格闘ゲームは基本的にアーケードからのベタ移植作品で、家庭用として必要最低限のモードしか無かったり、隠し要素がほとんどなかったり、メモリーカードに対応していない作品が多かった。本作はPS1オリジナルの格闘ゲームであり、前年に販売されたモータルコンバット4や同時期に出たBio F.R.E.A.K.Sと比較してもそこそこ充実した内容となっている。

問題点

  • ゲームバランスは良くない。
    • 攻撃の速いキャラと遅いキャラで格差が開いてしまっている。それぞれのキャラが持つコンボも、振りの遅いキャラは見抜かれやすく途中でガードやスタンブロック出来てしまうという崩壊っぷり。
    • CPUも強めで、最弱設定でも3キャラ目あたりからガンガンスタンブロックを使ってくるようになる。
    • ラスボスのKron戦は時間制限がなく、長丁場になりがち。
  • 不要なマジックアタック
    • マジックアタックとは、戦闘中にアイテムを拾うことで使える魔法攻撃のこと。ほとんど性能が悪く、初期モーションが大きく回避しやすいため使い物にならない。
    • マジックアタックのストックを最初から1つ持っているキャラもいれば、マジックアタック自体がないキャラなど、微妙なところで差がでてしまっている。もっともあろうがなかろうがほとんど変わらないのだが。
  • 一部ステージの戦いにくさが尋常ではない
    • 代表的なものがMongoroのステージ。半円状の構成でマグマ側にはトゲトゲ、しかも至る所にマグマの流れる場所があり触れるとその場で倒れてしまう。全体的に狭く暗い洞窟でトロッコが走るMckriegのステージも戦いにくい。サーカスの回転床で戦うHecklarのステージについては視覚的に酔いやすい。
  • 救われないストーリーのキャラがいる
    • エンディングもキャラによってハッピーエンドだったりバッドエンドだったりする。シンを倒し自身の平和を取り戻した救われる展開もあれば、知識の書(剣)が災いして報われなかったキャラクターも。
  • 必ずついてまわる残虐要素。
    • 残虐要素はオプションで最低に出来ても完全に無しにすることは不可能。挿入されるムービーもキャラクターによって残酷な表現を含んでいるものがあり、避けるにはムービーをスキップするしかない。

総評

格闘ツールとしてはバランスが微妙だが、BGMも優秀でキャラクターデザインも王道ファンタジーで世界観はしっかり作られている。 ステージによってアイテムや罠が配置されている場所が異なるため、開始の時点で有利不利があるものの、純粋な格闘ゲームではなく3D対戦アクションと考えればそれほど不満な点にはならないだろう。 そんな本作だが、国内販売を画策していた事があり、東京ゲームショーに出品した事もある。だが、首切り四肢切断血しぶきなど残虐要素の高い本作は当然販売許可が下りず、海外専用タイトルになっている。本国ではSCEA(Sony Computer Entertainment America)が販売していたため、日本のSCEでも当然許可が下りると考えていたらしい。