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マリオカートWii - (2017/03/09 (木) 22:40:53) の編集履歴(バックアップ)


マリオカートWii

【まりおかーとうぃー】

ジャンル アクションレースゲーム
対応機種 Wii
発売・開発元 任天堂
発売日 2008年4月10日
定価 5,800円(税込)
プレイ人数 1~4人(Wi-Fi対戦時:2~12人)
セーブデータ 4個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント Wiiハンドルで直感的操作
快適かつ充実のオンライン対戦
バイク強すぎ、カート弱すぎ
通称「ファンキーバイクWii」
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

万人向けレースゲームの定番『マリオカート』シリーズ第6作。本作ではWiiリモコンをハンドルのように傾けてカーブを曲がる直感的な操作が可能になった。

特徴・評価点

  • Wiiハンドルによる直感的操作
    • 本作はWiiリモコンを横持ちで左右に傾けることによりハンドル操作を行うことができる。本体にはアタッチメント「Wiiハンドル」が付属しており、Wiiリモコンを横持ちの状態で取り付けることで、より持ちやすく、Bボタン(ジャンプボタン)を押しやすくなる。
      • これまでレースゲームをプレイしていると、カーブでコントローラーや自分の体まで一緒に傾けてしまうという光景はよくあったが、本作では実際にコントローラーを動かすことで操作が可能になった。これにより、ゲーム初心者でも直感的なプレイが可能になり、Wiiのコンセプトであったプレイの間口の拡大に成功した。
    • 他にもヌンチャク、クラシックコントローラー、GCコントローラによる従来通りのスティック操作にも対応している。Wiiハンドル操作とスティック操作の感覚はかなり異なるため、別作品をプレイしているような新鮮な感覚となる。
      • カジュアルに対戦する時はWiiハンドル、ストイックにタイムアタックを繰り返す時はコントローラー、とプレイスタイルによって使い分けることができる。
      • 基本的にはWiiハンドルのほうが操作がアバウトになるので難易度は高くなる。だがWi-Fi対戦などではハンドル操作の場合はハンドルのアイコンが付くため、あえてハンドル操作で上位を狙うというプレイも可能。
  • 新マシン「バイク」
    • 本作ではマシンをカートの他にバイクからも選ぶことができる。
    • バイクには「ウィリー」という独自アクションがあり、Wiiハンドルを振る(コントローラーの場合はボタン操作)ことでスピードが上がるウィリー状態になる。
  • ドリフトとミニターボの仕様
    • 初心者用の設定として「オートドリフト」がある。これはハンドルを切るだけで自動でドリフト状態になり、スピードを落とさずにカーブを曲がることができるというもの。ただしミニターボはできなくなる。
    • もちろん従来のジャンプから発動する「マニュアルドリフト」モードもある。
    • 本作のミニターボは『スーパーマリオカート』『マリオカートアドバンス』と同様、一定時間ドリフトし続けていると火花の色が変わり、ドリフトを解除するとターボするという仕様。曲がる方向にハンドルを切ると速く色が変わりやすくなる。
      • このため『マリオカートDS』で賛否を生んだ「直線ドリフト」*1はできない、もしくはやりにくくなっている。
  • 充実したWi-Fi機能
    • Wi-Fi対戦では最大12人でレースを走ることができる。『64』や『ダブルダッシュ』の4人*2、『DS』の8人を大きく上回る人数で、非常に賑やかかつ激しいレースを楽しめる。
      • ローカルプレイだと画面が分割されて狭くなってしまうが、Wi-Fi対戦だと広い画面を1人で使うことができるため、ゲームとしても相性が良い。
    • 『DS』と同じくフレンド対戦だけでなくランダム対戦にも対応。またレーティングシステムも採用されている。
    • 通常のVSモードに加えて、バトルモードも12人でプレイ可能。(バトルモードは2種類あるゲームが交互に行われる)
    • フレンド関係が飛躍的に向上しており、対戦中のフレンドがいれば、その次のレースからその対戦部屋に参加可能。
      • VS・バトルモード共に、自分のフレンドが対戦している部屋に「合流」で参加することが出来る。(そのため、部屋のLVが上昇傾向にある)
      • Wi-Fiに繋いで自分が走っていないときは、フレンドコード交換相手のコードも確認でき、オンライン状態も見ることが出来る。
      • また、フレンド限定部屋を作った際の部屋主が出来ることは多く、部屋主とさえコード交換していれば誰でも入ることが出来る。
      • フレンド限定部屋の中でコード未交換状態の気に入ったプレイヤーがいれば、レース終了後等にその人にコード交換依頼をすることも可能。
    • 2014年5月20日に任天堂がWi-Fiコネクションを終了したため、正規サーバーでのオンライン対戦は不可能になった。 *3
    • シリーズで初めて世界規模のタイムアタックランキングがゲーム上で行われていた。
    • 各コースのトップクラスのリプレイを誰でも閲覧&ダウンロード可能。
      • 自分のゴースト(タイムアタックのリプレイデータ)をフレンドコードを交換している者同士でやり取りができる。
      • フレンド、国内、世界のランキングと比較して自分のタイムのおおよそのランキング位置を見ることも可能。
    • 公式大会」が定期的に行われていた。
    • 内容は特定コースを特殊な状況で走るタイムアタックであるが、入賞すると名前(Mii)がランキングに掲載される。
  • 総勢25人のプレイヤーキャラクター
    • これまでのシリーズ最多となる25人から選べる。隠しキャラの中にはこれまでの『マリオ』のパーティーゲームでは登場しなかった意外な人選も含まれている。
    • またMiiをプレイヤーキャラクターとして選択することも可能。能力は設定された身長と体重によって変化する。

問題点・賛否両論点

  • 強すぎる一部のキャラクターとマシン
    • 『DS』に続いてキャラやマシンの性能差が激しい。特に強いのが「ファンキーコング」+「スーパーバウザー」(「ファンバウ」)や、「デイジー」+「マッハバイク」(「デジマ」)の組み合わせ。
    • キャラクターごとにマシン性能に上乗せするプラス補正があるのだが、主に最高速が補正される一部のキャラクターが強すぎる*4
      • 特に抜きんでているのがファンキーコング、次点にデイジー、さらにその下にロゼッタ。軽量級でもベビィデイジーが突出している。
  • 強すぎるハングオンバイク
    • バイクの中には「ハングオンタイプ」と呼ばれる特殊な仕様のマシンが存在する(スーパーバウザーやマッハバイク)。
      • 通常のカートやバイクはドリフト開始時に外に膨らむ性能なのだが、ハングオンの場合は逆に内に鋭く切れ込むように曲がる。このためインコースをつくことができ、通常のマシンよりも大きく有利な仕様である。
      • 爽快感のある走りを楽しめると好意的な意見もあるが、カートを選んだ場合とはあまりに性能やプレイ感覚が違いすぎてほとんど別のゲームになってしまっているという批判もある。
    • ハングオンは最高速が高いマシンも多いので、「速い・曲がる・重い」と欠点のない最強マシンになってしまっている*5
    • さらにバイク特有のアクション「ウィリー」が発動するだけで最高速度が15%上がる*6*7と強力すぎるのも拍車をかけている。
      • ウィリー中はほとんどステアリング操作が効かなくなるため長い直線でしか使えない、接触時に大きく弾き飛ばされる、という弱点があるのだが、ウィリーはジャンプで簡単に解除できるため、実質的にデメリットがほとんどない。回数制限などもなく連続して使うことも可能。したがって、激しいカーブ以外では常にウィリーで走るというプレイが可能になってしまい、ウィリーができないカートとの差が大きく広がることになった。
    • カートにも一応固有のアクション「スーパーミニターボ」がある。長い時間ドリフトし続けると通常のミニターボよりもさらに効果の高いミニターボを出せると言うもの。しかしこちらは長いカーブがなければ発動することが出来ず、バイクほどの有効性が無い。
    • 以上のアンバランスなキャラ性能から、Wi-Fiの高レート対戦やタイムアタックランキングの上位がファンキーコング+スーパーバウザーだらけになるという自体が起き、「ファンキーバイクWii」と揶揄されることになった。
      • 「マリオカート」なのにカートが活躍できないというバランス調整に不満を持ったプレイヤーが多かった。また本作の2つの目玉要素である「バイク」と「Wiiハンドル」はそれぞれ合致しておらず、チグハグな印象も受ける。
  • ロスポイントの多さ
    • 今作からアイテム(特に甲羅)によるダメージロスが大きくなっており、『ダブルダッシュ』や『DS』に比べ加速性能が全体的に優れておらず、復帰まで時間がかかるのでCOM対戦ではストレスが溜まる。
      • 対人戦では逆転がしやすくなった為、一概に悪いとは言えないが、キャラクターやマシンの為にやるCOM戦では害悪以外の何物でもない。
    • コースから落下するポイントも多く、コースを完全に把握しておかないとすぐに落ちてしまうため、差が付きやすい。
      • また落下点が多い=今作のアイテムの影響が非常に大きい。アイテム→落下→大幅ロスはもはや日常茶飯事。レースとは一体何なのか。
      • 基本的にアイテム攻撃を受けると例えダッシュ板等の上であろうとダメージを受けそのまま落下してしまうので、全体的にアイテムの効果が強力になっており、運要素が占めており、実力があっても意味をなさない。
    • 本作ではグランプリモードで好成績(1つ星以上など)を収めないと解禁されない隠しキャラがいるが、運要素の強さから高難易度のモードで好成績を収めるのが難しくなっている。
+ 詳細
  • 上記のとおり、落下ポイントが多いので、基本的にアイテム攻撃を受けると例えダッシュ板等の上であろうとダメージを受け、
    ダッシュ板等の効果を得られずそのまま落下してしまうことも多々ある。
    よって、シリーズでおなじみの1位だけをほぼ確実に被弾させる「トゲゾーのこうら」や全体に強大な効果のある「サンダー」が今までよりも脅威になっている。なのに出る確率が大幅に上がっており、下位組は必ずと言っていいほど引き当てる事が可能。それを利用した嫌がらせが出てくる程。
  • 初登場ながら全体に効果があり、コースの設置物などを利用しない限り完全には回避することができない「POWブロック」。
    • この「POWブロック」は地上の相手のアイテムを確実に落とすため、ノーアイテムでかつ直線上の時はウィリー動作連打で何とかなるが、アイテム持ちの場合は防御手段を失い、カーブ近くでは操作が不安定、崖際だと最悪落下してしまうことも。
  • AC版に続いて登場している「カミナリぐも」がほとんどマイナスアイテムであること。
    所持している間はダート無視&最高速・加速が上昇したりするプラス効果が地味ながら存在するが、
    プラス効果が切れる際、その変わりに一定時間速度減少(0.7倍、潰れ状態と重なると0.49倍)のマイナス効果を及ぼす。
    また、マイナス効果を受けた際に所持アイテムを全て落としてしまうため、他プレイヤーから攻撃されやすい点も。
    他人に擦り付けたりすればいいのだが、そんなにうまくいくとは限らず、出現率がかなり高い上に出現する順位が広範囲*8だったりすることもあり、
    大概は「邪魔」なアイテムにしかならない。とくに曲がらないマシンとの相性は最悪。(妙な速度上昇があるため操作しづらくなる)
    また、wi-fi対戦ではラグにより、当たってないのにカミナリぐもが移る、
    逆に当たったのにカミナリぐもが移らないといった現象がたびたび発生し、非常にストレスが溜まる。
  • スピンターン
    • 停止した状態でアクセル+ブレーキをしばらく同時押しすると「スピンターン」状態になり、ターボをかけてスタートすることができる。
      • これにより加速性能が低いことが多い、重いマシン・高性能マシンがさらに有利になる。
  • バトルモードのオンラインレート(BR)がVSモードに比べてかなり上げにくい。
    • バトルモードでは全試合2チーム制のチームバトルなので、ポイントを稼いでチームに貢献したうえで自チームを勝利に導かなければならない。
    • 自分のレートによっては、全メンバー中で1位の成績であっても自チームが敗北してしまうとレートが下がる場合もある。
    • チームの勝利が鍵ということで、勝利するために相手側の高得点者を狙い打ちにするなどの戦略が必要になってくる。
  • 嫌がらせプレイの横行
    • 上記した様に今作はアイテムが非常に強力な上に、下位にいればほぼ確実と言っても良いほど「トゲゾー甲羅」や「サンダー」等を引き当てる事が出来る。
    • それを利用してひたすらアイテムボックスの位置で待機してアイテムだけを延々と連発してレースを台無しにするプレイヤーが大量に発生する結果になった。
      • これらはチート等とは違い、一切の不正行っていないので処罰する事も出来ずやる側にデメリットが無い為オンラインの過疎化にも影響した。

総評

誰でも簡単に遊べるレースゲームとしての面白さは相変わらず。Wiiハンドルによる直感的操作によってさらにライトユーザーにプレイしやすくなり、Wiiのソフトとしてもトップクラスの売上を記録した。カジュアルに大人数で遊べるゲームとしてはとりあえず一本持っていれば間違いがない作品であるといえるだろう。
一方でキャラやマシンの性能格差は『DS』から引き継がれてしまい、勝負にこだわる遊び方をしようとすると、ややバランスが悪いのは否めない。新要素のバイクはマンネリ打破の発想は良かったものの、練り込み不足を感じてしまう。 アイテムが強化され、逆転が起きやすくなったり、走る爽快感が大きく減少してしまったバランスも残念な所。